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うちゅうてきなとりで https://the-cosmological-fort.hatenablog.com/

海外文学、歴史、軍事関連の図書についてのメモや、自作ポエム

ほぼ毎日更新 ・本メモ……海外のフィクション、歴史の本、日本のフィクション、その他 ・とりでポエム ・その他

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2016/02/07

1件〜100件

  • オープンウォーターダイバーライセンスをとった

    ◆ダイビング 18mまで潜れるオープンウォーターダイビングライセンスを取ってきました。 中性浮力のコントロールや水中生物(ミノカサゴ、ウツボ、フグ、オコゼなど)を体験するのがとても楽しかったので、洞窟に潜れるようになるまでダイビングをやることにしました。 ◆タイのサッカー少年を救助したダイバーのドキュメンタリー 洞窟の中をくぐって活動するダイバーを見て、これはすごいと思いました。 unpfilm.com

  • 『江戸時代の罪と罰』氏家幹人 ――治安があまりよくない

    江戸時代の犯罪と刑罰について包括的に書かれた本。著者は江戸期の犯罪や、人斬り、敵討ちといったテーマを専門に研究している。 ◆所感 特に興味深いのは、江戸初期における武士たちの振る舞いである。かれらは試し切りや辻斬りなどで身分の低い者を虫けらのように殺害したが、これは平民がかれらにとって同じ人間ではなかったからだと著者は推測している。 *** 1 残酷時代 当時の記録が明らかにするところでは、戦国が終わった直後の江戸初期には、人命が非常に軽いものだった。 気に食わない家の者を片っ端から切る武士や、人の生首を見ていないと落ち着かない武将などが多数存在した。 戦国武将出身の僧、鈴木正三(しょうさん)…

  • 読みかけの『釜ヶ崎の福音』(本田哲郎)と、デトロイトのニーバー

    ◆路上の伝説 『釜ヶ崎の福音』において、フランシスコ会の神父が釜ヶ崎(大阪市西成区)で活動するきっかけを説明した部分が非常におもしろい。 釜ケ崎と福音――神は貧しく小さくされた者と共に (岩波現代文庫) 作者:本田 哲郎 岩波書店 Amazon ・著者は1942年台湾生まれ奄美大島育ちで、クリスチャンに囲まれて「よい子」に育った。 よい子というのは、実は、裏を返すと、顔色を上手にみる子ということです。そして、まわりからよい子を期待されると意識せずによい子を演じてしまう。 神父といえば、それなりの宗教家のはずです。その宗教家の一人である自分が、なんとまあ、人の思惑ばかり、どんなふうに見てもらえる…

  • 非信徒が読むキリスト教の本

    ◆キリスト教関連 買おうとおもっていたドイツの神学者ユルゲン・モルトマンの日本語訳を買った。 モルトマンは20世紀後半から活動している人物で、プロテスタントの世界では有名のようである。 ja.wikipedia.org 希望の倫理 作者:ユルゲン・モルトマン 新教出版社 Amazon わが足を広きところに: モルトマン自伝 作者:ユルゲン モルトマン 新教出版社 Amazon 『釜ヶ崎と福音』は、ホームレスや日雇い労働者の間で約20年間働いた聖職者の本。前に何かの本で紹介されていたので買った。 釜ケ崎と福音――神は貧しく小さくされた者と共に (岩波現代文庫) 作者:本田 哲郎 岩波書店 Ama…

  • 豚あるいは豚

    ◆豚の歴史 とある本を読んでいて、戦後のある時期、文部省を主導していたのが歴史学者平泉澄の門下生、という記載があった。 平泉澄は戦前に力を持っていた皇国史観の歴史学者で、日本会議前身団体の立ち上げにも関わっている。 ja.wikipedia.org 中村が東京帝国大学時代、卒業論文の指導を受けに平泉澄助教授を訪ねた。その時のことを、後年、中村自身が「私は百姓の歴史をやるといったら、えらく怒られもしないけれど、蔑視されちゃった。百姓に歴史はありますかというわけだ。何ですかと詳しく聞こうとしたら、豚に歴史はありますかとたたみかけられて、それで次ということになった」[12]と語った。この逸話は、後に…

  • 『思想検事』萩野富士夫 ――人間の思考をとりしまる国/特高と思想検事の連携

    ◆所感 特高警察とともに思想弾圧を担った思想検事について、当時の行政文書や、検事・思想犯らの回顧資料を用いて概説する。 法の拡大解釈による様々な思想の弾圧は、特高と検察が連携することにより達成された。 さらに検察は戦後の人権指令や公職追放をすり抜けて、ほぼ人員や体制を維持したまま公安検察として継承されている。 特高・思想検事の当初の敵は共産党だった。 共産党およびコミンテルンが目指していた社会は、非常に抑圧的な、人権侵害の甚だしい社会である。 一方、大日本帝国もまた自由のない社会だった。 治安維持法の拡大解釈や、戦時中の反軍・反戦思想取締、宗教弾圧は、忘れてはならない教訓である。 *** 太平…

  • 石垣島とその周辺に行ってきた

    ◆島 石垣島、西表島、竹富島にいってきました。 先週は雨続きだったそうですが、今週は天気がよく観光を満喫することができました。 ダイビングを体験したのは、自〇隊那覇基地で働いていたとき以来ですが、今回久しぶりにやってとても面白かったので、ライセンスを取ることにしました。 ◆島と戦争 ◆◆特攻艇震洋の秘密基地 沖縄本島と異なり、石垣島と八重山諸島は大規模な戦闘は発生しませんでした。 しかし、戦争時代の遺構が残っています。 西表島には、特攻兵器震洋(爆弾搭載ベニヤ板モーターボート)の秘匿壕があります。 ネット上やGoogle Map(「旧日本帝国海軍跡」として登録されています)では情報がありますが…

  • 働くことと『人間の条件』、ヘンリー・ミラー、読書の実益

    ◆働きたくないおじさん 働きたくない、なるべく自分の時間を増やして過ごしたい私のようなニート気質の人間にとっては、「働くこと」は重大な問題である。 最近読み始めたハンナ・アーレント『人間の条件』(The Human Condition)は、働くことの意味や位置づけが古代ギリシアからどのように変遷したか、現代社会というのが働くことをどのように意味づけており、どういった問題が発生したかを考える本である。 内容は非常に概念的だが、冒頭の第1章から非常に面白いのでメモをとっている。 アーレントは、古代ギリシアのポリスにおける労働や政治に関する価値観に、新しい考察のヒントを見出している。 冒頭のアーレン…

