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  • 兄弟喧嘩の結末は

    ある日、オバデヤは幻を見ました。 突然、幻の内容が語られますが、オバデヤ?どんな人? 自己紹介がありません。 同名の人は依然にも何人か出てきましたが、わからないようです。 わかっているのは、この書がエドムの滅亡について書かれていること。 それだけでは悲しすぎるので、ヤコブ(イスラエル)の回復の希望が予言されています。 エドムが『永遠に消え去る』とは厳しい予言です。 エドムはアラバの谷の東側、岩石の多い山地です。南北160キロ、東西32キロ、水が豊かで牧草に富んでいました。渓谷にそびえたつ難攻不落の要塞は彼らの誇りでした。 そのエドムに対して言われた言葉がこれ。 『あなたは・・してはならなかった…

  • 正しい人は・・

    不気味な地鳴りが聞こえる。 ハバククは身を震わせた。 カルデヤ人(バビロン)の侵入、その蛮行の数々が耳に入ってくる。 わが世の春を謳歌していたアッスリヤをも揺り動かす勢いだ。 虎視眈々とアッスリヤからの独立をもくろんでいるバビロン。 ユダ王国もバビロンを恐れていた。 預言者たちはバビロンを恐れるなと叫び続けた。 しかし、次々と入ってくる蛮行の数々に王も民も震えた。 王はヨシヤ王の後を継いだエホアハズ。アッスリヤの力が弱まったとき、彼がエジプトに助けを求めたとしても自然の流れだった。もう預言者の声は届かない。 エホアハズ王はエジプトから嫌われたのか、エジプトへ連れ去られて、そこで亡くなった。 後…

  • 水が溢れて・・・

    エルコシ人ナホムは神様からお告げを受けました。 『神様はねたむほどに、ご自分の国民を愛しておられる。だから、その国民を痛めつける者どもに復讐する。アッシリアの首都二ネべを滅ぼす』 その昔、預言者ヨナは二ネべに行って預言をしました。 「滅びが迫っているぞ!」と。 当時、世界の国々はアッシリヤの脅威に辟易していましたから、滅びることは大歓迎でした。 しかし、神様はおっしゃいました。 「だから悔い改めよ!」 ヨナは、滅びのアッシリヤを期待していましたから、反論しました。すると予想外なお言葉が返ってきました。 「そこには善悪をわきまえない12万もの人たちがいるのだよ」 あんなにも優しいお心遣いを示され…

  • もう我慢も限界だ!

    地図を作成してみました。 神様が滅ぼすと断言したガザ、アシケロン、アシドドなどを記入すると、ごちゃごちゃです。ペリシテの町エクロンは狭すぎて記入できませんでした。 Bardで検索したら、北イスラエルの面積は約1万平方キロメートルで四国地方と同じくらい、南ユダの面積は5000平方キロメートルで北海道の半分くらい。 ゼパニヤは幼いころから、大叔父ヒゼキヤ王の偉大さを聞かされて育った。大叔父はユダ王国第13代の王様でした。 その父アハズ王は罪深い王様で、偶像礼拝に染まっていました。 そのため、シリヤとイスラエルが北から攻め、エドムは東から、ペリシテは西から攻め囲みました。(これ、神様の仕業。!サンド…

  • 未来の祝福と希望を胸に

    ユダの王ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代のことです。 モレシテ人ミカがサマリヤとエルサレムについて、神様から示された言葉。 その日ミカは荒野に座して祈っていた。 太陽は中天をとっくに過ぎて、徐々に彼の体を朱色に染め出していた。 群雲が沸き上がり、まだらな光の中から、突然、閃光が走って、ミカは顔を覆った。その時、閉じられた瞼の奥に、はっきりと焼き付いた映像がこれだ。 神様が来られる!! ああ、神様が天の御座から立ち上がり、高き山々を踏みしめて、地上に降りてこられる。 お怒りなのだ! その御威光とお怒りのゆえに、踏みしめられる地は炎となって燃え上がり、谷底目掛けて駆け下ってゆく。 なぜ?なぜなんだ?…

  • ふろくの付録?

    小高い丘の中腹。そこにある洞穴。そこで泣きながら祈っている人がいる。預言者エレミヤだ。 「ああ、神が住まわれる主の山シオン、エルサレムよ」 ほとばしるその言葉は、悲しみと苦しみとやるせなさが、ない交ぜになっていた。繁栄を極めた選民の地。それは美しい乙女になぞられて、さらなる涙を誘うのでした。書記官バルクは祈りの言葉を聞きながら鼻をすすった。 哀歌は 北イスラエル崩壊後、イザヤ書の後、南ユダ王国ヨシヤ王の時代に書かれたらしい。エレミヤ書の付録? 若き王は、神殿修復、律法の普及、偶像撤廃、過ぎ越しの祭りを再開する、といった事柄に果敢に取り組みました。 その頃、カルケミシは、北イスラエルを滅ぼしたア…

  • 付録で~す

    梅も椿も桜も咲いて、雨まで降ってきました。今の時期、🐤も忙しくあちらこちらと足を向けて、季節の移り変わりを楽しんでいます。 気になるのは預言者エレミヤさん。書記官バルクもですが、二人とも、その後の足取りはつかめていません。 エジプトがバビロンに負けて、その後、二人ともバビロンへ行き、そこで亡くなったともいわれています。 若者?聖書には出てきませんが、エレミヤの身の回りの世話をした人がいたと思いませんか? 書記官バルクは、エレミヤが語った言葉をエレミヤ書と哀歌の二巻にまとめました。 ユダヤの伝承によれば、列王記もエレミヤが語り、バルクが記したといわれているそうです。 🖌 バルクは筆をおきましたが…

  • 彼はその勤めを全うした

    夕闇が迫っていた。そこは人気のない荒野の中だった。寒さに凍えながら一睡も出来なかった。そして、いつの間にか辺りが薄っすらと明るくなった。 日が高く昇り始めると、じりじりと照り付ける太陽の日差しに喉が渇いた。唇がカサついた。あたりを見回したが、日差しをよける場所は見つからなかった。 着物は引き裂かれ、黒い塊となった血が、体のあちこちにあった。頭がずきずきする。右目の瞼がはれ上がっていた。立ち上がろうとすると、足首の骨がギクッと変な音を立て、うめき声をあげて気を失った。 「バルクさん、バルクさん」 耳元で声がしてバルクは目を開けた。眩しかった。 「ああ、よかった。気分はどうですか?あなたはもう三日…

