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  • こんな時だから…

    連日の新型コロナウイルス報道は、いつ収束に向かうのか先が見えなくて不安感が蔓延しています。特に飲食店やホテル、旅館、旅行代理店は大打撃。 1か月前、日光近くのあるホテルではキャンセルが続出で、社長が数千万円の銀行融資をお願いしたという話を聞きましたが、その後近所の飲食店に行くと、卒業・入学式や新入社員の歓送迎会の予約が一機になくなり、3月分の予約がすべて無くなったという話を聞きました。 建設業界では、部品の供給が滞り、トイレ、IHクッキングヒータなど水まわりの設備機器の納品がストップしています。TOTO、LIXIL、パナソニックなどの商品を発注してもメーカーが受け付けてくれず、いつ納品できるか…

  • くうきを創る第三のエアコン

    真夏の古民家は外気が30度を超えても、玄関に入るとヒンヤリしていて気持ちがいい。肌に直にあたるエアコンと違って、不快感がありません。 こんな住宅はどうしたら創れるのだろう? 試行錯誤しながら日々取り組んでいます。 ふつうなら、「古民家をそのままコピーすればいい」いうことになりますが、木造の骨組みは今の建築基準法には適合せず、断熱を兼ねる土壁は手間がかかりコストアップになるため、現在の住宅で再現するのは難しくなっています。 それに夏は快適ですが、冬は隙間風から冷気が入り込み、廊下や浴室などでヒートショックを起こし健康被害も懸念されます。 バレナでは「夏は古民家のような気持ちがいい空気感」、「冬は…

  • エネルギッシュな一年に

    新年1日から5日まで、ベトナムのホーチミン市で過ごしました。 ベトナムといえば記憶にあるのは幼いころの戦争のイメージ。「宣戦布告なき戦争」というこの戦争は、1955年に開戦して1975年に終結したといわれています。 アメリカとソ連による代理戦争イコール「資本主義」対「社会主義」、当時の報道は断片的には覚えていますが、ソンミ村虐殺事件、「枯葉材」と呼ばれる化学兵器の残虐さなどの報道には暗い気持ちになりました。 同じ民族がなぜ争わなければならなかったのか? 1月のホーチミン市は最高気温28度でしたが、乾期のせいか意外に湿気を感じません。空港から市内へバスで向かうとまず驚くのは、オートバイの大群。 …

  • ミッドナイト ミッション

    今年もあとわずか。 松本市内のショッピングモールで、レストランの改装工事をしました。正式に依頼を受けたのは11月21日で、工期は11月27日、28日、29日の3日間。時間帯は、22時~翌朝8時までという条件付きでした。 準備期間が1週間しかない強硬スケジュールのなか、施工業者さんには無理を承知でお願いしましたが、快く引き受けていただきました。 ショッピングモールというと、大学時代にアルバイトをしていたころを思い出します。40数年前の出来事。バイト先は、東京都下のスーパーマーケット。高校卒業してすぐ、雑貨売り場で品出しやレジを担当しました。 品出しは倉庫から台車で段ボール箱を積み、売り場で品物を…

  • 35年目のリベンジ。魔女宅の舞台へ

    「ずいぶん使い込んでいるね」。 40年前、建築学科の授業で、私の製図用具を見て、担当教授が声をかけてきました。持っていたのはドイツ製ステッドラーのペンホルダー。ペン先はメッキが剥がれ、本体はヒビが入っていていました。 年期モノのペン。図面を熱心に描いている学生と勘違いされてはまずいと思い、「これは父のものです」と、小声で言い訳。 自宅で設計事務所を営む父の製図版には、研芯器や計算尺、三角スケール、コンパス、分度器など幼い子供とっては、見慣れないものが並んでいました。それを使ってトレッシングペーパーに線を引く。落書きをする。製図版は私の遊び場で、父の製図道具を勝手に学校に持っていくのは、ごく自然…