  • 『いじめの構造』内藤朝雄 ――閉鎖空間からの脱出

    ◆所見 いじめの性質やいじめを生む構造を提示するだけでなく、そうした閉鎖集団が社会の基礎部分に蔓延する状況を、中間集団全体主義社会として提示している。 学校や職場で生じる醜い状況をほぼ正確に分析しており、解決策も説得力のあるものである。 このような社会で育った人間が市民社会的な理念……自由、公平、公正、人権等を嫌悪・憎悪するようになったとしても不思議ではない。 *** 本書は、人間の普遍的現象としてのいじめを論じる。考察対象となるのは主に学校である。 1 「自分たちなり」の小社会 いじめは学校独特の秩序のなかで行われており、子供たちは非常に付和雷同的である。そこでは市民社会の秩序が後退し、学校…

  • 『帝国以後』エマニュエル・トッド ――2003年当時のロシア認識

    著者の2003年時点での認識は2点である。 ・アメリカの力の低下 ・ロシアの協調 9.11以後、アメリカは求心力を低下させた。イラク戦争における仏独、トルコの不服従はその証拠である。 根本的原因は、アメリカが対外政策のための経済的・財政的手段をもはや持たないことにある。 経済制裁や報復の最初の被害者は合衆国自身である。 日本がドイツと違いアメリカからの独立を指向しない理由は地政学的な孤立である。 ロシア、日本、ドイツ、イギリスの外交的自由の確立が、帝国の時代を終わらせ、より確実な平和を保障すると著者は主張する。 イラク戦争は、アメリカによる演劇的小規模軍事行動だが、アメリカの長期的な先行き………

  • 政教分離について調べた

    ◆ライシテ 最近、フランス現代史にかんしていくつか本を読んだのをきっかけに、フランスの政教分離(ライシテ)について興味を持ちました。 ・フランスは歴史的経緯により、国家・公的空間から宗教を排除する。 ・あらゆる宗教の平等を認め、信仰の自由を尊重する。 ・しかし、実際には「カト=ライシテ」とも呼ばれ、カトリックが「伝統」の扱いを受けて他の宗教よりも公的に優遇されている。 ・一方、イスラームはライシテの厳密な適用を受け、スカーフ/ヴェール問題などに発展している。 ・政教分離解釈は自治体や各地方裁判所によっても様々で、世論、有識者の見解も様々である。 ja.wikipedia.org ライシテから読…

  • 『日本海軍の戦略発想』千早正隆 ――「アメリカには、物量だけでなく、組織力・精神力でも負けた」

    著者は終戦時、連合艦隊司令部で作戦幕僚を務めていた。その後責任をとるために自殺しようと考えたが司令長官の訓示で思いとどまった。 米海軍の要請により、日本海軍の戦術について回答するために作られた史料編纂部署に配属され、日本海軍の作戦を検討することになった。 著者は対空砲の専門として、艦隊防空などを担当した。このため、海軍の防空能力の低さに当初から警鐘を鳴らしていた。 終戦後ほどなくして書かれたというが今でも納得できる点がある。 山本五十六は航空兵器が海戦の主体となることを予知していたというが、著者はこの見方を否定している。また、日本海軍は真珠湾奇襲成功の後も、自分たちの根本方針を見直そうとしなか…

  • 『量子コンピュータとは何か』ジョージ・ジョンソン ――量子コンピュータに関する基礎知識

    ◆メモ 量子コンピュータの仕組みを、専門外の人間にもわかるように解説した本。原理から、その応用、発展が期待できる分野までを紹介する。 ハードウェアの実現には、本書の時点ではまだ時間がかかるとされている。しかし2010年代には、NSAやIBM、中国などが初歩的なプロセッサの開発に成功しているようだ。 はじめに 量子コンピュータの原理は、原子をスイッチとして扱い数を扱うというものである。 原子は、従来のスイッチと異なり、0と1だけでなくその0と1の両方を持った状態をとれる。これは量子の性質によるもので、従来のスイッチと比較にならない量のデータを扱うことができる。 現在の暗号は、「大きな数の因数分解…

  • 最近の本と、今年の活動

    ◆ロシア、歴史、その他 今読んでいるTimothy Snyderの"Road to Unfreedom"は、プーチンの思想的基盤となっているキリスト教ファシズム思想家イワン・イリインについて解説している。イリインの思想や、本書におけるロシアの未来予測は、現在のウクライナ侵攻をほぼ正確に予測している。 「ロシアは、堕落した西洋から常に攻撃を受けている被害者だが、ロシアとロシア人こそは世界が創造される以前の完全な魂・真実を体現する存在であり、1人の救済者がロシアとロシア人を救済する。その完全なるロシアでは、個人はロシア全体に没入する自由を得る。この王国にはウクライナも含まれる。救済者がすべての法律…

  • 陣中日誌は読むのが大変 ――『ある軍法務官の日記』と、『アフガンペーパーズ』抜粋

    ◆軍法務官 『ある軍法務官の日記』は、日本軍で法務官を務めた小川関治郎氏が、南京攻略中に書いた陣中日誌を書籍化したもの。 漢字カタカナで書かれているが慣れればおもしろい。 法務官は、軍法会議を担当する文官(1942年から武官)であり、軍の中では一等下に見られていた。 軍法会議でも、軍人や現地指揮官の意向で判決が捻じ曲げられることが多かったという。 ja.wikipedia.org 本書では、第十軍(柳川兵団)が杭州湾から上陸し、現地で様々な不法行為を働くさまをそのまま記載している。 司令官の柳川平助自身は、不法行為がないようにと注意喚起を発しており、掠奪や殺戮が国際問題に発展しかねないことを認…

  • ドイツ文学系の本を買った ――ユンガー、トラークル

    ◆文字と言葉そのものについて考える 文字を通して知識を身につけるのではなく、文字自体に注目することも大切だとおもった。 トラークル全集 新・新装版 作者:ゲオルグ・トラークル 青土社 Amazon エウメスヴィル ーーあるアナークの手記 (叢書・エクリチュールの冒険) 作者:エルンスト・ユンガー 月曜社 Amazon トラークルもユンガーも、日本語・英語でこれまで読んできたが、非常におもしろい著者である。 the-cosmological-fort.hatenablog.com 白い池の向こうへ、野生の 鳥たちが飛び去っていった。 夕暮れ、ぼくたちの星星からは、ひとすじの氷のような風が吹いてく…

