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tadox34 https://blog.goo.ne.jp/tado0831

森の案内人:森林インストラクター田所清のブログです。自然観察日記を書いてブログ歴10年目です。

森閑とした空気に包まれる森の中は神秘の宝庫。そこに息づく植物や虫・きのこなどを観ながら造形の不思議を想い自然の奥深さに感嘆しています。そして、それを感ずる自分がうれしい。だから伝えたい。

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長岡市
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2016/02/04

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  • フカミドリヤマタケ(ヒスイガサ)

    珍しいキノコが我が家の庭に発生しました。図鑑にも載っていないので調べるのに手間がかかりましたが、どうやらフカミドリヤマタケという名前が付けられたキノコのようです。別名ヒスイガサ。高さ5cmくらいの小さなキノコですが何とも言えない美しさがあります。今までキノコを見て綺麗だなぁ!と感じたことはこのキノコが最高でしょう。ヒスイガサといわれるのも道理です。いくつかのコメントに一生に一度は見てみたい憧れのキノコとか。それが我が家に住み着き「シロ」があるというのがなんとなく自慢です。また来年も顔を見せてくれることを期待しています。フカミドリヤマタケ(ヒスイガサ)

  • フカミドリヤマタケ(ヒスイガサ)の傘

    湿り気が強いと濃い緑色をした傘です。傘は開ききると中央がへこみます。フカミドリヤマタケ(ヒスイガサ)の傘

  • フカミドリヤマタケ(ヒスイガサ)のひだ

    このキノコはヌメルガサ科アカヤマタケ属に分類されるようですが最近明らかになってきたキノコのようです。フカミドリヤマタケ(ヒスイガサ)のひだ

  • イソツツジ

    福島の浄土平にはイソツツジが見られます。南限の分布地点という話ですから貴重な存在です。ちょうど花の時期でマルバシモツケのように花が集まって丸い花序を作って咲いていました。イソツツジ

  • イソツツジの花序

    マルバシモツケと同じ散房花序を作ります。イソツツジの花序

  • イソツツジの花

    イソツツジはツツジ科ですから合弁です。花は筒状になっています。イソツツジの花

  • イソツツジの葉

    「磯」という名が付いていますが磯とは関係なくおそらく「蝦夷」が間違えられて伝えられたという説が有力です。学生のころ北海道の屈斜路湖近くにある硫黄山のイソツツジの大群落の光景が脳裏に焼き付いていて大感激したのが忘れられません。もう一度訪れたい場所になっています。イソツツジの葉

  • マルバシモツケ

    八方尾根から2週間後に福島の浄土平に行きました。噴火警戒で久しくいけなかったのですが規制が解けたので鎌沼まで歩きました。その際に見たいろいろな花の中にマルバシモツケがありました。昨日のイワシモツケとの対比ができるので載せてみました。マルバシモツケ

  • マルバシモツケの花序

    山の季節は急速に進みます。八方では開花していないものでも2週間あれば花盛りになります。マルバシモツケはまだそれでも花は少なめでしたが開花個体もたくさん見られました。花序はイワシモツケと同じですがおしべが長く花序全体が棘を出しているように見えます。イワシモツケはあまりおしべは長くありません。マルバシモツケの花序

  • マルバシモツケの花

    花を拡大してみました。長いおしべが分かります。マルバシモツケの花

  • マルバシモツケの葉

    博すれば多少丸い葉なのでしょうが、イワシモツケも丸い葉に近いものもありますから一概に形では決めつけられないのですが、鋸歯は間違いなくすべてにありますからイワシモツケとの区別は容易です。マルバシモツケの葉

  • イワシモツケ

    鎌池湿地の周辺でたくさん見られた一つがイワシモツケです。イワシモツケは白馬当たりだとごく普通に感じられるのですが、近畿以北に分布するといわれるものの意外に分布域が偏っていて例えば東北の高山ではほとんど見られなくなる種です。少なくとも私は確認したことがありません。イワシモツケ

