春雷に怯える夜も カラクリを憂える昨日も 嘘つきを罵る川面を遠くから眺めては 幾つの真実を共有できるのかと 冷たく笑う 蕾ほころぶ朝も 理(ことわり)崩れる街の 幾許かは幸せを拡散できたろうにと 冷たく笑う 不安に慣れ過ぎ冷静さを纏うばかりの 日々に飽きたろうにと 冷たく笑う ランキング参加中詩
猫街に暮らす詩人さんのひとりごと/毎日が最新作/著書『心をみる猫の医者』https://amzn.to/2ERppud ほか
2020.10.02 第五詩集『心をみる猫の医者』発刊 詩:いつきさらさ 絵:伊藤乃吏子 アイコン画:Mari Nishimura
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今日を待たずに休みは明けて ぼくのため息深くなる 秋を待たずに魔法がとけて ぼくの心がひび割れる 混乱するのはいつものことだが 天気だけではないようで 感情体調憎悪に愛情 渦巻きながらたちのぼる 今日を待たずに休みは明けて ぼくのため息深くなる 秋を待たずに魔法がとけて ぼくの心がひび割れる
こっそりあの子をなじった指先が 愛おしくてたまらぬように 鬼灯を撫でる こっそり悪意を書きつけた指先が 愛に満ちあふれた 美しい言葉を紡ぎ出す 混在する矛盾は 誰の中にも押し寄せて たまに悪さをするんだねえ さあ 今朝はどちらに転ぶんだろう
昨日はそりゃ暑かったから すぐ気づいてよかった 忘れてたのよなんてこと 残った肉炒めをレンチンして そのまま半日忘れたの ごめんね 口に入れちゃおかな ほんの一瞬だけ思ったけど やっぱりそりゃ暑かったし だいじょぶそうな気もしたけど しょうがないね 外に食べに行くのもなんだかね よし また肉炒め作るよ 忘れないうちに
秋の海辺みたいだ この悲しさは 手放した感情まで 繰り返し押し寄せる 秋の海辺みたいだ この寂しさは 手放した言葉さえ ヒタヒタと押し寄せる 秋の海辺みたいだ この時間は 見失った背中にさえ 指が触れそうだ
ミュージシャンのiima(イーマ)のインスタグラムをフォローしている。 行く予定だったライブは、悪天候のため中止を余儀なくされた。が、何度か配信ライブを楽しませていただき、その時に採用されたリクエストメールは、現在もiimaの公式サイトに掲載されている(大変恐縮です😅) マキさんからご連絡いただいた時は夢かと思った 前置きが長くなった。 iimaのインスタ投稿がきっかけで、こちらのお店を知ることになる。 koujiya-kinomama.com+++ ネットショップはオープンほやほや。 気になって時々見に行くのだが、初日よりも一層素敵になっているのが頼もしく楽しい。 筆者自身、発酵食にも酵素シ…
涙 - にこやかに、トゲを含んで。
一年に一度 何もそれは誕生日だけを指すのじゃない 一生に一度 昨日とも明日とも違う今日 やっぱり大切な日で 魔法でも夢でもそっくりそのまま再現できなかろう ゴーヤを刻み なすを合わせよくよく炒めて それはあしたのお楽しみ 味がしみしみ お味噌味 去年より上手にできたね 来年もまた会いましょう もっと美味しくもっと元気で サヨナラよりも確かな約束を 交わしましょう
「夢」という言葉で全てを肯定・あるいは否定しようとすると、おかしなことになる。 夢と呼び定義づける考え方も指針になるかもしれないが、どんなに優れたメソッドであっても誰にでも心地よくフィットするわけではなく、とらわれすぎればストレスの種でしかない。 ダイエットや運動も、どこか似ている。 答え合わせは、最期を超えてもなお判然としないこともある。 それでも「ちょっと先でちょっといい感じ」になれていればよいな、などと瞬間を重ねながら空を見上げる。 ささやかでも、大きくても、夢という言葉でなくても、未来を少し信じる時間を紡いでいきたいものだ。
秋待ち - にこやかに、トゲを含んで。
