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2016/01/24

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  • 引き出される欲望、引き摺り出す感情。

    苦しい。唯々苦しい。いっそのコト。ああ、そうだ、いっそのコト―――――。全てを。僕の抱えている全てを一切合切棄てたく為る。ううん、棄ててイイ。もう何も要らない。此の儘全てを棄てて―――――失ってもイイ。でも。微かに残された理性の欠片が。そんな僕のキモチをぎりぎりの処で正気に引き戻す。呼吸するのも億劫でくちを開けた処で、間抜けな魚の様にぱくぱくとする他無いのだけれど、必死で声を掻き集めて言葉を紡ぐ。『イヤだ』...

  • オレ以外の、誰か~春雷。

    アイツのココロにオレ以外の誰かがいる。それは最初から、ずっとそうだった。出逢った時から――――何ならアイツがオレのキモチに応えたときでさえ。オレ以外の誰かがアイツのココロを満たしていた。けれど。アイツはそんなコト、これっぽっちも御首にも出さない――――極々普通に誰の眼から見てもおかしいと疑われない様にオレをすきな振りをして相思相愛の「コイビト」として存在し続ける。――――正に今。オレに組み敷かれていようとも。...

  • 特別で―――大切な日。

    昨日から――――ううん、違う。もっともっと前から眠れていなかった。今日のコトを思っていたら、キモチが落ち着かなかった。そわそわ?わくわく?どきどき?自分の心なのに往き先がよく分からない。きっとそれは僕のココロの大部分を占めているあのヒトの―――――コト・・・。自分より全然大事なあのヒトのコト。あのヒトがもう少しで・・・・あと少しで現実へと――――僕等が前に居た場所へ還る。僕の大事なあのヒトがいつだってきらきら...

  • 今迄と、そしてこの先も・・・。 another side

    さっきから僕の廻りで物凄い笑顔を向け乍、じょんしなが何かを云いたがっている。躰が大きい分視界も遮られるし邪魔だし鬱陶しいし、何より目障り。そんな僕のキモチには全くお構いなしに『なあ、みにょぎ――』だの『あのさあ、みにょぎ―』だの云い乍擦り寄っててくる。そして、何かを云おうとしてしたり顔でくちを開き、何かを云い掛け(それは僕に尽く遮られているけれど←)、若しくは僕に云わせようとしている。だけど。僕は。こ...

  • 今迄と、そしてこの先も・・・。

    『ね、オレのコト――――』『・・・煩い』――――つれない。物凄くつれない。『あのさ、みにょぎ、オレのコト――――』『何?さっきから・・・・』う・・・・。視線は冷ややか――――細い眼が一層細っこくなってて針の様になってる(・・・・と、云ったら確実に殴られるので絶対に云わないけれど)。・・・・ま。これくらいで負けている様じゃみにょぎのカレシは務まりません←此処は強気で♡『みにょ―――ぎ――――!みにょぎ―――、みにょぎは、オレの...

  • 世界で1番大切で倖せな日。

    そうだ…誕生日。ソレが当たり前じゃなくなっていたコトに今更みたいに気がついた。今迄なら「来週だよね」「明後日どうする?」「明日さ~」…なんて会話がとても身近だったけれど。今はそんな言葉を交わすコトすら簡単じゃない。でも一言だけ…ゆっくりと指を動かして選んだ言葉をおまえに送った。□もしかして忘れられてる?今迄なら速攻…てかかなり前からカウントダウンして盛り上がっていた筈なのに。ま、この状況じゃ仕方ないよな、とか思...

  • 日常の狭間で。

    僕の眼の前に――――居る。相変わらず僕のコト等何一つ気に掛けず無邪気に笑い乍、自分のコトを彼是と喋る。それは今に始まったコトじゃ――――無い。メンバーとして出逢った時も。キモチのベクトルが変化した時も。そして。こうやって。久し振りに逢えた――――今も。『でさあ――――そん時さあ・・・・・』確か最初は誰かの誕生日で、その時に如何とか・・・・って云っていた気がする。でも、僕にとって話の内容なんて如何でもよかった。そん...