  • 未来都市となれるか湾岸エリア

    20年ほど前、仕事で中国の上海へ出かけました。空港からホテルへ向かう途中、街のいたるところで建設中の高層ビルを見かけました。よく見ると、ビルを覆うのは竹で組んだ工事現場の足場。最上階まで続くその光景は、壮大で衝撃的でした。 その数年後、再び上海に滞在することになりましたが、「こんなところにビルが建てていたかな?」というくらい高層ビルが林立し、中国の経済発展の勢いを肌で感じました。 先日、築地市場の移転先、豊洲に行ってきました。周辺を歩いてみると、高層タワーマンションを中心に街が広がり、安曇野に住む私には、間近にあるビル群を見ているだけで、圧倒されてしまします。 ここ20数年、建築関係の展示会が…

  • TVのない自然だけの素敵な過ごしかた

    古民家再生がひそかなブームです。ナマコ壁を塗る左官屋さん、屋根葺きかえの修繕をする瓦店さん、建物を修復する大工さんなど、来春まで仕事がいっぱいだそうです。 弊社でも松本市中山で、古民家の母屋を民泊としてリノーベーションしました。天井を取り除き、梁を表して以前の吹抜けに戻し、浴槽、シャワー、トイレなどの水廻りは、機能的で清潔な部屋に変身させました。 丈夫そうな太い柱と梁が見えるようになると、どこか落ち着きます。 室内はキッチン、家具、照明器具などや薪ストーブなどお洒落にデザインされていますが、TVは置いていません。何故なら畑から採れたての食材を使ったBBQや水田の真ん中にあるコテージでの昼寝など…

  • 木造なのに外観はRC打ち放し⁈ リアリティーを追求する

    松本市の国道19号線沿いにあるビクトリアンクラフトは、英国アンティーク家具と雑貨のお店。ダイニングテーブルやチェアをはじめ、照明器具、食器、ステーショナリー、ファブリックなど、所狭しと並んでいます。 使古したキズや色落ちなどがあるのですが、どこか愛着が湧いてきます。 以前、施主様の希望で、この店で玄関ドアを購入しました。ロンドンの通りで使っていたアパートドアで、かなりの年期もの。ドアに貼られているナンバープレートやレトロなステンドグラスを見ていると、ロンドンの街並みの雰囲気を思い浮ばせます。 扉はホワイト、ブルー、グレーなど、住人が塗装を何度も塗り直した痕跡があり、歴史を感じます。お店ではサイ…

  • OK Google、住宅のIoT化って?!

    6月初旬、都内のビルの一室で、電気メーカーの住宅設備の説明会ありました。 その内容は、「家族みんなが、住むほどにカラダもココロも元気になる。IoTを活用した住宅の話」。最近よく耳にするIoTは、Internet of Things=モノのインターネットの意味。モノに通信機能を搭載して、そこからインターネットに直接アクセスすることで、自動認識、制御、遠隔操作を行えるシステムです。 AIやロボットが活躍する現代は、第4次産業といわれています。特にインターネットサービスは日々進化し続け、IoT商品・サービスは急速に増えています。 住宅でいえば、太陽光発電システム、蓄電池、給湯器、エアコンなどの住宅設…

  • 浮遊感を楽しみたい!

    家造りでなかなか表現できないのが浮遊感。宙に浮いているようなフワーッとした感覚でジェットコースターに乗っているときや、スキー場でリフトに揺られるときのちょっぴり不安な気分です。 飛び込み台の先端に立ってジャンプする時のドキドキ感や、仰向けになって大海原海に漂うのも、その一つかもしれません。身を任せることで、不安定なのに気持ち良さを感じます。 映画「タイタニック」では、デカプリオ演じる主人公ジャックが、上流階級の娘ローズと運命的な出会で、互いに惹かれ合い船の舳先で両手を広げる有名なシーンがありますが、あのシーンを観るたびに浮遊感を感じます。 建築では、耐震や耐風圧を考えて安定感のある建物をいちば…

