桜シーズン真っ盛りということで、近くの虎御前山の桜を見に行ってきました。 今年は開花が遅れましたので、いつかいつかと満開になるのを待ちわびていましたが、咲いてしまうといつものことながら呆気ないものです。 上の写真の虎御前山の桜も(写真は正確には「虎御前山公園」ですが…)来週末にはかなり散ってしまうのでしょう。その儚さがゆえに、一層人の気を引くところが、桜の花のいいところなんでしょうがね。
滋賀県長浜市の土地家屋調査士・行政書士事務所のホームページです 古地図・地籍図鑑定のページもあります
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桜シーズン真っ盛りということで、近くの虎御前山の桜を見に行ってきました。 今年は開花が遅れましたので、いつかいつかと満開になるのを待ちわびていましたが、咲いてしまうといつものことながら呆気ないものです。 上の写真の虎御前山の桜も(写真は正確には「虎御前山公園」ですが…)来週末にはかなり散ってしまうのでしょう。その儚さがゆえに、一層人の気を引くところが、桜の花のいいところなんでしょうがね。
今日から始まりました長浜曳山祭りですが、諌皷山(かんこざん)のパンフレットに協賛広告を出させていただきました。「かんこざん」って、かなをふってもらわないとちょっと読めませんね。 ちなみに掲載された当事務所の電話・FAX番号が間違っておりまして、正しくは「0749-73-3566」です。今回原稿を入れる際に「前のとおりでいいですよ」と伝えただけですので、以前からずっと間違っていますね。 まあ、あくまでお付き合いですので、特に気にしませんが念のため。
世間ではこの時期、「お花見の季節」だと思うのですが、個人的には記憶を遡ると「獅子舞」のシーズンのような気がします。 それくらい年中行事として定着している獅子舞さんが今年も来られました。近所では、幼いお子さんが咬まれて泣き叫ぶ声も聞こえましたが、それもまたいいものですね。そういえば、もしかして「なまはげ」の地域は、獅子舞の文化はないのかも、って思ったのですが、実際どうなのでしょう。
能登半島地震から早や三か月が経過しました。一日も早い復旧を願ってやみませんが、この間地震で倒壊した建物の解体を巡ってSNSを始め、目にする機会が多くなっています。 部外者からみますと「なんで早く解体撤去して復旧をすすめないのか」ということなのでしょうが、建物一つ一つには当然所有権があり、個人の持ち物です。従って他人が勝手には解体撤去はできないのですが、不動産登記を確認しても相続登記がなされておらず、持主を特定できず、復興の妨げとなるという隘路に陥っているようです。 下記のNHKのニュースでは相続登記が任意だったので仕方ない・・・というニュアンスで司法書士会や東京財団の吉原祥子先生の談話が掲載されていますが、土地家屋調査士としては言いたいことがあります。ずっと「義務」とされてきた不動産登記法の規定があったではないですか、と。 不動産登記法では以下の条項で建物所有者の義務が規定されています。 第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。 要は建物の新築時(増築)、又は取り壊した時の登記は義務となっています。ですので義務に反した場合、(本来は)下記の条項が適用されます。 第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。 一般的に建物の相続登記が発生する際、かなりの確率で(滅失登記も含め)表題登記が必要になるケースが数多く見られます。能登地域の建物も相続登記以前に、建物の表題登記がちゃんとなされていましたか、と言いたいです。その点、土地家屋調査士業界としてもアピールが足りないし、今後も発生するであろう震災対策の教訓と
今日は天気が良かったこともあり、久々に米原市にある「ローザンベリー多和田」を訪問してきました。どれくらい久々かというと、恐らく10年ぶりくらいになるのですが、2019年に「ひつじのショーン ファームガーデン」されていますので、当時と比べて全体的にかなり施設整備が進んだように思いました。 「ひつじのショーン 」ですが前は子供とよく観ていた記憶がありますが、最近はEテレではやっていないので小さいお子さんは?かもしれません。でも、結構カップルも多くおられたところを思うと、意外にその世代が小さいころ熱心に観ていた記憶がある、ドンピシャの世代なのかもしれませんね。個人的には現在放映中の番組と比べても決して見劣りしない、幅広い世代が楽しめる番組だと思うので復活を期待したいところです(大人の事情があるのかもしれませんが…)。
