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  • ある作品を読むことで他の作品の理解が深まると、テンションが上がる。その2(「火山島」×「カラマーゾフの兄弟」)

    note.com ↑の話の続き&補足。 いま読んでいる「火山島」の7巻に、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」のオマージュシーンが出てきた。 反政府組織の裏切者である柳達鉱(ユ・タルヒョン)を、主人公の李芳根(イ・バングン)が糾弾する。 このシーンは読んでいて疑問が多い。副読本でもインタビュアーと作者のあいだで議論になっている。 でもほんとうにゲリラの人たちの名簿を警察に渡したかどうがというのは、李芳根もわからないわけじゃないですか。(略)実際に渡した場面は描かれていないわけですし。柳達鉱は尋問に対してゲロするわけでもないですし。そういったなかで殺されてしまうというのは、何か濡れ衣を着せら…

  • これ一冊で「資本論」の内容がざっくりわかる。池上彰「高校生からわかる『資本論』」はさすがのわかりやすさだった。

    池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」 (集英社文庫) 作者:池上 彰 集英社 Amazon 「資本論」の入門書を読み比べてみよう企画第一弾として、池上彰の「高校生からわかる『資本論』」を読んだ。 本書でも言われている通り、「資本論」はマルクス特有の造語(?)と持って回った言い回しによって敷居が高く感じるが、言っていること自体は今の時代でも(だからこそ)「そうだな」「なるほど」と思うことが多い。 「資本論」が最初に発表されてから150年後の現代は、まさにマルクスが「資本主義社会が進むとこうなるのでは」と書いた通りになっている。 やはり凄い人だったのだなと思う。 「資本論」は資本主義社会…

  • 「ゲームブック・ドルアーガの塔1巻『悪魔に魅せられし者』」の実況が面白い&ゲームブックの思い出話をしたい。

    ゲームブック「ドルアーガの塔一巻『悪魔に魅せられし者』」の実況動画を見ている。 #1 ドルアーガの塔で遊びます!【ゲームブック実況】 - YouTube ただ文章を読み上げるだけだったらどうなのか? と疑心暗鬼で見てみたが、 「ドラゴンクエストビルダーズ2」を使ってマップを立体迷路で再現して、横には平面図とステータスを出している。 普通に3Dダンジョンのゲームになっている。 *体長2メートルあるダブルヘッドのイラストが個人的にツボだった。 実況主のしのさんが、真剣に楽しんでプレイしているので(戦闘もちゃんとサイコロを振ってやっている)展開を知っていても見ていて楽しい。 「嘘をついている人間がい…

  • 哲学は「みんなが納得できる共通の原理」を、みんなで探すジャンルだったのか。

    竹田教授の哲学講義21講―21世紀を読み解く 作者:竹田 青嗣 みやび出版 Amazon ↑をもう一度読み直して、学んだこと考えたことのまとめ。 この本を三回通読して、自分が勘違いしていた*1と気付いた。 この記事では、自分が「哲学とはそういうものだったのか」とわかったことを書きたい。 一番「なるほど」と思ったのは、哲学は宗教などとは違い、特定の属性や共同体を超えて「万人が普遍的に『確かにそうだ』と思う原理を、誰が一番うまく当てるかを競うゲーム」だと言うことだ。 皆が時代を超えてひとつのことを競っているプラスうまく当てるために、前の時代や同時代の人間の考えを前提にするなり一部借用するなり批判す…

  • 「学問の自由、言論の自由とは何なのか。公共の福祉と対立した時、どう考えるべきか」についての学び。

    経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書) 作者:猪木 武徳 中央公論新社 Amazon メインは経済の話だが、それ以外もなぜそんな社会制度があるのか、どんなリスクに対応しているか、ということが書かれていて面白かった。 副タイトルである「文明社会の制度的枠組み」のほうが内容を表している。 中でも第七章に出てきた「学問、言論の自由はなぜ保障されているか」という話が面白かったので、メモがてら紹介したい。 物事を知る、あるいは自由に発言するということには、「私的」な精神的欲求と、「社会的」効果というふたつの側面が存在する。(略) 私的なレベルでの知る自由・発言する自由は、公共の福…

  • 「葬送のフリーレン」を「つまらない」と感じるのは何故か。

    *既刊のネタバレが含まれます。 葬送のフリーレン(11) (少年サンデーコミックス) 作者:山田鐘人,アベツカサ 小学館 Amazon 以前から気になっていたけれど、「葬送のフリーレン」を検索にかけると、「関連性の高い検索」で「つまらない」が出てくる。*1 実は「つまらない」と思う気持ちもわかる。 「葬送のフリーレン」はエンタメ作品とは思えないくらい、話の文脈が読み取りづらく不親切に出来ている。 客観視点でいながら、感情を高める演出もほぼないので、その描写の意図も読み取りづらい。バトル以外では登場人物の内面を長尺で説明することもないので、特定のキャラに感情移入して主観視点で話を楽しむのも難しい…

  • 【アニメ感想】「葬送のフリーレン」4話まで。原作とは違う視点が入れることで、物語のテーマの美しさがより際立つ。

    ※既刊11巻までの若干のネタバレがあります。未読のかたはご注意ください。 別に魔法じゃなくたって… 種﨑敦美 Amazon 「葬送のフリーレン」のアニメがついに始まった。 第一話を見て(おこがましくて申し訳ないが)「アニメになるならこういう要素を取り入れて欲しい」と思っていた風になっていて嬉しかった。 原作の第一話を読んだ時は読者にも、フリーレンとヒンメルの認識にどれほど落差があるかはわからない。 読者もフリーレンと一緒に思い出を追体験する。その思い出がヒンメルにとってどれほど貴かったかを知ることで、フリーレン(自分)にとってその思い出がどれほど得難いものかを知っていく。 だから原作の第一話は…

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