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2016/07/14

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  • あなたと歩んだ時間の続き

    あなたへ これから、ずっとひとりか・・・ 無意識に、 こんな言葉を小さく呟いてしまったのは、先月の私でした。 これから先の未来、 あの子が巣立って行った後から始まる新しい生活を想像しながら、 無意識に口から出てしまった私の小さな声を、 あなたは、聞いていたのでしょうか。 自分の声にハッとして、あなたの顔を見つめてみれば、 あの時のあなたは、ほんの少しだけ悲しそうにも、 苦笑いをしているようにも感じました。 あっ違うの 違うんだよ 私は、ひとりでいいの だって、私が決めたんだから 思わず掛けたあの時の私の声も、 あなたはちゃんと、聞いていてくれたでしょうか。 あの子が巣立った後から始まる、ひとり…

  • 成人式の前撮り写真

    あなたへ ねぇ、あなた見て? あの子、大きくなったでしょう? こんな私の声は、あなたのところまで届いたでしょうか。 先日、あの子の成人式の前撮り写真が届きました。 毎日、毎日、少しずつ成長するあの子の姿を、 すぐ側で見守ってきましたが、 こうして、改めて、写真に納まったあの子の姿を見つめてみると、 なんだか、胸がいっぱいになります。 大きくなったねって。 俺ね、成人式には、絶対に袴を着たいんだ 成人式に着なかったら、もう着る機会がないかも知れないじゃん これは、中学生だった頃のあの子の言葉です。 新しい朝を迎える度に、 今日もまた、あなたがいない1日に向き合わなければならないのだと、 必死に涙…

  • ドライヤーの歴史

    あなたへ 偶然に、昔のドライヤーの画像を見つけたのは、 先日のことでした。 なにこれ? 別なことを調べていた私の目に飛び込んできた面白い画像に、 思わず手を止めて、あの子と一緒に、笑ってしまいました。 私が見つけた昔のドライヤーの画像が、どれくらい昔のものかと言うと、 まだ一般家庭に出回る前の、今とは全く異る形をしたドライヤーです。 あなたは、見たことがあるでしょうか。 ドライヤーの原型は、 SF映画などで見かける、実験装置のような形をしているのです。 私が見つけたのは、どうやら、1920年代頃のドライヤーの様子。 その頃のドライヤーというのは、今のように、簡単に持ち運べるようなものではなく、…

  • 我が家の夏の風物詩

    あなたへ 俺だけ、夏休みが短い気がするんだけど! 叫び声にも近いあの子の声は、 あなたのところまで届いたでしょうか。 ただ今、あの子が専門学生になって、2回目の夏休み中です。 コロナウイルスの影響から、様々に行動が制限される現状とはいえ、 夏休みというだけで、ワクワクとしてしまうものなのでしょう。 バイクの手入れや、車の手入れ。 そして時には、新しい物事へ挑戦してみたり。 制限はあるものの、あの子なりに楽しい夏休みを満喫してきたようですが、 夏休みと言えば、もれなくついてくるアレの存在が、 毎回、あの子の頭の中から、すっかりと消えてしまうのは、 夏の暑さのせいなのでしょうか。 夏休みに漏れなく…

  • 我が家のドライヤー

    あなたへ 我が家の青いドライヤー。 これは、私たちが結婚した時に、 私がそれまで使っていたものを、持って来たものでした。 昔のものは丈夫だと、どこかでこんな言葉を聞いたことがありますが、 その言葉の通り、このドライヤーは、大変に長持ちで、 思えば、あなたと刻んだ時間よりも長い付き合いのあるものでした。 振り返ってみても、いつ、このドライヤーを購入したのか、 はっきりとは思い出せませんでしたが、 私が高校生の頃には、この青いドライヤーを使っていた記憶があるので、 その頃、若しくは、それよりも前に購入したものだったのでしょう。 毎日、何気なく使っていたこのドライヤーとの歴史を思い返してみれば、 あ…

  • ちょっとだけ怖くて不思議な話

    あなたへ あの子が、 その人生の中で2番目に体験した怖い出来事についての手紙を書いたのは、 今年の春の頃だったでしょうか。 毎年の今頃になると、あの子とふたりで思い出すのは、あの出来事です。 今日は、あの子が初めて体験した、 ちょっとだけ怖くて、不思議な話を、あなたにもお話してみたいと思います。 あれは、あの子が高校2年生の夏休みのことでした。 あの子がバイクの運転免許を取得してから、初めての夏休みです。 寝ても覚めてもバイクのことばかりを考えていたあの子にとって、 あの年の夏休みは、 好きなだけバイクに乗ることの出来る、とても素晴らしい時間だったと思います。 そう。 あの場所に行くことさえな…