  • 『アフガニスタン・ペーパーズ』を読みながら ~嘘つきを嘘つきと指さすことが大事

    ◆アフガン戦争は最初から失敗していた ワシントン・ポストが、米政府にもみ消された内部調査資料をもとに出版した『アフガニスタン・ペーパーズ』を読んでいる。 2001年以降、ブッシュ政権、オバマ政権が一貫してアフガニスタン戦争について国民を騙していた経緯が語られている。 アフガニスタン戦争は、2002年には目的を見失い、泥沼化していた。現場部隊や駐在外交官、監査などから、何度も「アフガン戦争は失敗しつつある」という報告を受けていたにも関わらず、米政府首脳や軍首脳はこうした報告をもみ消し、楽天的な言葉を国民に発し続けていた。 イラク戦争と同じく、アフガニスタン戦争も結果的に大失敗しているが、それは当…

  • 『日本陸軍と中国』戸部良一 ――陸軍の中国通が見落としていた要素

    ◆メモ 陸軍は1870年代から中国情報の収集を続けてきたが最終的に判断を誤った。また現地の将校たちは軍閥に操られ、国民党や中国人民に対して一方的な思い入れを抱くことが多く、最終的に自分たちが帝国主義的対象として排除されることを正しく認識できなかった。 本書で取り上げられる佐々木到一も当初は国民党の理念に共感していたがやがて反中的価値観に移行していった。 あとがきでは、「かれらは中国を「他者」として認識できなかった」という江藤淳の言葉が引用されている。 「支那通」や日本軍、日本政府に欠けていたのは中国のナショナリズムや主権回復に対する認識だった。 佐々木はシベリアの反革命軍支援工作にも関与してい…

  • 司法関係の仕事にかんする本――検事、弁護士、裁判官、刑務官

    『検事失格』という検事の回想録を読んでいますが、非常に忙しくまた組織的な問題の多い仕事という印象がよくわかり面白いです。 ・なぜ検察は無罪を出したくないのか →担当者が延々と詰められる ・なぜいったん起訴したら、間違っていたとわかっても起訴を取り下げないのか →起訴取り下げには法務大臣までの決裁が必要で、ハードルが高い など、外から見ると奇怪な動きですが、内部ではこうなっているということが書かれています。 検事失格 作者:市川 寛 毎日新聞出版(インプレス) Amazon 他にも読もうとおもって適当に買いました。 まだ本メモをブログにアップしていないものもあるので、順次乗せていきたいと思います…

  • 『心でっかちな日本人』山岸俊男 ――なんでも「心」や「文化」のせいにしない

    ◆所見 社会心理学の観点から、日本文化を分析する本。 わたしたちは行為の原因をただ「心」に見出すことで、その背後にある因果関係を見落としがちである。一見、行為が心や人格から生じているようにみえて、そこには社会的な環境や他人の行動が深く影響を及ぼしているということを示している。 「日本人の文化」、「日本人の心」という恣意的なくくりの奥には、隠された変数や原因が存在している。 *** 本書の目的は「文化」という神話を除去しその姿を明らかにするものである。 本書のタイトルである「心でっかち」とは、あらゆる事象――日本経済の崩壊や犯罪、伝統の崩壊――を心の問題としてとらえる傾向を指す。 「心でっかち」…

  • 2021年から2022年 おもしろかった本と、今年の目標

    ◆おもしろかった本 ・『The History of the Peloponnesian War』Thucydides トゥキュディデス『ペロポネソス戦争』、この時代の戦争や社会がどのような様子だったかがわかりおもしろい。 21世紀に書かれた歴史の本でも、退屈で読むに堪えないものが多数ある一方、この古典は非常に面白かった。 History of the Peloponnesian War (English Edition) 作者:Thucydides Penguin Amazon ・『国際指名手配 私はプーチンに追われている』ビル・ブラウダー ロシアの腐敗官僚と、その元締めプーチンに狙われるこ…

  • スカイダイビングとガガーリン、ロシア

    ◆スカイダイビング 先日、体験スカイダイビングに参加して、非常に面白かったので、ライセンスを取ることにしました。 入校までの間は、参考動画を見ています。 www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com 非常に寒い スカイダイビングに関する本で、評価が高かったもの Above All Else: A World Champion Skydiver's Story of Survival and What It Taught Him About Fear, Adversity, and Success (English Edition) 作者:Bro…

  • 『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里 ――子供時代に過ごした東欧の思い出

    ◆チェコのソヴィエト学校に通っていた著者が、東欧の様子や、社会主義諸国の子弟たちの人物について思い出をまとめた本。 概要 父親の仕事の関係で著者はプラハに住んでいた。 著者の通っていたソヴィエト学校の同級生についての回想が語られる。ソヴィエト学校はチェコにつくられた外国人向けの学校で、友人の一人リッツァは、亡命ギリシア人(共産党幹部)の娘だった。プラハの人びとはソヴィエト学校をお金持ちの子弟が通う場所とみなしていた。 著者は子供のころの友人に会うためにプラハを訪問し、消息を尋ねて回る。 ソヴィエト時代のチェコやギリシア、中欧諸国の様子を知ることができる。また、東側からみた世界観が興味深い。 東…

  • ロシアの暗殺計画/ 昭和臭のする本(石川達三、井上靖)

    ◆ロシアの興味 プーチン大統領による海外での暗殺活動を取材した『ロシアン・ルーレットは逃がさない』を読み終わった。 リトビネンコ暗殺や化学兵器ノビチョクによる暗殺未遂など、イギリスがプーチンによる暗殺活動の遊び場と化していた現実を告発する。 根本的な原因は、ロシアへの投資やロシアとの協力関係を失いたくないために、イギリス政府がプーチン・FSBによる犯罪行為を黙認していたことが原因であるという。 こうしたイギリスの融和政策は、2014年のクリミア併合によって打ち切られ、以後、ロシアと西側諸国との対立は決定的となった。 ロシアン・ルーレットは逃がさない プーチンが仕掛ける暗殺プログラムと新たな戦争…

