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ニセコのダチョウ牧場
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2016/08/09

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  • 第2有島だちょう牧場と有島さん

    だちょう牧場は第二有島という名前がついています。有島武郎さんという小説家が牧場の一部をかつて所有していたことに由来して名前が残りました。当時彼はたくさんの土地を持っていて、農民に貸してお金をもらっていました。このあたりの土地は農業を営むにはあまり良い環境ではなく、当時土地を借りていた農民たちの暮らしぶりも良くありませんでした。有島武郎さんはとても色々なことを考えたうえで、彼は所有していた土地を農民たちに無償で解放しました。彼はただ解放するだけではなく、農業をするために必要な空気や水や土地などの自然物は私有して自分の利益の為だけにつかうのではなく、人間全体の物であり、人間全体の役に立つようしなくてはいけないと言いました。また、分けられた人々はみんなで協力し、助け合って現在の困難な状況を越えながら、周囲に良い...第2有島だちょう牧場と有島さん

  • 牧場の取り組みをサステナ旅という番組で取り上げて頂けました

    先日TVhさんのサステナ旅という環境に配慮した観光を行う番組で、牧場のことを取り上げて頂きました。写真に写っているスギちゃんという芸人さんとNORDの舟木健さんという俳優さんがいらっしゃり、だちょうさんや牧場の事をお話ししました。サステナブルやSDGsという言葉が社会に浸透する前から、だちょうさんが環境に負荷をかけない畜産として有望ではないかと考え、取り組んできました。今までの経験で、他の畜産動物に比べて必要とする栄養が少ない上に、おからや捨てられる野菜くず、ビール粕等を効率良く消化吸収出来るだちょうさんに与える事で、より環境に優しい持続可能な畜産ができます。日本では「もったいない」という素晴らしい価値観を表す言葉があり、サステナブルやSDGsにとても親和性が高いと思うのですが、だちょうさんは無駄なエネル...牧場の取り組みをサステナ旅という番組で取り上げて頂けました

  • 子どもたちに伝えたい逃げる事の大切さについて

    「逃げる事の大切さについて」だちょうさんは逃げる事が得意です。何か異変を感じたり、周りの生物が走り出したりしたら、脇目も振らずに走り出します。だちょうさんは走り出した理由を思い出せないからバカだと言われる事もありますが、陸上生物で一番の長距離ランナーであるだちょうさんにとって、何故走るのか考えたり、異変を注意深く観察したりしている時間は無駄で、その間に走った方が、敵は疲れ果ててしまいますから安全です。だちょうさんはとても良い目で周囲を見渡し、問題を察知したらさっさと逃げ続ける事で、地球上で恐竜に近い最も古い鳥として生き延びてきました。“賢い”私達人間は、仕事の環境や人間関係のあれやこれやに悩まされた時、周りの目を気にしたり、将来への不安から今いる環境から離れる事に躊躇してしまいます。けれども、古くは孫氏の...子どもたちに伝えたい逃げる事の大切さについて

  • 十年前の今日、初めてブログを書きました。

    10年前の2013年7月22日に初めてブログを書きました。私はそれまでSNSで情報発信をしたことがなかったので、とても緊張していたことをよく覚えています。文章が短かったですね(笑)当時はくたびれたコンテナハウスに自動販売機を設置することになり、私はその販売準備を始めました。その一環としてだちょうさんの堆肥を利用した花壇を作り、観光にいらっしゃった方の眼を楽しませようと思いました。当時の牧場はダチョウの孵化や育てる技術の蓄積は進み、と畜して販売することができるようになりましたが、実際にどう進めていくのかが良いのか誰にも分からないでした。そもそも祖父を含めた一族にはダチョウという畜産を事業化して続けていくこと自体に関心が少なく、ダチョウ産業全体の先行きも暗くなっていて、祖父が現役を退いたらだちょうさんや牧場が...十年前の今日、初めてブログを書きました。

  • 生き物文化誌学会の学会誌に写真と文章を載せて頂きました。

    去年参加させて頂いた生き物文化誌学会の学会誌が最近出ました。牧場の写真を表紙に使って頂けました。秋篠宮殿下が理事を務める学会で、国立民族学博物館の教授等、御高名な方々に混じって、私の文章や参加させて頂いたシンポジウムの内容が載っています。とても興味深い学会であることを皆さんにお伝えしたかったので、私なりの解釈で生きもの文化誌学会のHP上にある説明を要約してみました。「生きもの文化誌学会では生き物と人の関わりを日常生活、文化、環境など様々な次元で探求しています。私たち人は生き物を食し、暮らしの中で様々に利用してきました。森は動物を養い、動物は植物の受精や種子の散布を助けるなど、私たち人間を含む生き物は互いに影響し合い、地球の環境を保っています。人は人だけでは生きていくことができません。さらに生き物は神話や伝...生き物文化誌学会の学会誌に写真と文章を載せて頂きました。

  • どうしてダチョウを飼っているのか

    「どうしてダチョウを飼っているの?」と良く聞かれます。最近は「だちょうさんが可愛いからです」と即答したくなります(笑)どうしてだちょうさんを飼うのかを答えようとするととても長くなってしまうのですが、今回はダチョウという動物を飼うことが持つ意義について書こうと思います。地球が急激に温暖化していることはご存じかと思いますが、5500万年前にも5-9℃急激に上昇した時期があるそうで、PETMと呼ばれています。地球の歴史から見たらごく短い数万年の間温暖化が続いたことにより、多くの生物の絶滅や生物の進化などが起こったものと考えられています。だちょうさんの祖先は鳥類から分化して7900万年といわれていて、その説が正しければ、この急激な気候変動時代も生き延びて現在に至っているようです。ダチョウという動物は人類が家畜化し...どうしてダチョウを飼っているのか

  • 命を頂く事について

    今年もだちょうさんの屠畜をして、お肉を作りました。私は卵から愛情を持って育て、敬意をもって接し、心も身体も健康に育て、だちょうさんが必要以上に苦しむことなく済むように、その死が無駄なく活かされるよう丁寧に屠畜して、美味しいお肉にすることを目指します。口で言うのは簡単ですが、毎日の積み重ねが大切で、お肉にするときに答えが出ます。私は必ず屠畜した日にお肉や心臓を食べ、必要以上に怯えさせずに屠畜が上手く行ったかどうか、血抜きが成功したかどうかを確かめます。屠畜の状況を振り返り、解体しながら、脂肪付き方や内臓の状態を確かめ、生育がどうであったか確かめます。生産者としての大切なデータなのですが、それ以外にもこういったお肉と向き合う時間は自分が生きている事、だちょうさんや様々な命に生かされていることを見つめ直す大切な...命を頂く事について

  • 重機を動かすときに思い出すこと

    今年も無事除雪のシーズンが終わりました。振り続ける雪を除雪する作業をしていると、10数年前に大型や大型特殊の免許を頂いた卒校式のことを思い出します。卒校式では校長先生から東日本大震災の事を聞かされました。震災では多くの建物や道路が壊れ、震災がれきの撤去等に重機による作業が長時間必要であった事。現場に多くの重機は有ったけれども、昼夜動かすにはオペレーターが足りなかった事。校長先生の涙がにじむ目と少しうわずった熱のこもった声から無念さを感じ、若い君たちに期待しているという言葉に宿る校長先生の使命感に心動かされました。あのお話が無ければ、重機を扱う事は技術を磨く貴重な機会と思えず、ただの作業になっていたようにと思います。ぬかるんでいたり、挟所であったりする難しい環境も克服できれば、いつか災害現場でお役に立てるか...重機を動かすときに思い出すこと

  • 寒いニセコでだちょうさんが大丈夫な理由

    アフリカの砂漠で現存しているだちょうさん。あまりにも気候の違う、ニセコのような寒いところで飼われているだちょうさんが大丈夫なのか心配になりますよね。私は雛がある程度大きくなったら暖房を使わずに育てています。なんとなくかわいそうに感じますよね。しかし、実は起源までさかのぼると寒いニセコでも大丈夫な理由が分かります。だちょうさんの祖先は恐竜から進化した小さな鳥でした。この鳥が恐竜の絶滅して天敵が減った地上で繁殖し、飛べなくなった鳥の一部がだちょうさんの祖先といわれています。そのだちょうさんの祖先がいたところがどこだと思いますか。きっと皆さんは何となくだちょうさんが現存しているアフリカ大陸かと思いますよね。人類はアフリカ大陸から拡大していったといわれていますし、何となく生物共通の起源と感じやすいのかもしれません...寒いニセコでだちょうさんが大丈夫な理由

  • 今日は食品ロス削減の日

    今日は食品ロス削減の日。牧場ではだちょうさんに出来るだけのびのび過ごしてもらいながら、その恵みとして卵を頂きます。濃厚飼料をたくさん与えて、照明を操作したり、飼料を制限したりして産ませるのではなく、草の栄養価が高く、日が長くなる時期に産んでもらいます。だちょうさんに負荷をかけず、仲間として長く生きてもらいたいと考えています。夏は完全に放牧し、自然に好きな相手と交配して産まれる卵はほぼ有精卵です。密になるほど多くは飼わず、環境からのストレスを減らし、本来持つ高い免疫力を保ち、抗生物質や薬剤を生涯使わないで育てます。実は私が牧場を手伝い始めた頃、卵を捨てる仕事がありました。卵を販売したり、孵化したりするには余ってしまっていたからです。使い方さえ間違わなければ美味しく食べられる卵であり、無駄にしない事を考えて、...今日は食品ロス削減の日

  • メディアと精神科病院にいる患者さん。

    最近は色々なメディアさんにとりあげて頂く機会が増えました。バラエティー番組や新聞等が様々な側面から取材してくださり、多くの方が牧場に関心を持っていただけてありがたいですね。今日はイッテQという番組にとりあげて頂いたのですが、多くの人が観られている番組だそうです。こういう機会を頂いた際は精神科病院で関わっていた患者さんが観てくれたら良いなと思います。私が勤めていた頃は保護室と呼ばれる部屋以外に個室はなく、個人のTVもない環境でしたから、食堂兼談話室のような広間で、看護師さんがチャンネルを決めていました。社会的入院と呼ばれる状況の方が多く、退院はもちろん、外出もほぼ出来ない方ばかり。家族とも疎遠な方々はこのコロナ禍で一層外の世界から離れてしまっているでしょう。私は守秘義務やプライバシーの観点から外で会っても話...メディアと精神科病院にいる患者さん。

  • 雛が孵る時期は死んでしまう子もいます。

    続々と雛が孵る時期は殻を破れず孵らない子や立てないまま衰弱していく子たちがいます。罪もない雛たちが、私に何かを問うような目つきで鳴き、もがきながら死んでいくさまを私は直視しなくてはいけません。数え切れないほどの彼らの死を見てきて、彼らに限らず、多くの命をいただきながら生かされている意味を問われる時期です。雛が孵る時期は死んでしまう子もいます。