  • イワシモツケのつぼみ

    あいにく花の咲く前の訪問でしたからまだつぼみです。しかし、つぼみの様子も重要なステージです。開花すると白いアジサイ様の丸い花序を作ります。イワシモツケのつぼみ

  • イワシモツケの葉

    葉は鋸歯が葉先に出る場合もあるようですが全縁のものが多いという特徴があります。イワシモツケの葉

  • ユキワリソウ

    鎌沼の縁、八方山荘へ向かうリフト乗り場の脇に湿った場所がありそこにユキワリソウが自生していました。今まではてくてく歩いて第三ケルンあたりの湿地環境で見ていたのでこんな場所に自生している個体を見るとどこか拍子抜けです。ユキワリソウ

  • ユキワリソウの花

    八方のユキワリソウは薄ピンクの花を咲かせていました。サクラソウ科の多年草で、花筒はがく筒より長く上部で少しくびれています。ユキワリソウの花

  • ユキワリソウの葉

    葉は束生していて基部は次第に細まるものの柄は見られません。葉の縁は内側に巻いています。ユキワリソウの葉

  • ミヤマナラ

    鎌沼は低木で縁がちどられています。その中にミヤマナラがありました。ミズナラの変種といわれ高山に生育しています。樹は大きくならずすべて小ぶりです。ミヤマナラ

  • ミヤマナラの雄花

    いわゆるドングリの仲間ですから雄花は尾状花序です。ミヤマナラの雄花

  • ミヤマナラの雌花

    雌花はよく見ないとそれとわかりません。中央の突起部分に赤く丸いものがありますがこれが雌花です。どんぐりが実りますがかなり小さなものです。ミヤマナラの雌花

  • ミヤマナラの若葉

    ミズナラは葉柄がないかごく短いのですが、ミヤマナラも葉柄はありません。ミズナラに比べ葉はかなり小さな感じがします。葉の裏にはごく短い毛があるとされます。ミヤマナラの若葉

  • タテヤマリンドウ

    鎌沼の湿地環境にタテヤマリンドウが見られました。雨模様のため花は閉じたままですが、茎葉は茎に沿っています。根生葉も確認できます。タテヤマリンドウ

  • ハルリンドウ

    八方駅からゴンドラに乗って兎平に付きます。その次のリフトに乗るべく歩いていると脇の芝地にハルリンドウを見つけました。賑やかにたくさんの花を林立させています。この種は低地に見られるものですがここは海抜1400mほどありますから高山といかないまでもそれなりの高度があります。実はタテヤマリンドウはこのハルリンドウの高山型と考えられている種で両者を比較するには格好のチャンスに恵まれました。ハルリンドウ

  • 根生葉を持つハルリンドウ

    タテヤマリンドウとの違いはあまり明確ではありません。花数が多いことと草丈が低いことくらいが違いとして理解できました。八方尾根の植物を記載した書籍によると山麓部にハルリンドウ高所にタテヤマリンドウが見られるとあります。話によると両種の堺目の個体はどちらにすべきか迷うこともあるのだとか。植物の分類の難しさを考えさせられました。ちなみにこのハルリンドウを新潟の地で見た記憶がありません。県内で自生しているのかどうか手持ちの資料にはありませんし周囲の人からそれらしいことも聞いた記憶がないので自生していないのかもしれません。県内にはフデリンドウがごく普通に見られます。根生葉を持つハルリンドウ

  • ヒメイチゲ

    小さな鏡池湿原に入いって最初に見つけたのがヒメイチゲの花。残雪が消えたばかりの装いでしたからまだ新鮮な花が各所にあって可愛い花を楽しみました。ヒメイチゲ

  • ヒメイチゲの花

    亜高山帯以上に咲く高山植物ですが湿地環境にはあまりみない気がしていました。もっとも鏡池湿原といっても湿原風な場所は限られていて乾燥化しているところもありそうです。いわゆるアネモネの一族です。全体に小さくかわいらしさが本種の特徴でしょうか。ヒメイチゲの花

  • ヒメイチゲの葉

    よく見ると花が終わり果実を作っている個体が集まっている場所もあります。雪解けの差で狭い場所でも成長の段階がかなり違っていました。葉は三小葉で茎葉は三枚が輪生しています。ヒメイチゲの葉

