◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんがお手伝いができるようになり、学校にも1日いられるようになった頃、「そういえば、私、先生に怒られたことないよね」と、ぼそっと言いました。「そうそう、リコさんを直接叱ったことってないよね。友達が叱られているのを、全部自分に言われたことだと思っちゃっていた。でも自分はちゃんと努力しているって自分のことを冷静に見えるようになったら、そんな風に人のことで不安になること...
小学校の先生をやっています。教育の現場で日々思うことから、子どもが明るく楽しく学校生活を送るためには親として教師としてどう接していったらよいか、深く考えていきたいと思っています。
小学校の先生をやっています。 無駄にキャリアが長いわけですけど、 日々思うことを広く発信できたらな…と思い ブログを立ち上げました。
このまま一生、上手くいかない苦しさを抱えて生きていくか、、、
サトル君とクラスの子供たちに話したこと つづき「我儘や自分勝手では、宇宙船地球号や宇宙船クラス号で仲良くやってはいけないよね。君たちは宇宙船地球号のルールをちゃんと知らないんだから、宇宙船地球号のルールを学んでいく事がとても大事なんだよ。それが、みんなと仲良く暮らす大人になるために必要なこと。サトル君のような失敗は、当たり前なんだ。当たり前。大人だって子どもの頃にいっぱい失敗しながら、仲良く暮らす...
サトル君とクラスの子供たちに話したこと つづき「みんなは何年生きていますか? たった10年くらいのものですよね。その10年で宇宙船地球号の何が分かるというのですか?お父さん、お母さん、大人は、もう何十年も生きてきて、宇宙船地球号のルールをいっぱい勉強してきています。でもみんなは、たった10年。宇宙船地球号のルールが分からないから、誰かを叩いたとしても周りは許してくれる。悪いことをしても叱るだけで周...
外に飛び出そうとして私の足を蹴るサトル君。必死で彼の手を握って、教室の入口で阻止する私。長い長い時間だったように思えましたが、サトル君の教室から出ていこうとする力もだんだん弱まり、床に座り込みました。もう大丈夫かな・・・と手を離すと、彼の瞬間湯沸かし器のような怒りもおさまったのか、それ以上抵抗することもありませんでした。教室から出ていかないことを確認して、私も内心は安堵していましたが、このまま終わ...
掃除での事件の翌日、ある男の子が「サトル君に叩かれた」と私に訴えてきました。休み時間が終わり、今から授業を始めるという時でした。「サトル君、〇〇君を叩いたの?」この一言で、サトル君はぶち切れです。「もう謝った!!!」と大声を出して怒り、なんと、教室から飛び出して行こうとします。前年度までも、カッとなると教室から飛び出す子だったので、どうするか?と、一瞬自分の中で葛藤がありました。でも、とっさに掴ん...
でも「できない」から「できる」までの間に、様々な価値観があるはずです。全然できないけど続けて努力しよう、とか少し成長したから頑張ろうとか、昨日よりはできるようになったとか。それこそ無限の価値観がある。単純に「できる」「できない」で色分けをしないことが子どもの成長にとって、とても重要になってきます。学校は「できる」を「できない」を評価する場所ではない。なのに、教師は評価し選別しがちだというのが大きな...
机の下に潜りこんでいるサトル君を見ながら、「掃除をしなかったあなたはダメだ」という叱り方をしてはいけないと考えていました。それは「あなたはダメな子」という評価を、私が下す形になるからです。他人から評価を下されることほど、苦しいことはないものです。それこそ、私の勝手な価値判断でサトル君を色付けするようなものです。そもそも、白か黒かの二値的な思考で極端の思考をしてしまうのだから、「ダメ」という態度や言...
教卓の下にもぐりこんで、「トイレに行っていただけだ!」と拗ねて怒っているサトル君。「良い・悪い」「敵・味方」という極端な2つの価値観しか無い彼に必要なのは、その間にある価値観を教えていくしかないと考えていました。よく子供たちに話をするのは、野菜のピーマンが好きか嫌いかという話です。ピーマンは好き・嫌いの二値ではなくて、にんじんより好きとか、どちらかというと好きとか、「好き」と「嫌い」の間には、無限...
