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  • 今野敏の『ヘッドライン』

    ◇『ヘッドライン』著者:今野敏2013.4集英社刊(集英社文庫)今野敏「スクープシリーズ」第2弾。警視庁刑事部捜査第一課特命捜査第二係所属の巡査部長黒田裕介が主役の一人。捜査第二係は未解決事件継続捜査が仕事である。東都放送(TBN)夜11時のニュース番組『ニュースイレブン』のデスク鳩村昭夫。メインキャスターの鳥飼行雄、女性キャスターの加山恵理子、社会部の遊軍記者で現在はこのニュース番組の専属記者として動いている布施京一。これが主要登場人物であり、ここにサブとして東都新聞記者持田豊、黒田の相棒谷口などがいるが、主役と言えばTBN遊軍記者の布施とその上司である鳩村、そして警視庁の黒田刑事である。スクープシリーズとあるようにTV局でも新聞でも抜きつ抜かれつの争いがあり、これが小説の種になる。どこかに抜かれないよ...今野敏の『ヘッドライン』

  • 西條奈加の『心淋し川』

    ◇『心淋し川』著者:西條奈加2020.9集英社刊時代小説、現代小説なんでもいござれという話題の女性小説家の一人西條奈加の作品。第164回直木賞受賞作で、小説すばる連載の作品を単行本化した連作短編集。はじめてお目にかかったが、筋の運びといい人物造形といい堂に入っているし何よりも人情の機微を巧みに映し出している。江戸は根津権現近くの窪地に長屋風に固まったその日暮らしの貧乏所帯が屯する六兵衛長屋。心町と書いてうらまちと呼ぶ。そこを流れるどぶのような川が「心淋し川(うらさびしがわ)」である。ここで生まれここで育ったちほ。早くこの薄汚れたどぶ川沿いの長屋から逃れたい。付き合っている紋染職人の元七に二人の行く末を問いただしたら親方に京都の職人に弟子入りし腕を上げて帰って来いとわれたと…。本人も修行してきたいということ...西條奈加の『心淋し川』

  • 梅雨時の写生会は「本土寺」で

    ◇アジサイ寺で知られた長谷山本土寺へclesterF8梅雨時の写生会。前回の観音寺(柏市)はあいにくの雨で中止になった当クラブの写生会。今回は時期的にアジサイで知られた松戸市北小金にある「本土寺」。昨日は予報が外れたが今日も28℃と予報も外れ。蒸し暑いが28℃には達しなかった。しかし雨が降らなかっただけで良しとしなければ。本土寺は鎌倉の明月院ほどではないが首都近郊ではアジサイ寺として名が知られている。この時期はアジサイのほかあやめも満開とて平日なのに沢山の人が押し寄せていた。寺はこの時期は拝観料として500円求める。障碍者と子供は300円だが高齢者だからと言って容赦しない。アジサイよりも菖蒲池の周りが結構な人で賑わっていた。アジサイもあやめも絵にするとどうしても花を鮮明に浮き上がらせるにはマスキングが欠か...梅雨時の写生会は「本土寺」で

  • 辻村深月の『琥珀の夏』

    ◇『琥珀の夏』著者:辻村深月2021.6文芸春秋社刊本書の主人公近藤法子は41歳弁護士、学生結婚で同業の夫瑛士と3歳の娘藍子がいる。法子が小5のころから3年間「ミライの学校」という任意団体主宰の「学び舎」というところに体験合宿したことがある。この期間親から離れ合宿し、子供主体で生活と学びをすすめ、主体性と創造性を身につけるというのである。法子は同級生のユイの母親の誘いで静岡の学び舎の体験合宿に参加した。そこで法子はミカやヒサ、チトセ、エリカ、アミなど多くの子供と知り合った。本書の第5章までは法子の合宿体験の記憶の回想であり、本筋の伏線でもある。「ミライの学校」という宗教法人まがいの団体の運営する「学び舎」は、その後副業として天然水の販売事業行っていたが、会員が殺菌なしの水を友人に回し食中毒らしい症状が出て...辻村深月の『琥珀の夏』

  • 森村誠一の『闇の処刑人』

    ◇『闇の処刑人』著者:森村誠一2006.7中央公論新社刊(中公文庫)江戸時代後期、処刑請負人あるいは必殺仕事人の事件控である。TV化もされたらしいが私は観ていない。主人公は主君に理不尽にも切腹を命じられ、上使を斬り脱藩した浪人松葉刑部。腕を見込まれて仕官を勧められたりするが、掟にがんじがらめの武士より自由気ままに仕事を選べるいまの刺客仕事は賭場の主徳松の仲介で回ってくる。必ずしも依頼人の素性や依頼の事情を聞いて請け負うか否かを決めているわけではない。警察用語でいうところのマル対の素性を聞いて不審事情を推測することもあるが、処刑相手が必ずしも罪びととは限らない。善悪が逆の場合もあるのである。そこが小説の素材になるのである。<闇の意地>極端な例は依頼人と処刑対象者双方から処刑依頼が出た事案。奇妙な事例なので背...森村誠一の『闇の処刑人』

  • 家庭菜園のトマト栽培2022<3>

    ◇「ホーム桃太郎」第3果が開花して支柱を立てて3週間。木も大分大きくなって、大体1mを超えました。となりの柿の枝が日陰を作り邪魔になっていますが、昨年はあまり生らなくて今年は生理落下も終わって大分実が大きくなってきたので柿もないがしろにできないし、狭い畑はこうした苦労があります。伸びたトマトが柿の枝と接触しかかっている樹高120センチくらい第2果が大きくなって第3果の花が咲いた(以上この項終わり)家庭菜園のトマト栽培2022<3>

  • 東山彰良の『怪物』

    ◇『怪物』著者:東山彰良2022.1新潮社刊2015年直木賞を得た『流』の続編ともいうべき作品。作者はまえがきともいうべきページでこの物語は私の夢である。夢の中で掴んだ真実をこの物語に織り込んだ。読者はこれからいわばネタバレ小説を読まされるというのである。前作『流』では作者である自分と従兄(王誠毅)と二叔父さん(王康平)の物語だった。本書でもその内容が10年前に作者が書いた『怪物』作品の土台として登場する。当時『流』で語り手であった青年(わたし=薄秋生)は10年後には47歳の作家大先生(柏山康平)である。『怪物』が英訳され国際文学賞最終候補に残ったことから、柏山康平先生は台湾に招かれてサイン会に臨むが、担当編集者の植草に煽られて『怪物』の改訂に取り掛かろうと意気込む。柏山康平はサイン会で通訳担当の椎葉リサ...東山彰良の『怪物』

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