業務で日々お世話になっております「登記情報提供サービス」ですが今週からスマホ対応となり、より利便性が増すことになりました。今までは出先はモバイルPCで対応していましたので気づきませんでしたが、そういえばスマホ対応にはなってなかったんですね。 とりあえず、早速スマホで登記情報を取得してみましたが、便利な世の中になりました。 しかし反面、今週月曜日はシステムがダウンし、サービスが使えなくなりました。土地家屋調査士の業務では天候の方が影響が大きいかもしれませんが、司法書士さんは大変だったと思います。急きょ紙申請に切り替えて…なんていう話もネット上では沢山でていました。 ちなみに4月から利用料金が一律1円づつ安くなる、という改訂もあるようです。料金が安くなるのはこのご時世有難いことではありますが、システムの安定にもう少し投資する方が先決かもしれませんね。
昨日はたまたま夜に米原駅を通過する用事がありました。「なんだか時間帯の割には人が多いな…」と思っていましたら、そうですよね、昨日でしらさぎ号は敦賀までの運行となるわけで、鉄道ファンの方々がホームに集まっておられました。特急ににって北陸の温泉に行く、という、湖北地域あるあるの日常も15日で終わってしまいました。 個人的には敦賀まで新幹線が延伸することにより、東海道新幹線が何らかの事情で運行できなくなったときなんかは、東日本への迂回路として使えるな~、程度にのみ考えています。 ただ、それよりこの16日のダイヤ改正により、「シャトル切符」も廃止になりました。チケットレス(交通系IC)の普及により、今までよく存続していたというか、廃止もある種当然のような気もするのですが、こちらの方が地味に湖北地域の住民には影響があるような気もします。 いずれにせよそんな画期となりました、この3月。この敦賀延伸が諸事情を排して、一日も早く米原駅までつながってくれることを期待しておきます。
今日は仕事の合間で少し時間があいたところ、ちょうど彦根市内にいましたのでNHK「ドキュメント72時間」で今年一月に取り上げられました琵琶湖畔の「あのベンチ」を訪問してきました。 放送後約二か月経ちますが、現地にはまだ観光?的なギャラリーもちらほらおられましたね。 正直、特にベンチ自体に際立ったものがあるわけでもなく、眼前には何の変哲もない琵琶湖の風景が広がっているだけなのですが、その辺哲のなさがホッと一息つける空間の秘訣なのかもしれませんね。 休日はいまだ少し混むかもしれませんが、平日は十分駐車スペースもあるようですので一息つきたい方は、どうぞご訪問されて癒されてください。
先週土曜日は地籍問題研究会第37回定例研究会が開催されましたので、オンラインで参加させていただきました。 テーマは「変則型登記と所有者不明土地問題」、個人的にはこの二年ほど法務省の所有者等探索委員にも任命いただいていたこともあり、お仕事の面でもまさに直結する内容でした。 いくつかのご報告があったわけですが、なかでも関心があったのは特別講演「表題部所有者不明土地適正化法のインパクト―入会権を中心に」と題された立命館大学政策科学部の高村学人教授のお話です。まえにも本ブログで取り上げさせていただいたのですが昨年、岩波書店より「入会林野と所有者不明土地問題: 両者の峻別と現代の入会権論」を上梓されておられますので、今回はその内容のポイントとなる個所を取り上げてお話しいただいた形となります。 本は当然以前にも拝読していたわけですが、改めてお話をおうかがいしますと、いわゆる「わかりみが深い!」(すでに死語かもしれませんが…)と思いました。 まずふれられた所有者不明土地の分類なのですが、実際よりも少し?あおり気味の「九州より広い所有者不明土地が…」というインパクト重視の地点から、これからはもう少し詳細を詰めていく作業が必要なフェーズに入っていると思いますので、こうした整理は地に足のついた問題解決を進める上で重要な前提になると思います。 また、従来の入会権の法学説の立場として変則型登記は、入会地であることの推定根拠とされているようですが、表題部所有者不明土地適正化法の立場としては、立法事実・登記のみのサンプル調査 がメインで 入会権への言及もないことから、多くが調査打ち切り等の結果になっていることのご指摘も、実際に調査した経験からも、うなづけるものでした。 他にも「林業現場におけるコンプライアンス型法化社会の進展」として、不動産登記をより重視するように社会が進化してきていること(裏返せば、土地家屋調査の業域拡大も?)、「字名義地とポツダム政令」として部落と部落会について言及いただきました(正直なところ恥ずかしながら私もいままで混同していました)。さらに「財産区と字名義地の区別」についても改めて考える良い機会となりました。 最後にまとめとして「入会権・入会地の登記をどうすべきか ー『入会林野と所有者不明土地問題』の主張」として整理していただきましたが、立法論について是非今後も深めていただければと思いました。土地家屋調査士の立場とし