  • 今日は有島農場無償解放から100年です

    7/18日は有島農場無償解放百周年にあたる日無償解放当時、有島武郎さんは多くの想いを農民に託しました。その後、ニセコ町では数々の新しい産業や試みが行われ、多くの挫折を経て、それでもなお、新たな試みが絶えず生まれ、助け合いながら、育まれ続けるニセコでは有島武郎が遺した「相互扶助」という言葉が大切にされてきました。これからも世界は変わっていくでしょうが、変わらずに大切にし続けていきたい価値ある言葉ですね。彼はまた自然は人類全体の共有する財産であり、自分の財産だからと無碍に扱う事がないようにと農民に戒めました。私もこの想いを大切に心に留めて、これからも淡々と勤めなくてはならないですね。写真は解放当時の農民が手彫りした手水鉢に花を飾らせて頂いたものです。当時の苦労された方々に想いを寄せられるように今年は飾らせて頂...今日は有島農場無償解放から100年です

  • 20数年だちょうさんのおやつ代は値上げしていません。

    値上げのニュースを良く聞きますね。皆さんも心悩ますことが多いでしょう。もうこれ以上聞きたくない方も多いのではないでしょうか。動物園などの施設が入館料や入園料を値上げしていますね。もちろんだちょう牧場にも様々な影響がありますが、おやつ代の値上げはしません。ちなみにだちょうさんのおやつはコーンです。こちらも高くなっています。お客さんがおやつやりをやりたいという声を受けて、餌箱を設置し始めてから20数年経ちますが、その間にコーンの価格は3倍になっています。そんな中、だちょう牧場のおやつの値段は変わっていません。実は内容量がまちまちだったものを数年前から量るようになり、量を増やしました。ただ、このサイレント値下げに気づく方はいらっしゃらず、たくさん入っているので二つはいらないとおっしゃるお客さんが増えた気がします...20数年だちょうさんのおやつ代は値上げしていません。

  • 幻のこいプリンについて

    人気商品「幻のこいプリン」にはこだわりがあります。今回はその名前の由来も交えて書こうと思います。そもそもこの牧場で生まれたダチョウ卵をプリンにしたかった理由はたくさんあります。①ダチョウ卵の細胞は全生物の中で一番が大きく、卵黄球の大きさから鶏卵以上になめらかでねっとりとした食感が得られるという研究結果がある。②ダチョウ卵を割ると中身が大量である点や凝固点が高い点などに配慮したレシピがないため、卵を美味しく調理できない可能性が高くその結果、「大味」「美味しくない」といった評価を得ている可能性がある。③日本全国の養鶏場に比べて圧倒的に飼養密度が低い環境で動物本来の力を発揮させる環境で育てていることの貴重な卵であり、「美味しくない」という評価になることは残念。④ダチョウ卵は鳥の卵の中では体の割に最も小さな卵でありなが...幻のこいプリンについて

  • 脱走しているけれどものびのびとしているだちょうさんと関わりながら感じたこと

    ボスに追われて脱走中ですが、のびのびしているだちょうさんの写真を撮りました。GWは牧場に来るお客さんが多いので、私はいつも忙しなく働いています。そんな中で、脱走しているだちょうさんを連れて帰らなくてはならなくなり、最初は焦りました。しかし、なかなか帰りたがらず、のびのびしているだちょうさんの姿を見ながらいつの間にか自分が日々に忙殺されて、自然を味わうことを忘れていた事を思い出しました。生き物飼いというのは思うようにいかないことが多いですが、それもまた面白いもので、気づきがありますね。GW明けは憂鬱になる子どもと大人が多いようですが、置かれた環境が辛いなら逃げ出すというのも良いかもしれません。だちょうさんは逃げることに特化して、現代まで生き延びてきた最も古い鳥の仲間です。逃げることは悪い事ではなく、生き延びて、何...脱走しているけれどものびのびとしているだちょうさんと関わりながら感じたこと

  • 祖父の死、百姓の矜持について

    札幌で長年農業をしていた私の祖父が亡くなりました。尊敬する人でした。100年以上続く農家を継ぎ、高度経済成長期には「どん百姓」と蔑まれたこともあったそうですが、懸命に私の父たちを育て、私たち孫にも愛情を注いでくれました。あまり言葉が達者ではない人でしたが愛情と責任感が強く、私の通っていた保育園の理事長や連合町内会の会長、札幌の農業委員会委員長など、私が幼いころから地域の顔役として忙しく働いていて、きっと大きな使命感のようなものを持っていたのだろうと思います。卒園式や入学式、成人式などにはなぜか何かの役職に就いているために貴賓席に座っていて、違う意味で緊張しました。その姿には戦後の貧しい時代から地域を発展させてきたという自負もあったと思います。当時は戦時中に接収された畑に作られた防空壕のがれきを片付けて、作物をつ...祖父の死、百姓の矜持について

  • 4月4日はどら焼きの日

    4月4日はどら焼きの日です。4と4が合わさり、4合わせ=仕合わせ(幸せ)となる語呂合わせから制定されたそうです。どら焼きの語源がそもそもお祝い事の際などに鳴らされる銅鑼の形から来ていることから縁起の良いお菓子とされています。そもそも幸せという文字は仕合わせの良い側面を表すために幸い(さいわい)の漢字が充てられました。本来の仕合わせは「為(仕)+合わせる」というもので、必ずしも良いことばかりを指す言葉ではなく、巡り合わせや運命、縁というような意味合いで「人間万事塞翁が馬」のような故事成語が近い言葉でした。目先の幸福ばかりに目を奪われがちな私たちにとって味わい深い意味ですね。牧場では手焼きしているので、どら焼きの生地の状態や生地を流す箇所毎の温度、焼き垢の程度、銅板の傾斜、その日の感覚の違いによってどうしても形に差...4月4日はどら焼きの日

  • 豊里という集落の片隅で一人の百姓が考えること(土香る会会報に載せて頂いた文章を転載します)

    先日、依頼があり、土香る会さんの会報に文章を寄稿させて頂いたのですがこちらにも転載します。「豊里という集落の片隅で一人の百姓が考えること」私が第2有島農園と呼ばれていた土地で牧場を手伝い始めたころ、豊里(有島第2農場跡地周辺)に住む人はとても少なくなっていました。集落にあった豊里神社は人口の減少によって管理できないと町の神社に合祀され、とうの昔に無くなっていました。そこにあった第2農場解放記念碑はニセコ町の中心部に移されていました。典型的な過疎化が進み消滅していく集落の一つであったように思えます。坂や崖が多く、狭い谷のような地形に多くの雪が積もるため春の雪解け水によって養分が多い表土が削られます。土は粘土質であることに加えて、標高が少し高いため地温が十分に上がらず、湿った空気によって霧も深くなり、野菜に虫害や病...豊里という集落の片隅で一人の百姓が考えること(土香る会会報に載せて頂いた文章を転載します)

  • ダチョウは頭が悪い?いいえ悪くないのではないでしょうか~ダチョウと相互扶助~

    ダチョウは頭が悪いとよく言われます。家族の顔を認識できないことがその理由にされます。雛を連れた群れ同士が交差すると雛が違う群れについて行ってしまうのです。しかし、これは本来のダチョウの生態を考えると理にかなっていることなのです。ダチョウは一羽のオスとメスが昼夜交替で卵を温め巣を守ります。そこには他のメスが卵を産みに来ます。オスとメスは自分の卵ではない卵も温めて孵します。自分の卵を内側に置いて、外側の卵を他の捕食者に狙わせて自分の卵の生存確率を上げるためと言われています。しかし、自分の家族の顔は認識できないのに卵は認識できるという点が不思議でこの説は牧場で検証してみたいと考えています。私の仮説ですが、ダチョウは良い縄張りを強いオスが守り、多くのメスが安心して産めるようにすることで種としての生存確率を高めているので...ダチョウは頭が悪い?いいえ悪くないのではないでしょうか~ダチョウと相互扶助~

  • ニセコ町のダチョウ牧場について(先日ニセコ町の広報誌に載せていただいた文章を転載しました)

    先日ニセコ町の広報誌に記事を書いてほしいとのことで書いた文章があり、ダチョウ牧場について分かりやすいかと思うのでこちらにも転載させていただきます。以下、掲載されたものを若干手直したものです。ニセコ町のはずれにあるダチョウが飼われている牧場をご存じですか?ここは30年ほど前に南アフリカでダチョウの輸出が解禁され、日本に限らず世界中でダチョウ産業が始まった頃に作られた牧場です。当時は粗食に耐え、ヘルシーで美味な赤身肉が取れる為、牛肉の代替えになるという事で脚光を浴び、北海道中で飼われていました。水資源もあまり使わない畜産という事で、外国では大きな牧場がありますが、いろいろな事情から日本ではダチョウ産業が盛り上がることはなく、次第に日本中から牧場が無くなっていきました。このダチョウ牧場も採算が取れない中、先行きも危う...ニセコ町のダチョウ牧場について(先日ニセコ町の広報誌に載せていただいた文章を転載しました)

  • ウクライナ侵攻とSNSの発展に伴うメンタルヘルスの危機について

    ウクライナ国旗は空の青と小麦や農業を表す黄色だそうです。写真はニセコアンヌプリを望む牧草の収穫を終えた丘の写真です。自然の恵みを享受し、感謝する同士としてウクライナの皆さんの安寧の日々が早く戻ることを祈ります。皆さんはこれからも長く続く可能性が高い不幸なニュースなどに心を痛め過ぎないよう気をつけて下さい。SNSの発展により新しい戦争が起こっています。東日本大震災当時、精神科病院のソーシャルワーカーとして悲惨な映像が人々にどのような影響を与えるのかを見てきました。状態が悪化し、入院に至った患者さんもいました。昨今のコロナウイルスがメンタルヘルスに影響を与え続けている事に加えて、戦争の悲惨な現実をつぶさに確認できるSNSの発展が青少年をはじめとした人々にどのような不調の種を撒いているのか、研究はまだ進んでいません。...ウクライナ侵攻とSNSの発展に伴うメンタルヘルスの危機について

  • ロシアのウクライナ侵攻と日々の営みの大切さについて

    ロシアのウクライナ侵攻が現実に起こる様子を様々な映像で見ました。SNSの発展によって戦争はこんなにも身近に感じられると同時に想像力や思いやり、俯瞰した視点がない主張を述べている方々に恐ろしさも感じます。どうか人々がこれ以上傷つけあい、分断され過ぎないことを祈ります。私は歴史的、地政学的な背景を鑑みると起こるべくして起きたような感覚も持っています。ロシアが置かれている状況をみると、日本が戦争に突き進んでいった状況にも若干似ているように思います。多角的に物事を捉え、悪者に見える一方を批判しているだけでは見えてこない複雑さを感じます。ゼレンスキー大統領の行動を始めウクライナ国民の行動はヒロイックでありつつも、国民が戦争に身をささげることへの異論が許されない戦時中の日本を想起させる危うさも感じました。ゼレンスキー大統領...ロシアのウクライナ侵攻と日々の営みの大切さについて