  • Blue Rose~巡り会えた奇跡と導かれた偶然と。 6 last

    キモチが止まれなくて。思わずくちから出て仕舞った言葉――――――勢いだけど、其処に嘘は無い。其処はカミサマに誓ったってイイ。嘘なんか欠片だって無い。だけど、気恥ずかしさでいっぱいに為る。熱の所為か。言葉の所為か。頬が火照っておでこには汗が噴き出してきた。――――にしても。迷惑だよな。厭だよな。一度為らず二度までも。急にすきだ、とか行き成り過ぎて引くよな・・・・。俺なら引く。確実に引く。一回目は勢いとかあった...

  • Blue Rose~巡り会えた奇跡と導かれた偶然と。 5

    色々なコトが。キャパオーバーな頭の中を。駆け巡る。思考回路なんて。とっくに。分断されてる。それなのに。ぐるぐる。ぐるぐる。ぐるぐる。本能的な処で一生懸命無駄に考えようとして仕舞う。いつもこう・・・なんだ。テストの前とか。体育祭の直前とか。大事なときとか気を付けたいときとか、って。確実に駄目になる。考え過ぎて。思いが強過ぎて。ぐるぐると余計なコト迄考えて思いを巡らせて―――――――そんなに俺ってキャパ大き...

  • Blue Rose~巡り会えた奇跡と導かれた偶然と。 4

    勿論直ぐに応えてくれたワケじゃ――――無い。一瞬の驚きと沈黙。その後にあのヒトは極々自然に・・・・。笑った。小さく口元を綻ばせて――――笑った。其処に嘲りとか皮肉めいたモノは欠片も無かった。出逢ったばかりだけど分かる・・・・きっとこの表情は彼特有の――――モノ。優しくて柔らかで。作り物じゃ無い彼の自然な笑顔・・・・。そして。見付ける。小さな小さな彼の秘密―――――唇の端に八重歯。大人っぽく見えるけれど、こうやって...

  • Blue Rose~巡り会えた奇跡と導かれた偶然と。 3

    『で、でもほら、そうは云ってもさ・・・・』『―――――』『「カッコいいです」とかそう云う間接的な言葉でしょ?』『――――』『「すきです」とかがっつりストレートな言葉じゃ無いでしょ?』『・・・・・』―――――。如何して。みにょぎは。こう応えにくいコトばっかり云ってくるんだ・・・。てか。如何して。分かっちゃうんだよ。――――この店、ボロいのに何処かに監視カメラでも取り付けてるのかよ(涙)はああああああ・・・。もう―――もう...

  • Blue Rose~巡り会えた奇跡と導かれた偶然と。

    『―――花束のお客さん?』みにょぎは事も無げに応え、名前と諸々を教えてくれた。ジョン・ヨンファ。俺より2つ年上。そして、この近くに在るアパレルメーカーの次期社長のポジションにいる奴の秘書をしている。『最近のお得意様なんだ。仕事絡みでアレンジメントとかお願いされるコトがあって――――今回はお母さまにプレゼントしたい、って訊いたんだけれどそう云うコトだったんだね』配達から戻って来たみにょぎはマグカップに注い...

  • Blue Rose~巡り会えた奇跡と導かれた偶然と。

    一目惚れとか。運命の出逢いだとか。そんなモノまるっきり信じちゃいなかった。だって。出逢って直ぐだろ?そんなの有り得ない。その瞬間にすきになるとか、絶対に嘘くさい。相手の顔を見てそれですきになっちゃうとかさ――――有り得ない。そんなの只顔が好みだっただけじゃん?誰かを。すきになるのって。見た目だけじゃない。雰囲気とか。考え方とか。生き方とか。そう云う諸々をすきになる―――――筈。そんなの出逢って直ぐに分かる...

  • Blue Rose~きみに巡り会えたコトの全てを。 4 last

    『オレと一緒に――――この先を・・・・生きていってください』それが。オレが一番欲しいモノだから。そう云われ乍抱き締められる。紫煙とシトラス――――いつものジョンヒョンさんの匂いが僕の鼻先を擽る。彼特有の匂いに包まれているといつだって夢見心地になるのに、その上――――。そんな言葉を聞いて仕舞ったら。僕の心拍数は落ち着か無くなる。一緒に生きていって欲しい。それって。それって・・・。それって、若しかして―――――。『あ...