昨日は滋賀県栗東市さきらを会場に滋賀県土地家屋調査士会法25条2項委員会による研修会が開催されました。 テーマは「旧法定外公共物に関する境界確定事務取扱要領の改正について」と「官公庁との官民境界事務についての協議会の取り組みについて」です。 研修会のなかでは境界確定事務について財務省のマニュアルと滋賀県でのマニュアルとの詳細な比較がなされ、地域性による実務的な違いを実感しました。そもそも包括的な土地境界についての根拠法がないわけですから仕方ないのかもしれません。しかし研修会後の懇親会でも話題になりましたが、同じ滋賀県内でも市町によって取扱いに差があります。 土地家屋調査士の業務がなかなか一筋縄ではいかないこと、また種々の法改正についても常に学ことが大切であること改めて思い知らされる研修会でした。
今日は朝から地元神社での行事祭が執り行われました。行事祭とは、いわゆる「オコナイ」というもので、滋賀県湖北地域一帯にて冬場に行なわれる神事なのです。またこの一年、私も神社の当番ということで神事に関わってきましたが、このオコナイがゴールとなります。 お供えのお餅は前日にお餅屋さんに受け取りに行きました。写真のように4升×2の8升という、なかなかのビッグサイズでお支払いも2万数千円と相成りました…。 こんな味付けも何もない、「素お餅」で2万越えとは…と思わないではなかったですが量が量ですからね。ちなみに私の神社は○型ですが、お餅屋さんで他の神社のものをみますと方形のものもあるようでした。 天候は雨模様で、お祓いの時もかなり寒かったのですが、とりあえず一日無事に行事を終えることができました。これでようやくお役御免と思うとすこし開放された気分です。
昨日今日と土地家屋調査士の新人研修のお手伝いで、大阪市内にあります「フクラシア大阪ベイ」に行ってきました。 私自身がここで新人研修を受講したのはちょうど20年前、当時は「コスモスクエア国際交流センター」という名称で、記憶では宿泊室も二段ベッドの相部屋でした。 それから早や20年、この間に土地家屋調査士の新人研修のお手伝いで今回も含めて本施設は6回目の利用となりました。施設自体も改良が頻繁になされ、かつメンテナンスが行き届いているせいか古さは感じないですね(エレベーターのボタンの文字が消えかかっているのはご愛嬌)。 施設の名称は変わっても、新しい方お迎えすることによるドキドキ、高揚感は今も昔も、ずっと変わりません。今回受講された新人さんの活躍をお祈りするとともに、私もまだまだ負けない様に気持ちだけは若くありたいと切に感じた二日間でした。
事務所からほど近い地域の土地分筆登記の依頼をいただきましたので、登記情報の調査をしていましたら地目欄に珍しい名称が書き込まれていました。 地目名称「湿抜溝」ということですが、まさに周辺も低湿地であったと思われる地域で、耕作するにも排水が必須だったのでしょう。個人的には湿抜地なんて、記憶にもなかったので法務局で改めて旧土地台帳も調べてみました。 なお、地目自体は昭和50年代の分筆の際に原因「錯誤」で「田」となっています。この際に「錯誤」っていう原因もいかがなものかと思わないではないですが、他に何が相応しいかといっても…思い当たりません。
昨年から引き続く琵琶湖の水位低下に伴って突如姿を現した島へと続く道、人呼んで琵琶湖のモンサンミッシェルを見学してきました(長浜市湖北町海老江地先)。 最近水位は上昇気味ですが、今日現在でマイナス62cmということで、まだまだはっきりと湖上の道は残っていました。昨年は見物客も多かったようで、近くの駐車場は土日は止められないと聞いていましたが、今はその手の車もまばらで、十分スペースに余裕があるようです。 地理現象的には湖中の砂嘴(さし)というべきで、琵琶湖においては本来珍しくとも何ともないものとは思いますが、雪解け水が本格的に流入し、渡れなくなる日も近いと思いますので、ご興味のある方は是非ご見学ください。
今週水曜日は当初の予報通りにそこそこの降雪がありました。大よそ30cmほどですかね。実は水曜日は朝から出張していた関係で本降りの間は留守にしていたこともあり、事務所はこのざまです。 週末はそこそこ穏やかな天候とのことですので、そこに期待して、このまま自然解凍でもいいかな、と。降雪は今シーズンはできればこのあたりで勘弁いただければいいのですが、果たしてどうなりますか。
先日事務所に届いたばかりの「月刊日本行政(行政書士の会報誌)」をパラパラめくっていましたら、興味のある記事が掲載されていました。 「行政書士と測量」として、測量ができる行政書士がいることをアピールし、そして業務の幅を広げるためにもこれから新たに測量技術を身につけませんか、といった内容でした。 個人的には行政書士が測量をする、というよりも測量業者さんが行政書士を取得して開業するイメージしかなく、そもそも高い機械やソフトを購入して、ペイできるのか…と思わずにはいられません。 行政書士会としては会員間のネットワークを密にして、会全体として仕事を回しあう方がより現実的で、良いのではと思うのですが、いかがでしょうかね。