サトル君の抱えている課題は、注意されると、相手が悪い、僕は悪くないという風な極端な思考に走ってしまうところにあるように思いました。これはかなり短絡的な思考です。ひょっとしたら、敵か味方か、という思考なのかもしれません。良い・悪い、敵・味方、といったように、他人を白か黒かの色分けするなんていうのは、かなりナンセンスな思考です。今回の事件では、サトル君にとって注意した先生が悪いということになりますが、...
新学年の始業式当日。これまでに少し接点のあった私が担任ということで、サトル君は、喜んでくれていました。でも事件は、直後から勃発しました。初めての掃除の時間。女の子が私に訴えてきました。「サトル君が掃除をしない」え~~!? 早々に? と思いながら掃除場所に向かいました。すると、女の子が言うようにサトル君が掃除場所にいません。探すと、トイレにいました。「ちゃんと掃除してくれないって女子が困っているよ」...
4月になり、新しい学級の担任となりました。今年は久しぶりに担任する学年なので、自分自身も勝手が分からない部分があって、慌ただしい日々となりました。普段はあまり残業をしないのですが、この4月は残業続きで、同僚から「大丈夫? 倒れない?」などと心配の声を掛けられる始末で・・・どこに問題点があるのか?と考えてみると、通常なら、私が何も言わなくても子供たちだけで動いて学級は回っていくのですが、4月の頃は、...
まとめテストの一件があって以降、ヨウヘイ君の様子がガラリと変わっていきました。漢字や書写の授業では、完璧を求めて時間をかけるのではなくて、とても早く提出するようになっていきました。「オラ、早くなったでしょ。先生に直してもらうんだ。そうしたら早く終わって遊べる!」と笑って言います。一番ビックリしたのはテストです。高得点を取るようになっていったのです。3学期には、苦手な国語も100点をとっていきました...
ヨウヘイ君に話をした直後、驚くことが起こりました。なんとヨウヘイ君、完璧な解答を書いて再テストを提出したのです。これにはビックリしてしまって「どうしたの?? 突然できるようになって!」と言うと、ヨウヘイ君は「んー-とね、オラ、先生の言ったことを覚えたんだ。そうしたら全部できた」と答えたのです。「そうか、そうか、それで良いんだよ。今は分からなくても、時間を味方にしたらきっと分かるようになる。その前に...
ヨウヘイ君に話したことのつづき「今の君は、わからないから問題に近づかないようにしている。そこが、大きな問題なんだ。君が「わからない」のは、算数の問題が難しいのがダメなんじゃない。先生の教え方が下手だからわからないんじゃない。誰のせいでもない。今、自分はできないんだって自覚しても「わかるようになる」道を歩もうとしない君自身に問題があるってことなんだ。給食をこぼした、絵具を飛ばした。これも同じです。給...
2学期のまとめテストには、少々難しい図形の問題がありました。それを説明するのですが、ヨウヘイ君は分からない。図形に補助線を入れるだけなのですが、それがどうしても分からないのです。最初からシャットダウンという感じです。他にも、少々思考力の要る問題があったのですが、それらも彼の中にはお手上げ状態だったようです。簡単な計算問題も間違えています。ヨウヘイ君の思考の歪み。それは、できないという事実を見たくな...
学習においては、「できる」「できない」よりも、その間にある「できるようになる」事が大事。『自分はできないのだから、できるようになる道を探す。できないのなら謙虚になって自分を伸ばしていくことで人生がより良いものになる。』それは師匠から教わった人生訓でありましたが、子どもの学習においても大事にしたいと思っています。最近では、テストをしたらその単元は終わり、というやり方に疑問を持つようになってきました。...