  • 建国の戦争と最後の戦争

    1776 (English Edition) 作者:McCullough, David Simon & Schuster Amazon 最近読み始めた1776は、米国の独立戦争を、指揮官ジョージ・ワシントンとアメリカ軍の動向を中心に書いたものです。 米国ではベストセラーのようで、当時の寄せ集めアメリカ軍の様子、市民・民間人出身の個性的な将軍たちなど、新鮮な話が多く面白いです。 The Afghanistan Papers: A Secret History of the War (English Edition) 作者:Whitlock, Craig,The Washington Post S…

  • 『幕末百話』篠田鉱造 ――明治維新の現場の声

    幕末を生きていた老人たちからの聞き書きを集めたもの。 明治35年から38年にかけて報知新聞に連載された。 幕末における社会の混乱、犯罪、庶民の生活が描かれている。 *** ・芝居 歌舞伎役者に関する話題・スキャンダルは、江戸時代でなポピュラーだったようだ。 ・人斬り 武士にとって人の命は軽いものである。 町民は武士に頭が上がらなかった。試し切りをするために夜徘徊する武士たちがおり、因縁をつけられると斬殺された。 ・彰義隊 戦闘の際、草鞋の紐を結ぼうと敵に背を向けて首を刎ねれらた男。 江戸にいた武士たちの多くは強制的に彰義隊に編入されたが、裏切りや敗北で、間もなく隊は崩壊し、官軍は切捨て御免で幕…

  • 『刑法入門』山口厚 その2 ――書名のとおりの本

    3 犯罪はどんなときに成立するのか 犯罪の成立要件は基本的には行為、結果、因果関係、意志だが、未遂や不注意など犯罪によって必要な要件は変わる。 ・行為客体(やられる対象)と保護法益(侵害された利益)は必ずしも同一ではない。公務執行妨害は、客体は公務員だが保護法益は「公務そのもの」である。 法益侵害の危険を処罰するものを「危険犯」という……往来危険罪や放火罪。 ・行為と結果の間には因果関係が必要である。 事実的因果関係を見つける手がかりの1つとして「行為無ければ結果なし」という考えがあるが、これでは解決できない問題もある(複数人が立て続けに毒薬を盛った例)。 事実的因果関係があっても、そこに異常…

  • 『刑法入門』山口厚 その1 ――書名のとおりの本

    ◆メモ 刑法と刑罰の仕組、その基盤となっている考え方・刑法学についてまとめられている。 ただし、日本の司法運用にまつわる問題は特に取り上げていない。このため、本書だけを見ると非常に理路整然としたきれいなシステムであるかのような印象を受ける。 逮捕後の勾留期間や、有罪率、裁判員制度、また尋問に関する問題などは別の本で調べる必要がある。 *** 1 犯罪と刑罰とは何なのか 犯罪とは法律で禁止された行為であり、その違反に対する措置として刑罰が科されるものをいう。 憲法では「残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」とされている。 司法は死刑をどう考えているのだろうか。 1948年の最高裁見解は「火あぶり、磔…

  • ロシアのユーラシア主義、宇宙主義、その他宗教哲学

    ロシア文化に関する本で紹介されていたので、以下の本を買いました。 だいぶ昔に興味を持ってはいましたが、日本語の古本がどれも高額なので手を付けていませんでした。 宇宙主義の発祥は19世紀ですが、ソ連崩壊後に一時的にブームになったとのことです。 ja.wikipedia.org また、ユーラシア主義は、現在のロシアの国家方針にも強く影響を与えているため、知る価値があるようです。 ja.wikipedia.org ・ロシア・ソヴィエト哲学史 入門書 ロシア・ソヴィエト哲学史 (文庫クセジュ) 作者:ルネ ザパタ 白水社 Amazon ・ロシア思想家 アイザイア・バーリンによる紹介 Russian T…

  • DUNE 砂の惑星 を観にいった

    原作は読んだことがないので、ついでにKindle原本を買いました。 Dune (English Edition) 作者:Herbert, Frank Ace Amazon 2部作に分かれており展開はゆっくりしていましたが、自分はまったく眠くならずに見ました。 元々原作SFに興味があったからかもしれません。 ◆その他、最近の買い物 ロシア文化55のキーワード (世界文化シリーズ7) ミネルヴァ書房 Amazon

  • 『徴兵制』大江志乃夫 その2  ――徴兵制の歴史をたどる

    3 外征軍としての徴兵軍隊 日本軍は国民軍の皮をかぶった外征軍隊だった。 日露戦争の動員数100万人のうち8割以上が召集兵だった。 日露戦争により、安上がりな徴兵を前提とした兵力消耗戦が出現した。なお、日清戦争では死者1万5千人のうち1万2千人がコレラ、マラリア、凍傷による病死である。 所詮は「赤紙一枚」で調達された生命として、取り扱われたのであった。 日本の植民地支配の特性: 日本政府は、本国人のみから徴集された徴兵軍隊を支配のための軍事力として運用した。また、植民地を経済のためでなく、軍事基地として利用した。 シベリア出兵は大義のない戦争であり、日本陸軍は4年間の損耗と浪費によって世界の趨…

  • 『徴兵制』大江志乃夫 その1 ――徴兵制の歴史をたどる

    日本における徴兵制の歴史を検討する。 著者は熊本幼年学校卒、陸軍航空士官学校在学中に敗戦を迎えた軍人であるため、日本軍に関する実体験が豊富である。 *** 0 徴兵制と、日本の状況について。 下士官と兵が同数というのは、平時に将校と曹を基幹部隊とし、戦時に兵を大量徴集するドイツ国防軍方式と同様である。 1980年の時点で、自衛隊では予備役の不足が問題になっている。 徴兵制は純軍事的な必要に基づいて導入されるだけでなく、むしろ政治的な術策として実施されることが多い。 徴兵制は、国民を上から統合するための「国民精神総動員」の方策でもある(西ドイツ、第一次世界大戦のイギリス、アメリカの登録徴兵制復活…

  • サイバー戦関係のブログをはじめましたータルタル・ネットウォーコム

    WordPressの勉強も兼ねて、サイバー戦争に関するブログを作成開始しました。 有料テーマを使うと非常に使いやすいです。 まだ記事がありませんが、今後、サイバー戦やサイバー部隊、ニュースに関する記事を投稿していく予定です。 tartarenetwar.com twitter.com