  • 原人の対応力

    T大工さんとはじめて仕事をしたのは15年以上も前こと。確か松本市内の料亭跡地にそのオーナー家族の自宅を建てたときでした。 「床の間には倉庫に保管してあったネズコの木を使って」、「コーナーにはジグザグに枠を模って稲妻を表現したい」、「玄関脇には竹の床柱とポスト入れを」…。京都の建築家の細かい注文にも難なく応え、楽しい家造りができたのを今でも覚えています。 その後、木造三階建ての旅館の耐震工事でジャッキアップして床を持ち上げたり、木造の難しい納まりでどうしたらいいか相談したりと、同じ年齢ということもあって、私の家造りには欠かせない存在になっています。 Tさんは宮大工の弟子として10年以上働いていた…

  • 新元号をむかえて…

    「最近は戦争がないよね」。妻と結婚した頃、義祖父が話したこの言葉には衝撃を受けました。 日清戦争(1894年~1895年)、日露戦争(1904年~1905年)、第一次世界大戦(1914年~1918年)、シベリア出兵(1918年~1922年)、満州事変(1931年~1932年)、日中戦争(1937年~1945年)、第二次世界大戦・太平洋戦争(1941年~1945年)。 確かに明治生まれの人にとっては、10年に1度は戦争が起こったことになります。 いまでも世界中では毎日のように内戦やテロが勃発していますが、私たち日本人にとっての戦後は第二次世界大戦で、それ以降は平和な日々を過ごしています。 私もそ…

  • だから建築はオモシロイ!

    40年近く前にある雑誌で、日比野勝彦(現東京藝術大学教授)さんが、渋谷のマンションを改装してアトリエを構えたという記事を見ました。当時彼は段ボールを使った作品が話題を呼び、新進気鋭のアーティストとして注目されていました。 アトリエはRC(鉄筋コンクリート)造で天井をすべて取り壊し、RCの柱と梁がむき出しになり、設備機器のダクトもそのまま表していました。構造躯体の姿は、工事中のようにも見えますが、何だか新鮮で斬新でした。 建築家・安藤忠雄さんが1979年に日本建築学会賞を受賞した住吉の長屋は、RC打ち放しで室内外とも何も仕上げを施していない小住宅で、その発想は多くの建築家にインパクトを与えました…

  • 仕事の受注はあるのに工事が進まない

    昨年は施工業者が大忙しで、大工、外壁、電気、設備、内装と、職人さんを確保するのに苦労しました。これは弊社だけではなく、ハウスメーカー、地域ビルダー、地場の工務店などでも、職人がいなくて工程通りに工事が進まないという話をよく耳にしました。 昨日弊社を訪ねてきた外壁工事の社長は、「ほんと職人の手が足りなくて取り合いです。最近は工事が進まず迷惑をかけてしまうので、仕事を断っています。信じられないかもしれませんが、業者同士で仕事の譲り合い」といいます。 内装業者の知人からは、「ハウスメーカーは2ケ月先まで予定がいっぱい。その先は7棟決まっているっているし…、リフォームもあるからこれ以上請けることは無理…

  • 家造りは日々進化、快適さを目指して…

    「住宅の断熱性能と明るさ感に関する研究」という講演論文を読みました。これは首都大学東京都と旭化成建材の方々によるアンケート調査に基づいた印象評価実験です。 対象者の居住する窓の断熱性能レベルを、Ⅰシングルガラス・アルミまたは鋼製枠、Ⅱペアガラス・アルミサッシ枠、ⅢLOW-E断熱ペアガラス・アルミ樹脂複合または樹脂枠の3つに区分し、住まいの温熱環境満足度や明るさの、行動・習慣・生活意識を調査しています。 実験概要は茨城県にある高断熱住宅で、対象者が空間構成の違いで明るさや印象にどのような影響を与えるかを把握するというものでした。 その方法は、南面で吹抜けを有する居間で「吹抜けを塞いだ状態」、「2…

