『凍える愛情』 XLI
「ダメ……、かな?」そう真剣に詰め寄られ、思わずこちらがたじろぐ。いや、もちろん嬉しくないわけじゃない。ただ、いざ実際に告白されてみると、それはそれで返事に困るというべきか、新田くんからの告白に、どう反応していいのかが判らなかった。「いや、ダメとかじゃないけど……」返事を濁し、そこまで答えて黙り込んだ。黙り込んだまま答えない私に、「けど?……」と、新田くんが催促するように訊いてくる。あまりに唐突過ぎる彼の告白に、そのあとのことまで考えておらず、「少し考えさせてくれないかな?……」と、少し間を置いてからそう答えた。私の微妙な反応に、今度は彼が押し黙り、数秒間、目を瞑ったまま天を仰ぐ。そして、自分を納得させるようとでもしているのか、それともただ落胆しているだけなのか、ゆっくりと二度頷いてから、「分かった……」と、力...『凍える愛情』XLI
2019/10/25 18:34