  • Blue Rose~きみに巡り会えたコトの全てを。 3

    夕暮れに近付いて来た町並みが硝子窓に映る。オレンジ色の蒼空。忙しく往き交う車や誰か。そして。その片隅に佇むオレと―――彼奴。一緒に暮らす様に為って。ふたりで隣り合わせに居るコトなんてそんなに珍しくなくなってきた――――それなのに。極々普通に笑顔で存在して居る彼奴を見て。彼奴と同じエプロンをしているオレを見付けて。ふと、思ったままを呟いて仕舞った。大したコトじゃない。些細なコト。けれど。そんなコトが無性に...

  • Blue Rose~きみに巡り会えたコトの全てを。 2

    ジョンヒョンさんはホントに見掛を全く裏切らないタイプのヒトで←可成りの有段者で。趣味はジム通いで。あのぺっかぺっかの車も厳つい髪型もきちんと彼の為人(ひととなり)を現していて。じょんしなはそんなジョンヒョンさんに首根っこを掴まれたら逃げられるワケも無く。体格差なんてモノともしない合間にそのままぼっこぼっこでめっためったに・・・・・・。されて―――――仕舞う筈だったんだけれど←『ったく、おまえたちは逢う度...

  • Blue Rose~きみに巡り会えたコトの全てを。

    『――――ん・・・・別に、特には・・・・』ジョンヒョンさんはそう応えると、いつものように優しくきれいに笑った――――。もう直ぐ彼の誕生日。一緒に暮らすようになってから(あ、因みにこの間のバレンタインデーから一緒に暮らしているんです♡)初めての誕生日。色々と僕なりに考えてみた―――――けれど。アパレルメーカーの御曹司だから着ているモノ身につけているモノは一流で、その上もの凄いお部屋に住んでいてそれに乗っている車は...

  • あけましておめでとうございますと、御挨拶とご連絡

    あけましておめでとうございます。昨年もめいこのお話を読んで頂いて本当にありがとうございました。昨日で蛙王子さまのお話が終了しました。なので以前ご連絡しましたが、これでお話を書くコトはおしまいにしようと思います。本当は即お部屋を閉じようと思っていたのですが、こんな拙いお話でも好いて下さる・・・・そんなコトを言ってくださる方がいて、この先一年間お部屋を開けておきます。そして12月31日に閉じます。その...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 69 last

    『倖せじゃ無くなるコトが―――――怖いのです』そう云い終えると俺に縋り付いて泣きじゃくる彼奴。時々苦しげに嗚咽を漏らし背中を震わせる――――痛々しい華奢な躰とぽろぽろと零れ落ちる泪に此処最近の彼奴の苦悩を垣間見た気がした。きっと彼奴は、独りで思い悩んでいたのだろう。倖せか不倖せかと問えば。彼奴の――――ミニョクの生い立ちは明らかに後者で在ろう。幾ら宮廷で暮らしその日の寝食には困らないとは云えど、身近な愛情から...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 68

    誰も彼もが優しく温かい――――僕に対し偏見を持っていたり色眼鏡で見たりと云う様なコトは一切無い。ううん、若しかしたらそう云うコトをしているヒトも僕の知り得ない処では在るのかも知れないけれど、そんなコト全く感じられ無い。それよりも寧ろ――――。『ミニョクさま、お変りは御座いませんか』『何か不都合が御座いましたら仰ってください』『ミニョクさまは斯様なコト為さらずにいらっしゃって下さいまし』それ等の言葉にはきち...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 67

    『ミニョクの様子がおかしい―――』ヨンファがそう云ったのは執務室から重臣たちが出て往き、ふたりきりに為った時だった。呟く様に云ったその言葉は隣に居た俺に直ぐ届いたから、即座にヨンファの表情を見詰めた。到底嘘を吐いているとは思えぬその表情―――その真意を確かめたくて小さく眉根を顰め如何してかと訊いた。『ん・・・・・。何が如何したと具体的に何かが在る訳では無いが、落ち込んでいたり塞いでいたり・・・・然し俺や...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 66