  • 人生の節目で考えること

    私事ですが今月26日で還暦を迎えました。といっても実感はなく、プロ野球の選手が2000本安打や200勝を達成したとき、「単なる通過点なので…」なんて言うのと同じで、その後も淡々と過ごしています。 そういえば30歳になるとき3歳年上の先輩が、「ボクは30歳の前日に銀座の東京温泉で垢すりをして30年分の垢を落してもらったよ」という話を思い出しました。 私も考えていたのですが、徹夜仕事でかないませんでした。数年後、友人との飲み会の後に酔い覚ましに体験しました。 お風呂に浸かっていると、ごっついオジサンに手招きされてベッドに寝かされました。態勢はうつ伏せ。まずは生温かいお湯を全身にかけられ、気持ちよく…

  • タイニーハウスで暮らすという選択

    東京で過ごしていた28年前、中央線沿線の住宅地に建つカメラマンの実家を訪ねたことがあります。彼はブラジル人女性と結婚して、アマゾンの僻地に暮らしていました。 仕事を依頼するときは、数キロ離れた家の住人に電話して呼び出してもらっていました。連絡がつくまでに一週間かかることもざらでした。 「電話がないところで仕事するのは大変じゃないですか?」。そんな質問をすると、「どうしても仕事の依頼をしたいとなれば、コンタクトをとろうとする人が一生懸命になるからどうにかしてくるもんだよ」。 バブル時代、仕事にあくせくしていた私には、その言葉が新鮮でした。ゆるい時間の流れのなかでのんびり過ごす生活。スマホを片時も…

  • この秋は建築ラッシュ!?

    弊社のスタッフはこれまで3人でしたが、9月から現場管理を担当するMさんが入社しました。彼は元大工さんで、木造在来工法のプレカット工場、建材屋、地場の工務店の現場代理人などを経験し、まだ1ヶ月なのに弊社に欠かせない存在になっています。 私が一緒に仕事をしたいなと思う人は「建築が大好きな人」。意外かもしれませんが、この業界何となく入って来てしまう方も結構います。 もちろん日々の生活や家族のためにお金も必要ですが、家造りを施主さんや職人さんなどすべての人たちと「楽しみながらカタチにしていけたらいいな」と、思っています。だから、探究心があって仕事に熱中している人を見ると、つい誘ってしまいます。 Mさん…

  • リゾート気分を味わうウッディな集合住宅

    家造りをしていると、ときにはチャレンジャーになることがあります。それはコストの面だったり、建物の施工方法だったり……、いつもとは一味違ったものを創ろうとするとき。 弊社で建築している住宅なら、この規模のこの仕上げなら、だいたいこのくらいの金額になるということが経験上わかります。 でもが「もう少し安くならない?!」とか、「こういう雰囲気にして欲しい」など、予算度外視で無理難題を迫られてくることがあります。 そんなとき丁重にお断りすることにしていますが、「もしかしたらこんな素材を使用したらとか、こんな施工方法に変えたら何とかなるのでは」、と思うことがあります。 それは難しい課題に直面したとき難問を…

  • 空気の見える化

    TV番組で水道水が飲めるのは世界で9カ国しかないことを知りました。日本はその国の一つですが、最近はペットボトルに入ったミネラルウォーターを飲むのが、あたりまえの時代になってきました。 私が子供の頃は、水道の蛇口をいっぱいに開けて、水をがぶ飲みしていました。特に真夏などの運動後は、無心にゴクゴク飲むのが爽快でした。最近は水分補給のために体にいいという飲料水が、店頭いっぱいに並んでいます。 20代の頃は外国に旅すると、「郷に入っては郷に従え」とばかりに、気にせずにどこの国の水道水も飲んでいました。ヨーロッパに多いい硬水も、パキスタンのレストランで出されたキラキラ光る物体入りの水も、一気に飲み干しま…

