杉也がチェンジした後、私の横には脩(しゅう)という、杉也の後輩ホストが座った。まあ、薄い顔の、ルックスだけで言えば、こっちの方が好み。私は、濃い顔が嫌い。でも、脩は、杉也以上に一切、面白くない、話題のないホストだった。これだから三宮はね…絶対、自分で金払っ
「真季ー。悪い、礼埜くんに呼ばれた~」嬉しそうに携帯をヒラヒラさせる由真。「えー、行くん?」「ごめ~ん!あ、すみません、ここ、帰りますんで。下げてもらっていいですか?」由真は自分の所に出された烏龍茶を指差す。ーおいおい、それでもセット料金は取られんねんぞ
お腹一杯になったので、今度は、私の行きつけのスナック《ソワレ》へ向かった。「こんばんは~」挨拶しながらドアを開ける。パン!パン、パン!!いきなりクラッカーが鳴って面食らう。「happybirthdayー!」「よっ!」「おめでとー」カウンターに据わった、5人組の中年グル
阪急三宮の東出口の改札出たとこ。由真との待ち合わせはいつも同じ。約束は19:30。待つのが大嫌いな私は、早めに待ち合わせ場所に行く、ということはない。のりたんは30分前行動の人。いつも「遅い」と言うから「私は遅刻してない。早すぎるのも約束違反」とやり返す。のりた
「今日は~…アホバージョンで行こっと!」由真を誘ったら、最近になって大学卒業後10年ちょいなのに、彼女が思いつきのように同窓会的に、連絡つく者だけ集めて再会した私の大学時代の元カレ、タケちゃんも「あれからさ、何回か名生さんとライブ行って、最近遊んでんねん」
光陰矢の如し―。月日はあっと言う間に巡り、私は鍼灸学院の3年になった。年が明けた2月の末には国家試験だ。昼間は、整骨院のバイトをし、夕方から学校。そんな生活は、ハードだったのかもしれないが、私にはとても楽しく充実した時間で、あまりしんどさを感じることはなか
藤野真季(まき)31歳。鍼灸専門学生。と、言っても、遥か昔に大学を卒業し、一旦卒業して就職した。それから色々あっての背水の陣?いや、やっとやる気になった?初めて、自分の人生、この先を考えたら、何と自分は他力本願であったかと反省…。生きていくには手に職だ、と三
明日は結婚式。私は38歳の花嫁。結婚式には、幼い頃から物凄い拘りがあった。彼は「結婚式なんかいいんちゃう?どうせ金かけるんやったら旅行に金かけたい」と言ったが、私は頑として譲らなかった。「私が全部出すからしたいようにさせて」そして限りなく理想に近い形の結婚
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