    あれから―――――。僕と白雪さまとの関係はすんなりと・・・と云うか呆気無い程容易くこの宮廷でも認められて往った。でも早急に婚儀へと進めて仕舞うのは隣国の王家の血筋の僕が相手だから何やらと諸国から云われるかも知れない―――とのコトで、僕は白雪さまの従者で尚且つ王家の遠縁でいらっしゃるヨンファ様の処で取り敢えず養子縁組をして頃合いを見て・・・・と云うコトとなった。ヨンファ様には御両親ともう成人に為られ独立して...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 65

    おふたり御一緒のお姿を御覧になった白雪の皇子さまの御尊父で在る摂政さまとその令閨さまは、流石に大層驚かれたそうで御座います。それは勿論白雪の皇子さまが同性で有り隣国の王族の血筋である紫陽花の皇子さまをお連れになったからで、おふたりとも暫くの間は何も仰いませんでした――――然し白雪の皇子さまの何時にも増して真剣なご様子、そして紫陽花の皇子さまに対する優しい眼差しに大層御感銘を受けられたご様子でした。此の...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 64

    『―――お顔の色も宜しい・・・。大分御加減も宜しい様で御座いますな』ミニョクの診察をして下さった医伯どのはそう仰ると用意して於いた手桶で手を洗い乍にっこりと微笑んでいたから、思わず安堵の溜息を吐く・・・。良かった――――どうやら快方に向かっている様だ。昨夜の行為や先程迄の彼是で又無理をさせ悪化させて仕舞ったのではないかと少しばかり肝を冷やしていたが、その所見に安堵した・・・。『薬湯も後もう少し続けてお飲...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 63

    彼方さえ居て下さったら――――それだけで構わないので御座います・・・。それだけ云い終えると。泪が止めどなく溢れてきた――――込み上げてくる感情が如何しても押さえ切れなくて苦しくなった。今迄の痛みを伴った記憶・・・・それと共に白雪さまが僕に与えて下さった優しい彼是を思い出して仕舞うから苦しくて切なくて僕自身如何してイイか分からないくらい泣いた。その間白雪さまはゆっくりと僕の背中を擦って抱き締めて下さった――――...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 62

    ヨンファの云っているコトが分からない訳じゃ、無い。きっと、そうなのだろう――――此の儘ではミニョクは囚われた儘・・・・。幾ら呪いを解かれた処で見えない何かに呪縛されて仕舞う。だとすれば、此奴を処罰すればミニョクは自由になれる――――筈。此奴の存在が。ミニョクを。苦しめる。それならば・・・・・。それもこれも致し方ない。ミニョクをこれ以上苦しませたり悲しませるコトは出来ない―――――だとしたら・・・・。どんな決断...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 61

    あの時。「彼」に陵辱されて居る間。僕は可成り本気で「彼」が居なくなればイイ、と思った。ううん、違う―――――本当はもう少し違う。消えて仕舞えばイイ―――――「彼」の存在を消し去るコトを本気で願った。そのくらいあの時間は僕にとって悪夢の様な陰惨で残酷なモノだったから。「彼」の存在など此の世から抹殺したかった。だから。そんな「彼」は今この瞬間に消えて仕舞っても構わない――――――僕を苦しめた元凶なのだから。でも。白雪...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 60

    思考よりも先に躰が動いて仕舞った。彼奴の怯えた表情を見ていれば、ヨンファの云おうとしている彼是が分かる気がした。此奴がミニョクを――――――。此奴こそが。諸悪の根源―――――。理由も根拠もはっきりしていない――――然し、彼奴の表情と震えた指先を見ていれば察しがつく。此奴が・・・・。ミニョクを――――。『てめえ――――』憤りと怒りと憎しみに感情が簡単に支配された。即座に動く――――――そして・・・・。『其処へ直れ』背後から聞こ...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 59

    息が止まるかと思った――――――ううん、違う・・・・・・・・本当に止まって仕舞った。吃驚し過ぎて呼吸を本当に忘れて、眼の前が一瞬霞んだ。あの時の記憶が。直ぐに。蘇る―――――勿論それは恐怖刺激として・・・・・。膝裏が震える。心音が騒ぐ。悲鳴を上げそうに――――為る。思わず白雪さまの御手に縋って仕舞った。だって立っているのもやっと・・・・怖くて怖くて堪らない。如何して彼が此処に?此の国に?―――――そして、此の場所に?...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 58