  • ディテールにこだわる

    「雰囲気がよくて感じのいい建物」、「外観のデザインがちょっとダサいかな」……など、見た目で家を判断することがあります。 それはちょっとした違いで決まります。たとえば、間取りを優先して外観の窓位置がバラバラになったり、壁タイルの割付が片側に寄ってしまってバランスが悪くなったり、言わないと気づかないこともありますが、気になり出したらその部分ばかりに目がいってしまいます。 造り手としては、建具や窓枠の水平ラインを合わせたり、余分な線を減らすために窓枠をクロス巻込みにするなど、いかに室内空間をシンプルに見せるかを考えます。 私は建築特集をした雑誌やユニークな住宅を拝見するTV番組をよく観ます。それは自…

  • 2045シンギュラリティ

    今から36年前、ある出版社の編集長が会社を退職して、新しいビジネスをはじめました。それは大企業のシステムエンジニアを引き抜き、パソコン検索して必要な情報を入手するソフトウエア会社で、今でいうベンチャー企業を目指していました。 社名にはHAL(ハル)という頭文字。この文字はアルファベッドで、IBMを超える=上をいくという意味が込められています。 大学を卒業した私は、その会社でレストランやカフェの情報収集とタウン誌の編集にたずさわりました。まだインターネットが普及していない時代。タウン情報誌などほとんどない時代で、一軒一軒お店をまわりました。 そのデータはコンピュータに入力して、東京のターミナルビ…

  • 壊す家、残す家

    7年前、松本市里山辺にある民家を二棟改修工事しました。その建物は隣どうしで、一棟は築40数年、もう一棟は築120年を越える古民家でした。 建築の仕事をはじめた頃、改築工事の打合をすると、「建物一部屋だけ残してもらえませんか?」という依頼がありました。当時、私は「せっかく建替えるのだから中途半端に残すより新しくしたほうが、きれいで使い勝手もいいのに」と思っていました。 それが里山辺の改修工事で、考え方が変りました。 築40年の建物は、大屋根の和風住宅。キッチン、風呂などの水廻りは古く、断熱材はほとんど入っていない状態。しかも基礎コンクリートは無筋、筋かいもなく今の建築基準法の耐震性能を満たしてい…

  • FujisawaSSTは未来住宅のカタチ?

    神奈川県藤沢市あるFujisawaサスティナブル・スマート・タウン(FujisawaSST)を見学してきました。 ここはパナソニックの工場跡地を利用して開発した「街づくりプロジェクト」。東京ドーム4個分、約6万坪の敷地に1,000世帯ほど,約3,000人が生活する街で、住宅建設は現在も進行中です。 見学前はゼロエネ住宅の分譲地で、太陽光発電システムと蓄電池を装備している家というようなイメージしか持っていませんでしたが、街のなかには商業施設や健康・福祉・教育などの公益施設、公園や街区も計画されています。 商業施設は「湘南T-SITE」。中央通路にツタヤ書店が出店し、両サイドに書籍に関連する業態の…

  • 日本の住宅のゆくえ

    ある取引業者さんから、賃貸アパートの空き家が増えていることを聞きました。古くなると入居者が減り、ゴーストタウンのようになると、借り手が見つかりません。家主さんは仕方なく家賃を値下げし、管理会社は家賃保証で四苦八苦しています。 最近都会のほうで家賃保証をできなくなって倒産した、という管理会社がありました。松本や安曇野でもアパート経営が厳しくなると、「建て替えましょう」とローン返済がまだなのに、残金をチャラにするからと、新築を持ちかける事業者がいるそうです。 最初は「入居者がいなくなって、だまされた」と言っていた家主さんも、いつの間にか契約書にサインをしていたなんていうことも聞きます。ローン期間が…

  • 弾丸シェムリアップ

    3泊5日という弾丸スケジュールで、世界遺産アンコールワットのあるカンボジア、シェムリアップに行って来ました。 カンボジアは1970年代ポルポト政権下で、多くの人たちが犠牲になりました。思想改造の名の下に、医師、教師、公務員、芸術家、資本家などの良識者が、強制収容所へ送られて、虐殺され、その死者は100万~200万ともいわれています。 当時、週刊誌のグラビアで、アンコールワットが銃撃されているようすを見ました。弾痕が痛々しくて、悲しくて、何時の日かこの地が平和になったら、ぜひ訪ねてみたいと思っていました。 今回、妻と一緒でしたが、ふたりだけの海外は27年ぶり。お互いに歳をとり、亜熱帯気候のなかで…