「始まるよ」 あの人の声に誘われるまま アプリを起動する ありえないのに あの人は本当にとても遠いところで 「ほら」 こんなふうに繋がっても困るよ だって だってさぁ 「約束したでしょ」 夢とも死ともつかぬのに 生とも闇ともつかぬのに 「始まるよ」 あの人の声に誘われるまま アプリを起動する ありえないのに あの人は本当にとても遠いところで
どうして?を楽しみながら大きくなり どうして?を哀しみながら去っていく 「どうして」は付きものなのに 「どうして」に目をつぶる そんなものさとたかをくくり そんなものかと息を吐く 身体に風が巡るように 今日もわずかな愛を喰む
稜線 - にこやかに、トゲを含んで。
ワンピにしようか Tシャツにしようか あるいはちょっとドレッシーなのを 選ぶ? 合わせるのは麻のサラリとしたパンツ どうやったって逆立ちするほど暑いのだけれど 毛皮を脱ぎ捨てられるだけ 人らよりマシかもね ワンピにしようか Tシャツにしようか あるいはちょっとドレッシーなのを 選ぶ? 合わせるのは麻のサラリとしたパンツ しっぽに合わせたラベンダー色 脱ぎ捨てた毛皮は丁寧に手洗いして 帰ってくる頃には気持ちよく乾いてるわね それでは行ってきま〜す おっと 日傘も忘れないようにしなくっちゃ
舌を満たすそれを 呼びだせるなら幸せだ 心を満たすそれを 味わえるならもっと幸せだ 耳を満たすそれを 奏でる日々はかなり幸せだ きっと死ぬまで幸せだ
二重にかけた鍵を 3度確かめ ガタガタ押したり引いたりして ようやく気が済む それからいかにも沈痛な風を装って 熱でトロトロの街に出かけるのである 立秋が過ぎたとて 熱中症の警報は止まらず ひぐらしすら鳴かない こうなって何年目だ全く ぼんやりと口の中で氷を転がしながら 人のいないのをよくよく確かめ マスクをとってみた 駅が近くなりやっと人らしき影が見え始め 再びマスクをつける こうなって何年目だ全く
「禍」になって、めっきり集まりごとが減った。 どこぞで試写会あればいそいそと、どこぞでライブがあればこれまたバタバタと。それらも、6〜7割ほどはオンラインとなり、在宅のまま参加が可能になった。 ヴァーチャルという単語は、ふだんごとになってしまった。 マルチバースという概念にも、それほどびっくりはしない。 つまりはそんなところなのだろう。 魂だけが出かけていく。 器を置いたまま。 それを死と呼んだものなのか。 微かに秋めいた空を眺め、在りし日の誰かの面影を追っている。
過去 - にこやかに、トゲを含んで。
閉じ込めて知られぬよう 鍵をかけてあふれぬよう 唇を噛み締める 叫び出さないよう あなたへの恋心が消えぬように
風の匂いを忘れて ただの旅人にさえなれない あなたの声を手放して ただの迷子にもなれない 水の味を忘れて ただの紡ぎびとでもなくなり 静かに朽ちてうちあげられるのだ
連れていってくれるのは 絶望や悲しみの空だけではないはず 希望を語れば指さされ 愛がわからないなんてと鼻で笑われ 自分を大事に 自分を好きに それ以外に道はないなどと 諭される 好きになれなくてもいいのに 見捨てず寄り添うだけでも 骨が折れるものだ 嫌いだけど 仕方ねえな、全く そんな心持ちの日だって ふっと天から降ってくる それもいい それでもいい 連れていってくれるのは 絶望や悲しみの空だけではないはず
秒針がスキップするのを 確かに見届けて わたしはスマホをオフにする 日付をまたぐ瞬間に スキップに出会うことは珍しく 隣で眠る連れ合いに気づかれぬよう 「あなたよりちょびっと得したわよ」などと ニンマリしてしまう 起床時には忘れているが 就寝時に魔法が解けるように思い出すのは いつか誰かを呪った報いなのか 秒針がスキップするのを 確かに見届けて わたしはスマホをオフにする それが何を意味するのか まだ思い出せない