  • 元の木阿弥

    「だめだ!後一歩のところで逃げられた」 「おいおい、どうするんだ。このままでは我々も、共犯だと思われないか?」 「首謀者のイシマエルさえ捕まえておけば・・やはり疑われるかも・・」 「どうしよう・・」 「こうして、総督の側近だった我々が生きているのはおかしくないか?」 「そんなことはない。今まで親バビロン派としてゲダリヤ様を支えてきたんだ」 「しかし自国の兵士が殺されたのだ、我々が謀反人の一味だと疑われても弁解の余地はないぞ」 「濡れ衣を着せられるというのか?困った!!」 集まった者たちは頭を抱えて座り込んだ。 「エジプトへ行くというのはどうだろう?かつての同盟国だ。匿ってくれると思わないか?」…

  • 苦みが強い・・

    ゲダリヤ人気が高まれば高まるほど、ぎりぎりと歯ぎしりする人もいました。 「総督暗殺」 まがまがしい言葉が、親衛隊ヨハナンと軍の長たちの所に飛び込んできました。 「なに! 王族の一人「イシマエル」が、暗殺計画を立てている?」 親衛隊のメンバーはその極秘情報に驚き、すぐさま総督ゲダリヤのもとに走りました。 「暗殺計画? ははは、私を殺して何になるというのだね。 考えすぎだ。」 「まってください。あなたは私たちの要。 祖国を立て直し、神殿再建の拠り所です。」 「王族の一人であるイシマエル様が、国土再建を推し進める私を、拒む理由がないではないか。 それに、総督になってからは、密に連絡を取り合っているの…

  • 乾杯だ!

    バビロン王ネブカデネザルは、 総督に親バビロン派であったゲダルヤを任命し、「残された貧しい人々」の管理を任せました。 アッシリアは占領後、 支配階級を自国に連れ去り、 別の敗戦国の支配層グループを、 他から連れて来て住まわせるという、 総入れ変えをしました。 今回ユダの地にも、 他国の民がやって来るのか? しかし、 バビロンのやり方は違いました。 同胞のゲダルヤが総督に就任したからです。 そのニュースは、 瞬く間に人々に共有されました。 敗戦色濃くなると、 反バビロンの人たちの一部は、 荒野のあちこちに散らばって行きました。 モアブ、アンモン、エドムなど、 周辺諸国へ逃げ延びた人もいれば、 荒…

  • 年明けの初ドッキリに・・

    年末の健康診断では異常なし。 なのに、 年明け早々クリニックへ。 待っていると・・ 「あら、どちらが正しいの? 19**年なのに、年齢は37になってる?」 受付嬢のお声が耳に届いた。 「あ!あ!あ!」と心中で叫んでいると 名前を呼ばれた。 年明けの初ドッキリに、血圧上がったね。 気が若くても、何かの始まりか・・・(´;ω;`)ウゥゥ ・・ 今日は成人式なので、和服姿を求めて歩いた。 楽しかった。 ・・ 人々の喧騒を離れてバラ園へ行く。 選定された花壇の中に、 取り残された花が ぼんぼりのように揺れていた。 花びらの縁を縮れさせて咲く冬バラの健気さよ。 咲きこぼれたバラの、それもまた美しく、 夕…

  • 恩義ある人の息子のもとへ

    バビロンの親衛隊長ネブザラダンは焦っていた。預言者エレミヤを連れて来るようにと部下に命じていた。時間が掛かりすぎる。 これは王ネブカデレザルからの厳命。王はエレミヤに好意的だった。 預言者エレミヤが「バビロンに降伏せよ」と終始一貫して人々に語っていたことを、先に投降した親バビロン派の人たちから聞いていたからだ。 そんなわけで、ネブザラダンが親衛隊長として任命を受けた時、「預言者エレミヤを保護せよ」と下命されていた。 壊滅的打撃を与えた都エルサレム。そこから降伏した者や、抵抗虚しく捕まった者、その他の残党を一括りにして、ラマまで連れて来ていた。その中から預言者エレミヤを探しだすのだ。 太陽は大き…

  • 見捨てられて・・😿

    エルサレムが滅びる直前。 完全に包囲された城内はすでに食料も尽き、悲惨な状態だった。 そのような中で王ゼデキヤとエレミヤは密かに会った。 親エジプト派の高官にその内容を聞かれたら大変だ。 王もエルサレムの危機が近いことを肌身に感じていた。 だから、エレミヤを、エレミヤの信じる神を頼ったのだろう。 主の宮の第三の門にエレミヤは立っていた。しばらくすると、王が柱の陰から姿を現したので、彼は臆することなく近づいて行った。 「よく来たな。お前に訪ねたいことがある。以前から『バビロンに降伏せよ』と言っていたが、今もそれは変わらないのか?」 エレミヤは王から一歩退いて、目を伏せた。 「心配するな。お前が何…

  • 大成功!救出作戦!