  • 韓国と北朝鮮と中国に関する新しめの本

    最近、北朝鮮に関する本を読んだのがきっかけで、比較的最近出た新書をひととおり読みました。 なかなか古い本には乗っていなかったこともあるので参考になりました。 新書はメモをとりつつ1、2日で読み終わるので手軽でよいなとおもいます。 Amazonで検索すると、このキーワードは強烈なビジネス本や政治パンフレット本、オカルト本が出てくるのでうっとうしいです。 最近話題になっている中国の不良文化規制ですが、BBCの記事を見ると、KPOPファンの組織力が政治活動化するのを警戒しているようです。 jp.reuters.com www.bbc.com ◆韓国 文在寅時代の韓国: 「弔い」の民主主義 (岩波新書…

  • 『To End a War』Richard Holbrooke その2 ――ナショナリズムで、生きていく

    8 NATOによる空爆は効果をあげたが、その再開をめぐって、NATOと合衆国交渉チームは対立した。NATO司令官スミス提督と、交渉チームのクラーク中将は意見対立したが、著者は、この対立が後のクラークのキャリアにマイナスにならないよう慮った。将官にとって、上位者(提督)に逆らうのは非常にリスクが高いからである。 en.wikipedia.org この間、チームの一部はマケドニアとギリシアを訪問した。両国は、国名・国旗をめぐって対立しており、交渉チームは両国間の交渉を取り持とうとしていた。 マケドニアは国旗を「ヴェルギナの太陽」(アレクサンダー大王家の象徴)から新しいデザインに変更することを了承し…

  • 『To End a War』Richard Holbrooke その1 ――ナショナリズムで、生きていく

    著者リチャード・ホルブルックは民主党系の外交官で、ボスニア和平交渉等を主導した。 ja.wikipedia.org アメリカの介入経緯や紛争に対する見方、ボスニア和平交渉の細部、紛争当事者たちの人間性、関係を知ることができる。 ボスニア紛争は、ヨーロッパの役割や、アメリカの外交方針に大きく影響を与えた出来事でもあった。ヨーロッパ(英仏独など)は、紛争解決にリーダーシップを発揮することができず、アメリカ=NATOの支援を必要とした。 合衆国は、ベトナムの失敗や、直近のソマリア米兵殺害事件を受けて介入に消極的だったが、最終的には紛争終結を主導することになった。 *** 1 著者ホルブルック、フレイ…

  • アフガニスタンとタリバン関係で読んだ本

    アーリントン墓地で撮影 www.bbc.com ◆関連本メモ the-cosmological-fort.hatenablog.com the-cosmological-fort.hatenablog.com the-cosmological-fort.hatenablog.com the-cosmological-fort.hatenablog.com the-cosmological-fort.hatenablog.com the-cosmological-fort.hatenablog.com the-cosmological-fort.hatenablog.com the-cosmol…

  • 買い物 

    ◆Switch版Diablo3 今さらですが遊んでいます。 会社は現在セクハラ問題でもめているそうです。 ディアブロ III エターナルコレクション -Switch Blizzard Entertainment Amazon japanese.engadget.com ◆買い物 古代朝鮮 (講談社学術文庫) 作者:井上 秀雄 講談社 Amazon ヤマト王権〈シリーズ 日本古代史 2〉 (岩波新書) 作者:吉村 武彦 岩波書店 Amazon

  • 偉い人の言い間違い

    総理大臣がスピーチで言い間違いをした記事を見かけて、亡命ソ連軍人スヴォーロフの自伝における認知症将軍を思い出した。 www.chugoku-np.co.jp The Liberators 作者:Suvorov, Viktor Berkley Amazon ◆エピシェフ将軍 en.wikipedia.org 1967年頃、ソヴィエト陸海軍政治総本部長だったエピシェフ上級大将は、痴呆の疑いをかけられていた。 講話のため、全青年将校会議にやってきてエピシェフがスピーチ原稿を読み上げたとき、原稿がコピペと切り貼りで支離滅裂になっていたため、同じ文言やパラグラフを何回も、ぶつ切り状態で読み続けた。 この…

  • 『戦争の記憶 ――日本人とドイツ人』イアン・ブルマ その2 ――中東欧の子供に殴られた東ドイツの子供

    3 戦犯裁判 戦犯裁判は政治的なものなのか、八百長、勝者の意図なのか。 東京裁判の欠陥は、西洋的な公正さ、法の運用を掲げながら、真の指導者である天皇がまったく登場しないことである。 この裁判は、日本人に自分の過去を理解させ受け入れさせる役には立たず、それどころか、冷笑し、憤慨する姿勢を残した。政治裁判というのは政治的に捻じ曲げられた歴史を創り出してしまう。 木下順二の戯曲が伝える主張について。 ポイントはただひとつ、自分の罪を裁かなければならないのは観客席にいるわれわれ自身だ。 天皇不在の東京裁判や、冤罪の多いBC級戦犯にまつわる不公正によって、日本人は自分たちの罪を正しく認識する機会を失った…

  • 『戦争の記憶 ――日本人とドイツ人』イアン・ブルマ その1 ――中東欧の子供に殴られた東ドイツの子供

    ◆メモ 特に加害者としての記憶とどう向き合っているか、ドイツと日本を比較する本。 タイトルは、東ドイツの教育をめぐるエピソードとして紹介されていたものである。 東ドイツでは、子供たちは反ファシストの子、ブルジョワ独占資本の権化ヒトラーと戦った、英雄の子だと学校で教育されていた。 実際にかれらが修学旅行でチェコやポーランドに行ってみると、侵略者扱いされ、町の子供に殴られた。 著者はオランダ出身のジャーナリストで、長年NYタイムズブックレビューなどで活動していた。 本業は日本・中国に関する芸術・文化批評だが、イラク戦争を支持したアラブ史学者バーナード・ルイスに対するコメントが印象に残っている。 I…

  • 仏作って魂入れず ――『軍法会議』

    軍法会議は軍隊の規律を維持し軍組織内における犯罪を取り締まるための制度である。 しかしその運用が適切になされない場合、用をなさないか有害となる。 自〇隊の法的な位置づけに問題があり、軍法会議が存在しないことが問題視されている。わたしはその説に同意するが、一方、日本軍の軍法会議運用は問題の発生源となっていた。 ・陸士出身者はほぼ起訴されない ・法務官・法務将校の地位が低く、大半が指揮官・司令官の意向をうかがうだけの存在になっていた。 ・そもそも軍法会議を通さない私刑(部下や隷下の憲兵隊を用いた射殺等)が多かった 軍法会議 (1974年) Amazon 『軍法会議』(1974年)の著者 花園一郎氏…