  • 今年もお世話になりました。

    今年も皆さんには大変お世話になりました。これまで牧場はチラシを作って配ったり、広告を出したりといったことはしていないので、純粋に皆さんの口コミのおかげでメディア様などにたくさん注目していただき、今日までやってこられていると思いますし、今年もたくさんのお客さんが来てくださって、大変ありがたかったです。まだまだ皆様に充分還元できてはおりませんが、関わってくださる皆様に楽しんでいただいたり、喜んでいただける牧場にしていくため努力していきたいと思いますので、今後とも皆さんのご協力のほどよろしくお願いいたします。最近は穀物などの値上がりに伴い、原材料や飼料、燃料の費用などが上がっていますが、おからやビール粕、余ったパンや貝殻などをたくさんいただいていることに加えて、皆さんがどら焼きやおやつをたくさん買ってくださったおかげ...今年もお世話になりました。

  • 修学旅行生にお肉を食べてもらい、いのちを頂くことについて授業をさせてもらい、学ばせてもらうありがたさ

    先日、怪我をしてしまった雛をスープにして学生さんに食べてもらいました。だちょうさんに実際に触れ合って、動物が生きている事を感じてもらったうえで、と畜場でと畜の方法を話します。そのあと、骨から煮込んでアクを丁寧に取ったスープを飲んでいただきました。私はアニマルウェルフェアや環境保護の観点を教えることはしますが、こうあるべきとは伝えてはいません。子どもたちに目を開いてもらうことを意識して話しています。普段何気なく過ごしていますが、食べるということについてや今私達が生きているという事について、自由に過ごし学べる喜び等を少しでも子どもたちに感じてもらえればと思いますが、こればかりは長い時間と良い経験が必要で、短い時間で押し付けることはできないですね。今回の子どもたちにも美味しいと食べてもらえて、なによりでした。この写真...修学旅行生にお肉を食べてもらい、いのちを頂くことについて授業をさせてもらい、学ばせてもらうありがたさ

  • 食品ロスとハチドリのひとしずく

    食品ロスとハチドリのひとしずく今日は食品ロス削減の日という事もあって、私たちの食品ロスについての考えを書きます。私たちのお店と工房で扱う食品は皆様のおかげで、コロナ禍で大変な時期も有りましたが、今年も食品ロスをほぼゼロにすることができました。だちょうさんのウインナーとフランクフルトも完売です。数が足りず、今受け入れている学生さんに食べていただけないのは残念ですが、多くの方に大切に食べて頂くことができたと満足しています。この取り組みはお肉やどら焼き等を自販機で販売し始めてからずっと続けてきました。工房を始めた頃は欠品ばかりしてしまい、ご迷惑をおかけしたのは大変申し訳無かったですし、種類も少ない為ご満足頂けない方もいたと思います。けれども、命を無駄にするようなもったいない事はしたくないという想いを大切にしている私を...食品ロスとハチドリのひとしずく

  • この森にはトトロがいるっていう子どもたちに教わることが多いです

    緊急事態宣言が解除され、感染予防対策を実施しながら学生さんの民泊や体験学習を受け入れ始めました。延期や中止の学校がある中で、道内のみとはいえ修学旅行が実施されます。一生に一度しかない修学旅行に良い学びや体験をしてもらえるように頑張ります。ひなと触れ合い、ぬくもりを感じてもらい、命を頂く事を感じてもらいます。そのほか、いも掘りや餌やりなど牧場の仕事もしました。写真はこの森にはトトロがいると友達と楽しそうに話している中学生の後ろ姿です。修学旅行で友達と何気なく話したことが、忘れられない良い思い出になっているかもしれないですね。ひなと触れ合ったり、農作業をしたり、森の中を散策したり。彼らにとってはかけがえのない大切な時間を共に過ごすことに以前よりもとても意義を感じていて、数多くの生徒さんの一人ではない関わりを大切にし...この森にはトトロがいるっていう子どもたちに教わることが多いです

  • 明日から学生さんが修学旅行などで研修に来てくれます。私の伝えられる限りのことを伝えたいと思います。

    この厳しいコロナ禍の中、子どもたちが研修や修学旅行先として牧場に訪れてくれます。子どもたちの安全を守りながら、学生たちにこういった機会を与えたいと懸命に考え、数々の問題を解決しながら、行動に移されている先生方をはじめとしたたくさんの方々のお蔭です。私はたくさんの方々の想いのバトンを受け取り、今伝えられる限りのことを学生さんたちに伝えたいと思います。皆さんにとってそうであるように、私にとっても修学旅行は忘れられない思い出です。特に忘れられないのは沖縄での思い出です。「ガマ」という防空壕として使われた自然の洞窟に入ったり、平和祈念公園に行ったり、沖縄の地上戦について学びました。その中で最も印象に残っているのは、ひめゆり学徒隊の方のお話です。「君たちは死なないで」と青年将校が学徒隊の女学生たちに話し、「この人は何と変...明日から学生さんが修学旅行などで研修に来てくれます。私の伝えられる限りのことを伝えたいと思います。

  • 写真のこと

    最近はWEB雑誌や旅行情報誌などに私の写真を使っていただける機会が増えました。ウェブ上の写真の閲覧数なども加えると単純計算で毎月10万人以上の方に見ていただけているようで少し嬉しい反面、努力が必要ですね。ただ、私は写真を撮ることは好きですが、あまりこだわらないようにしています。私の場合、拘ることが安いプライドを刺激して、表現の縛ってきたと感じるからです。高校時代、目に写るものをただ楽しく撮って、撮った人に写真を見せて、喜んでもらえることが嬉しかった時期。すぐに賞をたくさん頂くようになり、賞を頂く嬉しさを超えて、賞を獲ることにプレッシャーを感じ、認められる写真ばかり求めた時期。最後の大会の出品用に納得のいく作品が撮れました。もっともよい賞の候補にまでのぼったそうなのですが、その写真に著作権上の問題があるのではとい...写真のこと

  • 初恋とかき氷と甘くない思い出

    今年はかき氷を販売したいと思い、準備しています。小さな頃、雪に甘い蜜をかければかき氷になるのだと思いました。雪のように白い肌だった幼馴染の女の子に平均台の上で座りながら、世界の秘密を発見したかのように話す私。「私もそう思っていた」ときらきら笑ってくれた女の子。その時の記憶が忘れられないので、初恋だったのでしょうね。彼女とのエピソードはそれからもいろいろありましたが、太っていて、よく泣いていた私を見つけると「なんで泣いているんだデブ」と心配してくれました。デブというフレーズはいつも余計でしたが、とっても優しい女の子でした。私の中学校は残念ながら荒れていて、私を含めて多くの子どもたちに辛い思い出が作られました。今でこそ私は、与えられた思い出を肥やしにできて(多少ひねくれていますが)、そうはいかずに根を枯らしてしまう...初恋とかき氷と甘くない思い出

  • 時の流れとうつりかわる景色について

    羊蹄山のすそ野から上る朝日を浴びるロールと白樺の若木牧草ロールを作り、ラッピングすることは変わらない営みのようですけれど、近代に入ってからの景色。ロールが始まるまで、草はサイロに蓄えたり、かますをかぶせて乾燥させて、納屋などに保存されていました。この土地は北海道でも開拓が遅かった地域なので、ほんの100数十年前までは原始林が広がっていたと考えられます。しばらくは馬が耕し、畑作を行っていました。牧草地となったのはほんの30年程度前の話。大きな送電線も昔はなかった景色ですし、いつまでもあるとは思えない景色。今ここで写真を撮り、このブログを書いている私もただここに今いるだけで、この記録を未来の方がどう思うのか想像して書いています。今は景観の厄介者と思われがちな鉄塔も、将来は懐かしがられて、貴重だともてはやされる時代が...時の流れとうつりかわる景色について

  • コロナ禍の中で、精神科病院で働いていたころのことを思い出します。

    私は精神科病院のソーシャルワーカーでした。自分たちの意思では退院出来ない患者さんや通院している患者さん達との関わりは本当に多くの学びを与えてくれました。病院の倉庫から患者さんの数十年に及ぶ記録を引っ張り出して読み、関わりながら、患者さんのことを知ろうとした日々。大学で学び、理想として考えていたソーシャルワークと病院という組織や社会の現実に学ぶことの多い日々。今でも社会にはまだまだ解決されていない課題が多いことを実感しました。きっとこのコロナ禍の中、今まで以上に様々なことが制限され、病院全体が高い緊張状態でおおわれていて、そこにいる方々は皆大変なのだろうな想像すると胸が痛みます。病院中に染み渡っているように感じられた鬱屈とさせる空気から逃れたくて、私は閉鎖病棟を抜けだして、たびたび屋上から外を眺めていました。屋上...コロナ禍の中で、精神科病院で働いていたころのことを思い出します。

  • カフェをすることについて(喫茶去とだちょうさんについて)

    牧場には老若男女、様々な方がいらっしゃいます。ニセコという土地柄も有って、牧場には高級車からきれいな恰好で出てきて、お手伝いさんが子供の面倒を見てもらっているような方が来ます。両親からもらった100円を握りしめて、走り回ってエサやりを楽しんでいる子どもや一粒一粒を丁寧にあげるおばあさん、たくさんの袋を惜しげもなくあげる方。大集合することはあっても、だれに対しても一羽一羽のだちょうさんは同じ対応をしています。私は土日祝には牧場の敷地にある工房兼カフェを営業します。昨日もどら焼きを売りながら、カフェをしていました。この仕事に、とても学びがあるなぁと思っています。喫茶去という言葉が禅にあるそうです。高僧であっても、一度来ている修行僧であっても、初めてくる修行僧であっても区別せず、とりあえずお茶でもお飲みくださいと変わ...カフェをすることについて(喫茶去とだちょうさんについて)

  • 「おとなは、だれも、はじめは子供だった しかし、そのことを忘れずにいるおとなはいくらもいない」という言葉

    牧場のエサ箱に切り紙のダチョウが貼ってあります。これは亡くなったおじさんが切ったものです。子供が好きで、イベントや様々な機会に子供に切って見せて、驚かせたり楽しませたりすることが大好きな人でした。末期がんの病床にあっても、大きな体を小さく曲げて、繊細な切り紙を作り、病室を飾りつけてお見舞いに来る私たちに見せてくれました。きっと、お見舞いに来る私たちに暗い顔になってほしくなかったのでしょう。父親が単身赴任であまりいなかった私に、時に父親のように愛情を注いでくれ、この牧場で色々な遊びを教えてくれました。乗り物の限界速度についての色々な経験もさせてくれて、私のスピード感覚を少しおかしくなったのも、このおじさんのおかげです(笑)子供たちを楽しませることに全力で、私や兄弟、いとこたちもおじさんのことが大好きでした。ダチョ...「おとなは、だれも、はじめは子供だったしかし、そのことを忘れずにいるおとなはいくらもいない」という言葉

  • エゾノリュウキンカの花言葉は「必ず来る幸福」、水芭蕉の花言葉は「美しい思い出」

    去年、中学生からエゾノリュウキンカの花言葉を教えてもらいました。「必ず来る幸福」だそうです。この言葉を教えてもらってから、いつか皆さんにお伝えしたいと思ってきました。このブログをお読みの方々も大変な日々を過ごされていることと思います。花々は冬の長い厳しい時を耐え抜き、一斉に咲き誇ります。困難に耐え抜き、一生懸命生きているであろう皆さんにもっと頑張れということは出来ません。ただ、この花々の美しさをともに愛でたいなぁと思い、写真を撮り、ブログに書きました。エゾノリュウキンカの傍らに咲く、水芭蕉。花言葉は調べたところ「美しい思い出」だそうです。時には少しゆっくりしながら、楽しく美しい思い出に耽ることも良いのかもしれないと思います。今思い通りにいかなくても、それは将来大きな美しい花を咲かせるための根を伸ばす時間なのかも...エゾノリュウキンカの花言葉は「必ず来る幸福」、水芭蕉の花言葉は「美しい思い出」