今日は長浜市内のさざなみタウン内にて開催中の「企画展 下坂家文書複製物披露」を見学しにいってきました。あまり経緯は知らなかったのですが長浜市DX実証実験プロジェクト事業として採択され、今回の展示会に結び付いたようです。 展示されている複製物、たしかに言われなければ手に取るわけでもないので本物と区別がつかない代物でしたね。足利直義や浅井長政の書状も(内容はさっぱり読めませんが)本当に接近してみることができました。 先日の能登川博物館での地籍図の展示会もそうでしたが、DX(複写技術)の向上もあって、今後はこうした複製物を使った手法が主流になっていくのでしょうか。
昨夜から降り始めた雪は今年初めての雪でした。とはいえ、今日の午前中には消えてしまうほどのもので全く大した雪ではありません。琵琶湖の水位にもこれではあまり影響ないですね。 能登の被災地の降雪を伝えるニュースをみますと、さすがにここらよりは降ってるな―、被災者の方々さぞかし寒いだろうに…と気になります。 被災地はまだ、復旧に時間がかかりそうですが、こちらもいつ被災地となるかはわかりません。せめて3日程度は家族全員がやり過ごせるだけの最低限の水や食料の備蓄をしておこうと思っています。
新年あけましておめでとうございます!新年は当番を務めております地元神社の元旦祭からはじまりました。何とかお役目を果たしてホッとしたのもつかの間、グラーッグラーッと嫌な感じの揺れが… とんだ元旦になりましたが、ここはあれこれ考えないで、とりあえず一年つつがなく、健康で暮らせればと思います。 本年もどうぞ一つお引き立てのほど、宜しくお願い致します。
昨日は話題の映画「翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜」をビバシティ彦根で観てきました! 11月に封切りされていましたので、この間、機会をうかがってきましたが年末で少し時間も取れそうなので遅ればせながら観させていただきました。 ざっくりとした感想として第一作に比べて地域に密着したネタが多いかな、と感じました。ただ、そこは今回は地元民として馴染み深い話題だからこそ気づいただけかもしれませんが…。 琵琶湖周航の歌が二回歌われたのは印象的で、何故か少しだけウルっと来ました。 なお、上の写真はシネマの入り口に飾られていた、実際の映画の撮影で使われた衣装や幟です。幟については何故か今は亡き「浅井町」「湖北町」の幟が映画の中で登場したように思います。「虎姫町」もないかと目を凝らしてみましたが、無かったような…。 とにかく、お正月お時間がある方、特に滋賀県民の皆さんは是非劇場にてご覧ください。 最後になりましたが、本年も本日で大晦日です。今年もいろいろとありましたが、多くの方に励まされ、無事に年越しができることに感謝したいと思います。 新しい年も、一層のお引き立てのほど、どうぞよろしくお願い致します。
法務省ホームページより抜粋
長浜市役所ホームページより転載
昨日は地元の神社の春の大祭でした。 この冬に神社の当番になって初めての行事だけに、いろいろと戸惑いもありましたが何とか終わってよかった、というのが実感です。 今回は自治会主催の勧学祭も併せて執り行ったのですが、お子さんのギャラリーが多くて嬉しかったです。やっぱり子どもさんが多いと賑やかでいいですね。
「増補改訂日本長大地名事典」の発行をネットで知りました。早速、PDF版のみを購入し拝読させていただきました。 地名、なかでも古い地名と言えば令制国や郡名が代表的かと思うのですが、それらは基本的に漢字二文字に統一されています。それなりに知られていることかと思うのですが「諸国の郡名、里名を、好い字の二文字に改めて定着させよ」という当時の勅令にならって(当然大陸の地方制度を念頭に)、いわば権力をかざして、(当時は)強制的に定着させた地名と言えるかと思います。 今回、本書で取り上げられた地名は基本的に「小字」の名称です。小字といっても馴染みの薄い方もおいでだと思うのですが、土地家屋調査士のような不動産登記に関わるお仕事であれば、不動産登記情報に必ずといっていいくらい記載されておりますので、日常的に接することになります。 私も土地家屋調査士の仕事をする中で随分とさまざまな(ある意味自由な)名前の小字があることに気づくことが多いのですが、何分滋賀県は条里制の地割が今なお色濃く残る地域ですので、小字単位では圧倒的に条里由来の名称(六反田とか、五ノ坪とか)を見かける機会が多いです。 そういえば立命館大学の寄附講座で講義を担当させていただいた際に「小字」について説明をさせていただいたところ、学生さんのリポートに「祖父の家で、田んぼのことを地番や番号ではなくて、何やら名前めいたもので読んでいたことを思い出した」ということを書いていただきました。