  • 『ナグ・ハマディ写本』エレーヌ・ペイゲルス その2 ――教会がつぶした初期キリスト教思想

    4 キリスト受難とキリスト教徒迫害 正統派は、イエスが人間的存在であったこと、歴史的な出来事として磔刑をとらえるなければならないとする。一方、グノーシスでは、イエスは「神の子」でもあるので、かれの内なる神的霊は死ぬことがないとする。 この強固な正統派の主張も、当時の現実世界と結びついている。 ……信者たちは、彼ら自身の受難と死という差し迫った脅威をもたらす迫害に対して、どのように対応すべきであろうか、ということである。 イエスのいた時代のネロ、その後のアウグストゥス、トラヤヌス時代を通じて、キリスト教徒は迫害の対象だった。被告がキリスト教徒を名乗った場合それが死刑となった。 この判決は何の役に…

  • 『ナグ・ハマディ写本』エレーヌ・ペイゲルス その1 ――教会がつぶした初期キリスト教思想

    ナグ・ハマディ文書とは、1945年にエジプトで発見された古代キリスト教・グノーシス主義に関する文献である。 ja.wikipedia.org ナグ・ハマディ文書の内容……大部分はコプト語で書かれたグノーシス主義の文書52編で、著名なものに『トマスによる福音書』、『ピリポによる福音書』、『ヤコブのアポクリュフォン』等。ヘルメス思想の文献、プラトン『国家』の翻訳も含まれる。 その他の代表的なグノーシス主義文献…『マリアの福音書』、『ユダの福音書』 *** 序章 1945年12月、上エジプトのアラブ人農夫がナグ・ハマディ近郊でパピルス文書を発見した。 これらの文書は4世紀、キリスト教がローマを支配す…

  • 『弾左衛門とその時代』塩見鮮一郎 ――江戸から明治にかけてのえた頭と被差別民の歴史

    本書では江戸時代の穢多頭弾左衛門の実態を検討する。 最後の弾左衛門である集保・弾直樹の人生に特に焦点をあてている。 1 皮革は家光の頃までは輸入していたが、鎖国と同時に、国内の死牛馬を使うようになった(屠殺は禁じられていた)。 捨場に置かれた死牛馬を定期的に点検する役回りが穢多の仕事だった。 明治以降、農民は反近代的運動の一環として穢多村をたびたび襲撃した。 部落の責任ある組織でもって地名を段階的に公表して、それでも差別がおこらないのが、わたしたちの目標になる。 2 弾左衛門は町奉行の配下であり、その本来任務は警察・司法の補助だった。 江戸時代は身分を外見で示したため、非人は散切り頭、渋染か藍…

  • これから買いたい本 ――コソヴォ、モンゴル、日本軍

    2カ月弱読んでいたジュール・ヴェルヌ『海底二万海里』が終わったので、『バスクとバスク人』を読んでいます。 『海底二万海里』は、ノーチラス号の冒険や、ネモ艦長と主人公との関わりがおもしろく、久しぶりに読み通しました。 海底二万海里 (福音館古典童話シリーズ) 作者:ジュール ヴェルヌ 株式会社 福音館書店 Amazon バスクとバスク人 (平凡社新書) 作者:渡部 哲郎 平凡社 Amazon トゥキディデスの『戦史』は、ようやく半分を過ぎたところです。 戦争をめぐる国や人びとの動きは、紀元前も現代も共通しているところが多いと感じます。 The History of the Peloponnesi…

  • 『日本残酷物語2』 その2 ――ブラックとしか言えない昔の生活

    山の騒動 大坂冬の陣と同時に発生した紀州北山の一揆には、熊野の山伏たちも多く参加したが、浅野家により鎮圧され、発起人や参加した村人たちが数百人処刑された。 宮崎県(日向)椎葉村におけおる土豪らの抵抗について。 石徹白騒動 越前石徹白(いしとろ)には社家山伏が居住しており、代々神祇白川氏の統治下にあった。室町になり吉田(卜部)氏が進出し勢力争いが始まった。社家の合議体制で成り立っていた村では、吉田家の後ろ盾を得た上村豊前が支配者となった。 豊前は寺社奉行所の判決を用いて96家族500人強を追放した。そのうち72人の社人が餓死し、その後訴状によって豊前らは死罪となった。 山の住民たちはまた、検地や…

  • 『日本残酷物語 2』その1 ――ブラックとしか言えない昔の生活

    ◆所感 貧困や過酷な自然環境の下で生きてきた日本人の歴史について。 1 対馬 対馬は古来から朝鮮貿易の中継所として使われてきたが、土地は非常に狭く平地も少なかった。江戸時代には鎖国政策にも関わらず、他国(上方や九州)の密貿易業者たちは7千人規模で滞在していた。 対馬自体が離島であるため、犯罪者は拝領奴という底辺下男として武家の家等で働かされた。しかしほとんどは逃げ出し、最底辺の人間として一生を終えた。 住人の生業は漁業と小規模の畑で、漁民は朝4時から夜中の1時まで働いた。食糧不足のため、部外者を受け入れないよう村のしがらみは強固だった。 対馬のさらに離れ島で妻と2人で生活した老人の話。 ・イカ…

  • 最近やっているゲーム

    ◆Switchのゲーム 遅ればせながら最近Switchを買ったのでオンラインで遊んでいます。 モンスターハンター ライズ|オンラインコード版 カプコン Amazon ドラゴンクエストIII そして伝説へ…|オンラインコード版 スクウェア・エニックス Amazon ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド【Nintendo Switch】|オンラインコード版 任天堂 Amazon ◆『海底二万海里』 読むのに時間はかかっているが非常に面白い。 ネモ艦長に監禁された教授たちは、ジュゴンを狩って食べた。 海底二万海里 (福音館古典童話シリーズ) 作者:ジュール ヴェルヌ 株式会社 福音館書店 Ama…