  • ヒメイチゲの果実

    うまくいくと綺麗な金平糖様の果実(痩果<そうか>)になるのですがすべてのめしべが受粉できるわけではないようです。ヒメイチゲの果実

  • キジムシロ

    石ころがむき出しになっている山肌にはキジムシロの花が見られました。低山帯に見られるのが普通なのですが幾分高所の黒菱平にも見られました。もともとの生育地なのか下から種子が運ばれて生育するようになったのか、おそらくスキー場の開発で種子が運ばれて居付いたと考えるのが適切な考えではないでしょうか。妨げるものがないので伸び伸びと四方に広がっています。キジムシロ

  • キジムシロの花

    キジムシロは低地ではおもに4~5月の花ですが、ここは6月の花になっています。高度による差異が明瞭です。キジムシロの花

  • キジムシロの葉

    伸び伸びと生育している個体ですが、多くの葉が3小葉でミツバツチグリのようにも見えましたが、よく調べてみると5枚の小葉を持つものもあります。それ以上の小葉を持つ葉は見ていませんから案外キジムシロの高山タイプなどと考えてしまいがちです。しかし、キジムシロの高山形という話を聞いたことがありませんので、この個体特有の問題なのでしょう。キジムシロの葉

  • クリンソウ

    黒菱平のゴンドラ駅の基礎の外面にクリンソウがへばりつていました。植栽したものではなさそうで自然に発生した実生の個体でしょうか。花の見頃ですが人知れず咲いているのが少し哀れです。もう少しふさわしい場所に咲いていたら報われるのでしょうが・・。クリンソウは湿った場所に咲くイメージなのですがこんな環境にも生育できるのだと感心しました。海抜が高いので土壌の水分条件は恵まれていなくても霧やガスなどで必要な水分は補われるのでしょう。クリンソウ

  • クリンソウの花

    サクラソウの仲間では最も大きな種です。栽培され庭先などでよく見かける花です。花色はさまざまなものがあるように思えますが、野生種はこの濃赤色のものが一般的なもので他の色は見たことがありません。サクラソウの花ですから短花柱花、長花柱花があると思いますが今回は確認していません。クリンソウの花

  • クリンソウの葉

    新潟県はサクラソウ属の種はごく僅かしか自生していません。クリンソウは妙高のエリアにわずかにあるとかという程度です。ハクサンコザクラにせよユキワリソウにせよごく一部の高山帯に見られるそうです。私自身花の時期に登っていないためでしょうかこの目で確認したことがないのです。そういう意味で、新潟県人にとってサクラソウ属の花は一つのあこがれの花になっているのではないでしょうか。クリンソウの葉

  • 八方尾根 黒菱平

    白馬の八方尾根にも足を運んでみました。天候の具合や時間的に黒菱平までゴンドラなどで登り小さな湿原である鎌池の周辺を散策してみました。麓は晴れていましたが高度を上げるにつれガスに覆われるという日で雄大な山岳の景観を見ることができませんでした。何度も白馬には足を運んでいるものの晴れる日の確率はあまり高くありません。八方尾根黒菱平

  • ミヤマアズマギク

    黒菱平にはリフト乗り場などの建物がいくつかあり、車の出入りもあり幾分荒れた場所になっています。その車道脇などの植生が高山帯であるがゆえに平地では見られない植物が出てきて興味深い場所になっています。アズマギクがみられました。山地や海岸の荒れ地や草原に見られるキク科多年草です。ミヤマアズマギクはアズマギクの高山形とされ幾分小型で花の中心部が黄色で周囲が紫色を帯びるとされています。ミヤマアズマギク

  • ミヤマアズマギクの花

    高原帯で見るアズマギクに比べ寒色系の花でした。花の中心部が紫色に見えるのがその要因です。ミヤマアズマギクの花

  • ミヤマアズマギクの茎

    ミヤマアズマギクの茎は長い毛が見られます。葉も毛が多くあるのが分かります。ミヤマアズマギクの茎

  • ギンラン

    落倉自然園はミズバショウが過ぎるとほとんど人影がなくなり静かな湿原になるようです。周囲のスギ植林地に囲まれて静寂そのものです。湿原を出てやはりスギなどの高木に包まれた田舎道を歩くと道路わきの茂みにギンランを見つけました。ギンラン