  • 今年はだちょうさんをお肉を販売します。

    今年はだちょうさんのと畜をして、お肉をウインナーとして販売します。なぜお肉を売るのか。愛情を注いで、その命を頂くことについて。おかげさまで、お肉を売らなくてはだちょうさんを養えない経営状況は脱しました。コロナ禍においても、経費の削減を徹底し、経営の為にとだちょうさんをと畜しなくて済みました。ではなぜお肉にするのか。苦しんでと畜せず、愛情をこめて育て続ければ良いではないかと。けれども、それは出来ません。私はこの場所で多くの命と恵みを頂き過ぎました。出来るだけ愛情を注いで育て、丁寧に、恐怖を与えずにと畜しただちょうさんのお肉はとても美味しいこと。私は、これからも自然の中で多くの命を頂いて生きていかねばならないのだから、自分からこの業から目を背けてはならず、このだちょうさんや自然と向き合って、誠心誠意尽くして生きねば...今年はだちょうさんをお肉を販売します。

  • 学生さんに伝えているダチョウ産業のこと2 と畜について

    学生さんに伝えているダチョウ産業のこと。いつもたくさん話すことがあるので、どうしても伝えきれないのですがとても大切な事なので、ここに書いておきます。私はこの牧場を祖父が始めたころから、だちょうさんの肉を食べて育ちました。昔はと畜することは経済動物だから当然だと思って、何の疑問持たずにいましたし、牧場の仕事を始めた時も、経営状況を改善するためにたくさんのだちょうさんをと畜して、商談会などで売り込みました。当時は牧場の経営を改善して、続けていくことしか考えていなかったですし、と畜する自分が少し誇らしかったようにも思います。けれども、長くだちょうさんと過ごすうちに違う考えが沸いてきたのです。最初はだちょうさんのことをからかっているお客さんにむっとしたり、だちょうさんに変なことをされることを見ているとになんだかおもしろ...学生さんに伝えているダチョウ産業のこと2と畜について

  • ダチョウの美しさについての考察

    ダチョウという生物が家畜化された背景は他の家畜動物とは違います。主にヨーロッパの貴婦人達がダチョウの羽に美術的価値を見出し、その繁殖をアフリカで始めました。アフリカンブラックという品種を作り、美しい羽を多く得るための品種改良がおこなわれました。一時期は羽御殿がアフリカのオーツホーンという主産地に幾つも建ったそうです。家畜動物はいくつかの目的で品種改良されてきた歴史があります。人間に従順にするため、お肉を多くとるため、ミルクを多くとるため、早く走るため、毛を大量に取るため、愛玩性を増すため。品種改良の過程で、だいたいの家畜動物は生物学的な欠陥を抱えることになり、野生で生きていくことは難しくなります。サラブレットやダックスフンド、パグ。美しさや可愛さの奥に、人間が作り出した繊細にすぎる性質を含みます。ダチョウはどち...ダチョウの美しさについての考察

  • 子どもたちに伝えたいこと。人生を楽しむというささやかな幸せを味わうことの意味と意義

    私は昨日、ニセコ町の集会に参加して話を聞いてきました。環境に配慮した家づくりについての話でした。その話を聞いた後、その講演をしていた団体が小中学生向けにSDGsの冊子を無料で配っているという話をしました。意義のあることであると少し誇らしげに話されているように思えましたが、私はすこし悲しかったです。どうしてこんなにも子どもたちは、生きるだけでも尊いのに、数々の課題を与えられて生きなければならないのだろうと思います。日本経済の悪化、人口の減少、高齢化、社会保障費の増大、環境の悪化、貧富の差。生まれて、ものを考えられるようになったら、どこからでも入り込んできて、子どもたちの危機感をあおり、不安にさせること。全く子ども達のせいじゃないし、今生きている私たちにだって大きな責任はないのです。子どもたちに快楽主義的に生きるこ...子どもたちに伝えたいこと。人生を楽しむというささやかな幸せを味わうことの意味と意義

  • 2021/03/07

    オスが巣を作り守る季節です。私はオスの機嫌を見ながら、身を低くして卵を頂きます。だちょうさんがだちょうさんらしく有るためには、棒などで牽制して入ることはしていません。オスの自信をくじいてしまい、ストレスを感じ、巣作りや卵を守る行為、生殖行為をしなくなってしまうかもしれません。命は大切だ、食べ物は大事に頂きましょうという事は今更言われなくても分かっているよとお思いになられる方が多いかと思います。けれども、だちょうさん達と一緒に生活している中で、日々生きている事がとても尊いと心の芯までは分かっていないと教えられる自分を思うと、命は大切なんだよと伝えることをやめることは出来ないものです。お肉を売っていた頃から今まで、小売して頂いている方々のおかげも有りましてウインナーやどら焼き、牧場のカフェメニューの99.9%(袋の...2021/03/07

  • 牧場のことを伝える意味を、頂いた感想を通じて改めて考えました。

    牧場には多くの子どもたちが修学旅行や研修旅行先として来ます。私はだちょうさんのお世話をしてもらったり、えさやりを楽しんでもらいながら様々なことをお話しします。特に、ふ卵器の説明、だちょうさんと触れあう雛の世話、と畜について一連の流れの説明することはこの牧場の営みがよく伝わるものです。体験の最後や後日、子どもたちから感想をもらえます。これからの人生の為になったとか、これからはご飯を大事に食べるといった感想がもらえて嬉しいことが多いですね。その中で、印象に残った感想があり、今回ブログを書こうと思いました。私はこの感想を夏に読んでから、いつか皆さんに発信したいなと思っていました。この子どもが牧場体験にまっすぐ向き合ったこと、良い経験と気づきが短い牧場体験の中で得られたということがこの狭い感想欄いっぱいに感じられます。...牧場のことを伝える意味を、頂いた感想を通じて改めて考えました。

  • ニセコ観光需要の高まりが予想されてちょっと焦っていますが、だちょうさん達は元気いっぱいですね。

    どう思われるのかは皆さん次第ですが、今年のニセコは人がたくさん来るのではないかと思っています。理由は国内旅行の増加です。まず、政府は6月までに高齢者が2回ワクチンを接種できるようにする予定を立てています。このワクチンを打った層は旅行に出ることが考えられます。そのような中、政府からは国内旅行が推奨されるでしょうし、皆さんも海外に行かないでしょう。そうすると、ニセコのような少し外国風情がある場所は人気が出ます。また、温泉資源やきれいな景色、美味しい野菜にも定評があり、人々を誘います。次に、マイクロツーリズムの高まりです。札幌圏の方は2時間程度車の運転をして、ニセコに訪れることが多いのですが、この層は着実に増えるでしょう。国内旅行者は昨今、安価で安心できるようになった国外旅行に押されていたことやオーバーツーリズムの影...ニセコ観光需要の高まりが予想されてちょっと焦っていますが、だちょうさん達は元気いっぱいですね。

  • 坂村真民という方の冬がきたらという詩を冬になると読みます。このコロナ禍で苦しむ人々にも伝えたいと思い書きました。

    「冬がきたら」冬がきたら冬のことだけ思おう冬を遠ざけようとしたりしないでむしろすすんで冬のたましいにふれ冬のいのちにふれよう冬がきたら冬だけが持つ深さときびしさと静けさを知ろう(後略)この後にも詩は続いています。凍てつく朝、雪にまみれた小屋を雪かきし、手があまりの寒さで耐えられないほど痛みながら、だちょうさん達に餌をやります。命が全く感じられない寂莫とした世界で、喜びや楽しさを忘れてしまいそうになります。しかし、こうした厳しい冬の中にあって、ふと美しい風景や気づきに出会います。吹雪の中で垣間見えた羊蹄山の神々しい美しさ、張り詰めた静けさの中ではらりと舞い落ちる粉雪、凍り付いたハウスの表面に現れる氷裂の複雑で美しい模様。雪が積もらなければ、ふもとに素晴らしい湧水は湧かず、畑を休めることもできません。凍てつく寒さが...坂村真民という方の冬がきたらという詩を冬になると読みます。このコロナ禍で苦しむ人々にも伝えたいと思い書きました。

  • 学生さんに伝えているダチョウ産業のこと1 飼料について

    餌を与える学生さん達農業やダチョウ産業について学びに来てくれる学生さん達に体験してもらいながら伝えている内容ですが、実際に作業しながら限られた時間の中で説明するので伝えきれないことが多く、ブログに書いておくことにしました。読むのに時間はかかりますが、伝えたい内容なのでぜひ読んでみてください。2019年の食糧自給率は38%でした。今回はこの中で、お肉についてスポットを当ててお伝えします。まず、日本国内で消費されるお肉の50%強が外国産であり、国産のお肉を生産するための飼料もほとんど輸入に頼っています。飼料自給率を加味したカロリーベースの食料自給率では日本の畜産物は13%と言われています。牛肉は9%、豚肉は6%、鶏肉は8%、鶏卵は12%、牛乳・乳製品は25%となり、ほとんどの畜産物が外国産か外国の飼料が無くてはなら...学生さんに伝えているダチョウ産業のこと1飼料について

  • 子どもたちへ

    ダチョウ産業のことやアニマルウェルフェア、SDGs等、いっぱい伝えたいことを子どもたちに話していますが、一番伝えたい事は生きているって奇跡なんだよって事。どれだけ君たちが大切に育てられて来たのか、どれだけ愛されてきたのか、どれだけの命の上で生かされているのか。それが分かれば、きっとむやみに命を粗末にしたり、誰かを傷つけたりしない。まだまだちゃんと伝えられていない事ばかりで、私もまだまだ未熟だなぁと思う毎日ですか、君たちのまっすぐな目を見て、目を背けないでいられるように頑張るつもりです。だから、大きくなって立派になった姿をまた見せて欲しいです。もちろん立派になんかならないで、逃げて来たとしても、生きててくれたら私は嬉しいです。実はだちょうさんはずっと逃げることに特化したから現代まで生きてこられました。それって凄い...子どもたちへ

  • 生きねばならぬ

    今朝、また雛が死にました。前日朝に急に立てなくなりました。卵から孵らなかった雛や生まれても立つことが出来ずに死んでしまう雛。皆、手を尽くしても死に向かうと分かっていますが、私は世話をしながらその生き様を見続けます。生きることに一切の疑問も持たず、ただ生きたいと懸命に立とうと足掻きます。冷えて、ただの物質になってしまった彼らを抱えるたび、生きねばならぬと強く思います。死は常に近くにあり、私もそこに向かって歩き続けています。その道をどのようにであれ、彼らのように、懸命に進む事が出来ればと願っています。生きねばならぬ