    ”エレミヤ憎し”とばかりに、王ゼデキヤに、「エレミヤ死刑」を訴えた反バビロン派の人たちでしたが、著名な預言者の命をその手で断ち切ることに抵抗があったようです。 監視の庭にあった雨季の為の空井戸に預言者を投げ入れるにとどめました。自然に衰弱して亡くなると思ったからでしょう。 この様子を柱の陰からじっと見ていた者がいました。王の家の宦官エチオピヤ人で、親バビロン派のエベデメレクです。親バビロン派の人々は早々にバビロンに投降したはずですが、彼は居残っていました。彼はゼデキヤ王の定まらない態度を見守りつつ、預言者エレミヤの身が気がかりだったのかもしれません。 エレミヤが監視の庭の井戸に投げ込まれた! …

  • 土地を買う

    「エレミヤおじさん、お久しぶりです」 監視の庭に現れたのは、シャルムの子ハナメルでした。日に焼けて土埃まみれのハナメルは、エレミヤの姿を見つけると、健康そうな歯を見せながら駆け寄って来て言った。 エレミヤは驚いた。バビロンがエルサレムを包囲し、塁を築いている中、どうやって来たものかと。 何はともあれ、無事でよかった。エレミヤは彼の肩をポンポン叩きながら顔を歪めた。 彼の来た理由は分かっていた。昨夜、神様から聞かされていたからで、畑の売買だった。 手続きは、レビ記25章に記された律法にのっとって行われた。何らかの理由で土地を手放すときは、一番身近な親族から優先権が与えられていた。たとえ買い取って…

  • 約束は守る

    ガク! 大きく傾いた体を右足がぐっと支えて私は驚いて目を覚ました。唇がしっとりと濡れている。思わずぬぐった手の甲には、静脈がやけに自己主張している。 どうも最近、うたた寝が増えたようだ。 書物に目を通しているはずが、時折ハットすることがあるのだ。 ピーピーと鳥の声が姦しい。 そんなある日のことだった。朝食をすませた後、窓際の椅子に腰かけて遠くの小高い丘を、私は眺めていた。 空気が微かに流れていて、何やらかぐわしい香りを運んでくる。はて?これは?? すると目の前がキラキラと輝きだし、泉のように溢れたそれは私の足元まで流れて来た。 あたたかな優しい光だな。そう思っていると、ゆるゆると私の体は包まれ…

  • 平和に暮らせ

    ユダ王国最後の王様はゼデキヤ王です。 兄エホヤキム王が死んだので、エホヤキムの子エホヤキンが19代目の王様となりました。しかし在位三か月でバビロンへつれて行かれたので、叔父である彼が20代目の王様になったのです。 ゼデキヤ王治世の初期、エレミヤに神様のお言葉が与えられました。 「綱とくびきを作って首に付けよ」 エレミヤは牛のようにそれを付けて、街中を歩きまわりました。案の定、人々の嘲笑の的になりました。 「バビロンが攻めてくるぞ!そしてお前たちの首にくびきを付けるぞ!!」 ゼデキヤ王在位4年目に偽預言者ハナ二ヤはエレミヤを押し倒し、くびきを奪い取って壊しました。神様が示されたことを罵った彼は、…

  • 心の内で燃えたぎるものは・・

    「これからは種まきのための秋の雨も、収穫のための春の雨も降らない。人も動物も命あるものは水を求めて途方に暮れる」 エレミヤは驚きました。 「主よ、私たちの罪が大きすぎるからですか? イスラエルの望み、苦難の時の救い主。それなのに他人事のように傍観ですか? 主よ。私たちは選民として周辺諸国に知られています。それなのに、こんなみじめな姿でいいのですか?あなたの御名のためにも、見捨てないでください!」 エレミヤは執り成しの祈りから、自分自身をも民の一員として祈らずにはいられませんでした。 それでも神様は預言者としてのエレミヤに言いました。 「民のために祈るな。彼らの祈りには、剣と飢餓と疫病で応えよう…

  • 帯を求めよ

    「あら!エレミヤさんの帯、新品!ちょっと着物と不釣り合いね!」 エレミヤにはパパラッチのような人たちがいて、その言動はチェックされ、噂話のネタにされ、逐一王様に報告されていたことでしょう。 彼は滅私の心でご奉仕をしていたので、服のことなどあまり気にしていませんでした。そんな彼が真新しい帯を締めていたら、誰の目にも奇異に映ったことでしょう。 エレミヤだってそんなことは承知の上。 『亜麻布の帯を買って 腰に結べ』 神様のお言葉に、ただ従っただけ。 神様はここで「上等な・・」とは言っていません。しかし上等な亜麻布は「聖なる者たちの義の行為」を表していましたから、奮発して上等な帯を買い求めた可能性が無…

  • 足を滑らせて、、、

    え! 今なんとおっしゃいました? エレミヤは思わず聞き返してしまった。 「故郷のアナトテの人々が私の殺害計画を企てた」と神様がおっしゃったからです。 驚きです。私のことを理解し、応援こそすれ、命を狙っているなんて信じられません。 どう考えても、その理由が思い浮かばないのです。 あるとすれば、、、 ユダのヨシヤ王の宗教改革でしょうか。 そのことで地方に住む祭司たちに不利益が及んだのだろうか? 地方の偶像まみれの礼拝を一掃し、首都エルサレムでの礼拝に統一したことで、彼らの生活が脅かされたのだろうか? エレミヤは色々と思いめぐらしながらも、行きつくところは決まっていました。 どちらにしても神様はいつ…

  • 泣くなエレミヤよ!

    あ!ごめんなさい。職場放棄だなんて… 母の胎にいる時から神様に選ばれていたエレミヤさんです、決してそのようなことはございませんね。 「私の頭が水となり、私の目が涙の泉となればよいのに・・」と嘆かれたほどのエレミヤさん。 神様の御思いを理解しているからこそ、民と神様との間で板挟みになっで苦しんでいるのです。笛吹けど民踊らずの状態に、働きの成果が出ない状況下で、思わず漏れ出てしまった言葉なのでしょう。 そういえば、「私はサンドイッチの具」と言った方がおられましたが、イスラエルも南北共に大国に挟まれたサンドイッチの中身状態。 南が圧し掛かれば北に傾き、北が圧し掛かれば南に助けを求める状態でした。ぎゅ…

  • 職場放棄か?