  • 静かなお盆 -2021-

    あなたへ もう、そちら側へは着いたでしょうか。 今年は、お盆初日から連日に渡り雨が降り、 とても涼しいお盆になりました。 あなたのために、たくさん準備したアイスクリームを眺めながら、 こんなにたくさん、いらなかったかな なんて、なんだか、笑ってしまいましたが、 暑さが苦手なあなたにとって、とても過ごしやすい気温だったように思います。 コロナウイルスの影響から、今年もまた、とても静かなお盆休みでしたが、 家の中で家族3人、ゆっくりとしたお盆休みを過ごせましたね。 テレビを観たり、お喋りをしたり。 いつもの日常を切り取ったような時間でしたが、 あなたが帰って来てくれていると思うだけで、 私たちにと…

  • 彼女 12

    この公園は、相変わらずとても静かだ。 あれから、間も無くに新しい年を迎えると、その喜びも束の間に、 コロナウイルスなど呼ばれる未知のウイルスに遭遇した。 思えば、あれから大変な時間を過ごしてきた。 ここに来ることが出来たのは、とても久し振りだ。 青い空も、爽やかな風も、とても気持ちが良い。 「今日もいい天気ね。空がとても綺麗。」 空を見上げながら、無意識に呟いて、思わず笑ってしまう。 彼を見送ってから、7年が経った。 私は今、どのくらいの位置にいるのだろうか。 登っている段階では、自分の今いる位置は、案外分かり難いものなのかも知れない。 それでも、 目標を頂上に見ながら、一歩ずつ、 ちゃんと登…

  • 彼女11

    「もう!遅い!」 彼女が先に待っていてくれたのは、これで2回目だ。 ほんの少し顔を合わせ難い気持ちのまま、ここへ来た私の中の僅かな曇りなど、 一瞬で吹き飛ばすかのように、 彼女は、いつも通り、太陽みたいな笑顔を向けてくれた。 「随分、待ったわよ。」 ほんの少し膨れた声を出す彼女に思わず笑ってしまった。 「ごめんね。久し振り・・・」 の後に言葉を失ってしまったのは、逢わなかった間に、 彼女が驚くほどに綺麗になっていたからだった。 この感じをどう表現すれば良いだろう。 そう。例えば、光だ。 今の彼女は、思わず見惚れてしまうような美しい光を放っているように見えた。 驚き過ぎて、言葉が出ない私を他所に…

  • 彼女10

    あれから、暫くの間、ここに来ることが出来ずにいた。 彼女と顔を合わせ辛かったこともあるけれど、それよりも、 ひとりで、自分の気持ちと向き合わなければならないと思ったからだった。 あの日の彼女の言っていたことは、全部正しかった。 私は、私だけが息子の成長をすぐ側で見守ることも、息子と一緒に笑い合うことも、 私が夢を持ったことも、自分自身の幸せを望むことも、 全部、 彼に対して、申し訳ないと考えていたのだ。 これまでの私が全く気付かずにいた無意識の私を、 躊躇なく暴いた彼女の言葉は、深く、深く、胸の奥へと突き刺さった。 認めたくなどなかったけれど、 一度気付いてしまったのなら、もう、なかったことに…

  • 彼女 9

    彼女は、とても不思議だ。 突然に私の前に現れたと思えば、私が見ている景色をどんどん変えてくれた。 彼女には、本当に感謝している。 「あなたのことが大好きよ。あなたと出会えて良かった。」 私のこんな言葉に、彼女が嬉しそうに笑ってくれたのは、いつのことだっただろう。 今日もこの場所で、彼女との時間を楽しんでいる。 今日の彼女は、子供の頃、風になりたかったのだという話を聞かせてくれた。 「私ね、色を運ぶ風になりたかったの。」 彼女が言うには、人がいる場所は、様々な色がついているのだそうだ。 楽しそうにしている人がいる場所には、華やかで明るい色が、 悲しんでいる人がいる場所には、重く暗い色が見えるのだ…

  • 彼女 8

    人は、死んだら何処に行くのだろう。 答えの出ない答えを必死で探すようになったのは、 彼が亡くなってからのことだった。 「ねぇ、人は死んだらどこに行くのかな。私ね、本当のことを知りたいの。」 彼女と一緒に、チョコレートを食べたあの日から、 どのくらいが経った頃だっただろう。 それまでの彼女との不思議なやり取りを振り返ってみると、 彼女なら、本当のことを知っているように思えてならなかった。 だから、あの日の私は、彼女にこんなことを聞いてみたんだ。 人は、死んだら、何処へ行くのかと。 「あなたは、どんなところにいて欲しいの? そこでどう過ごしていてくれたら、あなたは嬉しい?」 「そうじゃなくて、私は…