まさに私自身も同じような経験をしており、中でも田んぼは地番ではなくて、小字名で呼ぶのが一般的だと思っていたくらいです。つまり小字とは農業や、山仕事などの日々の生業に裏打ちされた、民衆によって生み出された地名ということかと思います。 少々個人的な体験を述べていましたが、本書においては本当に多くの長大地名が紹介されており、びっくりさせられます。その界隈では有名な「愛知県海部郡飛島村大字飛島新田字竹之郷ヨタレ南」で25字とのことですが、それ以上の文字数の地名って探せばあるもんですね。60字以上の地名に至っては地名の本来の役割を果たしていないのでは、と心配にすらなります。 ただそれらの名称の多くが、その土地を説明するに際してどうしても必要不可欠な要素、地番を必要としなかった時代の名残だと思います。また、長大化の原因として字同士の合体に伴う「合成地名」もあるように思いますが、そのあたりを筆者にはもう少し
今日は長浜市の江北図書館文庫企画展示「近世社会の生活と信仰」~『近江伊香郡志』で収集された史料から~ を訪問してきました。 旧伊香郡の歴史を記録した資料10点が展示されていましたが、中でも伊能忠敬の足跡に関する資料とお堂の建築にあたって中井役所に提出した申請書類(要は江戸時代の建築確認)を興味深く拝見させていただきました。 実は開催は3/26(日)までです。もう最終日なのですがお近くの方はどうぞ。
この間、二回に分けて個人的に入手した小牧地区土地宝典(地番地積地目入図)について解説をさせていただきました。 小牧地区土地宝典(地番地積地目入図)を入手しました 小牧地区土地宝典(地番地積地目入図)を入手しました【続】 今回はその最終回となりますが、土地宝典の内容というよりは土地宝典についての訴訟(土地宝典事件)についてあれこれ感想を述べたいと思います。 とはいえ、少々土地宝典についての説明も少々させていただきたいのですが、今回の土地宝典には付録的に「平方メートル畝歩換算早見表」がはさんでありました。メート法自体は明治から使用されてきましたが、完全に適用されたのは昭和34年とされています。しかし、実は不動産登記の分野では遅れて昭和41年4月以降に、ようやくメートル法が使用されることになりました。おそらく膨大な量の尺貫法で記載された地積や床面積の修正が面倒だったからだと思うのですが(勝手な推測です)、思えばそれほど尺貫法がわが国において深く根付いていたわけですね。 今回の換算表、内容的には別に珍しくともなんともないのですが、こうした早見表の存在はまさに時代を感じさせますね。 本題の「土地宝典事件」に入っていきます。 ここでは「知的財産法政策学研究 第31号」に掲載された時井真氏による判例研究をもとに見ていきたいと思います。事案としては法務局にて利用者に対し便宜的に貸し出しをしていた土地宝典の著作権を譲り受けたものから、複写権の侵害ないし複写ほう助、使用料の不当利得等について争われたというものです。 裁判結果としては原審で原告勝訴、被告(国)から控訴、最終的には原告の勝訴(一部)という流れだったようですが論点を拝見していきますと、それぞれ興味深いところです。 そもそもですが法務局の閲覧コーナーに土地宝典が備えてあった、というのも私の経験からは全く想像がつきません。が、恐らく都市部の法務局では来訪者も多かったでしょうから、混雑を避ける意味でも、そういったことがあったんでしょうね。 そのあくまで便宜的に貸し出した、土地宝典を巡って国に対して訴訟を起こす、というのもなかなか想像の斜め上をいくような感想を持ちますが、ただ論文で整理された論点をみていきますと確かに理屈的には原告が有利なような気はします。 そういえばこの判決が出た時期に、法務局のコピー機の使用について、住宅地図等について著作権の侵害にならない様に厳しくルール化さ
今日は午後から事前に参加申し込みをしておいた地籍問題研究会第34回定例研究会にオンライン参加をさせていただきました。今回の全体のテーマは『DX時代の地図編製』、先日は登記所備付けXMLデータの公開が始まるなど今注目の分野と言っていいでしょうね。 研究会の個別の報告は以下の通りでした。 ■ 報告1 土地・地理空間分野におけるデジタル庁の取組 一栁泰基氏(デジタル庁デジタル社会共通機能グループ参事官補佐) ■ 報告2 地籍調査の変遷と地図の精度 川口保氏((一社)日本国土調査測量協会技術部長) ■ 報告3 作成時期が異なる地籍図の接合性 佐藤修氏(国土交通省認定地籍アドバイザー、株式会社十日町測量取締役企画部長) ■ 報告4 eMAFF地図の農地情報紐づけ実施業務について 向江拓郎氏(農林水産省大臣官房デジタル戦略グループ課長補佐(地理情報共通管理システム担当)) ■ 報告5 GISと地図の接合性 西脇周平氏(国土情報開発株式会社企画管理部MTU課係長) 山口琢也氏(国土情報開発株式会社企画管理部MTU課課長) 個人的には特に報告1、報告4について興味深くお聞きいたしました。 