    エレミヤは叫んだ。 「神様は言われる。 敵が攻めて来て歴代のユダの王墓と、指導者、祭司、預言者、それに民の墓を暴くぞ。そこから取り出された骨は、無雑作にばらまかれるだろう。そして、その骨を拾う者はいない。 辛うじて生き延びた者も、死を切望するような苦しみが待っているだけだ。 人は間違いに気付いたら、それを訂正しないだろうか? 皆の衆よ、 神様の警告が聞こえないのか?聞こえても、間違いを正そうとは思わないのか? お前たちは戦場に駆り出された馬のようではないか。まっしぐらに罪の道を驀進しているのだぞ! そうだ、間違った教えでお前たちを惑わし、先導する教師どもの罪は重い。 彼らは遠い異国に流され、恥…

  • たった一人でも

    エレミヤの言葉に、涙して悔いる者もいたが、それは一瞬で、民は楽観主義で偽預言者の言葉に魅力を感じて流されて行った。 彼らは「大丈夫だ。平安だ」と繰り返し、民に偽りを吹き込んでいた。 民は決して不信仰ではなかった。むしろ熱心に礼拝をしていた。 彼らの悪は、イスラエルの聖なる神殿に偶像を持ち込み、罪の意識も無くなって、一緒に祈っていたことだった。 「わたしの他に神はいない」 そうおっしゃった神様のお言葉が、民の中から欠落してしまっていた。 王も、指導者も、祭司も、預言者も、その事の不自然さに無頓着になっていたのだ。 偽預言者は言う。 「我々には神殿がある。欠かすことなく捧げ物をし、奉仕もしている。…

  • 初仕事は

    エレミヤの初仕事。それは「バビロンによる滅亡」について語ることだった。 そのためにグラグラと煮えたぎる熱湯の入った大釜を幻で見せられた。それは真に迫っていて、彼はおもわずのけ反ってしまった。 「災いは北から来る。ユダは制覇者バビロンに滅ぼされるぞ!」 エレミヤは声を張り上げた。 ダビデ王家の正統な血筋、その選民ユダに語られた神様からのお言葉は厳しかった。 ソロモン王の後継者問題でイスラエル(北王国)とユダ(南王国)とに分列してから約300年。それからつい100年ほど前に北王国はアッシリヤによって滅ぼされた。 滅亡の最大の原因は、北王国初代ヤラべアム王の偶像礼拝だった。*1 神様は、多くの預言者…

  • 初雪につつまれて・・

    何もしないで2022年を迎えてしまいました。😿 今日(1/2)買い物帰りの橋の上で、 カラスの貯食行為を見てしまいました。 それで何となく検索したら ヤフーの知恵袋のベストアンサー「大阪のカリスマさん」にたどり着きました。 カラスは餌を隠すよ。 一か所とは限らない何十か所、いやいや何百箇所と隠すカラスもいるよ。 そしてそれを100%覚えてるよ!! オーストラリアのカラスは一万箇所も覚えていたとか。Σ(・□・;) 人間の顔はもちろん、色の認知力は人以上。 「犬」なんか足元にも及ばないとおっしゃっていました。 。。。 1/6 初雪にすっぽりと包まれた花の健気さ 輝く色が大丈夫って・・ 初雪に埋もれ…

  • 私は若輩ですから・・

    やっと、今日からエレミヤ書に入ります。 預言者エレミヤは涙の人と呼ばれていますが、その涙の元はどこから来るのでしょう? 南ユダのアハズ王の時、スリヤ人、北イスラエル、エドム人、ペリシテ人などがエルサレムを攻めました。 王は恐れてアッシリヤに助けを求めました。アッシリヤは北イスラエルに進軍しました。それだけにとどまらずアハズ王をも悩ましました。 アハズ王の悩みは増々募り、あろうことか偶像礼拝にのめり込んで行きました。 その息子ヒゼキヤ王は宗教改革を実行し、「過ぎ越しの祭り」をした良い王様でしたが、その後を継いだマナセ王は父の業績を踏みにじり、祖父アハズ王の道に逆戻りしました。マナセの子アモン王も…

  • 北王国イスラエルの預言者

    今までに登録したものを表にまとめてみました。 北王国イスラエルの預言者 アヒヤ↓ 先見者イド 両王国で働いた。 『ソロモン王の業績は、・・先見者イドの見たネバテの子ヤロブアムについての幻の記録に載っている』リビング歴下9:29 無名の預言者二人↓ 一人はユダ出身。 老緒言者はべテル在住。 エヒウ 預言者ハナニの子。 南北両王国で活躍。 バアシャ家崩壊預言をす。 (王上16: 歴代誌16:) エリヤ↓ *1 - ピヨピヨひよこ日記" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: b…

  • 善政を布いたので、

    今日から南ユダ王国出身の預言者たちです。 北王国は悪王の連続で約250年で滅亡しました。 それに反し、南王国は約394年も続きました。それは純粋なダビデ王家の血を引いていたことが関係していると思います。それに悪政よりも長い期間、善政が布かれ、13代のヒゼキヤ王や16代のヨシヤ王による大規模な宗教改革を行ったりしたからでしょう。 王国分裂と共に、北にいた祭司や信仰熱心な民などが、南に流れて来たことも見逃せません。そして、たえず軌道修正をし、王を支えたのが預言者や神の人と呼ばれている人たちでした。 王国分裂以前から働いていた先見者イドは、ソロモンの歴史を書き留めていました。 分裂後の南ユダ王国の王…

  • ちょっといい話

    北イスラエル第18代の王ぺカの治世のことです。北王国はユダ王国に攻め入って大勝利を治めました。 それはユダ王国第12代目の王アハズの治世でした。ヨアシュ王、アマツヤ王、ウジヤ王、そして彼の父であるヨタム王は善政を布き、約130年以上も国は安定していました。 ところが、父の後を引き継いだ二十歳のアハズ王は違いました。彼はバアル像を造り、ベンヒンノムの谷では香を焚き、自分の王子を犠牲として捧げました。他にも好き勝手なことを繰り返していました。これはご先祖ダビデ王様の教え、ひいては神様の教えに背くことでした。 そこにスリヤ軍が攻めてきました。そして沢山の捕虜をダマスコに連れ去りました。 その後、ぺカ…

  • その芳しさはレバノンの木の酒のように…

    「遊女ゴメルと結婚せよ。子供が三人生まれるが、彼女はお前を離れて別の男のもとに行く」 ええ!👀 ホセア書の冒頭からそんな言葉が飛出しました。 そのうえ、彼女の仕事柄(神殿娼婦?)、生まれてくる子がお前の子とは限らない…カモ、🐤 おお!なんというお言葉!! それでもホセアはゴメルと結婚しました。だからと言って、いやいやではなかったようです。初めから娼婦だったとは限らないし… お言葉通り、子供は次々と三人授かりました。子供の命名にも神様の押し付けがありました。 第一子は男子でイズレエル。 第二子は女子でロルハマ。 第三子は男子でロアンミ。 名前の意味を知ったら命名権乱用により日本の役所では不受理と…