  • 『北欧神話』コラム ――単なるメモ

    北欧神話を子供にもわかりやすくまとめたもの。 オーディン、ローキ、トール、フレイといった有名な神だけでなく、小人、巨人等様々な種族が登場する。 ――神さまたちが、計略をつかって城壁をつくってもらったこと、約束をやぶったこと、アースガルドで正しくないことがおこなわれたことを、オージンは悲しく思っていたのでした。 巨人は神々と対立する種族だが、完全に悪人というわけではない。ローキは神と巨人の合いの子であり、いたずらをくりかえすが最後には神を怒らせて殺される。 神も、相手をだましたり、宝に目がくらんだりと世俗的である。小人にも残虐な者がいる。 神々はいたずらや、攻撃されたことをよく覚えており、仕返し…

  • 『犯罪と刑罰』ベッカリーア ――現代の刑法思想につながる1764年の本

    本書は、「公共の福祉を保護する責任をおった人びとに、刑法体系の欠陥を指摘」するものである。 著者は啓示(神)や自然法(道徳)について言及せず、あくまで社会契約、つまり政治的(社会的)正義について論評する。 この説明は、出版当時(1764年)、教会や王権から強烈な非難にさらされたために加えられた。 ◆所見 刑罰は原則として、自然人としての人間に属するものであり、社会契約を侵害する犯罪に限って科されるべきである。 宗教と刑罰との分離、拷問や死刑の廃止、罪刑法定主義、「国家すなわち家族」観(パターナリズム)の否定など、今読んでも説得力のある主張が多い。 一方、市民の完全な武装解除は、犯罪者を助長させ…

  • 大村はまの本と教師

    新編 教えるということ (ちくま学芸文庫) 作者:大村 はま 筑摩書房 Amazon 有名な国語教師だった大村はまの本を読んだ。 教育という仕事の厳しさ、過酷さを説く一方、もはや現代では環境や労働法の上から実践が難しいのではという提言も多々ある。 子供を教育するというのは非常におそろしい・難しい仕事だと自分は感じる。 わたしが教育に関わったといえば、昔、家庭教師として中学生に勉強を教えたのと、自〇隊の教育隊区隊長として新隊員を教育した(しばいた)ことくらいである。 しかし、子供や、未成年の人格形成や脳に大きな影響を行使するというのは大変な責任を持つ仕事である。 一方で、ホーフスタッターの本を読…

  • 『弾左衛門と江戸の被差別民』浦本誉至史 ――被差別民統治の歴史

    本書は近世江戸の被差別民社会を考察する。 ja.wikipedia.org *** 1 弾左衛門のはじまり 長吏は関西では「かわた」と呼ばれる皮革業等に従事した被差別民である。かれらは当時の差別語である「えた」と呼ばれることを嫌った。 後北条氏の滅亡とともに江戸にやってきた徳川幕府は、武器製造の要である長吏を統治するために、新たな支配者として弾左衛門を置いた。 弾左衛門は正式には穢多頭弾左衛門といい、江戸町奉行の支配をうけた。各被差別民を支配し、刑場業務、歌舞伎などの興行(江戸中期まで)、市中警備、金融業で強い力を持った。 また筬(機織り機の部品)、灯心、皮革製品の専売で利益を得た。 弾左衛門…

  • 古いSF――ジュール・ヴェルヌ

    『海底二万海里』を読み始めました。 福音館書店の本は『アーサー王』など小学校の時によく図書館で読みましたが、装丁がよいです。 海底二万海里 (福音館古典童話シリーズ) 作者:ジュール ヴェルヌ 発売日: 1972/10/20 メディア: 単行本

  • 『トマスによる福音書』荒井献 ――教義が固定化する前のキリスト教

    ◆メモ ナグ・ハマディ写本の中に収蔵されるトマス福音書を解説する。福音書成立の背景は、細かい本文批評に基づくもので素人には覚えにくい。 本書の特長は、グノーシス主義の特徴を明確に示し、福音書の言葉を逐次註解していく点にある。 カトリック成立の過程で異端とされ、追放された思想には、現代においてはより受け入れやすい要素(男女の平等、内的自己の探求を重視)も多い。 *** 1部 トマス福音書の背景 1 ナグ・ハマディ写本は1945年、エジプトの農夫に発見されたが、この文書群が広く学者に公開されるようになるまで、40年を要した。 ja.wikipedia.org 2 トマス福音書成立時代の教父たちは、…

  • トゥキディデス『歴史』がおもしろい

    The History of the Peloponnesian War: Revised Edition (Penguin Classics) 作者:Thucydides 発売日: 1954/09/01 メディア: ペーパーバック アテネ側とスパルタ側が30年超にわたって戦ったペロポネソス戦争を、正確性に着眼を置いて記述したトゥキディデスの本です。 戦争の発端は、現代に通じるものがあります。 ペルシア戦争の勝利で海軍大国として台頭したアテネに対し、脅威を感じたスパルタがこれをけん制しようとお互いに同盟を結成して対立に至ったというものです。 戦争の発端は、同盟都市の支援をめぐる紛争です。 はる…

  • 『初めて人を殺す』井上俊夫 ――ある日本兵の回想

    日中戦争従軍者によるエッセイ集。著者は大坂で詩人として活動してきたとのことである。 内務班でのリンチ、現地人に対する略奪、捕虜の殺害等、多数の回想や公文書・記録に残された事象を実際に体験した人物の回想録。 1 今、靖国神社にやってくるのは「腹にいちもつある政治家や遺族会のボスども」だけである。一度奉じられた英霊は遺族の故郷に戻すことができない。 2 著者は自身の体験から、昭和天皇に対し批判的であり、反天皇的な詩も発表している。 遺族会や保守派政治家は、侵略戦争という定義に反対するが、「……いかにも戦死者の尊厳を守り、名誉を重んじているかのように見えるが、その実これは、なにがなんでも日本の侵略を…

  • 「ザ・ウォーク」曲芸の話と昔話、古典

    ◆「ザ・ウォーク」 昔、労働中眠くなったときに、よくパルクール動画やエクストリームスポーツの動画を見て眠気を覚ましていました。 www.youtube.com www.youtube.com それらと関連して、Netflixで公開中の「ザ・ウォーク」を見ました。 www.youtube.com 綱渡りという芸に取りつかれた人間の映画です。目標や夢が生きるために不可欠であると感じました。 Amazonレビューでは、「迷惑Youtuber」、「犯罪」との低評価が目立ちます。一心不乱に綱渡りの実現を目指す主人公に感動したわたしは、おそらく順法精神に欠ける人間なのでしょう。 舞台になった世界貿易センタ…

