看病

僕が風邪をひいて寝込んでるってのに姉ちゃんはのんきに友達連れてきて騒いでるあーうるさいなー、頭がガンガンする、寝ようにも寝れないじゃないか。舞「コンコン、入って良いかな？」僕「はい、どうぞ」舞「風邪ひいてるんだって？具合はどう？」僕「ま、舞さん、来てたの！？」舞「うん、お姉ちゃんに呼ばれたんだ」僕「ちょ、ちょっと待って、この部屋汚いから」舞「駄目だよ、おとなしくしとかなきゃ」僕「憧れの舞さんが来る...

俺があいつであいつが俺で

あいつと身体が入れ替わって一ヶ月。まさかこのタイミングであいつの引越しが決まるとは思わなかった。もし今日、元に戻れなければ一生この姿で生きていくことになる。オッサンが言うには、前に身体が入れ替わったことと同じことをすれば確率は低いけど元に戻れる・・・かもしれないとのことだった。前と同じように、この時間、この神社のこの階段から、二人で転がり落ちれば、きっと。覚悟を決めて、転がり落ちよう。やってみよう...

入院

この歳で骨折で入院なんて情けない話だ。まぁ、ずっと働きづめだったから、良い機会だったのかもしれないそれに担当の看護師さんはよくしてくれるし、少しゆっくりしようと思う。この病院の屋上、ここで本を読むことが最近の過ごし方だ。舞子「あ、やっぱりここにいた」僕「ああ、看護師さん」舞子「お薬の時間ですよ、いつも病室にいないんだから」僕「ごめんごめん」舞子「病室に戻ってください」僕「今、良いとこなんだ」舞子「...

家庭教師2

僕は家庭教師。ある生徒にいつも悩まされる。僕「じゃあ、さっき説明したように問題を解いてみて」美久「はーい」僕「はーい じゃなくて はい だろ」美久「はいはい」僕「はいはい じゃなくて」美久「問題もうはじめてるよー」僕「ー」美久「ねぇ、先生」僕「ん？」美久「今度テストがあるんだよ」僕「来週だっけ？」美久「うん、それでね、もし」僕「もし？」美久「100点取ったら、遊園地連れて行ってよ」僕「遊園地かー」...

小さな工場

もうこんな時間か今日はなんだか熱っぽいなここまでにしてそろそろ帰ろうか。遥「お疲れ様」僕「お嬢さん」遥「作業は順調？」僕「ええ、問題がなければ1週間くらいでできると思います」遥「助かるわ、これでお得意様にも連絡できそうね」僕「そうですね」遥「ごめんね、いつも」僕「いえ、たいしたことありません」遥「パパが、あんな風になっちゃって、あなたばかりに頼っちゃって」僕「いいえ、社長にはお世話になってましたか...