  • 彼女 7

    「こんなつもりじゃなかったのに・・・突然、泣いたりしてごめんね。」 どれくらいの時間が経っただろうか。 漸く、気持ちを落ち着かせることが出来た私は、 彼女から離れ、ベンチへと腰掛けると、彼女も黙って、隣へと腰を下ろした。 いつものように、彼女とふたりで空を見上げてみる。 今日が始まってからの私はずっと、何も見ていなかったのかも知れない。 今日の空も、こんなに綺麗だったんだ。 これまでの時間を取り戻すかのように、瞬きもせず、今日の空色を見つめ続けた。 やがて静かに口を開いたのは、彼女だった。 「私はね、亡くなった人を想って泣くことは、悪いことじゃないと思っているの。 亡くなった人に心配させないよ…

  • 彼女 6

    今日の私は、酷く落ちている。 時々、こんなふうに、どうしようもない感情が込み上げることがある。 彼に逢いたくて、声が聞きたくて、仕方がない。 こんな発作のような感情を自分でコントロールする方法は、 未だに見つからないままだ。 彼が亡くなってからの私は、不思議な出来事をたくさん経験してきた。 きっとその全ての出来事を私に見せてくれたのは、彼なのだろう。 でも、こんな時の私には、それでは足りないのだ。 不確かで、曖昧で、空気を掴むようなやり方じゃ、納得出来ない。 私は、きっと、ではなく、絶対の確信が、どうしても欲しいのだ。 はっきりとした彼の温もりや、この耳にちゃんと届く彼の声が欲しい。 亡くなっ…

  • 彼女 5

    「私ね、向こう側の人と話す方法を見つけたのよ。」 彼女が突然に、こんなことを言い出したのは、 また別の日のことだった。 「えっと・・・何か話したの?」 「話したとも言えるのかも知れないけれど、まだ話してないとも言えるわね。 ねぇ、どんなふうに話せば良いのか、気になるでしょ?知りたいでしょ?」 相変わらず彼女は、突拍子もないことを言いながら、とても楽しそうに笑っている。 今日の彼女は、不確かで、曖昧な情報を提供してくれるらしい。 「それはね、ただ、想えば良いのよ。心を込めて、大切な人を想えば良いの。」 これだけを言うと、満足そうに笑っている。 とても簡単よねなんて、頷きながら。 「想えば、話が出…

  • 彼女 4

    私がこの公園に来るのは、いつでも不定期だ。 曜日も時間も決まってはいない。 にも関わらず、あれから、私がこの公園のベンチに座ると間も無くに、 必ず、彼女がやってくるようになった。 「あら、また会ったわね。今日は、曇り空ね。曇りの空も素敵よね。 よく見ると、曇り空の日だって、形が違っていて、とても楽しい。 いつでも同じ空はないのよね。」 会話の始まりは、決まって、天気の話だ。 そうして、今日もまた、彼女は、当たり前のように私の隣に腰を下ろして、 空を見上げた。 1人になりたい。 そんな気持ちで此処へ来た日でも、何故か彼女のことを煩わしく思ったことは、 一度もない。 それどころか、例え1人になりた…

  • 彼女 3

    「悲しい顔、してるのね。」 公共の場であるにも関わらず、いつでも静かなこの場所に、 他の誰かが来るなどと考えたことのなかった私は、突然に聞こえたその声に、 ほんの少しだけ驚いて、言葉を発することを忘れてしまった。 にも関わらず、そんな私を他所に、 「今日もいい天気ね。空がとても綺麗。」 彼女は、まるで昔からの知り合いかのように話を続け、 私の隣に腰を下ろすと、空を見上げた。 「え?あ、本当ですね。」 漸くそれだけを返すと、彼女につられるように空を見上げた。 この場所で、知らない人と話をするのも、 今、会ったばかりの人と一緒に空を見上げるのも、 初めてだったけれど、なんだかとても不思議で新鮮な気…

  • 彼女 2

    今日もまた、お気に入りの公園に来た。 ここは、空が綺麗に見える場所で、 人通りも少なく、ほぼ貸切で時間を楽しむことが出来る。 春になると、一面に菜の花が咲くところが、特に気に入っている。 この場所は私にとって、とても特別な場所だ。 私は、5年前の夏に最愛の夫を亡くした。 当時、中学1年生だった息子と私は、その意思もないままに、 死によって、突然、彼と引き離されてしまった。 この公園は、家族3人の思い出の場所だった。 いつの頃からか、1人で散歩を楽しむようになった私は、 度々ここへ訪れては、ベンチに座って空を見上げるようになった。 寂しい時や、 ひとりで考えごとをしたい時、 何も考えたくない時も…

