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  • 蝉谷 めぐみの『おんなの女房』

    ◇『おんなの女房』著者:蝉谷めぐみ2022.1KADOKAWA刊一昨年『化け物心中』で作家デビューし、三つの文学賞をとった新進の歴史時代小説女流作家の書下ろし作品である。武家の娘からいきなり歌舞伎という異世界に飛び込み、しかも女形役者の女房となった志乃という女性の奮闘ぶりを描いた異色の時代小説である。作者独特の文体が歌舞伎役者の世界での志乃の苦労を浮かび上がらせる。何しろ夫の喜多村燕也はまだ中堅とはいえ人気の高い評判の女形。姿形はもとより、声も仕草も女に徹する。「平生を女子にて暮らさねば、上手の女形とは言われがたし」というお師匠さんの教えに従って、振袖を着、化粧をし、髪を結いあげ、女子の言葉を舌にのせる。決して男の部分を見せない。揚句、新しい芝居に入るたびに演じる役に成り代わってしまうという念の入れ方。女の自分...蝉谷めぐみの『おんなの女房』

  • 今野 敏の『黙示』

    ◇『黙示』著者:今野敏2020.6双葉社刊今野敏としては珍しい古代史とか伝説に焦点を当てた推理作品。とりたてて緊迫感もないし知識の開陳とその繰り返しが多く、やや冗長の感があるのは否めない。そもそもアトランティスとかイスラムの暗殺団とか伝説をベースにそれを証明する遺物(秘宝)が存在するかどうかが犯罪成立の証明にかかわってくるということ、そしてそれが事件性を持つかどうかに問題があるし、警視庁捜査三課(窃盗)の刑事がこの方面に相当な知見をもって容疑者に相対していくというのもかなり不自然でもある。渋谷区松濤に住む富豪の持つ「ソロモンの指輪」が盗難に遭ったという届出があり、なおかつ持ち主の舘脇が身の危険を訴えてきたことから、所轄の渋谷署から本庁捜査第三課に応援が求められて、萩尾警部補とペアを組む武田秋穂が事案に取り組むこ...今野敏の『黙示』

  • 朱野帰子の『駅物語』

    ◇『駅物語』著者:朱野帰子2015.2講談社刊(講談社文庫)大企業商社内定を蹴って、大手鉄道会社に入社した若菜直を中心とした、若手駅員の悲喜こもごもの奮闘譚。テンポの良い小気味いい会話で楽しく読み進める。「お客様に、駅で幸せな奇跡を起こしたい」そんな意気込みで東京駅に配属された直の抱いていた夢は雲散霧消するかに見えたのだが…。カッコイイ応答で副駅長の評価は良かったものの、先輩駅員の鍛え方は結構厳しかった。鉄道オタクであることを知られたくなくて必死に抑えている同期の犬飼。上司に盾突いてばかりいるヤンキー風先輩の藤原。手厳しくても何かと庇ってくれる橋口由香子。あこがれの女性新幹線運転士羽野夏美。営業助役の松本。エリート風吹かす副駅長の吉住。いろんな人に脅され、叱られ、おだてられ、けなされ、諭され、結構気が強いところ...朱野帰子の『駅物語』

  • 水彩画最近の習作・野球のグラヴ

    ◇ソフトボールのグラヴとボールclesterF4スポーツ用品を描こうというテーマで、いろんな運動用品が集まったが、ソフトボールとグラヴを選んだ。戦中生まれのうえ野球少年でもなかったので野球のグラヴになじみがなかったので、しみじみと見たことはなかったが、結構沢山の紐で仕立ててあるものだ。(以上この項終わり)水彩画最近の習作・野球のグラヴ

  • キャサリン・コールターの『謀略』

    ◇『謀略』(原題:POWERPLAY)著者:キャサリン・コールター(CATHERINECOULTER)訳者:林啓恵アメリカFBI特別捜査官ディロン・サビッチ、その妻レーシー・シャーロック(同じくFBI特別捜査官)を主人公とするS・Sシリーズ第15弾。二つの事件が同時進行する組み立て。一つはアメリカ駐英大使ナタリー・ブラックの襲撃事件。もうひとつはプレシッド・バックマンというカルト教団の異能(視線だけで相手を意のままに操る)者が収容病院から脱走し、シャーロックを襲うなど殺人を再開した事件。サビッチとシャーロックが、二つの事件に翻弄される。駐英大使ナタリーが交際中の男性の自動車事故に関し英国でメディアから「自殺させた」というスキャンダル報道されたことで米国に一時帰国していたところ公園で襲撃され、以降FBI特別捜査官...キャサリン・コールターの『謀略』

  • 最近の水彩画習作バーデンベルキア

    ◇珍しい花バーデンベルキアに挑戦clesterF4先週の水彩画教室では春の花を描いた。おなじみのラナンキュラスとか、マリーゴールドのほかにバーデンベルキアという、なじみのない花が登場したので挑戦してみた。花房は小さくて穂成りに咲いているが、よく見ると可憐ながら立派にコチョウランに似た蘭系の姿である。この小さな花をとてもリアルには描いていられない。全体の印象を踏まえて表現するしかなかった。(以上この項終わり)最近の水彩画習作バーデンベルキア

  • 青山七恵の『みがわり』

    ◇『みがわり』著者:青山七恵2020.10幻冬舎刊芥川龍之介の「藪の中」現代版を思わせる。主要人物がそれぞれの事実を物語るけれども、真相はわからない。ほんとはどうなのか。最終章で予測できたところに落ち着くのであるが、登場人物のそれぞれの証言がまるで正反対であったりして、執筆を請け負った作家が、もはや自分が受けた印象で描くしかないと決断するほどの藪の中なのである。この小説のもう一つ面白いのはこの作家の軽妙洒脱な比喩でユニークな感覚の表現をされるのでつい笑ってしまう。新人賞はとったものの第二作目がなかなか出せずにいた作家鈴木嘉子は、新設書店のサイン会で熱烈なファンという九鬼梗子と知り合う。如月百合という梗子の姉に嘉子がまるで生き写しで感動した。ついてはぜひ姉百合の物語を書いてほしいという。1年という期限で百合の伝記...青山七恵の『みがわり』

  • 我が菜園の大根と小松菜の今

    ◇冬を越して春を待つ菜園の大根種の蒔き時が遅かった大根は、何とか春の雪もしのぎ、そこそこに太り始めています。手前が小松菜です。時々朝の味噌汁の具になります。大根は直径が4センチくらいです。普通専門家の農家の大根はこの段階では葉が密集しています。未熟児かも。(以上この項終わり)我が菜園の大根と小松菜の今

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