  • 既成概念を打ち砕け

    この度、年末にホームページをリニーュアルしました。 弊社の家造りをダイレクトに伝えるために、その冒頭で、住まい手が心地よく暮らせる「くうきを創る」を提案しています。 それは日々の生活の中で、「家族とのほんわか触れ合うリビング」だったり、「真冬どこにいても温かい空間」だったり、ダニやカビの原因となる結露のない「呼吸する家の提案」だったり…、空気感を大切にしたい、という考えからです。 住宅展示場めぐりをしていると、最新の住宅事情がわかり,とても参考になります。でも、何件もまわっていると、断熱気密性能はこの家のほうが高いとか、設備はこちらのほうが便利だとか、較べる基準がそういうところに目がいってしま…

  • 新しい命に乾杯!

    今年もあと1ヶ月いろいろありましたが、私たち夫婦の間でいちばんの話題は、娘が女の子を出産したことでした。「おめでとうございます。おじいちゃんですね」。この言葉には実感が湧かないというか、いまでも戸惑いがあります。 東京に出張中へ向かうバスの中、娘の夫から家族LINEで、「産まれました!!!」「2,570gのおなごです」と母子の写真画像を見たときには、久しぶりにソワソワしました。その気持は、26年前に産まれた娘、24年前に産まれた息子に感じたのと同じ感覚。 娘の時は総合病院で立会い出産。産まれたばかりの赤ちゃんは、元ボクサーのガッツ石松さんに似ていて、すぐに「ガッツ~」と命名されました。毎晩病院…

  • 見えない力をくい止める

    一般社団法人エコハウス研究会の第4回全国大会が新宿で開催されました。その内容は弊社が推奨している「そらどまの家」の事例発表会。工務店や設計事務所がたずさわったそらどま体験や、研究者による居住環境データなど、様々な興味深い報告がありました。 そのなかで今回新たに発表されたのが「オールアース住宅」の提案。近年国の政策で「断熱」、「省エネ・エコ」「創エネ」などが求められています。そのために関わってくるのが室内の温熱、湿度、空気。さらに考えなければならないのが電磁波の問題です。 快適な住空間を実現するためには。温熱、湿度、空気、さらに電磁波のバランスが重要。これらを含めて、健康を維持していこうというの…

  • 日常生活で感じるピュアな感動

    「夜はほんとうに静か。外に出ると、木の枝が折れる『コトッ』という音が聞こえるんです」。「その上、星の数の多さにびっくり」。この夏、弊社で安曇野の別荘地に家を建てたご夫婦は、新鮮な驚きを隠しきれない様子。 都会から弊社を訪れる方は、打合せ室から見える田園風景を眺めると、口々に「安曇野っていいですよね」という話題になります。 私が初めて安曇野にやってきたのは、35年前。今と変らず田んぼが広がり、夜になると満天の星。水と空気が「オイシイ」くて、心と体をリフレッシュさせてくれました。 それから10年後、安曇野に移住しましたが、その感動は今では当たり前になっていて、時々、県外からの方々の話で、あらためて…

  • 戦後生まれの日本の家

    「日本の街は住宅が途切れない」。ある外国人旅行者が、新幹線の車窓からの眺めたときの感想。特に東京の過密さには驚かされます。高層ビルから見る夜景は、その明りのすべてに人が住んでいることに不思議な感じがします。 戦後の焼け野原から国の住宅政策がスタートします。昭和25年の住宅金融公庫設立から、融資基準で50㎡以下の小さな家に光が当てられます。それはその後「ウサギ小屋」と呼ばれる日本の住宅に影響をあたえているのかもしれません。 東京・竹橋にある東京国立近代美術館では、「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」を開催しています。戦後の「日本の家」を広く理解してもらうために、2016年秋からローマ、ロン…

