あなたへ あなたがいないこの世界を生きることは、私に課せられた試練であるのだと、 こんなふうに考えたのは、 あなたを見送ってから、どれくらいが経ってからの頃だっただろう。 あの頃の私は、自分にとっての前が、何処であるのかも分からないままに、 それでもいつか、今の私が抱える悲しみや苦しさ、悔しさは、 鎧となり、剣となるのかも知れないと、こんなふうに考えてみたのでした。 私はこれから、鎧を身に纏い、剣を構えて前へと歩む自分になるのだと、 自分を奮い立たせて、戦闘体制に入る準備を整えるかのように、 しっかりと前を見据えて。 あれはまだ、あなたの年齢に並ぶ前の私でした。 あれから先で私が見つけた鎧は、…