まず報告1の中で「ベース・レジストリ」について説明がありました。今回はその中でも「土地・地図分野」における課題として「台帳同士の紐付け」について、地番と個人情報、地番と住居表示、地番と所在等々の問題を挙げられました。 いわゆる「アドレス・ベース・レジストリ」の整備、我が国においてはなかなか一筋縄ではいかないとも思うのですが、これまでは省庁間の壁が阻んできた部分も大きいと思います。しかし、ここは折角あらたに「デジタル庁」を設置したわけで、長年の陋習を突破していただけるよう期待したいところです。 報告4は農水省の担当者様からの報告でした。実は登記所備付けXMLデータの公開の動機として農業分野からのリクエストの要素が大きいと感じるのですが、農業分野も台帳と地図がこれまでのアナログの世界では相互活用が進んでいなかったようですが、デジタル化によって改善(農地情報の紐づけ)が進んでいるようです。 また、任意座標系の登記所備付けデータ(要は地図に準ずる図面)の活用に当たって、基礎自治体で作成されている地番図をベースに使い、重ねることによってかなり使える情報になるとの報告がありました。最近は地番図を公開している自治体も増えてきましたから(たまたまですが私が主に
本日は草津市立市民交流プラザ(フェリエ南草津)におきまして、境界問題解決支援センター滋賀主催の研修会が開催されましたので、オンラインにて参加させていただきました。 研修会のテーマは「公証業務と専門資格者との関わり~ 4つの公正証書 ~」、講師は長浜公証役場 公証人 阿野 純秀様です。 今回の研修の粗筋は下記の通りです。 1 公証業務について 2 高齢化社会 3 第三の人生に備えた4つの公正証書 (1) 任意後見契約 (2) 遺言公正証書 (3) 尊厳死公正証書 (4) 死後事務委任契約公正証書 4 署名認証(サイン証明) (1) 海外居住者で一時帰国の場合 (2) 筆界確認書の署名認証 (3) 不動産登記法第23条4項2号の署名認証 講師の先生が触れておられた判断能力の低下や尊厳死等々、正直なところ避けられるものなら誰しもがそうしたい話題も、今後ますます高齢化が進む中で否が応でも直面する機会があることと思われます。そうであれば見て見ぬふりをしているよりも、前向きに、事前に手を打つことが重要になってくるのでしょう。 「杭を打って悔いを残さず」という土地家屋調査士業界の格言?がありますが、それにプラスアルファして「公正証書を残して争いを残さず」という姿勢が社会的にも今後一層求められていると研修を受講して感じました。 また、今回の研修はオンライン(ZOOM)にて参加させていただきました。正直なところ、研修会場に足を運ぶだけでも一苦労の地域に住む者にとってオンライン研修の普及はまさに福音とでもいうべきものでした。コロナもいよいよ終息が射程圏で、今月にもマスクの着用は実質的に任意になるようですが、オンラインを利用した会員研修や会議は今後も積極的に実施していただければと思います。 研修会の開催にご尽力いただきましたセンター滋賀の関係者の皆さま、大変お疲れ様でした。
今日は朝から名古屋方面にお出かけしてきました。写真は名古屋城ですが、久々の訪問です。いつ以来かと言えば…約40年ぶりですね。当時は天守閣にも入場しましたが今回は外から眺めるだけです。御殿の復元もされており、見学したかったのですが、ながーい行列を見て断念。名古屋は観光地といっても、有名どころがそれほど多いわけではないので、極端に人が集中する傾向があるように思います。 そういえば花粉症のシーズンが本格化してきました。今年は花粉が多いと言われている割には個人的には症状は例年に比べてそれほどではありませんが皆さまいかがでしょうか。とくに何か変わったことを始めたわけでもなく、症状が軽い理由はよくわかりませんが、とにかくこのまま症状がひどくならないとありがたいと切に思うこの頃です。
前回も「小牧地区土地宝典(地番地積地目入図)」について見てきましたが、今回は土地宝典の内容について少々触れていきたいと思います。読み解くガイドは引き続き大羅陽一「土地宝典の作成経緯とその資料的有効性」です。 冒頭の画像は土地宝典のなかで、小牧地区の地籍を写し取った箇所となります。右上の字八幡前に属する広い区画の一帯は小牧山城となります。中心部分の区画はおそらく模擬天守が現在存するあたりと思われます。小牧山城は城郭と言っても織田信長が築城し、小牧長久手の戦い以降は特段使用されていなかったと思うのですが比較的斜面も急ですので近世を通じて農地などに転用され、細かく細分化さることはなかった様子が地図からうかがえます。 なお、字が大変細かいのですが地番と面積、地目(凡例)が一筆ごとに記載されています。また小学校や警察署などの官公庁なども名称がそれぞれ記載されています