  • あなたがそこにいることの不思議

    オリンピック始まりましたね。 ちょっと古い記事ですが、 「キリバス」の選手団が富士山に桜のマークを付けて行進? どうして? 「キリバス」面積730平方キロメートルで対馬とほぼ同じとか。 2017年の国家予算の約50パーセントが海外からの支援によるもの。 主な支援国の中に日本も含まれているそうで、納得。 将来的には海水に飲まれてしまう可能性がある国とか。 同じ島国のフィジー共和国はそのようなときは全員受け入れる用意があるとのこと。 頼もしい! フィジー共和国は*国との経済的なつながり大で、*国籍のマグロ漁船27隻が共和国から出港して、がっぽがっぽとマグロを捕獲しているとか。😿 漁業資源に関するい…

  • 6人の王様と関わった私は‥

    預言者エリシャは、イスラエル王国代7代目の王、アハズの在位中にエリヤに師事し、その働きの跡をつぎました。その後、アハジヤ王、ヨラム王、エヒウ王、エホアハズ王とかかわりがあって、最後12代ヨアシ王の時に病に倒れました。 ヨアシ王がわざわざ病気見舞いに現れたのには訳があって、年々激しさを増すモアブの圧力にどうしたものかと、思い悩んでいたからかもしれません。しかし目の前のエリシャは思いのほか重病で、そんなことを聞くことをためらってしまいました。そこは預言者エリシャです。気を利かせて占ってあげたようです。 結果は「三度勝利します」とのことでしたが、「後は‥」と言葉尻を濁しました。いえ、はっきりと言いま…

  • 保証付き

    預言者エリヤに続いて、無名の預言者が三人?一人は同人物かも?で登場。 アハブ王の時代のことです。スリヤのべネハダデ王は32人の王たちを率いて、サマリヤを包囲しました。それに対して、 「大丈夫、勝ちます」 とアハブ王を励ましたのは、無名の預言者でした。 人数的には明らかに負けなのに。無責任? いいえ、神様からのお使いですから、保証付きです。 勝ちました!! アハブ王が勝利の美酒に酔いしれていると、また預言者が現れました。この人が先の無名の預言者と同じ?かどうか?同じでしょうね。とにかく言いました。 「彼らは来年また来る。おさおさ怠りなく気を引き締めて待て」 敵は前回の敗因を分析し、万全を期してや…

  • ヨナ書地図

    二ネべ アッシリヤの首都。 アッシリア帝国は約300年間世界を支配する。 ソロモン治世末。へブル王国分裂の頃から強くなる。 北イスラエル王国を併合し、滅ぼす。 ヨナは自国を滅ぼそうとする敵国の延命のため、神から選ばれた預言者。ヨナとしては素直に受け入れられず、港町ヨッパからタルシへの逃避行を試みる。タルシシはヨナにとっては世界の果てのイメージ。嵐に会って、大魚に飲みこまれて改心する。 御心に従って二ネべに行き、民を改心させるも、不満があった。そのことをとおして神の憐みの深さ広さに触れる。

  • エリヤ、いろいろ・・

    預言者エリヤの記事は多いいですね。 彼は特別なんです。 💛エリヤは死んでいませんからぁ。 Σ(・□・;) 生きたまま火の車に乗せられて消えました。 💛キリストが十字架にかかる前、山で祈っていると、モーセとエリヤが現れた。(これは新約聖書に出てきます) 💛エリヤはメシヤ(キリスト)が再び現れる前に、この世に登場する。旧約聖書の最後の巻で預言者マラキは言っています。 『主の大いなる恐るべき日が来る前に、わたしは預言者エリヤをあなた方につかわす』 マラキ4:5 でも、別訳では「エリヤのような預言者を遣わす」としているので、はてな?ですが、 とにかく、誰か?来るのでしょうね。 💛列王記上17章から列王…

  • 目まぐるしく変わる近頃の空模様のように・・・

    王様がクルクル変わるのはイスラエル王国。 北イスラエルのヤラベアム王が亡くなり、息子ナダブが王となり、 家来のバシャが謀反を起こして、ヤラベアム王家全滅。 預言者アヒヤの預言のとおりです。 家来のバシャが王となり、息子エラが跡を継ぎましたが、 家来のジムリが宴席にあらわれ、エラ王を殺害。またまた謀反です。Σ(・□・;) 預言者エヒウの預言のとおりです。 それを知ったイスラエルの民は怒って、軍長オムリを王にしました。 オムリ王が亡くなると、彼の息子が7代目イスラエルの王となりました。 かの悪名高きアハブ王とその妻イゼベルの時代に突入です!! そこに、預言者エリヤが颯爽とあらわれて、彼らに果敢に挑…

  • 心をとぎすませて・・

    アヒヤの目はこのところ急速に衰えて、昼と夜の境さえおぼつかなくなっていた。そのぶん心眼は益々さえわたっていった。 ソロモン王はたくさんの異国の妻を召し抱えていた。その妻たちが自国の神々を持ち込んだため、国中に偶像があふれかえっていた。 シドン人の女神アシタロテ、 モアブの神ケモシ、 アモンの神ミルコムなどなど・・ 神様はそれをお嫌いになられて、統一国家を二分することを赦されたのだ。そして抜擢されたのがヤラベアムだった。 あの日、アヒヤは神様のお言葉を彼に伝えた。 「わたしのしもべダビデがしたように、わたしの定めと戒めとを守るならば、わたしはあなたと共にいて、わたしがダビデのために建てたように、…