  • ギンランの若い果実

    花は終わっていて果実が付いています。よく見ると花すべてが果実を結んでいるようです。シュンランなどまれにしか結実しない種に比べ対照的です。ところで、ギンランにも極めて類似したクゲヌマランという種が識別されていて、しっかり観ないと判別できないようなものが存在することを最近知りました。距がほとんどないという点が相違点で他は極似しているというものです。さてこの種はどうなのかと考えてみました。距はないようにも見えますが、距の状態を判断するにはこの時期は難しいのでギンランということにしました。ギンランの若い果実

  • ギンランの葉

    かなり広い葉でした。ギンランにもこのようなタイプもいるようです。クゲヌマランをネットで調べてみるとこちらも細い葉から太めの葉も存在するようで、葉では区別できません。ギンランの葉

  • モイワラン?

    サイハンランが見られたと思い何気なくカメラに収めました。確認のため根元を見ましたが本来あるはずの葉が見当たりません。近くに別の個体があるのかざっと見渡しましたが目に止まりませんので、偶然葉がなくなってしまった個体なのだろうとその場はやり過ごしてしまいました。しかし、気になるので帰って調べてみると花の時に葉がない種が存在するとわかり、もっと丁寧に観察してくるべきだったと反省しています。モイワランという名前が与えられている独立種で北海道や長野県で報告されているのだそうです。この個体がそれなのか確定するには少し自信がないのですが可能性は大いにあります。自然は奥深く未知のものがまだまだ沢山あると思い知らされました。モイワラン?

  • モイワラン?の根元

    スギ林の中に個体は自生していました。スギの葉に埋もれているおですが根元には葉が見当たりません。若いころには小さな葉があるといわれていて花期に花がない性質のようです。腐生生活をする習性が濃いのではないかとする考えもあるようです。同じころある人からサイハイランの葉がない個体の話を聞いていて「ハナシラン(葉なしラン)」というのだと話をされておりました。確かに性質をよく表している名前ですが、このような名前は与えられていないようです。モイワラン?の根元

  • ツチアケビ

    これも珍しい腐生ランでツチアケビです。まだ芽が出たばかりの状態で地面から数本にょきにょきと出ていました。昨年初めて花と果実を見たのですが、今年は芽出しを見ることができました。めったに会えない種ですが会うときは連続して会えるもので縁というのは不思議なものです。ツチアケビ

  • ツチアケビのつぼみ

    ツチアケビは腐生ランですから葉を持ちません。花序は複総状花序のようです。似た環境に出てくるオニノヤガラは穂状花序です。猿倉自然園は貴重なランに巡り合えた場所になりました。ツチアケビのつぼみ

  • 猿倉自然園

    栂池自然園に行く途中、山麓に猿倉自然園という小さな湿原がありましたので立ち寄ってみました。トイレも整備された場所で、周囲はスギの植林地に囲まれた短いながら一部木道があり歩きやすいところでした。猿倉自然園

  • バイケイソウ

    ミズバショウが生い茂る一角の木道沿いにバイケイソウが数株立っていました。花はまだですが、大き目のつぼみが目立ちます。バイケイソウ

  • バイケイソウのつぼみ

    まだ若いつぼみですから細かな特徴が分かりませんが、コバイケイソウに比べ花穂は細く全体にひょろひょろとした姿になります。花は緑がかった白色であまり目立たない花になります。コバイケイソウの花に比べおしべが短いというのが一つの特徴になります。また、コバイケイソウは両性花と雄花が混ざる花序ですが、バイケイソウはすべて両性花になっています。バイケイソウのつぼみ

  • バイケイソウの葉

    コバイケイソウに似て脈の目立つ広い葉です。1.5mにはなる高径の多年草でコバイケイソウ同様毒草として知られています。バイケイソウの葉

  • コバイケイソウの群落

    亜高山から高山帯にかけて湿った場所にはコバイケイソウが普通に見られます。栂池自然園内でも芽生えたばかりの芽が至る所に出ていましたが、栂の森の散策路内の湿地にはもう花盛りです。標高にして250mほど下がったところです。優に10日~2週間は差があるように思います。コバイケイソウの群落