ヨウヘイ君が陥った「できる」「できない」の二値の問題。二値の価値観に慣れきっている子どもが一旦「できない」と感じてしまえば、あっという間に自分は出来ない子となってしまう危険性がある。子ども達には、「できる」と「できない」の間にある「できるようになる」という価値観がもの凄く大事だと1年を掛けて話をしていきます。学校は素敵な大人になるために新しいことを学ぶ場所で、最初はできないのが当たり前。「できない...
「できない」と思った瞬間、実際に「できない子」になってしまった。
多値論理(たちろんり)。これも師匠から10年掛けて教えられてきたものの一つです。それは、真理は「真」と「偽」の2つだけでなくて、3個以上の多値あるという考え方です。よく『白黒をつける』という言い方をしますが、価値観には白と黒の二択ではなくて、グレーの価値観があるというのが、多値となります。子供たちにはよく「好き」「嫌い」で話をします。ピーマンが好きとか嫌いとか単純に話をするけれど、食べ物の好き嫌い...
絵具と給食の出来事が同時に起こった日を境に、ヨウヘイ君に変化が表れました。それも事態が悪化する方向へ。。。怖れていた、自己肯定感の喪失です。今まで自分を誤魔化して見ないようにしてきた「自分は出来ない」「自分はダメだ」という現実を見るという作業はヨウヘイ君には少し厳しかったようで、何に対しても「わからない」「出来ない」と言うようになってしまったのです。授業中、すぐ「わからない」と言って友達に助けを求...
ヨウヘイ君に話したことのつづき「『原因と結果の法則』という本があるけれど、絵具が飛んだという結果には、筆を振り回したという原因があった。給食がこぼれたという結果には、身体が食器に当たらないよう気を付けなかったという原因があった。」「自分に降りかかってきたほとんどの災難は、自分による原因があるのだから、自分の行動を変えていくしかないんだよ。」「いつも真面目に落ち着いて行動している子に、今日、君に降り...
ある日のこと、1日に2回もヨウヘイ君がミスをしたことがありました。1つ目は、絵具を使っていて筆を振り回してしまい、友達の洋服に絵具が飛んで汚してしまいました。「でも、僕は・・・」と言いかけたので、「どんな理由があったかは知りませんが、友達の服を汚してしまったのは、君の責任です。絵具を使う時は、周りを汚さないように気を付けるものです。」「でも君は、気を付けなかったでしょ? 筆を振り回したら絵具が飛ぶ...
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◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんがお手伝いができるようになり、学校にも1日いられるようになった頃、「そういえば、私、先生に怒られたことないよね」と、ぼそっと言いました。「そうそう、リコさんを直接叱ったことってないよね。友達が叱られているのを、全部自分に言われたことだと思っちゃっていた。でも自分はちゃんと努力しているって自分のことを冷静に見えるようになったら、そんな風に人のことで不安になること...
◆結局、最強はお手伝いだった!ある日の休み時間、私の机の近くに座っているリコさんを呼びました。 その日は忙しくて、机の上が子ども達の提出物が山積みになっていました。リコさんは宿題のプリントを一生懸命やっていました。「ちょっと悪いんだけど・・・」と言うと、「先生、何か手伝えること、ある?」 と、彼女が言ったのです。私は、内心「きた!」と思いました。「うん、実はね、このプリント、掲示するのを手伝ってくれ...
◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんの登校渋りの根底には、孤独感があるかもしれない・・・リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。登校に不安を抱えていたのは、誰もクラスに味方がいないという思考に囚われ、孤独な状態にいたからかもしれません。この状況を乗り越えるには、お手伝いや親切行動を通して他者との関わりを作り、他者の思いに触れることが必要だと考えていました。家庭でお...
◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟子どもは、親が責任をとることで、安心して成長していくことができます。私の知り合いに、小学校低学年の時に、夢でうなされるほど担任と相性が合わなかった人がいます。その寝言を聞いて、ある日、彼の父親がはっきりと言ったそうです。「学校になんか、行かなくていい」。親が決めたことだから、その責任は親にある。彼はそれに存分に甘えることができ、残りの期間はのびのびと遊んで暮らし、次...
◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。彼女と二人っきりになったときに、一緒に喜びあったのですが、家庭での様子を聞くと、彼女は家でお手伝いを全くしないとのこと。共働きで忙しいお母さんも、きっと大変なのだろうと想像しました。ひょっとしたら、彼女の場合も「お手伝い」がキーワードになるかもしれない。この頃から考えるようになりました。すぐには...
◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日体育の授業の後、クラスの子どもたちに、そしてリコさんにも届くように話をしました。「一人で何かを成し遂げた喜びって、それは確かに素晴らしいものだよね。例えば、逆上がりが一人でできるようになった時、すっごく嬉しいよね。でもね、誰かに親切にして、その子が何かをできるようになってくれた時、どうだろう? 例えば、友達に逆上がりを教えてあげて、その友達ができるようになった時。...
◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日リコさんは、相変わらず自分のやりたいことだけをする日々。何か調子が悪くなると、途中で帰ってしまう。何が彼女を不安にさせるか、私にはトンと分からない日々でした。ただ、彼女の気分に振り回されてはいけないと思っていました。彼女の気分は彼女のものであって、その気分を私がどうこうすることはできない。そんな風に思っていました。私が、彼女の気分を良くする努力をしても意味はない。...
◆先生が怖くて学校に来られない親御さんとの面談で、とにかく学校に来ることを目標にして、漢字については厳しくしないし、宿題をやっていなくても叱らないということにしました。また、リコさんが帰りたくなったら家に帰すということにもしました。親御さんも何とか学校に登校させてくださったので、本当にありがたかったです。実際のところ、子ども達には「一番大切にして、一番考えてくれているのは親御さんだから、親御さんの...
◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が厳しくて学校に来られない。でも・・・私が変わる必要があるのだろうか? という疑問は常に頭の中にありました。実際のところ、リコさんが登校を渋っている間も、丁寧に漢字練習をする子がだんだん増えていったし、クラス全体の宿題の提出も良くなっていったのです。それはまるで、リコさんだけが取り残されている感じでした。他の子は前に進んでいるのに・・・リコさんは、登校を...
◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が怖いからと言って学校に来られない。もちろん、私に問題があるのですが、果たしてそれだけだろうか? と実は、悶々と悩んでいました。学校での指導は、当然厳しい側面が必要です。漢字練習に関わらず、ダメなものはダメだと指導することが大事なのは当たり前のことだと思うのです。社会にはルールがある。そのルールに適合しなくては、周りに人々と共に生きていくことは無理な話で...
◆先生が怖くて学校に来られない4月、新しい学年が始まりました。子ども達にとって希望に満ちた春がスタートするわけですが、学級担任にとっては夏休みまでの4カ月間はものすごく大変で、子どもたちを学校生活や学習の道に乗せるために、必死になってクラスを作っていきます。そしてこれも例年のことですが、漢字学習においては丁寧に書く意識が薄い子ばかりなので、厳しく指導する場面が増えます。たぶん漢字練習に関しては、学...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき「みんなは、漢字を通して最強の勉強法を学んでいます。言われた通りに学ぶことで、教えてくれる人の心がわかるようになっていきます。その人から考え方を学ぶことができます。っていうことはですよ、人の心がわかるようになる、ってことなんです。」ここまで言うと、子ども達の瞳が一斉に私の方に向いたように思いました。どの子も真剣に聞いています。「みんな、多...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき漢字練習を厳しくやっているのは、単純に漢字で良い点数を取れるようになるためではありません。私の言う通りに書く。書いて練習する。そういうことを通して、教えている私の考え方や心を学んでね、という事なのです。あ~先生は、ちゃんと折って書かなくては注意をするんだな、ちゃんと止めないと注意するんだな。そういうのは、私の心です。その心さえ分かるように...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと「漢字練習を丁寧に書かなくて私に叱られる。これってどういうことだろうね?」子ども達は、私の言っていることの意味が分からない様子です。「ずいぶん、みんなは漢字練習の字が上手になってきました。でも、叱られなくなるために必要だったのは、私の言った通りに書く、たったこれだけだったでしょう?」子ども達の様子を見ると、多くの子が首を縦に振っています。「そうそ...