  • 彼女 1

    私は、あの日、死んだのだ。 最愛の彼と共に。 肉体と、魂の一部だけが此処に残された今の私は、 もう、あの頃の私ではないのだ。 明るくて、楽しいことが大好きで、 嫌なことがあっても、 一晩眠ればすぐに元気になってしまうあの頃の私は、 今思えば、単純で可愛かった。 私は、もう二度と、あんなふうに笑うことは出来ないのだろう。 あの頃と同じように笑うには、辛いことを知り過ぎてしまった。 そう気が付いた瞬間に、 この瞳に映るもの全てが、灰色の世界へと変わっていった。 光も、色もない世界。 それが、これからの私が歩む人生なのだ。 私はもう、元には戻れない。 だってもう、此処に彼はいないのだから。 //

  • お盆 -2021-

    あなたへ 今頃のあなたは、何をしている頃だろう。 空を見上げては、そして、時計の針を気にしては、 今日の私は、そればかりを考えていました。 今頃はまだ、のんびりと寛いでいるのかな とか、 そろそろ帰省の準備を始めているのかな とか。 今日の私は、なんだか、ソワソワと落ち着かずに、 あなたのことばかりを考えては、 なんだか、遠足を楽しみにしている子供の頃ような気持ちで1日を過ごしました。 明日から、お盆に入りますね。 あなたの喜ぶ顔を思い浮かべながら、お迎えの準備も万端です。 今年も、あなたの好きなお菓子も、飲み物も、たくさん準備しましたよ。 例年通り、アイスクリームは、冷凍庫に入れておきますね…

  • あなたを想う日 -2021-

    あなたへ あの日から、7年が経ちました。 今日は、あなたを想う日。 この手の温もりを絶対に忘れないと誓って、 大好きなあなたの大きな手を握り締めたこと。 優しく微笑んで眠る、あなたの姿を見つめ続けたこと。 あの日のことを思い出していました。 あなたは今、どんなところにいますか。 あなたは今、どんなところで笑っていますか。 空を見上げて呟いた、 愛しているよのこの声は、 あなたのところまで届いたでしょうか。 あなたが此処にいないままに、 私は、よくここまで、生きてくることが出来たな ふと、こんなことを考えたのは、今朝の私でした。 あなたと出会えたから、 出会うことが出来た人たちに、支えられ、守ら…

  • コトバ -2014年8月7日のあなたへ-

    あなた!頑張って! 泣きながら叫んだこの声は きっと あなたの耳に届いていたんだね まだ一緒にいたいよ 私のお願いを聞いてくれたあなたは きっと最後の力を振り絞って 戻ってきてくれたんだね ありがとう その手を そっと握り締めて あなたの温もりを感じてみます 私の大好きなあなたの大きな手は とても温かで とても力強い 2014年8月7日のあなたに逢いに来ました 今 此処であなたの手を握るのは ここから7年後の世界にいる私です 出来るだけ 胸の奥へと隠し続けてきたこの日の記憶を 受け入れる覚悟を決めて 今日のあなたに逢いに来ました 此処に見えるのは 心臓マッサージをされるその姿と 電気ショックを…

  • Gとの戦い

    あなたへ 私は、特別な能力など、なにも持ち合わせてはいない。 ずっとそう思っていましたが、よく考えてみると、 恐らく、私には、誰にも負けない能力が、ひとつだけあるようなのです。 そう。 思い返してみれば、私は、いついかなる場合でも、 一番初めに、見つけるのです。 会社でも、家の中でも、何処にいても、必ず一番に。 恐らく、私には、虫を見つける、 いや、感じる特殊能力が備わっているのでしょう。 この視界に入らなくとも、感じるのです。 すぐ近くに、何かがいる と。 これは、虫が苦手過ぎる故に開花した、特殊能力なのかも知れません。 先日の夕食の時間に、突然感じたのは、 あの、なんとも言い難い感覚でした…

  • 釜蓋朔日

    あなたへ 釜蓋朔日 こんな言葉を知ったのは、いつのことだったでしょうか。 釜蓋朔日とは、お盆のある月の1日のことで、 その日は、地獄の釜の蓋が開く日とされ、 そちら側の皆様が、お盆に向けて、こちら側へ出発をする日なのだとか。 地獄という言葉には、衝撃を受けましたが、 これに関しては、言い間違えの類であると解釈することにしました。 あなたがいるそちら側は、地獄と呼ぶには相応しくないような、 美しい景色が広がっている、素敵な場所であるはずですから。 さて、そちら側の蓋が開いた今日は、 お盆に向けて、皆が出発する日のようですが、 今頃のあなたはきっと、まだのんびりと、 そちら側で、寛いでいるのではな…

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