  • コバイケイソウの花序

    コバイケイソウの房状の花序は中央のものが両性花を中心にしたもので脇に出る花序は雄花を中心にした花序になっています。コバイケイソウの花序

  • コバイケイソウの花

    中央の花序の花が咲いているところをアップで観てみると、雄花と両性花がわかります。花序の下部と脇の花序はほぼ雄花でできていますから、結実する部分は花序全体の上部のみになります。コバイケイソウの花

  • コバイケイソウの新芽

    栂池自然園のミズバショウ湿地で見たものです。コバイケイソウの新芽

  • コバイケイソウの葉

    猛毒で知られるコバイケイソウです。知っているものにとってはどうして間違えるのか不思議ですが、似ているものと区別できる眼力を身に着けるように訓練しなければなりません。コバイケイソウの葉

  • オオバミゾホウズキ

    ハエドクソウ科に分類されるオオバミゾホウズキです。亜高山や高山のやや日陰の湿った場所に見られる多年草です。あまり注目されない種のように感じますが綺麗な花姿をしています。ただ、今まではゴマノハグサ科として記憶していましたから、新分類にはなかなかついて行けません。オオバミゾホウズキ

  • キヌガサソウの群落

    栂の森の小沢の縁にりっぱなキヌガサソウの群落がありました。花の季節でしたからほれぼれする景観に酔いしれました。葉も大きければ花も立派です。シラネアオイは山で見ることは少ないのですが庭には結構栽培されていて貴重な感じがしません。それと比較してキヌガサソウは庭などで栽培されることはほぼありませんし山で見ることも少ないためとても得した気持ちになります。キヌガサソウの群落

  • キヌガサソウの花

    大きなキヌガサソウの花は花弁のような白いものは外花被片で6枚から11枚あるそうですが、この個体は10枚あります。これと同じ数の内花被片があるはずですがおしべに紛れて数えにくい状態です。キヌガサソウの花

  • キヌガサソウの花 拡大

    糸のような細く白いものが内花被片で黄色いものがおしべになります。おしべの本数も20本近くある個体もあるようです。めしべは太く柱頭が数個に分かれているのがわかります。なかなか面白い構造です。キヌガサソウの花拡大

  • キヌガサソウの無花茎の葉

    輪生する葉は小葉が10個前後です。栄養状態か花が付いていない茎の葉も大体同じようです。キヌガサソウの無花茎の葉

  • コマガタケスグリ

    中部以北の亜高山帯に見られるスグリ科の低木です。栂の森のロープウエイ駅近くに見られました。東北北海道でも見られる種ですが、新潟県内では小蓮華岳周辺や妙高山・焼岳と苗場山周辺しか見られません。越後三山や北部の飯豊山や朝日岳などの高山にはあってもよさそうですが、確認されたことがないという分布をしています。何が原因なのでしょうか?分布を広げるときの要因が何だったのか興味深いものがあります。コマガタケスグリ

  • コマガタケスグリの花

    コマガタケスグリは以前はユキノシタ科に分類されていましたが今は独立しスグリ科になっています。房状の花序にたくさんの両性花を付けます。がくは5裂し花弁は小さく5枚。おしべも5本で5数性です。果実は液果で赤から黒く熟します。コマガタケスグリの花

  • コマガタケスグリの葉

    葉は長い柄があり掌状に切れ込みがあります。コマガタケスグリの葉

  • オオバタネツケバナ

    タネツケバナ属の種は近年研究されて細かく分類されていて同定するのが難しくなっています。オオケタネツケバナという日本海側に見られる種があり時に毛がない個体もあると記載もあるのですが、無毛の本種はオオバタネツケバナガ最も適していると考えました。必ずしも亜高山など標高の高いところの種ではなく里山などの低山にも見られます。オオバタネツケバナ

  • オオバタネツケバナの花

    タネツケバナ属の花はどれも似ていて花だけでは同定は難しいものです。オオバタネツケバナの花

  • オオバタネツケバナの葉

    頂小葉が極端に大きくなる波状複葉です。切れ込みはあるときは緩い波状になっています。毛は基本的にはありませんが時にはある個体も存在するそうです。食べると結構おいしく渓流釣りなどに出かけたときに昼ご飯時にむしってサラダ代わりに食べた記憶があります。オオバタネツケバナの葉