◆漢字練習で人の心を知る人から教えてもらったり親切にしてもらったりしても、平気で無視をする。無視ができるというのが驚きなのですが、相手への感謝の心が育っていない。そこに子ども達にとって一番の課題がある。これは困った問題だなぁと思いました。親に、先生に感謝せよ、と言っても、そう簡単にはいきません。人の心は、コントロールできないですから。感謝の心を育てるために、昔の人はどうしていただろう? と考えてみ...
◆漢字練習で人の心を知る毎日子どもの漢字練習を見ていると、案外と子どもの心理状態が見えます。あ~この子は何かに悩んでいるなー、勉強にやる気を出してきたなー、なんてことも漢字ノートだけで分かります。漢字練習を通して子どもと会話をしている感覚があるのですが、これはテストも同じで、この子はココで躓いているのか、頑張ってできるよになったね、なんて思いながらテストの丸つけをしています。でも、ミツオ君の乱雑な...
◆漢字練習で人の心を知る嫌な事は先にする、そんな話をして学校でも宿題は先取りさせ、ミツオ君の宿題忘れや忘れ物は少しずつ減っていきました。漢字は丁寧にはなりましたが、でも、もう一押し、何かが足りないように思っていました。相変わらず提出物の字が、乱雑だったのです。ある日のこと、私はテストの丸つけをしていました。すると、名前が読めないテストが出てきました。なんとか名前を読むと、ミツオ君のテストでした。そ...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き「この前の道徳の授業で、忘れ物の授業をしたよね。みんなで、どうして忘れ物をしてしまうのかを話し合った時に、「面倒くさい」「部屋が散らかってる」「準備を後回しにする」という意見が出ました。この「面倒くさい」っていうのも後回しだよね。やりたくないから面倒だなって思う。「部屋が散らかっている」っていうのも、片付けを後回しに...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き人の脳って不思議なもので、何か疑問があると、いつまでも覚えていて答えを探しているんだって。みんなも経験があるでしょう? これって何て名前だっけ?って思ったら、ずいぶん時間がたってから”〇〇だ!”ってピカッて思い出すってこと。」子ども達は口々に「ある!ある!」と言っています。「やりたくないこと…みんなだったら宿題ってことに...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと「宿題を先にやっても良い事にしているけれど、それでも宿題を出せない人がいます。そういう人は、隙間時間や20分休みにやっているのだけど、ちょっとよく考えてみてくださいね。宿題は、やらなければならないことです。これは大丈夫ですか?」子ども達に聞くと、「はい!」という返事が返ってきました。「そうそう、やらなければならないこと。それ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 10「できない、わからない、といって逃げないで、わからなくても、できるようになる道を歩む。そうしたら、いつか理解が追いついてくる。」こんなことをクミコさんに言い続けました。不思議なもので、行動できるようになったら苦手な算数でも他の教科でも、できることが増えていきました。これは考えてみたら当然のことで、それまでは、「できない・わからない」という心の鎧で自分...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 9クミコさんに繰り返し話したこと練習しても、当然すぐにはできないでしょう。全然分からないって思うことでしょう。でも、何度も何度も”できない”、”わからない”って思うことが実は大事で、その都度、私や友達に教えて貰えばよい。そうしたら、いつか分かるときがくる。授業を聞いて”わからない”、”できない”って思うのは1回だけです。1回だけで諦めてしまう人が多すぎです。でも...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 8クミコさんに繰り返し話したこと「算数の教科書ってね、すごくすごく簡単に勉強を教えてくれているんだよ。例えば、掛け算の筆算なら、まずは2桁×1桁、しかも繰り上がりがないものからはじまって、ゆっくりゆっくり誰でもできるようになっている。いきなり3桁×3桁なんて、無理な事は書かれていません。だから、クミコさんが1時間の授業で学ぶ事って、とっても低い階段を上るよ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 7「量が質に変わる」クミコさんの問題は、分からないからと自己否定に向かってしまって量をこないしていないこと。