昨年、土地境界の立会いの際にある参加者の方が「土地宝典」を持参してこられました。土地家屋調査士にとってはあるあるかもしれませんが私自身は初めての様な気がします。書籍などで土地宝典の存在は知っていましたが、現に境界の資料として持ってこられる方はほとんどおられませんので珍しがりがてら、内容を拝見させていただきました。 時を経て先日、某オークションサイトで土地宝典の出品を見て、なかなか美品で、お値段も手ごろのように思いましたので気軽に一つ入札しましたら、そのまま落札と相成りましたのが今回ご紹介する土地宝典(愛知県小牧市小牧地区土地宝典地番地積地目入図)です。 まず「土地宝典」とはなにかをざっとご紹介しますが、ここでは国立国会図書館のサイトから解説を拝借します。 『明治以後、租税の対象となる所有地を調査・確定するため、土地台帳や地籍図が公的機関により作成されました。土地台帳とは、その地域の区域名称(町名・大字・小字など)、地番、地積(坪数、面積)、地目(土地の種類:田,畑,山林等)、等級、所有者名といった情報を収録するものであり、地籍図とは一筆ごとの土地の区画形状を測量した土地台帳の附属地図です。土地台帳と地籍図とを合体させるなどして、該当箇所と所有者を確認しやすいように民間で編集して刊行された地図帳を「土地宝典」と呼びます。 「土地宝典」の収録内容は、地番と地積しか収録されていない簡便なものもあれば、複数の情報を詳細に収録するものなど、資料によって様々です。また、「土地宝典」のほか、「字限図」「一村字限切図(字限全図)」「地籍地図」など多くの呼び方があります。』 (国立国会図書館 https://rnavi.ndl.go.jp/jp/maps/post_1220.html) まあ、土地宝典をざっくり表現するならば、土地家屋調査士が官民境界確定協議の際などに添付する「土地合成図」の大規模版ですね(所有者は載ってませんが…)。
先月末に事務所の近くで開業された「ごはんCAFE」でお弁当を買ってきました。幕の内弁当480円也。コンビニのお弁当と比べてお魚が多く使われているかなって思います。お値段も今どきリーズナブルな価格ですね。 実はこのCAFE、もともとは保育園だった建物を活用しておられます。私も40数年前には園児として、この建物に毎日お世話になりました。まさか、CAFEに衣替えするとは想像もつきませんでしたが、いまは古民家レストランなんかも珍しくない時代です。今後も往時を懐かしむ方に是非訪れていただいて、地域に賑わいを創出いただければ嬉しいですね。
昨日は栗東市「さきら」におきまして、滋賀県土地家屋調査士会の研修が開催されました。 研修会のテーマは「令和3年法律第24号(民法・不動産登記法等改正法)及び第25号(相続土地国庫帰属法)並びに令和4年4月14日民事局長通達で何が変わるか(最近の法改正等が境界確定協議の実務に与える影響について)」という、記憶する範囲では史上もっとも長い?ものでした。 土地家屋調査士の研修会とはいえ、滋賀県内の自治体の官民境界の担当職員さんにも数多く参加いただきました。受講した感想としては、「理論」と「実務」の間にはどうしても距離があります。そして、その隙間を無理なく埋めるために専門家としての土地家屋調査士の役割があるということでしょうか。 境界も現場によりけり、答えは単純には導き出せませんが、まさに「官民」が知恵を出し合って国民にとって常に望ましい結論が出せるよう、日々の研鑽が大事と感じた研修会でした。
事務所の隣で先日、賃貸アパートの工事が完了し、日を置かず、早速入居が始まっています。この地区では初めてのアパートなので実際にどのくらい需要があるものか、と思ってはいたのですがネットで検索すると既に満室なのかな?といった状況ですので、何よりです。 近隣というだけで、全くの部外者ですので外回りしかわからないのですが、ざっと見る限りいろんな設備が充実していて、なかなかいいですね。植栽一つとっても結構こっているような感じで、最近の賃貸アパートも侮れないなあ、と思います。
今月、オンラインで参加(というか単に視聴)した「NISSAN あ、安部礼司」のイベントで配布されていたオリジナル名刺を昨日いただきました。 「NFT(Non-Fungible Token)を使用したデジタル名刺」ということらしいのですが、単に仲介している博報堂(animap)の営業戦略にのせられているだけの様な気もします。それでも、偽造や改ざんが難しいとされる「ブロックチェーン技術」について初めて触れた体験という意味ではよかったのかも。