  • テングクワガタ

    今ではオオバコ科に分類されるクワガタソウの仲間がありました。テングクワガタという小さな多年草です。この種は亜高山帯の樹林下などに見られるものですから環境を見ながら大体見当ができます。テングクワガタ

  • テングクワガタの花

    花冠は深く4列します。1枚は細く他は広く分かれています。青色の線条が入ります。おしべは2本めしべが1本あります。7mmくらいの花を総状花序に付けます。小さいながらよく見ると可愛い清楚な花です。テングクワガタの花

  • テングクワガタの葉

    柄のない対生の葉です。茎は幾分這うように感じますが、基本は立性の草本です。テングクワガタの葉

  • コミヤマカタバミ

    亜高山に生育するコミヤマカタバミがちょうど花期を迎えていました。薄くピンクがかっていて何とも言われぬ美しいものでした。新潟県内ではごく一部の山地でしか見られません。私が持っている資料では栂池の反対側の新潟県の山域や妙高山・苗場山・駒ヶ岳・飯豊山あたりです。コミヤマカタバミ

  • コミヤマカタバミの花

    夕方にはしぼみますが小雨では日中は開くようです。筋が見られますが薄く色付いているため赤く見えるようになっているようです。コミヤマカタバミの花

  • サンカヨウ

    今年はサンカヨウをよく見ます。花の季節にタイミングよく山に入っているせいですが野生のものはそれ程出会うものではありません。栂池自然園の途中に栂の森遊歩道があります。ゴンドラリフトの栂の森駅は海抜1582mで栂池自然園より約250mほど低い位置にあります。生育する植物は重なるものも多いのですが季節はかなり進んでいます。生育し変化する様子を観察するには絶好の場所です。この遊歩道もしっかり歩いてみました。遊歩道の入り口当たりに小さなサンカヨウの群落ができていました。サンカヨウ

  • サンカヨウの花

    白い花ですが濡れると透明になるという話を最近よく聞きます。写真を見ると確かにそう見えますが、意外に実物で確認したことがありません。この日は雨が期待できたのですが言われている光景には出会えませんでした。果実は濃青色に熟し甘く美味しい実になります。もう少し果汁が多いとうれしいのですが・・。サンカヨウの花

  • サンカヨウの花のアップ

    花盛りのサンカヨウを拡大してみました。おしべの葯に付属物が付いていて、まるで小人がめしべを囲んで手を結んで輪を作っているという風情です。こういう構造に気づいたのは初めてです。サンカヨウの花のアップ

  • サンカヨウの葉

    フキのような大きな葉です。大きい葉には花が付かないという話を聞きました。確かに花が付いている方は小さな葉の方です。サンカヨウの葉

  • ミズバショウ湿原の脇に立つダケカンバ

    ダケカンバが木道脇に立っています。よく見ると花がありました。ミズバショウ湿原の脇に立つダケカンバ

  • ダケカンバの雌花

    雌花穂はこん棒状で枝先にあり上を向いています。少し色づいているのが美しいですね。ダケカンバの雌花

  • ダケカンバの雄花

    雄花は尾状花序。ダケカンバの雄花

  • ダケカンバの若い葉

    開花中はまだ葉が伸び切っていません。ダケカンバの若い葉

  • ダケカンバの樹皮

    薄く赤い色をにじませます。深山で見るカバノキの仲間はざっくりと三種。肌色のダケカンバと真っ白なシラカバ、灰色のマカバと覚えておくと便利だと人に教わりました。ダケカンバの樹皮

  • 尊敬に値するダケカンバです

    つらい経験をしたダケカンバです。見事に克服し成長しています。見習って生活していきたいものです。尊敬に値するダケカンバです

  • ミネザクラ

    ミズバショウ湿原からワタスゲ湿原に向かう途中ミネザクラが花を見せていました。木道から出て湿原に入り込めませんから目の近さで見ることが叶いません。今年最後の花見をしました。ミネザクラ

  • ミネザクラを真下から

    逆光でうまく映る筈もありませんが真下にきて証拠写真を撮りました。ミネザクラはあまり大きな個体を見た記憶がありませんが、この個体は数mはあるようです。他に出会ったミネザクラはまだ残雪に半分埋まった状態で固いつぼみを持っていました。ミネザクラを真下から