そう考えて、クミコさんにとにかく「できる」を目標にしていこうと話をしました。特に実践しやすかったのは、算数でした。クミコさんは算数には特に苦手意識があって、算数の時間にはいつも暗い顔をしていたました。でも算数は時間さえ味方につけたら乗り越えられると...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 7「量が質に変わる」。車の運転でも同じなのでしょう。いくら理論を知ったからといって、実際に練習を重ねないとできるようにならない。だからサーキットに行って練習を重ねる必要がある。そうやって行動に移さないと、人は思考を深められないのだと思います。これは学校の学びも同じで、算数の理論を学んだからといって出来る子ばかりではありません。むしろ、出来ない子が大多数で...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 6クミコさんは、「私は勉強ができない」という強固な鎧を心に身にまとって「勉強ができない自分」を肯定して、現状維持の壁を破ることができませんでした。学習活動が遅いのは、完璧主義の問題もあると思っています。チューリップを植えるのが遅かった1年生は、失敗を恐れる心理があったのでしょう。クミコさんも、問題ができないことが怖い。失敗したらどうしよう、、、と思ったら...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 5丁寧に板書をノートに写すクミコさん。丁寧書いていたら、本人も勉強した気分になるから自分を否定することにもなりません。そこに落とし穴がある。クミコさんの問題は、できるようになる努力をしていないことと、苦手なことから逃げてしまう心にあると思いました。クミコさん自身は、「できる自分」になりたいと思っていることでしょう。でも、その未来に向かって歩き出す勇気がな...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 4クミコさんの授業での様子を見ていると、とにかく、なんでも丁寧なのです。板書を写す時も、とても丁寧にノートに書いていきます。丁寧すぎて、時間が掛かるのが問題で。。。その姿は、私には”逃げ”のように感じました。丁寧に書くことで、考えることから逃げている。授業では考えることや分かることが大切ですが、丁寧に字を書くことで、思考することを拒否しているのでしょう。以...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 3現状維持なら、自分は傷つくことはない。お母さんの話では、クミコさんは家では宿題ができなくて泣いているとのことなので、勉強ができないことで自分自身を責めているのでしょう。なら勉強したらいいじゃんって思うし、そんな風に苦しんでいるのは地獄のようだものだと思うのですが、そういう思考が常態化していると、抜け出せないんですね。クミコさんの問題も、「勉強ができない...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 2心の話には素直に反応して、しっかり話を聞くことができるクミコさんですが、授業となると、とたんに不安そうな顔となります。漢字は以前担任した時にかなり特訓をしたので、止め・はね・払いも完璧に書くことができるし、漢字小テストは、半分くらいは〇になっていたので、全然できないというレベルではないので、違和感がありまくりです。漢字が読めないという話はいったいなんだ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 1クミコさんは、前年度の担任からの申し送りで、文章は拾い読みで漢字も読めない、算数の文章題も全く解けないという子でした。前年度の成績は学年の中で最下位層に位置していました。以前に担任もした子で、当時も勉強が苦手だな、、、とは思っていたのですが、何度かお母さんから「お気楽先生が担任の時はやる気があったのに…」という相談を受けていたのです。再び担任した時は、(...
『人生とは自転車のようなものだ。 倒れないようにするには走らなければならない。』これはアインシュタインの名言です。最近、この言葉に出会ってかなり衝撃を受けました。同様な名言は数多く存在していて、泳ぐ魚は沈まない、回る駒は倒れない、など、このブログでも以前に書いた記憶があります。でもなぜ、再びアインシュタインなのか?それは自分自身にとって、「動けない」ことが大きな課題であると最近意識するようになって...