  • 結局、この一事に尽きるのですね

    父ダビデから王位を継承したソロモンは、大事業である神殿建築をつつがなくこなし、国内外にその存在をアピールしました。 レビ族にとっても一番晴れがましい時だったことでしょう。 このソロモンも預言者とは言われていませんが、預言者の素質は十分にあります。神様からの言葉を選民に伝え、未来を預言し、救い主メシヤの来臨を示しています。 今の苦しみに耐え、望みを捨てないようにと励ましています。不信仰の時にはそれを指摘して叱責し、警告しています。ソロモンが書いたとされる「箴言」「伝道の書」「雅歌」を見ると、それらのことが、すっきりとあてはまります。 でもぉ…晩年はどうだったか…(・・? 🌸主を恐れることは知識の…

  • ひたひたと忍び寄ってくるのは・・

    ソロモン王朝は神殿建築という華々しい出発ではじまりました。しかしその終焉は40年後に来ました。国は分裂し、南ユダ王国と北イスラエル王国になりました。 ダビデ王の血筋はユダ王国に引き継がれ、ユダ族とベニヤ民族だけが南ユダ王国にとどまり、後の10部族は北イスラエル王国に従いました。 レビ族は神の箱がダビデの町に運ばれた時、一緒についてきて、そのままソロモン神殿で粛々と奉仕を続けました。 しかし悪政が続き、次第に神殿礼拝は顧みられなくなって、時は過ぎてゆきました。 ユダ王国第12代アハズ王は偶像まみれの政策をとり、アッシリヤの属国として苦しんでいました。 そのような国難の時にアハズ王は亡くなり、息子…

  • 兄弟の中から選ばれて・・

    『全能なる神は言われる。私と契約を結んだ民よ、意味のない、形だけの礼拝を私は忌み嫌う。私は怒ってあなたを責める。私をないがしろにし、偶像に走ったからだ。悩みの日には私を呼べ、私はあなたを助けると主は言われる。 あなたの誓いを高き者に果たせ。そうすれば心からの感謝のいけにえを捧げることができる。神を崇め身を慎む者に、私は神の救いをしめそう』詩編50篇 詩編にはアサフ、へマン、エドトン(エタン)の作詞したものがいくつかあります。 彼らはダビデの時代を共に生きた人たちです。そんな彼らにとって、忘れられない出来事がありました。 イスラエル第2代目の王となったダビデは、国政が安定すると「神の箱(契約の箱…

  • 約束

    ある誕生日を機に、少しばかりの階段はエレベーター使わずの私ですが、最近、人がいないとマスクをずらしてしまうことがあります。息絶え絶えとまではいきませんが...。 息絶え絶えといえば、十字架の上で息絶え絶えのイエス・キリストが語られた言葉が七つあります。その中の幾つかがダビデの詩編からの引用でした。 旧約聖書の中で、ダビデは直接「預言者」とは言われていません。しかし、キリストの弟子のひとりペテロは、ダビデを偉大な王であり「預言者」だと語っています。 ダビデが書いた詩編の幾つかは、メシヤ詩編と呼ばれていて、読むとキリストの姿が浮かび上がってきます。新約聖書を読んでいるからでしょうか。 詩編はキリス…

  • 大祭司ザドク

    ♪祭司ザドクと預言者ナタンは ♪ソロモン王を聖別せり ♪全ての民は喜び讃えり ♪「神よ王を守りたまえ、王よ永らえたまえ」 ♪御代よ永遠なれ! ♪アーメン、ハレルヤ!』 パソコンで「祭司ザドク」で検索すると、ヘンデル作曲「祭司ザドク」が最初に出てきます。 1727年、ロンドンウェストミンスター寺院で挙行されたジョージ2世の戴冠式のために作られた曲だとか。その後、イギリスの戴冠式の時には必ず演奏されるようになったとか。動画もあったのでついでに聞きました。 この曲、サッカーチャンピオンズリーグのアンセムの原曲で、以前も聞いたけど、何回聞いても、涙出る!サッカーに興味はないけれど、サッカー場で聞いたら…

  • 私は偉大なダビデ王の三つの事件に関わりました

    私の名はナタン。この名前には賜物、与える者の意味があります。私はダビデ王様の友人として、また助言者、預言者として、右大臣、歴史家、宮廷教師として、様々な面で活躍し王様にお仕えしました。 その中で忘れられない出来事が三つありました。 1 王様の罪 まいりましたぁ!ダビデ王様が、とんでもないことをしてしまった事については、受け入れがたいものがありました。なんと、優秀な部下を、戦場の最前線に送り込んで謀殺してしまったのです。なぜ?その部下の妻と事を起こしてしまい、帳尻を合わせようと目論んで失敗したからでした。これはもう許されざる事柄です。 すぐに神様からお言葉が来ました。それで私は次の話を王様にしま…

  • 逃亡中のダビデをささえて

    「父は君に殺意を持っている。逃げて!」 大親友サウル王の息子ヨナタンは言った。これからどうしたらいいのだ・・一瞬迷ったものの、ダビデの足はノブの町の祭司アヒメレクに向けられました。 アヒメレクは、預言者サムエルが仕えた祭司エリの曽祖父です。彼はダビデのただならぬ様子を見て取って、彼の求めに応じ、パンと武器を与えました。普通のパンではありません。祭司しか食べられない「聖別されたパン」をです。武器はダビデが少年の頃、巨人ゴリアテと戦って得た剣です。 後に、この行為はドエグの告げ口により、サウル王の知る所となりました。 「祭司の町ノブを襲い、人も家畜もすべて殺せ!」 「祭司を殺す?!!」 家来たちは…

  • サムエル、大忙し!