  • お盆は亡くなっただちょうさん達のことを思い出す大切な時間です

    牧場にはお盆の時期、沢山のお客さんがいらっしゃいます。いつも以上に明るくて、楽しい笑い声が響く時期。ですが、いつ頃からか私だけは亡くなっただちょうさん達の事を思い出して、静かに偲ぶようになりました。経営の為と命を頂いた子、事故で死んでしまった子、冬に体調を崩した子。誰も知らないだちょうさん達の事を私だけは思い出して、感謝を伝えたいなぁと。生命力に満ちて、目をきらきらとさせた元気いっぱいなだちょうさん達がお客さん達に可愛いと言われたり、放牧場を走り回ったり、美味しそうにご飯を食べたりしていてくれる姿が本当に有難いことなのだとしみじみ感じながら、これからも幸せであれるようにできるだけの事をしたいなぁと思いながら、過ごしています。お盆は亡くなっただちょうさん達のことを思い出す大切な時間です

  • アカツメクサを摘んでいこう

    朝露で濡れたアカツメクサの柔らかい新芽をあの子に持っていこう小さく生まれて、良く生きたあの子にもう眠りがちで、明日には永遠に眠ってしまいそうなあの子に好きだったアカツメクサの新芽を摘んでいこうついばむ気力も、もうないかもしれないけれどせめてこれだけ、生まれてくれた感謝を伝えさせてねアカツメクサを摘んでいこう

  • 殻を破る

    雛が孵り始めましたどんどん生まれています。「殻を破る」今までの環境や方法を変えて、新しい事に挑戦する意味で使われる慣用句。ダチョウさんの雛達は必死に、今まで血管が通り、空気を補給していた殻を蹴り破って生まれます。中の膜と殻を破れないでいると、穏やかに死んでいきます。生と死は本当に近くに有って、雛達、卵達を通して、私は今生きている事のありがたさと生きる意味を考えさせられています。殻を破る

  • 希望の子

    卵の中でゆっくりと、でも着実に育つダチョウの有精卵たち今の私は、生命力を振り絞って、生まれようとする子達を見守るしかできません。卵の中で力尽きる子も多いです。そこに命が有った事、頑張って死んでいった事を私しか知らない子達。卵を使ったお菓子を作っているので、とても矛盾しているようですが、悲しむ自分がいます。この感情を昔はムリに押し込めていましたが、今ではあるがままに受け入れられるようになりました。悲しいものは悲しい。つらいことはつらい。それでもこの営みを続けていこうと思っています。ダチョウさんを育てる事は、とても学びの多く、価値がある大切な営みだと思います。ダチョウという動物は肉のために育てられている他の動物に比べて、環境に負荷をかけないです。牧場に観光でいらっしゃる方の一部がその事を知り、環境問題に目を向けるき...希望の子

  • 土を耕し、種を蒔くこと

    祖父と祖母、石拾いの間の休憩。牧場のオーナーである祖父は東京大空襲で焼け野原になった東京で、不発だった焼夷弾を燃料にして風呂を沸かし、コメを炊き、鍋底の焦げついたコメさえもごちそうだったそうです。戦争中、材木商の仕事でをしていた曽祖父をマラリアで亡くし、恩給もなく、女手一つで育てられた祖母。二人とも幼少期はいつもひもじい思いをしていたようです。自分の子供たちやその孫世代が飢えることがないように、この牧場の土地を買いました。そして、食肉としてのダチョウの可能性を感じ、祖父がダチョウを飼い始めました。それから二十数年、コツコツと牧場を耕しています。写真は木を倒して、新しく広げた畑の石ころや木の根を拾って、休憩している所です。祖母は足が悪いのですが、拾った木の枝を杖にしてコツコツ働いていました。孫に働かせているみたい...土を耕し、種を蒔くこと

  • 土を耕し、種を蒔くこと

    祖父と祖母、石拾いの間の休憩。牧場のオーナーである祖父は東京大空襲で焼け野原になった東京で、不発だった焼夷弾を燃料にして風呂を沸かし、コメを炊き、鍋底の焦げついたコメさえもごちそうだったそうです。戦争中、材木商の仕事でをしていた曽祖父をマラリアで亡くし、恩給もなく、女手一つで育てられた祖母。二人とも幼少期はいつもひもじい思いをしていたようです。自分の子供たちやその孫世代が飢えることがないように、この牧場の土地を買いました。そして、食肉としてのダチョウの可能性を感じ、祖父がダチョウを飼い始めました。それから二十数年、コツコツと牧場を耕しています。この二人の曲がった背中を見ていると、こちらはなんとも背筋が伸びる気がします。ニセコは観光業を生業にしている方が多く、コロナウイルスの影響で厳しい経営環境の人は多いです。け...土を耕し、種を蒔くこと

  • これからはブログの更新が不定期になります。

    ここ数日は数年ぶりに、ブログ更新に力を入れて過ごしたのですが、そろそろ本業に集中しないとならないです……今年はだちょうさんを卵から育てる予定なので、準備しなくてはならない事ばかり…雪解けが進み、お問い合わせが増えています。コロナウイルスの影響も、もちろん沢山ありまして、お店や牧場の準備をしっかりやらないといけないです😓笑もっとブログで伝えたいことはありますけれど、だちょうさん達をしっかり育てていくこと、その命から様々な物を頂くことが私の仕事です。ブログを読んでくれて、牧場に足を運んで下さる方もたまにいらっしゃるのですが、そういう方達と話したり、来て良かったと言ってもらえたりするのは本当にありがたいです。これからも時々は、ブログを更新しますので、またおつき合い頂ければ幸いです。最後に、コロナウイル...これからはブログの更新が不定期になります。

  • コロナウイルスを正しく恐れることの難しさ

    志村けんさんが亡くなりました。日本全体が大きな喪失感を感じています。コロナウイルスの恐ろしさがまだ良く分かっていなかった方に、改めて警鐘を鳴らしてくださったと言っている方もいます。悲しいことから何かを見いだそうとすることは大切です。ただ、志村けんさんは生きたかったでしょうし、生きて、これからもたくさんの笑いや喜びを作り出し、人生を楽しめたのです。死んでしまったら、その人の人生はそこまでなんです。そして、周りにはその人の死を悲しむ人が残されます。こうした悲劇を防ぐためには、正しい知識を得ることが大切だと思います。感染から自分や大切な人を守り、誰を傷つけない為に、正しく恐れて対策を取りたいですね。ただ、正しい知識、情報を見極めることは本当に難しいです。今、正しいと思えた情報も、明日には間違っているかもしれません。疾...コロナウイルスを正しく恐れることの難しさ

  • 人を癒すという事において、私は牧場の動物達には敵わない。

    最近、干し草を積んでいると猫が荷台に乗って来ます。ナツというメス猫で、保健所から連れて来ました。名前の理由は懐くから。ずいぶん安直だと本人に怒られそうですね。誰にでも甘え、お客さんにもついていく事があります。修学旅行で民泊中の学生さん達の真ん中で寝そべって、作業の手を止めさせて、撫でられているところを良く見かけます。今日は天気が良かったので、餌やりが終わった頃には寝てしまってました。気持ち良さそうですねぇ。はっきりとした歳は分からず、いつまで元気なのか分かりません。これからもゆっくりとした時間を過ごしていってもらいたいですねぇ。アニマルセラピーという言葉がありますが、癒すという事においては、この子は本当に優秀なセラピストだなぁと思います。人の温もりを求めて寄っていき、人の心にすぐ入り込み、出会った人を笑顔にする...人を癒すという事において、私は牧場の動物達には敵わない。

  • 二つ良いことさてないものよ3

    ニセコの朝はまだ寒いです。こういう朝は雪が固く締まっているので、普段は入れない木々の間に靴のまま入って行けます。同じ白樺の木を撮るにしても、位置を変えて見れば全く印象が変わって面白いですよね。高校時代、写真で運良く全道最優秀賞や優秀賞を取り、そのせいで、しばらく写真の面白さを見失い、悶々と悩み、写真が全く楽しめなかった時があります。あれから十年以上経ち、最近は純粋に楽しんでいます。カメラはいつもスマホや初心者向けのデジタル一眼レフで気の向くまま撮るようにしています。その時に心動くまま、パシャパシャと写す喜びは代え難いですねぇ。こういう社会が暗い時、人は抑圧されてしまいます。脳が不安を感じ、眠れなくて、悩んでしまったり、自分を傷つけてしまったりしがちです。でも、悪いことばかりではないと思います。抑圧されたエネルギ...二つ良いことさてないものよ3

  • メディアとのかかわり方

    先日、北海道新聞の取材を受けました。その他、テレビ番組の宣伝動画ができたという連絡を受け、牧場のSNSにて報告しました。それ以外にも旅行雑誌の内容確認、インターネットメディア記事の内容確認などをしました。牧場のことを多くの方に知っていただくことはとても大切です。本当に各メディアの方々にはお世話になっています。決して慢心してはいけないですし、牧場の事を気にかけて下さっている方々に情報を発信することは大切だと思っています。ですが、伝えたいことが伝えられているのかは自信がありません。ここ数年の課題です。注目され無くなればそれまでなのですから、悩んでも仕方ないことです。それでも、牧場の持っている公共性と私達の理想を両立させる方法を常に考え、見直して行かないといけません。記事や内容確認には本当に気を遣います。最近ブログに...メディアとのかかわり方

  • 今を生きる動物たち

    この頃はコロナウイルスの影響で、とても暗い雰囲気が世界を覆っていますね。こういう時、現実に亡くなっていく人を思うと心が暗くなるものです。優しい人は特にそうなりがちです。どうしても、何もできない自分、無力な自分に鬱々としてしまいます。2011年の東日本大震災の頃、精神科病院で働いていたのですが、うつ病が悪化した患者さんの入院を対応したことがあります。最初に入院した時に対応してからのお付き合いでしたが、東日本大震災を思い出すたびにその人のことを思い出すくらい、とても印象に残っています。毎日テレビで流される悲惨なニュースを見続けることで心を痛めていました。今、あの方に会えたらどんなことを伝えたいかと考えながら書いています。この世の中には変えられることと変えられないことがあります。人間には想像力があり、多くの困難に打ち...今を生きる動物たち

  • 「もったいない」と「サスティナブル」

    日本には「もったいない」という素晴らしい言葉がありますよね。「もったいない」は物質やエネルギーがちゃんと価値ある使い方をされているかどうかをはかる個人のものさしだと思います。個人のものさしですから、人それぞれです。私は100%配合飼料で育てていただちょうさんの餌を見直して、何年か前におからをもらうようになりました。燃料代の方が高いと言われた事があります。当時はムッとしました。私はだちょうさんにとって良く、産廃として処理されるよりも良いと思ってました。ですが今は、コストや手に入れるためのエネルギーロスについての視点も必要だと教えてもらえたのだと感謝しています。今、だちょうさんは廃棄される予定のおからの他、野菜くず、パン、ビール粕、貝殻、ぬかなどをもらって来ています。その時、余計な労力やコストがかからないように、何...「もったいない」と「サスティナブル」

  • 君よ、春が来るのだ。という有島武郎さんの言葉

    君よ、春が来るのだ。冬の後には春が来るのだ。君の上にも確かに、正しく、力強く、永久の春が微笑めよかし…僕はただそう心から祈る。有島武郎小説家出典:有島武郎「小さき者へ・生れ出づる悩み」牧場ある土地の所有者だった有島武郎さんの書いた一節です。毎年、厳しい冬を過ごしながら良く思い出す一節です。今年は、コロナウイルスで苦しんでいる多くの人々に伝えたい言葉です。早く雪が解けてくれないかなあと毎日待っているだちょうさん達君よ、春が来るのだ。という有島武郎さんの言葉