  • リュウキンカとミズバショウ

    ミズバショウ湿原に数は少ないもののリュウキンカも見られます。湿原にはミズバショウとともに定番の花、白と黄色の花の対比が春の高原を演じています。この光景を見ると心が癒されるのは私だけではないと思います。この花が咲いている脇に小沢がありイワナが沢山泳いでいました。リュウキンカとミズバショウ

  • リュウキンカの花

    花弁のようなものはがくで普通は5枚。おしべは多数。めしべは数本。有毒植物です。リュウキンカの花

  • リュウキンカの葉

    「立金花」といわれる所以は花径が立って黄色い花を咲かせるからだとか。同属のエンコソウは立った花径が長く伸びて倒れ地に着き発根しさらに新しい株を作る習性があります。花や葉を見ても領主は見極めがつきませんがこの点だけは明らかな違いを見せます。リュウキンカの葉

  • ワタスゲの群落 早春の様子

    白いワタスゲ群落を見慣れていると春先のワタスゲが異様に感じられます。雪解け直後で何も無いような湿原によく見ると黒っぽい斑点が点々とあります。これをワタスゲだといってもにわかに信じない人も多いのではないでしょうか。ワタスゲの群落早春の様子

  • ワタスゲのつぼみ

    黒い点々を拡大してみるとこれはワタスゲのいわゆるつぼみです。真っ白なポンポンになるものが墨をつけた筆みたいです。なかなか面白いですね。しかし、綺麗な造形をしています。ワタスゲのつぼみ

  • ワタスゲの花

    花が咲いた時の状態です。おしべの花粉の黄色が目立ちますがめしべも紛れてあるはずです。ワタスゲの花

  • 残雪のワタスゲ湿原への登山道

    ミズバショウ湿原からワタスゲ湿原へつながる登山道は残雪が多くあります。この当たりが風穴になっているのですがすべて雪の下です。残雪のワタスゲ湿原への登山道

  • ワタスゲ湿原

    残雪を抜けるとワタスゲ湿原に出ます。白馬山や新潟県最高峰の小蓮華山方面が見えます。ワタスゲ湿原

  • 栂池自然園

    コロナウィルスの規制が少し緩和気味になってきましたから白馬の栂池自然園を散策してみました。海抜1800mを超す高度ですからまだ残雪は多く早春の趣です。それでも濃淡はあり250mほど下がったゴンドラリフトを降りた栂の森遊歩道は季節はかなり進んでいます。季節は7月に入りましたが、高山はまだ春。しばらくの間、春の栂池の景観を含めた春の花々の姿を紹介します。栂池自然園

  • ミズバショウ湿原 小蓮華岳方面を望む

    栂池はミズバショウの季節でした。一面のミズバショウの景観は実に久しぶり。厚い雲が出てはいても部分的。天井の楽園を堪能しました。ミズバショウ湿原小蓮華岳方面を望む

  • ミズバショウ湿原 栂池ヒュッテを望む

    ミズバショウ湿原は木道で一周できます。ワタスゲ湿原との分岐辺りからビジターセンター方面を見ました。赤い栂池ヒュッテの屋根と青空が白いミズバショウを引き立てていました。ミズバショウ湿原栂池ヒュッテを望む

  • 雪を割るミズバショウ

    ミズバショウの芽が雪を割って出ていました。これこそ真の雪割草ですね。雪を割るミズバショウ

  • ミズバショウの芽生え

    湿地に芽生え始めたミズバショウです。ミズバショウの芽生え

  • ミズバショウ

    定番のミズバショウの姿ですが花と葉が一緒に伸びてきているのが分かります。ミズバショウ

  • ミズバショウの花

    肉穂花序を拡大してみました。一つ一つの花が見えます。おしべが熟して花粉が出ているのがわかります。ミズバショウの花

  • 仏炎苞の文様

    肉穂花序を包んでいた仏炎苞をよく見ると花の跡でしょうか凹凸の文様が見られます。花穂を優しく包み込んでいたのでしょう。仏炎苞の文様

  • 花の終わった群落

    ミズバショウ湿原から250mほど下がった栂の森遊歩道でみたミズバショウの群落です。すでに葉が大きく成長しています。この高度差は半月は違うように感じます。花の終わった群落

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