『凍える愛情』 XXXIII
無駄な抵抗を諦め、彼の提案に乗っかり、最寄駅の葛西まで、二人で歩いて帰ることにした。二人の家の位置関係上、清砂大橋通りを通ると、少し遠回りになることもあり、葛西までは、一旦、葛西橋通りまで出て、それから荒川を渡ることにした。距離にして二駅程度のものなので、直線距離にすると大したことはないのだが、それでも実際に歩いて帰ろうとすると、それなりの距離があった。荒川を渡る際、江戸川区に行くには、清砂大橋か葛西橋のどちらかを渡ることになるのだが、どちらの橋も海に近い立地条件上、季節に関係なく、とにかく強い潮風に晒される。ふつうの日であっても、横殴りの強風に晒されることになるので、まず傘など差して渡ることは出来ない。強風の日などは、電車自体が頻繁に止まるので、台風や強い低気圧が接近してる日なんかは、とにかく困る。通勤などで...『凍える愛情』XXXIII
2019/06/23 22:01