  • 二つ良いことさてないものよ2

    今日も天気が良く、だちょうさんは元気です。卵もどんどん生まれていて、今年はふ化をしようと思っているのでとても心強いですね。前回書いたブログで二つ良いことさてないものよという話をしましたが、今回もそういう話をしようと思います。ふ化させる卵は、放牧を開始してからの卵を集めようと思っています。春先の栄養が豊富で、美味しい草の栄養を蓄えた卵をふ化させると、健康に育ちやすいからです。ただ、この季節は多くの卵が必要になります。卵を使った幻のこいプリンという商品がお客さんに人気で、GWは卵がなくなるのです。ですが、今年はコロナウイルスの影響で観光のお客さんが減ることが見込まれるので、思い切って卵を確保することができそうなのです。例年ならば、売り上げのことを考えるとなかなか決断できないことですが、今年は売り上げの減少が見込まれ...二つ良いことさてないものよ2

  • 二つ良いことさてないものよといいますが、だちょうさんが元気いっぱいということは喧嘩も多くなるということで……

    今年は暖かい冬で、春も早まっていますね。だちょうさんは卵を例年よりもたくさん産んでくれています。体つきも良い子が多いので、去年よりも栄養管理が上手くいったからかなあと、少し嬉しいです。しかし、二つ良いことさてないものよ。春はオス同士のけんかが起こる時期なのですが、例年は仲良くしているオス同士が今年は大ゲンカ。小屋から逃げ出して途方に暮れている喧嘩に負けた子を小屋に戻すことが最近何度もあります。別居させながら、関係の改善を目指しています。ただ、今年のオスは元気すぎて、合流させると弱い方の子がすぐ追い出されてしまいます。小屋の周りに連れて帰るとき、慰めるようなことを言いながら、ゆっくり後ろから付き添って戻すのですが、一人で過ごしている様子を見ていると淋しい気がします。春先の興奮状態が少し落ち着くまで、気を付けて世話...二つ良いことさてないものよといいますが、だちょうさんが元気いっぱいということは喧嘩も多くなるということで……

  • 牧場の軽トラックがニセコで一番汚い軽トラックかもしれませんが私とだちょうさんは大好きです。

    私が普段乗り回している軽トラックは汚いです。毎日、雪解けで泥だらけの牧場の中やニセコ町内を走り回っています。毎日、干し草やおから、ぬかなどをたくさん積んで走るので、荷台はとても汚いです。夏は舗装されていない牧場の敷地の中を走り回るので、足回りのパーツは無くなっています。この軽トラックが新しかった頃、放牧地で牛やダチョウに体当たりされたへこみが特徴的で、さすが牧場の軽トラックらしい味があるなぁと思います。その他にもいろいろなエピソードをこの車は与えてくれました。今ではちょっと有名になった俳優さんをこの車の荷台に乗せて、だちょうさんに追い掛け回されたことも忘れられない楽しい思い出です。だちょうさん達にとってもこの軽トラックは特別です。いつも何か美味しいものが沢山積んである白い奴、と分かっているのでしょう。小屋の前に...牧場の軽トラックがニセコで一番汚い軽トラックかもしれませんが私とだちょうさんは大好きです。

  • ダチョウはまだ20年早かったと言われて

    「ダチョウはまだ20年早かった」ダチョウ牧場を閉じた方が私に言いました。もともとは農機具のメーカーを一代で築いた方で、ダチョウの飼育方法に関してもとても熱心に研究され、世界中の牧場を見て回った方でした。ダチョウの血統、体重の増減、飼料の研究、加工品の研究や観光牧場の経営などで学ぶべき点がとても多い方でした。残念なことに、その方は病気になってしまったためにダチョウの生産をやめてしまいました。その方と出会ったのは、私がダチョウ飼育を始めた時で、冒頭の言葉を聞いて、「今から何年後にダチョウの時代になるのだろう、私にできるだろうか」と不安になりました。当時から、北海道にダチョウ牧場はほとんど無くなっており、育成もと畜も私達の牧場しかやっていませんでした。私がダチョウ牧場に携わったときは本当に何もかもが手探りで、経営的に...ダチョウはまだ20年早かったと言われて

  • しばれる朝

    とても寒い事や水が凍ることを北海道では「しばれる」といいます。今朝はとてもしばれる朝でした。外に出ると、窓ガラスや外壁に氷の模様が出来ています。その複雑で繊細な造形は美しいです。寒ければ寒いほど、尖り広がって、美しい不思議な模様。その他にも樹氷や澄んだ空気、温度差によって川から立ちのぼる霧。冬の朝の景色は本当に美しいです。しかし、同時に恐ろしい景色です。動物の命を簡単に奪う、過酷な寒さ。抵抗力を奪い、体力を奪い、命を奪うのです。この時期の朝、だちょうさんの小屋に行くのはいつも怖いです。風邪を引いていないだろうか、食欲が無くなっていないだろうか。しばれる朝の寒さは、私をこのうえなく引き締めてくれます。しばれる朝

  • 動物が幸せを感じるときという本と著者について

    テンプルグランディンという人が著者です。自閉症の方です。自閉症とは発達障害の一種で、ハンディキャップととられる事が多いです。しかし、彼女の持つ人格や自閉症の性質を生かす事で大変素晴らしい功績を残しています。私が大学生の頃、自閉症の勉強のために読んだこの方の別の本は、今でも鮮明に覚えています。自閉症や児童精神福祉に興味を持ち、勉強したはずが、現在こういう仕事に就いているのですから不思議なものです。と畜の現状と問題点を指摘し、動物の視点に立った考え方を知り、その事は私の今の仕事において、指針となっています。現場で動物と接すれば接するほどに彼女の考え方が良く理解出来るようになってきます。とても内容が深いので、是非興味があれば読んで貰いたいです。アニマルウェルフェアの考え方が浸透していない日本では、私のような飼育者やと...動物が幸せを感じるときという本と著者について

  • うららちゃんの外出前と後の変化

    私が来たら、いつも目がキラキラします。早く出してぇとハムハムしてきます!外に出して手綱を放すと、さっきまでの表情から一変。暴れん坊になって突進してきます!不用意に近づけば、蹴られそうな迫力です。ちょっと豹変しすぎじゃない?😓うららちゃんの外出前と後の変化

  • 同じ格好でだちょうさんと関わることについて

    だちょうさんと関わる時はいつも同じ格好が大切です。人間と違って動物は着替えないですよね。違う格好、違う匂い、違う大きさ。違和感を感じるとだちょうさんは興奮してしまいます。昔、いつもと違う格好をしてダチョウ舎の掃除に入り、大変痛い思いをしました。冬は、発情期に入ってもおかしくないので、特に危ないです。発情し始めると、だちょうさんは縄張りを守る意識が高まり、知らない存在や邪魔者を追い払おうとします。昔に比べると、顔や雰囲気でなんとなく私だと察してくれているようですが、気の緩みは油断大敵です。思えば蹴られた時、私は油断していました。あの時は本当に死ぬかと思いましたが、大変勉強になりました。相手の立場に立って、相手の事を良く考えて接することは本当に大切ですね。同じ格好でだちょうさんと関わることについて

  • 去年の振り返りと来年への抱負

    去年も多くの人やだちょうさん達に支えられて、とても充実した幸せな日々を過ごす事が出来ました。皆さんには本当に感謝です!!お菓子工房が2年目に入り、少し余裕が出来ましたし(繁忙期はいつも在庫切れになる事に諦めがついたから?笑)、新しい出会い、新たな試みなど、大変満足な1年でした。私の周りから見たら、絶対にツッコまれてしまうでしょうけれども…私の中では100点です!失敗は沢山有りますが、改良出来る点が発見出来たという事でどちらかといえばプラスだと思いこみます(^-^)!ポンコツな私の限界を無理に越えようとせず、楽しみながら働けた事が良かったですねー。今年は挑戦の年にしようと思っていて、今から大変な予感がチラチラ頭をよぎりますが、まあなんとかなるでしょう!だちょうさん達の健康とブログを読んでくださる方々の幸せを祈って...去年の振り返りと来年への抱負

  • 鐘の鳴る丘と石井十次

    牧場を始めたオーナーである祖父は、どこからともなく鐘を譲り受け牧場に設置しました。HAPPYBELLと名付けられて、牧場を見下ろす高いところに置かれた鐘を。私やいとこたちは良く鳴らして遊びました。その後、祖父の何気ない話の中で、戦後すぐの頃、「鐘の鳴る丘」というラジオドラマが好きだったという話を聞かされました。「鐘の鳴る丘」というドラマが気になったので調べてみました。衝撃を受けました。なぜなら、そのストーリーに描かれた境遇に似た石井十次という人物を知ったことが、私の社会福祉の勉強を始めるきっかけだったからです。空襲により家も親も失った戦災孤児たちが街にあふれていた時代、復員してきた主人公が孤児たちと知り合い、やがて信州の山里で共同生活を始め、明るく強く生きていくさまを描く「鐘の鳴る丘」というのがドラマの内容です...鐘の鳴る丘と石井十次

  • 蛇口も凍る寒さですが、だちょうさんは元気です。

    寒さでだちょうさんの飲み水や蛇口も凍るようになりました。水道の凍結も心配な季節です。この時期、牧場のだちょうさんは大丈夫なのか毎年聞かれます。大丈夫なんです!!意外な事ですが、だちょうさんは寒さに強いんですよ。これは、この動物が数万年生きてきていて、もっと地球が寒かった時代も乗り越えてきた事が関係しています。ただし、冬は代謝するエネルギーが高いので沢山エサを与えなくてはいけません!しかも、日照時間が減り、太陽光からビタミンを作る時間も少なくなっているので、ちゃんと栄養バランスが整っていないと腸内細菌が活発に働かなかったり、水を飲み過ぎて体を冷やしたりします。特に飲水管理は注意が必要です。だちょうさんは元々乾燥地域に住んでいました。雨が全く降らず飲み水がない環境でも生きてこられたのです。そういった生態を理解してい...蛇口も凍る寒さですが、だちょうさんは元気です。

  • 冬季の餌やり体験ガイドツアーを開始しました。

    牧場には冬期間でもだちょうさんを見たいというお客さんがときどきいらっしゃっていました。ですが、ご自由に見学は出来ませんでした。なぜなら、冬季間は渡り鳥の季節で鳥インフルエンザなどの疫病を防ぐ必要があるためです。不特定多数のお客様が勝手にだちょう舎に入ってしまうのは避けなくてはいけません。特にニセコは鳥インフルエンザが猛威を振るうアジアからの外国人が多く訪れる人気の観光地です。しかし、今年からは勝手に入られるリスクをチャンスに変えようと思い、見学ガイドツアーを始めることにしました。だちょうさんが見られるかもしれないと、わざわざやってきた人を追い出すのではなくガイドツアーという形で安全にみていただくことがお互いに良いと思ったのです。また、ガイドツアーの収益を通して、ダチョウ舎の防疫を向上させることにもつなげることが...冬季の餌やり体験ガイドツアーを開始しました。

