主に女性目線の作風を得意としております。現実社会で生きる人たちのリアルを描写し、恋愛やミステリー的な要素を加えながら、オリジナルの話を作っております。
嗣永シュウジ(つぐなが しゅうじ)です。主に純文学の小説を書いております。
人身事故で電車が止まった夜、家まで送ってくれるという新田くんの、せっかくのご厚意に甘え、駅前の駐輪場に止めている自転車を取りに戻るため、一旦、葛西駅まで脚を伸ばすことにした。葛西橋通りから葛西駅までは環七一本で繋がっており、距離にして三〇〇mほどあるのだが、新田くんの家が駅前のマルエツの裏手にあることを考えると、わざわざ遠回りさせて、来た道を戻らせるのも悪いと思い、一度は申し出を断った。ただ新田くんも一度言い出すと聞かないタチらしく、私の話に耳を傾けようとはしない。「お待たせ!」そう遠巻きに声をかけ、戻ると、「おう!ここ、ここ!」とでも言うように、彼が大袈裟に手をふって、自分の居場所を知らせる。「ちょっ!恥ずかしいから止めてよ!」すぐに近くまで駆け寄り、思わずそう制するが、当の本人は何のことだか判っていないよう...『凍える愛情』XXXVII
「ブログリーダー」を活用して、嗣永シュウジさんをフォローしませんか?
指定した記事をブログ村の中で非表示にしたり、削除したりできます。非表示の場合は、再度表示に戻せます。
画像が取得されていないときは、ブログ側にOGP(メタタグ)の設置が必要になる場合があります。