昨日は「関西の迎賓館」とも称される、奈良ホテルで会議がありました。奈良でも雪が舞っているのですから言わずもがな滋賀県北部では・・・といったところですが、車窓から見る限りでは滋賀県内でも近江八幡くらいまでは湖北と変わらない程度の積雪がありましたね。 それにしても今日もJRは運行がままならなかったようです。雪に関しては積雪量も大したことがない今回の程度で、そこまでダイヤが乱れるとは気が思いやられます。もちろん安全な運航が一番であることは言うまでもないのですが、それにしても悪天候に対して無策ではないかと感じます。 社員の皆さんは各自一生懸命やっていただいているとは思うのですが、あまりに頻繁にこうしたことが続くと利用する側もついつい敬遠してしまうような気がしますので、もう少し普段からの対策をお願いできればと、一利用客としてお願いしたいところです。
もう雪は降らないのかなー、と思わないでもいた今シーズン、初めてまとまった降雪がありました。とはいえ精々10~20cm程度でして、湖北地域では珍しくともなんでもないの積雪なのですが、ニュースでみた京都の映像ではこちらとそんなに変わらない程度の雪がありましたので、南雪なんですね。 とはいえ今回は雪よりも、寒波。「寒すぎて雪が積もらない」という現象は昔からあるように思うのですが、今日は日がなマイナスの気温のようですので、雪よりも道路や水道管などの結氷が気になります。
年明けにマスコミにて発表され、以降界隈?では熱い注目を浴びておりました、全国の法務局にある地図データのネット上で無料公開が本日正午より開始されました。 案の定ではありますがアクセスが集中し、今現在も(というか、先週から)つながりにくい状況ですので、私自身は少し間をあけてからデータを入手したいと思っているのですが、当初は眉唾物くらいに感じていた取り組みが、本当に始まりましたね。 土地家屋調査士がこのデータを業務で利用するのはある意味当然ですが、今こうして法務省が公開を行う理由として農業や防災などへの活用が上げられていたりします。多くの方がその意義について様々触れておられますので私の方からは特に申し述べることはないのですが、あえて一点あげさせていただきます。 それは学術研究分野での本データの活用と研究発展への期待です。一筆地毎の輪郭を描いた大縮尺のデータを現在までまともに学術分野で取り上げ、十全に活用した事例はほとんどないと思います。それは、PCの性能的なことや、個人情報の壁もありましたが、何よりネット上に、無償で使えるデータが転がっていなかったことがあると思います。ですので今回の公開を契機に、地理学だけではなくて社会調査や民俗調査、都市工学や土木工学などなど様々な学問分野において法務局データの活用が広がるのではないかと。 残念ながら土地家屋調査士は受験人口も基本的には低落傾向が続いていますが、このデータ公開によって一筆地のデータに親しみ、学んだ学生さんがどこの業界よりも一筆地に詳しい、土地家屋調査士業界の門をたたくようなことが長期的に見れば期待できるような、そんな夢が持てる今日の出来事でした。
今日は朝から季節外れの好天気でしたので、長浜八幡宮に初詣に行ってきました。ぎりぎり「松の内」だからいいのかな、と思いきや、ググってみますと「松の内」の期間のとらえ方には地域性があるようで、関東は7日までで、関西は15日という解釈のようです。松の内に地域差があるって初めて知りました。 聞き及んでいるところでは年末年始は八幡さんも大層な人出だったようです。ただ、いまはコロナのこともありますし、密を避けてゆったり参拝できましたので何よりでした。
昨年映画化されたこともあり、改めて話題になった司馬遼太郎の「峠」ですが年末から年始にかけて読了してみました。 河井継之助と北越戦争についてはそれなりに関心をもって、これまでも折に触れて河井に関する著作を読んでは来たのですが、本丸ともいうべき「峠」については初めて手に取りました。そもそも司馬遼太郎の作品を読了したのは30年以上ぶり、のような気もします。 河井継之助については優れた人物であることは疑いようもないとは思いますが、長岡藩の家老として北越戦争に至る経緯については様々な評価があると思います。40歳を越えたばかりの若さもありますし、学問を長く治めてきたが故の、理屈に頼りがちといいますか、「東」にも「西」にも与しないという、正道といえばいいのですが敢えて隘路を行く面など、もう少し狡猾さがあれば戦争は回避できたような気もします。 ただ、北陸の小藩の、武士としてはそう高位の家柄でもなく、風采も上がらず、学問的にもとび切りの秀才とも言えず、剣術などにも興味を持たないという、ある意味でだれからも自己投影しやすい河井のパーソナリティと、唯我独尊ともいえる河井を否がおうにも巻き込む時代の激しい転回は、一個の小説としてとてもよく完結しているように思いました。 この間、就寝前に読書をしてみましたが、深夜にスマホやテレビ画面を見るよりは不思議に心が落ち着くような気がしました。折角ですので、他の司馬作品も手に取っていきたいと思います。