    祭司エリの後を継いだサムエルは、精力的に働きました。彼は祭司であり、預言者であり、士師であり、そして二人の息子の父親でもありました。 ラマを拠点として、周期的にべテル、ミヅパをめぐってイスラエルを裁きました。また、細々と生き延びた預言者たちを励まし、統率し、預言者学校では未来の若い預言者たちをも育てていました。そして、家族の待つラマに戻るのでした。と言っても、家族団らんの時はそう持てなかったかもしれませんね。 歳を重ねると、祭司職の仕事を二人の息子にも任せるようになりました。 しかし二人の態度は民を嘆かせ、神政政治に失望し、王政を求める理由の一つになってしまいました。 サムエルは、なんとか民を…

  • 母の祈り

    「長男をお授けくださったら、その子は神様にお捧げします」 子宝に恵まれなかったハンナでしたが、祈りにより授かった子がサムエルです。「神の子」「彼の名は神」の意味が含まれています。 ハンナは息子サムエルが乳離れするまで、毎年行っていた宮参りには参加せず、子育てに専念しました。そして子供が乳離れすると、夫と共に宮もうでに行きました。それはまた、息子サムエルを手放す日でもあり、神様との約束を果たす日でもありました。 日ごとに賢く愛らしさを増す幼子。母として、心中の葛藤やいかばかりか。察して余りあるところですが、彼女の信仰は揺ぎ無く、神様に麗しい幼子をお捧げ出来ることを感謝していました。 ラマの北、約…

  • 自分勝手、気ままに生きていたら・・

    ドラマチックなエフタの次は、ベツレヘムのイプソンが、7年間イスラエルをさばきました。彼は60人もの子だくさん。それからゼブル人エロンが10年間。ピラトン人のアブドンが8年間。イスラエルをさばきました。アブドンも40人の息子と30人の孫がいたそうです。 Σ(・□・;) それから40年間、ペリシテ人の影響下に置かれてしまいました。理由はイスラエルが真の神様をないがしろにしたからで、それは言わずもがなですね。 そんなイスラエルの苦境を救ったのが、最後の士師と呼ばれたサムソンでした。彼は20年間イスラエルをさばきました。彼は生まれたときからのナジル人。*1 しかし、その生きざまは、ナジル人としては規則…

  • 英雄エフタの宝物は・・

    エフタは家の門をくぐるまで娘の姿を捉えることはなかった。人々が押し掛ける中、恥ずかしがって出てこれないのかもしれないな。そう思って家の玄関に目をやった。 アッ!! 娘が!笑顔で!鼓を手に! 軽やかに舞い踊りながら飛び出してきた! その時だった。エフタの鼓膜を張り裂けんばかりの轟音が襲った。 あぁぁ!Σ(・□・;) 思わず唇から声が漏れて、それを抑えようと口に手を押し当てて、彼の足は止まった。大きく見開かれた目は、怖れ慄いているように見えた。エフタは意味の分からない声を張り上げながら、ビリビリと衣を引き裂いた。それからどうやって家に入ったのか。覚えていない。ただ屋内に響き渡る家畜の鳴き声が虚しか…

  • ならず者、立身出世の物語

    アビメレクの死後、ドドの孫プワの子トラが23年間、ギレアデ人ヤイルは22年間、イスラエルを治めました。 ヤイルの死後、イスラエルの民はバアルとアシュタロテ、スリヤにシドン、モアブにアンモン、ペリシテなどの神々に走りました。カナン人が礼拝している全ての神々を取り入れたようです。 その結果、ギルアデのアモリ人の地に住むイスラエル人は、18年間も苦しみました。 それだけではありません。アンモン人がユダとベニヤミンとエフライムを攻めるため、ヨルダン川を渡ってきたから大変!もう限界です! 「私たちは罪を犯しました!!助けてください!」😿 イスラエルの民はすぐ、偶像を捨て去って叫びました。こういうのに神様…

  • 「私がお前を強くしよう」そういわれて・・・

    やはり神様は、民の叫びに答えられました。 デボラ(ラピドテの妻)です。女預言者です。彼女は人々の争い事の相談に乗ったり、イスラエルの政治的なことにも関与していたかもしれません。ラピドデは「いなびかり」の意味があります。夫も特別な人だったのかなぁ?ある日彼女は、ナフタリのケデシュに住むバラクを呼び寄せました。 「これは神様からのお告げだよ。ナフタリとゼブルンの両部族から一万人の兵を集め、カナンの王を打ち破るのだ」 「あなたも一緒にいかれるのですよね?」 「私が?行ってもいいが、お前の手柄にはならないよ」 デボラの言ったように敵の将軍首は、ケニ人へベルの妻ヤエルの手にかかりました。それが引き金とな…

  • 舌の根も乾かぬうちに・・

    偉大な指導者、モーセの後を継いだのはヨシュア。 ヨルダン川を渡れば、闘いの日々が待っています。でも神様の「約束の地」ですから、神様も大いに手を?お出しになったみたい。 ヨシュア記23章には『主がイスラエルの周囲の敵を、ことごとく除いて、イスラエルに安息を賜った』とありますから。 しかし、ヨシュアには心配がありました。それである日、12部族の主だった人たちを招集しました。 「私も年を取った。皆さんは神様がなさった大いなる技を見、体験した。だから、モーセの律法を忘れるな。『それを離れて、右にも左にも曲がってはならない』」と念を押しました。それから懇切丁寧にイスラエルの歴史をおさらいし、仕上げにこう…

  • あ!!まだらで足踏みしてる!

    先日は日差しも暖かく、微風があって、洗濯日和でした。乾いた洗濯物に顔をうずめると、太陽の匂いがいっぱい!洗剤はやっぱり無香料がいいなぁ。 そぞろ歩きに梅園に行くと、いつもは人気の少ないその場所に、家族づれがシートを敷いて座っていました。子供たちの声が小さな広場を楽しく彩っていました。梅の蕾は硬くて、開花は二月下旬ごろかな。🌸 さて、心地よい気分で「預言者をもとめて」を読み返して驚いた。( ゚Д゚) ずいぶんとまだらで、エリヤとエリシャで足踏みしてる!! とにかく整理、整理! ***** 預言者が活躍したのは、イスラエルが分裂してからですが、その以前にも、預言者的立場の人たちがいました。 預言者…

  • いつの間にか、弟子ができちゃいました!

    人々の反発をかったその日以来、私は町のあちこちにゲリラ的に出向いて、話をするようにした。 イスラエルの不忠実で神様の裁きが下るのだ。何とか悔い改めて、神様のお許しをいただけたらと、私は思うからだ。しかし、神様は私に裁きを語れと迫られた。 「時は刻々と迫っているぞ。飢饉だ!パンや水の飢饉ではないぞ。神様のお言葉を聞くことができなくなるのだ。あちらこちら彷徨い歩いても、神様のお言葉は見つからない。サマリヤ、ダン、べエルシバの偶像に膝まづくな。そんなことをすれば、二度と立ち上がれないぞ!」 その言葉は、たちどころに人々の態度を硬くなにさせた。やじや石が飛んできた。 ある日のことだった。いつものように…

  • それは起こらない!!