◆『いい人戦略』でいこう!3クラスで話したことまだまだ未熟な私たちだから、いい人を目指して努力していく。そんな話をしていたら、子どもから「嫌なことをした人にも、親切にするのですか?」という質問がありました。これには少し困ってしまったのですが、他の子がさっと手を挙げて「オキシトシンは、相手にもでるから…」と助け船を出してくれました。毎日、いろいろな話をしていますが、子ども達なりに知識をつなげる努力をし...
◆『いい人戦略』でいこう! 2クラスで話したこと「いい人であることは難しいです。だってね、悪口を言われたと思ったら心の中では、怒り爆発状態だものね。私だって同じです。でもね、戦略なんですよ。自分はたぶんいい人じゃない。だから、いい人のフリをする。いい人のような演技をする。例えば、人の顔って口の端…口角というけれど、そこをちょっと上に上げたら、笑顔だと思われる。逆に下げたら機嫌が悪いように見える。だっ...
◆『いい人戦略』でいこう! 1クラスで話したこと「悪口を言い続けたら友達が無くなっていく。これは、怖い話ではないですか? だって、そんな人と付き合ってなんていられないよね。クラスは、悪口を言わない人がほとんどだよね。ちょっと見回してごらんよ。少なくとも、大人しくあまり喋らない子は悪口を言わないでしょ? 休み時間になると外に飛び出してドッジボールをやっている子だって悪口を言っている暇なんてないよ。漢字...
◆自分の色眼鏡を変える 3クラスで話したこと つづき「こういうことはね、騙されたと思ってやってみると良いんだよ。周りの人は親切で優しい人ばかりだ、っていう色眼鏡をかける。そのためには、まず自分が親切で優しい人になることが必要なんだ。知らない世界というのは、信じられないことでしょう。でも教えて貰うというのは、知らない世界を知るってこと。学ぶは真似ぶなのだから、騙されたと思ってやってみる。ケンタ君は、実...
◆自分の色眼鏡を変える 2クラスで話したこと つづき「誰かが「嫌い」と言っているのを耳にしたら、簡単に自分のことだと思ってしまう。手紙を見せて貰えなかったら自分の悪口が書かれているのだと簡単に思ってしまう。人の他人を見る目というのは、これほどまでに曇っているのです。こういうのを、色眼鏡をつけて世界を見ていると言います。例えば、赤色の色眼鏡を掛けている人だったら、どんなものも赤みがかって見えていて、正し...
◆自分の色眼鏡を変えるクラスで話したこと つづき「悪口を言われた場合の対処の仕方の2つめは、自分の色眼鏡を変えるということです。1つめの”相手は変えられないからあきらめる”は、自分は悪くなく、相手が一方的に悪いという場合でした。でも、必ずしもそうじゃない場合があります。それは、自分が濃い色眼鏡をかけて相手を見ている場合です。ひょっとしたら、相手が悪口を言っていない可能性だってある。例えば、私は嫌われて...
◆相手は変えられないことをあきらめる(明らかに見る)2クラスで話したこと つづき「でもまぁ、悪口を言われたり意地悪をされたりする原因が自分にはあるのだろうから、自分はよりよく生きていこうと思う事は大事だよね。よく皆に話をする人に親切にするとか自分への利益誘導をしないとかといった日々の努力も大事です。そういう努力をしていたら、自分は正しく生きているのだから悪口を言う相手が悪いって、ちゃんと思えるように...
◆相手は変えられないことをあきらめる(明らかに見る)1サトコさん達の一件があって、子ども達に、友達との関係についてちゃんと話をしなければと思いました。女子は特に、高学年になると必ずといってよいほど人間関係で問題が出てくるものですから、よい機会だとも思いました。クラスで話したこと「昨日、ある女の子から相談がありました。友達から悪口を言われているというのです。悪口を言われた場合の対処の仕方は、2つある...