    ヨンファの声―――――そして、その発した言葉に驚く。呪い?それが、解ける?それは一体如何云う・・・・・。『ミニョクの躰に掛けられた呪い―――――それは蛙云々、ってコトだろう』『――――』――――頷く。雨に時には元の姿に戻り、それ以外の時は蛙の形に為って仕舞うと云う例の・・・・。『それが解けたのさ』『解けたとは如何云う―――――』『まあ、抑も呪いなんて万全で盤石なモノじゃ無い。誰かの欲望や情念等が絡まり合って紡ぎ出した負の...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 57

    僕の躰の奥底で昨夜から燻っていた火種の様なモノが白雪さまの唇に由ってあっという間に全身に廻る――――そして・・・・。一気に高められ。そのまま堕ちて仕舞う。昨日あれだけ乱れた筈なのに。僕はまた―――――。そんな泡沫の様な感情を、白雪さまの唇と指先はあっさりと飲み込んで往く――――。云うコトを訊かない躰。緩みきった感情。そして―――――初めて知った慾の満たされ方が僕を導いて仕舞う・・・・。駄目、だとか。厭、だとか。そう...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 56

    心地よい・・・・。寝返りを打つコトも。呼吸をするコトも。此の場所に揺蕩うコト―――――それだけが唯々心地よいと思える。瞼の奥に感じる柔らかな光がより一層それを増して往く・・・・。然し、それは不意に己を呼ぶ声で妨げられた。『白雪さま――――皇子さま・・・・・』それは隣室に控えて居るで有ろう奴僕の声―――――丁寧で物静かな声に俺は短く応え様として慌ててくちを抑えた。隣に居る彼奴はまだすやすやと――――穏やかに眠っている...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 55

    それから―――――。幾度と無く互いの体温を確かめ合い乍彼奴を抱いた。時折我武者羅に溺れて仕舞いそうな俺が居て、焦る――――そうは云ってもあの時から未だ十分に躰の疵は癒えていないだろうし体力だって本調子では無いだろうに、抱かれているのだから可成りな無理をさせている筈・・・・。努めて冷静に無理をさせ無いように―――とココロの奥底では思うのだが、彼奴の彼是が俺を惑わす。幾分上気していく皮膚とか。徐々に甘くなる吐息と...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 54

    息が出来なかった――――――圧迫感だけが僕の躰を切り裂いて往く。思わず躰を捩って仕舞ったら白雪さまの指先が直ぐ様伸びてきて僕の頬をゆっくりと撫でてくれた・・・・。『大丈夫だ―――――息をしろ』白雪さまはそう仰るけれど、僕は呼吸の仕方を忘れて仕舞ったかの様に唇を半開きに開けた儘無駄に喘ぐ。苦しい―――――苦しくて堪らない・・・・。下腹部の切迫の所為で何もかも儘ならない。思考回路さえも真面に動いてはくれないみたいで、...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 53

    ひとつに為ろうと白雪さまは仰った。その言葉の意味――――――。一瞬戸惑ったけれど、直ぐに分かった。怖くなかった訳じゃ、無い。でも・・・・・。御側に居たい。ずっと――――ずっと・・・・・。御側に居たい。離れているのは淋しいから。だけど・・・・。白雪さまの御手が僕の膝裏に触れ、秘密の場所が露わに為った瞬間、矢張り躰が強ばって仕舞った―――――それに気が付かれた白雪さまはふっと御手を動かすのを止め、僕を見下ろした。澄ん...

  • 蛙王子さまと秋黴雨の雨粒と。 52

    蕩けそうに為る。でも―――――その最中にあの時の記憶が頭の中を過ぎる・・・・。僕は怖くなって声を上げそうに為るけれど、そんな時に白雪さまの指先が僕をしっかりと抱き締めてくれる。この指先は、きっと大丈夫。このひとは、絶対大丈夫。そう分かっているのにまだ少しだけ怖い僕――――けれど、白雪坂の指先と舌先は静かにゆっくりと丁寧に僕の躰を這う・・・・。少しずつ体温が僕に――――触れる。優しく温かいそれに思わず泪が零れて仕...

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