  • 『バトル・オブ・ブリテン』リチャード・ハウ その2 ――ドイツを撃退した防空体制

    13 外国人義勇兵のうちもっとも優秀だったのはポーランド、チェコ人だった。 アメリカからは、本国が志願を阻止していたものの、多くの義勇兵が参加した。その中にはサーカスでアクロバット飛行をやっていた命知らずもいた。 カナダ、オーストラリア、南アフリカなど、その他の国からも多くのパイロットが参戦した。 14 だいたい戦闘機乗りというのは自分の周りを目に見えない壁で囲んでいる人種だから、それが奴らは無神経だという印象を与えるのかもしれない。しかし実は、そいつは精神的、肉体的なストレスに対する自己防衛として必要なことなのである。 15 イギリス空軍はドイツの攻撃により予想以上の損害を受け、戦闘機とパイ…

  • 『バトル・オブ・ブリテン』リチャード・ハウ その1 ――ドイツを撃退した防空体制

    ◆所感 バトル・オブ・ブリテンの概要・経緯についてわかりやすく説明している本。 1部 背景 1 WW1 第1次世界大戦中、イギリスは本土にやってくるドイツのツェッペリン飛行船に対処しなければならなかった。本土防衛の責任は、陸軍か海軍かで数度入れ替わった。飛行船に続く、飛行機による爆撃を受けて、1917年、ロイド・ジョージ首相とスマッツ大将は防空専門の軍を編成しロンドン防衛にあたらせた。ドイツ軍はゴータ爆撃機での夜間爆撃を行った。 1918年、スマッツ報告をもとに空軍省が設置され、イギリス空軍が誕生した。 ドイツの爆撃に備えるため、大戦中に防空体制の構築が進んだ。 ・音響式方向探知機 ・管制シス…

  • 碁盤の目のはなし

    Netflixで視聴可能の『ボビー・フィッシャーを探して』は、チェスの天才を題材にした実話だが、子供に自分の夢を投影させる親の気持ちを取り上げている。 年をとっても、才能や特異な能力にあこがれる気持ちは変わらない。一方、子供は究極的には親とは別の人格である。 ボビー・フィッシャーを探して (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video ボビー・フィッシャーを探して 作者:フレッド・ウェイツキン 発売日: 2014/09/02 メディア: 単行本 関連して買った将棋関連の本 将棋400年史 (マイナビ新書) 作者:野間 俊克 発売日: 2019/02/26 メディ…

  • 最近買った本と、再々トライ中の『フランドルへの道』、六日間戦争

    ◆最近買った本 アイヌに関するフィクション(児童文学?)。楽天で古本セットが安かったので買った。昭和30年発行なので自分の生まれるより数十年前の本である。 コタンの口笛 第1部 上 あらしの歌 (偕成社文庫 4017) 作者:石森 延男 メディア: 単行本(ソフトカバー) コタンの口笛 第2部上 (3)―光の歌 (偕成社文庫 4019) 作者:石森 延男 メディア: 単行本(ソフトカバー) コタンの口笛 第2部下 (4)―光の歌 (偕成社文庫 4020) 作者:石森 延男 メディア: 単行本(ソフトカバー) コタンの口笛(第一部・下) (偕成社文庫4018) 作者:石森 延男 発売日: 197…

  • 『Ivan's War』Merridale, Catherine その3 ――第二次世界大戦のソ連兵の体験談

    8 1944年6月22日、バグラチオン作戦が開始された。この作戦はほぼ同時期に西側で始まっていたオーバーロード作戦(ノルマンディ上陸)と同等以上の規模だった。 ja.wikipedia.org 1943年の秋以降、赤軍の士気は低下していた。かれらの精神や肉体は蝕まれ、大規模戦闘はなくひたすら待機と小移動を繰り返す日が続いた。 戦場でのストレスから多数の兵士がPTSDや精神疾患に苦しんだが、赤軍の医療体制は、緘黙やけいれん、遁走状態といった作業に直接影響するものを除いて、精神疾患を認識していなかった。 懲罰大隊出身者や囚人が通常部隊に混ざるにつれて、兵士たちの文化は変質していった。リンチ殺人、け…

  • 『Ivan's War』Merridale, Catherine その2 ――第二次世界大戦のソ連兵の体験談

    4 8月までにソ連はウクライナ、ベラルーシ、バルト三国の大半を失い、またレニングラードは包囲された。秋にはドイツ軍、ソ連市民の多くが破滅を確信していた。 モスクワ防衛を担ったのはNKVD特殊部隊自動化歩兵旅団「OSMBON」だった。かれらは外敵と戦うよりも、市内の略奪防止に注力した。 en.wikipedia.org 11月から始まったモスクワの戦いにおいて、ドイツ軍の侵攻は赤軍によって食い止められた。モスクワは包囲を免れた。モスクワはじめ各都市では人民自警団が編成された。 ・体制の恐怖支配をもってしても脱走は減らなかった。戦争がはじまり、恐怖(テロ)による統治は徐々に効力を失っていった。将軍…

  • 『Ivan's War』Merridale, Catherine その1 ――第二次世界大戦のソ連兵の体験談

    ◆メモ 当時、兵たちが作成した手紙や(違法とされていた)日記、秘密警察の報告文書、また元軍人からの聴き取りを頼りに、第二次世界大戦における赤軍の内部を明らかにする。 ドイツを撃破した兵隊たちは一枚岩ではなく、そこには迫害される少数民族やユダヤ人が存在した。 戦況が上向くにつれて、戦争犯罪や賄賂、掠奪も盛んになり、「前線者(Frontviki)」たちの素行は悪くなっていった。 ソ連当局は戦争の実態を隠蔽したため、公文書はかれらの悲惨さや内部の戦争犯罪については何も語っていない。戦場の現実を明らかにしてくれるのは兵士たちの証言だけだが、かれらにとっても、あまりに惨めな現実を覚えておくことは苦痛だっ…

  • 中東の歴史の本、労働について

    ◆本 冷戦時代のルーマニア情報機関将官パチェパの本を読み終わった。 この本自体がかなり危険な本で、どこからどこまでが事実なのかが疑わしいものだった。 Disinformation: The Secret Strategy to Destroy the West メディア: DVD いま読んでいるのは、1967年の第三次中東戦争(六日間戦争)についての本である。 Six Days of War: June 1967 and the Making of the Modern Middle East (English Edition) 作者:Oren, Michael B. 発売日: 2017/06…

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