『凍える愛情』 XXX
八丁堀で京葉線に乗り換え、新田くんに連れられるがまま、行き先すら告げられずに、蘇我行きの最終電車に乗り込んだ。乗った電車が終電ということもあり、車内は飲み会帰りらしき酔っ払い客で混雑しており、車内に充満している空気も、どこか酒臭さと汗臭い熱気を帯びていた。座席はチラホラ空いていたが、わざわざ酔っ払い客の隣に座りたくもなかったので(といっても私たちも同類なのだから、人のことを言える立場ではない)、私たちは、ちょうど乗客の乗り降りの際に空いた、入り口付近のスペースを陣取り、手すりの持たれかかる形で乗り込んだ。すぐ傍に居たカップル客も呑んだ帰りらしく、何を話しているわけではないのだが、互いに顔を赤らめながら、至近距離で見つめ合っているせいで、今にも何かおっ始めそうな、際どい雰囲気を醸し出している。あまりにも目のやり場...『凍える愛情』XXX
2019/05/29 20:16