  • ミニチュアホースのうららちゃんとの攻防

    ミニチュアホースのうららちゃんにとって、精神的、肉体的に狭いスペースに入っていることはよくありません。あまり出さない期間が長引くと、散歩をするために外に出るだけでも興奮してしまい、蹴られかねず、危ないです。運動不足によって、消化器官が弱くなり、便秘で苦しむ危険があります。広い場所でストレスなく、運動させてあげたいので、最近は牧場内の少し開けた場所で手綱を外してあげます。一緒に走っていたことも有りましたが、私もうららも冬は転んでしまうことがあるので今年はやめました。うららちゃんは私と走ると、私のことを気にして走る為か、かなり豪快に転んでしまいます。運動不足を解消させようとして、怪我をさせては本末転倒です。開けた場所でうららちゃんを放すと、興奮して走り回ります。私を突破して逃げだそうと、毎回突撃してきます。彼女はか...ミニチュアホースのうららちゃんとの攻防

  • 寒い朝

    ニセコ町はすっかり冬景色になりました。朝、だちょうさんたちにごはんをあげます。手足の指はすぐに感覚がなくなるくらい寒いです。そういう時に、だちょうさんは調子を崩しがちです。ですから小屋に入り、彼らの様子を見るまで、少しドキドキしています。軽トラックの音を聞きつけて、元気に柵から首を伸ばしてくれていたり、押しあいへしあいしながら、私のほうへ来てくれていると安心します。「おはよう」と声をかけて、ごはんを与えながら様子をみます。元気にバクバク食べている姿を見ていると、こちらも元気になれます。今日も元気でいてくれてありがとうと思います。きっと彼らはそんな私の思いを知ったとしても、「そんなことよりもっとごはん頂戴」と思っているのでしょうね。いつも元気で寒い中頑張っているだちょうさんたちのために、もっと体に良くておいしいも...寒い朝

  • 雪景色のニセコですが、だちょうさんはまだ外に出ています。

    雪が降り、牧場全体は真っ白になりました。雪の中、頭にも雪を積らせているだちょうさんの姿がまだ見られます。小屋に入りたがらない子たちも、少しずつ小屋に呼んで餌を与えていますが、すぐ出てきてしまう子もいます。早く入ったほうがいいのになあと人間の私は毎年思いますが、だちょうさんにはだちょうさんの入りたい時期があるのでしょうね。来週中には放牧を終了するつもりですが、まだまだ彼らとの根競べが続きそうです。雪景色のニセコですが、だちょうさんはまだ外に出ています。

  • だちょうさんの放牧はまだしていますが、カフェは今年の営業を終了しました。

    羊蹄山はすっかり白くなりました。風も冷たいですし、この頃はたまに雪も降っています。放牧はまだしているので、だちょうさんの餌やりはまだできます。いつまでかはっきりは分かりませんが、多分再来週にはしまっていると思います。雪が降り積もっても、帰りたがらない子が一羽くらい毎年います。そういう子とは我慢比べするしかないです。雪の中、まだ放牧場にいるだちょうさんが見られたとしたら、そういう子だと思って見守ってあげてください。本当に我慢強い子は、特別に餌をたっぷりと与え、馴らしてからゆっくり連れて帰っています。もしかしたら、特別扱いしてもらえることがわかっているのかもしれないですね。だちょうさんの放牧はまだしていますが、カフェは今年の営業を終了しました。

  • G20と51番

    G20の観光大臣会合が倶知安町で開かれるということで、ニセコ周辺の食材を使って、各国のメディアや知事が食べるお弁当を作ることになり、その具材として、牧場のだちょうさんに声がかかりました。本当なら喜ばしいことなのだと思います。ですが、選ばれるということはと畜をしなくてはなりません。料理人の方にお肉の良いことも悪いことも正直に説明しました。ぜひ使いたいと言っていただいた時、私は複雑な気持ちでした。日程のすり合わせを行ったところ、スケジュールはぎりぎりで、その日を逃すと、と畜はできない状況でした。そういう運命なのだと思えて、と畜することを決めました。今回は51番というタグが付いていたオスのだちょうさんをと畜しました。いつかお肉にすることを雛の頃から考えて育ててきました。このお話を頂いた時から、この子が一番適当なだちょ...G20と51番

  • 冷蔵ショーケースを譲り受けました

    牧場にあるカフェではだちょうさんの卵を使ったお菓子を販売しているのですが、ここにある機材や家具、販売用の什器はほぼ全て中古品や貰ってきたものです。色々な人との出会いや良い機会に恵まれて、本当にありがたいことです。今日は、グラウビュンデンというニセコで有名なカフェで使われていたショーケースを譲り受けました。故障することなく、良く働いてくれた子だと店主さんがおっしゃっていました。ショーケースに笑われないよう、美味しい良い商品をたくさん並べなくてはならないですね。もうやっていないお店の物や色々なお店を渡り歩いてきた物、一つ一つに物語があり、使っていた人々の思い入れがあると思います。大切に使わせていただいて、これからも思い出を一緒に作っていけることが嬉しいですね。冷蔵ショーケースを譲り受けました

  • 自然ふ化は出来ませんでしたが、多くのことを教えてくれた卵のこと。

    毎日毎日、だちょうさんが交替で温め続けていた卵たち、今年は孵らなかったです。孵らないかどうかは関係なく、卵を守ろうと私を威嚇するだちょうさん。毎日決まった時間で小屋に帰って温め続ける姿を見ていると、卵を取り上げることにも躊躇します。無くなったらしばらくは探すのでしょうか。それとも、すぐにケロッと忘れてしまうのでしょうか。ただ、温め続ける姿を牧場に体験しに来る子どもたちに見せると、命を頂くということの意味をとても考えてくれるようなので、もう少しの間だけ、彼らに孵らない卵を抱いていてもらおうと考えています。残酷なのですが、どうしても伝えていきたいことです。自然ふ化は出来ませんでしたが、多くのことを教えてくれた卵のこと。

  • 卵を産まなくなり、幻のこいプリンは販売終了になりそうです。

    今年は去年に比べて、だちょうさん達は頑張ってくれました。しかし、今年のプリンももうおしまいです。沢山のお客さんに美味しいと言っていただけて、有難いですね。また来年も、草をいっぱい食べて栄養満点の卵を産んでもらえるよう、餌をしっかり考えて与えなくてはなりませんね。卵を産まなくなり、幻のこいプリンは販売終了になりそうです。

  • 自然への感謝、責任について

    牧場の中を民泊に来た学生さんと散策すると、キノコや山ぶどう、サルナシにくるみが目につきます。美味しく熟れた果実の味も知ってもらいたいですが、まだ熟れていない果実の野趣あふれる味、深みのないみずみずしい味も知ってもらいたいです。おいしさを伝えたいのではなく、今しか感じられない初めての味を知ってもらいたいです。そして、子どもたちの中に味覚を通して、自然の中で過ごした記憶を残してもらいたいです。修学旅行が終わって都会に戻り、全く自然と関わることがない生活に戻り、大人になっていく彼らに、少しでも自然と関わった思い出を残すことができれば、自然を大切に思う気持ちが少しでも強くなるかもしれません。私たちが与えられている自然の恩恵を、これからも受け続けられるとは決して思えません。環境が変わっていっていることをニセコの四季を通し...自然への感謝、責任について

  • 今年もそろそろ卵の季節が終わり、こいプリンも終わりになります。

    まだ秋というには早いような気候ですが、だちょうさん達はそろそろ冬支度。栄養を蓄え始めています。発情しているメスは一羽だけ残っていますがオスは全く興味がありません。オス同士もけん制し合うことが少なくなり、近くにいることが増えてきました。仲良きことは美しきかなといいますが、だちょうさんのオス同士が仲良くなるということは卵が産まれなくなることを表しているので、複雑な気持ちになりますね。卵の卵黄だけを使った幻のこいプリンという商品も、こうした事情から来週で販売終了予定です。実はうちの牧場のだちょうさん達はとても少産なんです。一羽が100個以上産む牧場もありますが、うちの牧場は一羽が20-30個です。これは、たくさん産ませれば産ませるだけ、母体に負荷がかかるだろうという考えから餌の量をコントロールしているからです。卵を産...今年もそろそろ卵の季節が終わり、こいプリンも終わりになります。

  • 牧場に飼い犬を連れてくる際はリードをつけてください

    今日はだちょうさんの柵に犬が入り込み、犬かだちょうさんか牛さんがあわや大けがをする事件がありました。だちょう牧場に見学の際には必ず犬にリードをつけてください。昔、どこかから入り込んだ、放し飼いをしていた犬に牧場のだちょうさんが殺されたと聞いたことがありました。今日、牧場に来たお客さんの犬がだちょうさんを追い回している姿を見て、その話を思い出して、怖い思いをしました。飼い主さんも大切な犬がケガしてしまうかもしれないと怖い思いをしたことでしょう。私はだちょうさんの命を奪うことがある立場なのですが、無益な殺生は絶対にしたくありません。防ぐことができた事故でだちょうさんの命が無くなってしまうことは本当に悲しいです。昔、選挙の車が夕方遅くに選挙演説をしてはいけないのに、演説しながら通り過ぎ、若いだちょうさんが大けがをした...牧場に飼い犬を連れてくる際はリードをつけてください

  • 今日は頂いたものだけでだちょうさんの餌を作りました。

    今日はいつも頂いているおから、粉屋さんからもらったグラハム粉、ベーグル屋さんからもらったオーツ麦を混ぜて特製の餌を作り、だちょうさんに与えました。魚屋さんからもらった貝殻も撒きました。今日から泊まりに来ている、民泊の生徒さん達にとって、だちょうさんのチカラを見せることができて良かったですし、農業の一つのモデルとして教えることができました。いつも頂けるわけではないのですが、頂けるときはとってもありがたいです。だちょうさん達は最初は戸惑いますが、ちゃんと味が分かれば本当に美味しそうに食べてくれます。彼らの腸内細菌を活発に保つために、いろいろなものを与えることが必要です。また、餌代の削減にもなりますから、削減した分、ビタミン豊富な生草がない時期に良いエサを買い与えることができます。停電の影響でうまく焼けなかったという...今日は頂いたものだけでだちょうさんの餌を作りました。

  • 円山動物園の飼育員の方々や帯広畜産大学のダチョウサークルの方々が訪問してくれました。

    円山動物園の飼育員の方々やダチョウサークルの方々がいらっしゃって話をする機会がありました。円山動物園では牧場で生まれただちょうさんを現在飼育しています。ダチョウサークルさんには去年一羽を連れて行きました。どちらもだちょうさんの飼育環境を良くしたいと考えていて、一羽一羽のことをとても思いやっていることが分かりますし、そういう方々と交流することは自分の飼い方を考える良い機会となります。北海道ではダチョウ牧場が減ってしまい、交流することもなく、新しい知見が得られることが少なくなっている昨今、皆さんは古い本の知識を頼りに日々試行錯誤しています。私は多くのだちょうさんと関わってきた経験とその死を通して得られたわずかな知識をできるだけ伝えられたらと思って皆さんを受け入れています。少しおごった考え方だなあと思いますし、誤って...円山動物園の飼育員の方々や帯広畜産大学のダチョウサークルの方々が訪問してくれました。