  • コンクリートパネルの家は手ごわい

    ハウスメーカーがコンクリートパネルで組み立てる家は、「火に強い」、「地震に強い」、「風雨に強い」…など、頑丈で長持ち。安心かがあります。 建築コストはかかりますが、その分耐久性があり長い目で見ればお得なのかもしれません。最近縁あって、築20年のコンクリートパネル住宅のリフォームをしました。工事はユニットバスと洗面化粧台の入れ替え。 木造住宅では何度も経験しているのですが、コンクリートパネルの家は、水廻りでは2度目。通常は建ててもらった住宅会社にお願いするのですが、これが結構な金額になってしまうそうです。 現地調査に行くとまず驚いたのは、家じゅうの壁や天井に張り巡る配線。これはIHクッキングヒー…

  • リフォーム工事で‥‥、意外な発見!

    私事ですが、3週間前から自宅のリフォーム工事をしています。メインは外壁塗装工事。今年で築21年目をむかえる我が家では、自宅についてはほとんどノータッチ。恥ずかしながら「紺屋の白袴」で、初めて屋根と外壁を塗りました。 外壁は杉の羽目板材で、板はツルツルに仕上げていない裏面を表面に。新築工事の時、まず家族で刷毛を使って塗りました。幼かった娘と息子、ふたりにはその記憶はほとんどないようですが、私と妻とは、家造りのいい思い出になっています。 裏面にザラザラ面を使ったことにより、塗料がスポンジのように吸い込みました。「この家は小さいけどネタがふつうの家の3倍もかかった」。そんな職人さんの呟きを、妻は今で…

  • 時代はめぐりめぐって……

    「ゆとりでしょ? そう言うあなたは バブルでしょ?」 第30回サラリーマン川柳で、1位を獲得したこの句は、いまの若者とその親世代をよくあらわしています。 バブル時代(1986-1991)は、とにかくみんなが浮かれていました。高給取りでない若者も高級ブランドの服を着て、彼女と高級レストランで食事し、買い物は高級志向で高いものから売れていく時代でした。 株や不動産の高騰で、経済拡大が行われ、このままずっと青天井なのではないかと錯覚していました。幼なじみの友人が、2000万円で買った中古マンションを8000万円で転売した、いま考えると異常な事態でした。 私はこの時期すでに30代でしたが、バブルを経験…

  • 「バレナスタイル」

    職業柄、新築住宅のチラシを見ますが、時々疲れてしまいます。 それはいかに自社の商品(家)が優れているかを連呼しているからで、読み手の立場から考えると、どんな建物がいいのかわからなくなってしまうからです。 最近のチラシの傾向をみると3つのパターンに分かれます。 一つ目は、規格住宅テンコ盛り型。規格住宅で自社オススメの基礎や構造躯体、断熱施工などの工法、メーカーとの交渉で安く仕入れている設備機器を標準装備して、品質の良さと、お値打ちの価格を強調します。企画プランが豊富で、流行のものをいち早くキャッチしているので心奪われます。何でもそろっていいのですが、個性が感じられません。 二つ目は建築士とつくる…

  • 安曇野でお伴をさがす

    安曇野は春間近。用水路からは雪解け水が飛沫をあげながら勢いよく流れる。桜の季節はもう少し先ですが、ひんやりとした空気が気持いい。 朝の目覚めは、喉を潰したようなキジの鳴き声。すると愛犬が背伸びをして、起きろとばかり顔をペロペロなめまわす。お決りの早朝の散歩。学者村別荘地の麓にある私の家は、自然の宝庫。冬から一気に変化する。田んぼに水が張られ、GW前後には田植えがはじまる。 学者村とは昭和39年、当時の穂高町と協力して開発された分譲別荘地。大学関係者に呼びかけて広がったためにその名前がついたそうだ。面積は30数万坪、1400区画はすべて完売している。 軽井沢のような賑やかな別荘地ではなく、都会の…