    ぶるるっ!と武者震いをした後、私は突然覚醒した。 水を飲み干した喉は、滑らかになり、干からびた声はハリをとりもどした。私の気もピーンと張って、若者のように勢いよく手を振りながら叫んでいた。 「皆さ~ん!私は幻を見ました。そこで神様は語られました。先ほども言ったように、神様はイスラエルを愛しておられます」 私の言葉に、会衆も手を振って応えてくれた。 「しかし、 『もう我慢がならない』 とも言われた」 「ええっ!」 会衆の間に困惑のざわめきが、幾重にも重なって広がった。 「それはなぜか? 『選民には律法が与えられている。律法を知っている民が、律法を軽んじている』 主は言われるのだ。知っているからに…

  • ぞわっと、鳥肌が立って…

    「皆さん、神様がどんなにイスラエルを愛し、慈しんでおられることか、私は語ろう。万物を創造なさった偉大なるお方。そのお方に選ばれたご先祖アブラハム。アブラハムは偶像の町ウルで、神様のお目に留まった。神様はそこから彼をカランに導き出された。アブラハムは導かれるまま旅をした。神様は約束された。 『私、ヤウェに忠誠をつくすなら、乳と蜜との流れる地、カナンをあたえよう。子孫は繁栄し、子孫を通して全世界の人々が祝福される』 イサク、ヤコブへと系図は引き継がれ、ヤコブは神様によってイスラエルと改名した。飢饉が来るとエジプトへ逃れた。彼らは息子ヨセフのゆえに好待遇で迎えられた。そのころは小さな部族だった。その…

  • 火によって滅ぼされるのは…

    次の日、私が広場に行くと、 一人の若者が、人だかりの中から飛び出して来た。 「アモスさん、神様が罰せられるのはダマスコの他には、この4つではないですか?」 若者は少し興奮気味に声を張り上げた。 「選民イスラエルを苦しめる国は五つ。昨日はアラム(シリヤ)について話されたが、後はペリシテ 、フェニキヤ、エドム、アンモン、モアブだと思うのですが、どうですか?」 若い男は周りの者に目をやった。すると「そうだ、そうだ」と声が上がった。 アモスは人垣の中に、吸い込まれるように入って行った。 「やあ、その通りだ。ペリシテの罪は何か?奴隷売買だ。ペリシテの五大都市のひとつガザは、アラムとエジプトを結ぶ通商路が…

  • 人垣に囲まれて・・

    私はべテルの街中を人垣をかき分けながら、興味深げに歩いた。テコアの牧歌的な所から出てきた私にとって、目まぐるしいく騒がしい町だった。絶えず荷車が行きかい、旅人が右往左往していた。在住の人々は気軽な服装で闊歩して、姦しかった。そのわきでは、地面に座り込んで、垢にまみれた手を差し出して、憐みを乞う人の姿が目に付いた。べテルの町はその日、聖なる「祭りの日」だった。 べテル神殿へ続く参道は人で溢れかえっていた。供え物を調達する人々が、羊やハトなどが並ぶテントの前に群れていた。 私は、腹ごしらえをすますと、べテルの門に続く町の広場に向かった。人の出入りが一段と激しくなった。片隅では、幾人かの老人たちが、…

  • 寝すぎた理由は・・・

    肩に温かなぬくもりを感じて、私は目を覚ました。目の前にホセアの顔があった。 「やあ、目が覚めたかい?起こしてよいものか迷ったんだが、朝食の時間に来なかったので来てみたんだ」 「今何時だ?昨日の嵐はすごかったな」ホセアは一瞬、首をかしげたが、 「とにかく家に行こう」と言った。 私の杖は思わぬところまで飛ばされていて、探すのに手間取った。 ホセアの家に行くと、一人分の朝食が、ぽつんとテーブルの上にのっていた。それを見ると、急に空っぽの胃がきゅるるっと鳴った。 「どうか食べてください」ホセアが勧めてくれた。 私は席に着くと、何も言わずにパンをちぎり、スープを飲んだ。胃が満たされると、急に体が熱くなっ…

  • 薄明光線に魅せられて…

    アモス、ホセアに会う。

  • アモス、道草を食う

    「アモス、北上す!」を登録してから、 🐤ビックリ ( ゚Д゚)!! 7時間で? ゆとりで?着くって!?⌚ それは直線での話。 山坂超えてゆくわけだから、 倍は・・いやいやもっと、 もっとかかるんでは? 私アモスは、テコアの坂道を下りながら ふと首都エルサレムによってから、 テコアに行こうと思い立った。 あの大きな地震の起こる二年前の話だ。 エルサレムへの道はきれいに整備されていて、 通行人も多く、安全だった。 土埃にまみれながら 丘の上に立つと、 エルサレムを囲むようにオリーブ畑が広がっていた。 その常緑樹の緑が額縁のようになって 赤茶けた日干し煉瓦の家々を浮き立たせていた。 そして、それらを…

  • アモス、北上す!

    日はまだ昇っていない。 東の空が明るみ、かすみがかった雲がそこにはあった。 穏やかな日になりそうだ。 着た切り雀のマントが今日は綺麗に整えられていた。 私が誰であるかは一目瞭然で、 手になじんだ羊飼いの杖が雄弁に物語っていた。 昨日まで、ユダのテコアの草原で羊を飼い、いちじく桑を栽培していた。 栽培には適していない土地だったが、私は工夫して、栽培にこぎつけたのだ。私の自慢だ。 あの日も、駆けずり回って働いて、うっすらと冷える空気の中、あおむけになって空を仰げば、満天の星が瞬いていた。いつもの夜空だった。 あ!!ああああ・・・・ 大きな光の塊が私に向ってきた。 その勢いは凄まじく、激しい振動が私…

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