  • 昔亡くなっただちょうさんに天使ちゃんという子がいました。

    亡くなっただちょうさん達のことは時折思い出しますが、天使ちゃんと名付けた子のことを最近よく思い出します。この子は生まれたときから小さくて、ほかのだちょうの雛たちが大きくなっていく中で、ずっと成長しませんでした。大きくなっていく子たちの中で負けないように餌を食べている姿が印象的でした。こういう子は生育不良のため、お肉にはならず、殺処分するのだと前の飼育者に教えられ、方法も教えてもらっていました。ですが、私には天使ちゃんを殺すことがどうしてもできませんでした。この子の産まれてきた意味が経済的な意味だけではないと思ったからです。小さくて、コロコロしている姿がお客さんに喜ばれるかもしれないなどと適当な理由をつけて自分を納得させて、殺さないで育てようと思いました。ですがある日、衰弱して立てなくなってしまいました。天使ちゃ...昔亡くなっただちょうさんに天使ちゃんという子がいました。

  • だちょうさんがケガをする夢を見ました

    だちょうさんがケガをする夢を見ました。足の骨が見える大けがで、その子の死を覚悟しました。夢じゃないかと思い、夢じゃないんだとあきらめた時目が覚めました。底意地の悪い夢です。夢でよかったと安堵しましたが、今まで死んでいった子達のことを思い出して、その子たちの死は夢ではなかったんだなあと改めて実感しました。どうせ夢を見るなら、またみんなに会いたいですねぇ。私もいつか死んでしまうのですし、弱気なことを言ってばかりいないで、彼らの分も存分に生きていかなくてはいけないのですが。こんな夢を見るのは、お盆が近づいているからなのでしょうかねぇ。だちょうさんがケガをする夢を見ました

  • ぼろぼろな駝鳥という詩を時々読み、考えます。

    ぼろぼろな駝鳥高村光太郎何が面白(おもしろ)くて駝鳥(だちょう)を飼(か)うのだ。動物園の四坪(つぼ)半のぬかるみの中では、脚(あし)が大股(また)過ぎるぢ(じ)ゃないか。頚(くび)があんまり長過ぎるぢ(じ)ゃないか。雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎるぢ(じ)ゃないか。腹がへるから堅(かた)パンも喰ふ(くう)だら(ろ)うが、駝鳥(だちょう)の眼は遠くばかり見てゐ(い)るぢ(じ)ゃないか。身も世もない様に燃えてゐ(い)るぢ(じ)ゃないか。瑠璃(るり)色の風が今にも吹いて来るのを待ちかまへ(え)てゐ(い)るぢ(じ)ゃないか。あの小さな素朴(そぼく)な頭が無辺大の夢で逆(さか)まいてゐ(い)るぢ(じ)ゃないか。これはもう駝鳥(だちょう)ぢ(じ)ゃないぢ(じ)ゃないか。人間よ、もう止せ、こんな事は。高村光太郎(19...ぼろぼろな駝鳥という詩を時々読み、考えます。

  • おとなは、だれも、はじめは子どもだった。

    おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)星の王子様の一節です。今回受け入れている民泊の生徒さん達を見ていて、この言葉を思い出しました。草を取って、それを振り回す子、虫やカエルを見つけてキャッキャと騒いでいる子。大きなミミズやカタツムリ、見たことがない植物。彼らの目に映る世界は新鮮で興味深いことで満ちています。だちょうに与える草を取っておいでと私が言うと、全速力で走り出すその背中は輝いて見えました。私の目は今、彼らのように輝いていない。私の足は今、彼らのように速く走れない。いつの間にか置いてきた大切なものを教えてもらったようです。いつも、彼らに教えているようで、本当に大切なことを教えられています。自然はどうしてこんなに面白くて尊いのか。私から教えられるま...おとなは、だれも、はじめは子どもだった。

  • 体験宿泊を受け入れています

    今日はこれから本州から修学旅行の生徒さんがいらっしゃいます。普段とあまり変わらない作業を通して、学生さんと関わることはとても面白いです。学ぶこともたくさんです。日常の中にある大切な事を新鮮な気持ちで発見させてもらえます。どんな学生さんが来るのか、今、ソワソワ、ワクワク待っています。体験宿泊を受け入れています

  • ウララちゃんの柵直し

    今日は少しだけ、ウララちゃんのスペースの柵を直しました。夏の期間放牧しておくところです。狭いですけど、そこに放すと走り回る様子が楽しそうです。早く直してあげたいですねーウララちゃんの柵直し

  • 草刈り隊長うららちゃん、出撃

    長い冬が終わり、雪の下でじっと耐えてきた草たちが牧場の沿道を埋め尽くさんばかりに繁茂し始めようとしています。しかし、その野望を打ち砕かんと、我が牧場の草刈り隊長たるうららちゃんは力を蓄えていました。冬の間、彼女は毎日、硬い乾草を咀嚼し続け、あごを鍛えていました。草の中に顔を突っ込んで、飽くことなく強敵を探し、顔を草まみれにさせていました。雪解け後、すぐ生え始めた草は、日光を浴びてぐんぐん育っていきます。そこに草刈り隊長うららちゃんが立ちふさがります。生えたばかりの柔らかい草たちはうららちゃんにとって歯ごたえのない相手です。しかも、彼女は決して手を抜かず、黙々と戦い続けます。そして、彼女の進路にあった草はきれいになくなってしまいます。それでも満足はしないうららちゃん、次の相手を要求して、早く縄の場所を変えろとばか...草刈り隊長うららちゃん、出撃

  • お店のオープンと放牧開始まであとわずかです。

    順調に放牧地の雪が解けており、このままいけば、4/27日の土曜日に放牧開始とカフェのオープンができそうです。今日は天気が良かったので、ベンチのペンキ塗りをしました。他にもいろいろとしなくてはならないことがありますが、間に合うのでしょうか…とにかく、外で働くことがとても気持ちの良い天候ですね。これからしばらくはとても気持ちの良い日が続くので、うれしいですね。だちょうさんのオスの中には良い発情が見られる子もおり、卵もこれからどんどん生まれてくれるのではと期待しています。お店のオープンと放牧開始まであとわずかです。

  • だちょうさんの放牧は4月27日以降になりますのでご了承ください。

    最近は雪解けが進んでいますが、まだまだ雪が残っています。毎日のようにお客さんからご連絡を頂くのですが、例年4月の末ごろまでだちょうさんは放牧できないのです。地面が乾かない状態でだちょうさんを出すと牧草の根が傷んでしまいます。早く見たいと思うお客さん、早く出してあげたい私。一番のんびりしているのは多分だちょうさんなんでしょうかねぇ。ちょっとうらやましいですね。だちょうさんの放牧は4月27日以降になりますのでご了承ください。

  • 春の陽気と猫

    冬の間、牛舎に閉じこもっていた猫も外にお出かけするようになりました。日向でじっとしていたり、リラックスした様子で毛づくろいしていたりします。本当に気持ちよさそうです。人の姿を見ると、寄ってきて撫でてほしいとせがみます。お客さんにも可愛がられて、牧場を一緒に散歩している姿をよく見かけます。本当に人懐っこい子です。牧場に保健所から連れて来た時、人懐っこいからナツと名付けました。時々、お客さんに連れられて(先導して?)お店まで入ってきてしまうのは困りますが、憎めない子です。お客さんにたくさん甘えて、牧場を案内する姿がまた見られるのは楽しみですね。春の陽気と猫

  • 春の訪れ

    春の暖かな日差しが雪を溶かしはじめ、雪解け水が土管を通って、道のわきに湧いています。沿道ではフキノトウが芽吹き始めました。今はまだ小さくかわいらしいフキノトウが、もう数か月もすると繁茂していくのですから面白いものですね。牧場の柵はまだ雪に隠れていますが、補修する箇所がたくさんあることがわかります。ワイヤーの張り直しや柵木の交換は春の大切な仕事です。冬の間になまった心と体に良い刺激となってくれます。だちょうさん達は放牧されるのを、今か今かと待っているのでしょう。オスの足は赤くなり、メスは発情を表すパタパタという仕草で私にアピールしています。毎年のことなのですが、いつも新鮮な気持ちで嬉しく思います。日々、後悔や悩みを抱えていても、春という季節は希望を感じさせてくれますね。春の訪れ

  • まろの死と学び

    オスだちょうさんのまろが昨日亡くなりました。牧場の中でも歳が高い子で、このところの寒さで弱りました。一度は元気になっていたのですが、一昨日、急に元気がなくなってしまいました。一昨日は良く様子を見て、まだ大丈夫だと思っていたのですが。冬を越えられないだちょうさんの死はとても悲しいです。もう一度、広いところで走り回らせることができないのですから。どうしてもっと彼に尽くせなかったのだろうかと思います。できたことがあったに違いありません。まろは人にあまり慣れない子で、お客さんの近くに寄ってくることはないです。他のだちょうさんともあまり慣れ合わない子で、公家のような高貴な印象からまろと名付けました。まろとの思い出はたくさんありますが、一番印象に残っていることがあります。私はだちょうさんのいる小屋の中で作業する際、だちょう...まろの死と学び

  • 百姓の孫の矜持

    私の父方の祖父は開拓農家の後継ぎとして育ち、同じく農家から嫁いだ祖母とともに、年老いた今も畑仕事に精を出しています。戦中、軍に畑を接収されて航空機を隠す防空壕になり、戦後その破片を自分たちの力で畑からすべて出したこと。祖母の実家も畑を接収され、食うに困ったときに祖父の実家に援助されて糊口をしのいだこと。祖父は昔のことを語らないので、直接は聞いたことはありませんが、こんなエピソードがありました。畑仕事のほかに、祖父は馬追の仕事をしていました。今で言うトラック運転手です。ある時、馬追の最中に街で働く身なりの良い男性とけんかになったそうです。その時「どんびゃくしょう」と農家をさげすむ言葉を投げかけられ、そのことを忘れなかったそうです。今では、暮らし向きも大きく変わりましたが、たまに会ったときに古くなって汚れたつなぎを...百姓の孫の矜持

  • 大雪です

    今日は大雪です。ホイールローダーという雪を集める大きなスコップの付いた機械に乗って、あっちこっちの雪を集めます。山のように雪を積んで、積んで、積んで。立派な雪山がいくつも出来上がりました。それでも圧倒的な雪の量には勝てませんね。こういう時は早めに降参して、困らないようにだけしておきます。牧場では西からの強風が建物の屋根の雪を吹きあげ、東側に大きな雪庇を作り出します。屋根からせり出す雪の塊が、落ちるとき、衝撃で窓ガラスが割れることがあります。爆弾のような威力を持つ、雪庇の発達をハラハラしながら見上げて過ごしています。吹雪が止んだら、はしごと棒をもって落としに行くつもりですが落ちてしまったら怖いですねぇ。だちょうさん達は寒さのせいか、水をあんまり飲まないです。あったかいと空っぽになるくらい飲みますが、寒いと体が冷え...大雪です

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