  • 家造りは一体感が大切

    受験生を持つ親は、2月末から3月のこの時期はいちばん大切なとき。息子や娘たちが希望の学校に合格できるか、ハラハラドキドキします。風邪にならないように体調に気をつけたり、神社で合格祈願のお守りを頂いたり、まるでわが子に乗り移った気持になります。合格通知の報告を聞いたときは、胸が熱くなります。 家造りでもそんな場面があります。それは、お客様の住宅ローンの融資承認が下りたとき。特に、融資が難しいと思われた方が、金融機関にかけ合いながら、多くの書類を提出して、なんとか承認を取付けたときは、感慨はひとしおです。 ともに喜びを別ち合うと、家造りが楽しくなります。 時々「この金額に押えた建物にして」という見…

  • 大好きな彼と末永くお幸せに

    「じゃぁ、勝手にすれば」。「勝手にする」。 ニューヨーク・セントラルパーク前で、私の腕の中からガイドブックを奪い取った娘は、すたすたと反対方向に歩き出した。 こちらはそのまま真っ直ぐ進む。100mほど歩いたとき、クールダウンして振り返えってみると、彼女の姿は人ごみの中に隠れていた。些細な言い合いの口喧嘩、売り言葉に買い言葉。 私たちが目指していたのはニューヨークグッゲンハイム美術館で、そのすぐ近くだった。 20世紀巨匠のひとりフランクロイド・ライトよるこの建築は、別名「カタツムリの殻」と呼ばれ、中央部が大きな吹抜の大空間。その回りは螺旋状のスロープで、見学者は最上階までエレベーターで上り、そこ…

  • まいけるさんからのLINE

    朝8時7分、まいけるさんからLINEで一枚の写真が送られてきました。コメントはなしで。「ここの景色はスゴイですよ。天気のいい日は、必ずバルコニーから一枚撮ります」。 まいけるさんとは、白馬村の現場で木工事の造作をしている大工さんのハンドルネーム。現場に行くといつも楽しそうに、こう話します。 建物の西側から見るこの眺望は間近に遮るものがなく、北アルプスの大自然をひとりじめ。バルコニーは2階リビング&キッチンとひと続き。建物プラン段階から、この家のいちばんのセールスポイントとして計画してきました。 バルコニーは床にデッキ材を敷いて、室内空間を一続きにつなぐアウトリビングに。キッチンは、オールステン…

  • その時代を生きてきた証

    朝起きると寝ぼけ眼の妻がいきなり「辞めなければいいのにね」、と言い出した。何のことかわからずにいると、最終回の「SMAP×SMAP」を見て急に思ったという。特別にファンでもなかったのに……。 1999年12月31日、信州生活5年目をむかえた私たち家族は、東京に車で帰省していました。渋谷周辺で渋滞を過ぎると視界がひろがり、カーブになり、前を走っている自転車軍団を追い抜きました。 フッとその軍団を見ると、白いジャンパーを着たスマップの面々。窓越しから見慣れた顔を間近に見て、一瞬戸惑いました。私たちが何故その場所を走っていたのか記憶にありませんが、キムタクの厚化粧したドーランの顔は、今でも頭の中に残…

  • オプションという名の誘惑

    「一生に一度だから行こうよ」。妻のそのひと言で、来年1月に結婚式を挙げる娘の衣裳合わせに立ち会いました。衣裳店は都内のとあるビルの3階。こぢんまりした店内にカラフルなウェディングドレスが、ショーケースいっぱいに並んでいます。 結婚式はいま流行の楽婚(ラクコン)。若いカップルにはうれしい自己資金3万円プラスご祝儀で結婚費用がまかなえるという。しかも支払いはご祝儀が集まってからの後払い。ホテルの会場は、人気の日取り以外の空き会場を利用するので、スタンダードな結婚式をロープライスで、挙行できるという。 ドレス選びは、二冊あるカタログから候補をピックアップ。それを試着してみて気に入ったものに決める。一…

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