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嗣永シュウジの小説ブログ https://blog.goo.ne.jp/tsugunagashuto

主に女性目線の作風を得意としております。現実社会で生きる人たちのリアルを描写し、恋愛やミステリー的な要素を加えながら、オリジナルの話を作っております。

嗣永シュウジ(つぐなが しゅうじ)です。主に純文学の小説を書いております。

嗣永シュウジ
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2016/02/02

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  • 『凍える愛情』 XXXIII

    無駄な抵抗を諦め、彼の提案に乗っかり、最寄駅の葛西まで、二人で歩いて帰ることにした。二人の家の位置関係上、清砂大橋通りを通ると、少し遠回りになることもあり、葛西までは、一旦、葛西橋通りまで出て、それから荒川を渡ることにした。距離にして二駅程度のものなので、直線距離にすると大したことはないのだが、それでも実際に歩いて帰ろうとすると、それなりの距離があった。荒川を渡る際、江戸川区に行くには、清砂大橋か葛西橋のどちらかを渡ることになるのだが、どちらの橋も海に近い立地条件上、季節に関係なく、とにかく強い潮風に晒される。ふつうの日であっても、横殴りの強風に晒されることになるので、まず傘など差して渡ることは出来ない。強風の日などは、電車自体が頻繁に止まるので、台風や強い低気圧が接近してる日なんかは、とにかく困る。通勤などで...『凍える愛情』XXXIII

  • 『凍える愛情』 XXXII

    地上に出ると、先ほどまで居た人の姿は疎らになっており、駅前のロータリーに群がる列というにはあまりに無秩序な、黒山の人だかりが出来ていた。「ちょ、何?アレ……」目の前の異様な光景に、私が思わずそう固声を漏らすと、「あぁ、みんな考えることは一緒だな……」と、新田くんは一瞥するなり、何かを悟ったような口ぶりで笑う。「え?」「あ〜、ほら、タクシーだよ……」彼が顎でシャクるほうへ視線を転じると、今まで目の前の光景のインパクトに隠れていて気づかなかったが、数台のタクシーが人混おみに埋もれているのが確認できた。車体天井の行灯部分だけが、辛うじて見えているだけで、そのほとんどが隠れているせいで、正確な台数までは、ここからは判らない。予期せぬ客の押し寄せぶりに、軽いお祭り状態になったタクシー乗り場には、地下からゾンビのように湧い...『凍える愛情』XXXII

  • 『凍える愛情』 XXXI

    ある夜のフットサルの帰り道、南砂町の駅の周辺は、地下鉄の入口から溢れた人で、歩道はごった返していた。「な、何かあったのかな?」そう新田くんのパーカーの裾を引っ張る私に、「え、いや、わ、分かんない……」と、彼が口籠りながら返事をする。駅周辺にある施設といえば、最近出来たばかりのショッピングモールと、草野球のグラウンドを備えた、少し広めの公園がある程度で、土日の昼間であれば、それなりに人通りがあるのは理解できるが、平日のこの時間まで、人がごった返していることなど先ずない。とりあえず駅に入って見れば、何か判るだろうと、ふだん閑散としている通りの、人混みを掻き分けながら、二人で地下に降りてみると、改札の入り口付近で、群がる乗客を相手に、数名の駅員が、何やら叫んでいる姿が飛び込んでくる。「すみませーーーん!ただいまぁー、...『凍える愛情』XXXI

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