実家では、それをよしとはしない。もっと言えば決して許さない空気が満ちていた。 が、すでに家を出てからの年数もかなりなもの。育てて(食べさせて)もらっておいてなんなのだが、心と体が合わなかったのだな、と冷静に分析している自分がいる。 親兄弟(姉妹)であっても、仲がよくても、100%の理解はあり得ない。だからこそ聴く耳と心、そして言葉を尽くすことが必要になるのだろうが…それはともかく。 夏の定番と言えば、素麺。 今でこそ具をのせたり、おかずと一緒に食卓に並べることは珍しくないが、父がそれを許さなかった。素麺は素麺だけ、薬味が数種類あればよいという人だったのである。しかも、キンキンに氷水で冷えてない…
それもある意味、スピリチュアルなのかもしれない 誰かがSNSにそんなことを記した 今でこそ公言する人間が多くなり そんなに珍しくなくなった能力 風吹くよき時代になったものだ そういう意味では 幼少期からそれは私に備わっていて 変わり者だとか嘘つきだとか 妬み半分にぶつけられることも なくはなかった 寂しがり屋は黙り込むか声を荒げるかのどちらかだと 悟ったのは いろんな集団を渡り歩いた末のことだけれども 寄り添ったり 少し離れた同じ空間に 一緒にいたり なんかこう それだけでも 案外元気を交換できるんだなと 気づいたりもした それもある意味、スピリチュアルなのかもしれない 誰かがSNSにそんなこ…
感情を封じ込めるのは 得意だ 単語の端々にのせず 相手を怒らせることもできる 短い単語から人となりを知るのも 苦ではなく 答え合わせは腹だたしいほど当たっている (もっとも流動性がついて回るのだが) 群れないのに引き寄せてしまう みたいなことも確かにあって 世の中不思議なわけだ などと納得してみたりする 感情を封じ込めるのは 得意だ 単語の端々にのせず 相手を怒らせることもできる 短い単語から人となりを知るのも 苦ではなく 答え合わせは呆れかえるほど当たっている
以前、日用品のまとめ買いの話を書いた。 今回はその続き、トイレットペーパーについて。 骨折以来、嵩張るものを持つのが苦手になったので、ペーパー類はまとめて取り寄せている。 今年の初め頃までそうしていたのだが、あるとき某ネットショップ(実店舗もある)のトイレットペーパーを何かのついでに購入した。試しに使ってみたそれが気に入り、以来その店でばかり買い物している。 バラ売りで、好みのロール数を買うことができるのもいい。プラスチック包装ではないため、ゴミも減らせる。 巻きも一般的な商品の5倍近くとあって、なかなかなくならない。これはありがたい。 先日、買い置きがあるのを失念して、いつもの感覚で注文して…
夏恋(こ)われの - にこやかに、トゲを含んで。
あなたを思っています あなたがケガしないか あなたが病むことがないか あなたを心配しています そう まるで初恋のようにずっと 鬱陶しいほど狂おしく 子を思う本能など心当たりはなかったが これがそうだったのかと 戸惑うばかりだ あなたを思っています あなたがケガしないか あなたが病むことがないか あなたを心配しています そう まるで初恋のようにずっと 鬱陶しいほど狂おしく 重いと思いが紙一重だと気づくまで
よくできたシュー生地みたいに あたしは不安を膨らます 優しさだと勘違いするために 甘く泡立つクレーム・シャンティ あたしは挟む機械的に いい人だと勘違いするために 薄く濁ったchou à la crème あたしは待ってる齧られるのを
居場所がないのはただの思い込みで 体はいつだってここにある 居場所を見つけたいのはただの夢で 体はいつだってここにある 居場所でないのはいつだって承知で 体もいつかは消えていく 居場所がないのは初めからで 感情が今もそうさせる
よく 開き直りたい 佳く 開いていたい よく 開け直したい 良く 開きたい
あなたのことばは わたしじゃない誰かを癒し あなたの歌は わたしじゃない誰かに刺さる あなたの愛は わたしじゃない誰かを包み あなたの腕は わたしじゃない誰かを抱きしめる 昔は思ってたよ どうしてわたしじゃないんだろうって 昔は嘆いてたよ どうしてその言葉なんだろうって 大人になっても心が受け入れるのは 時間がかかるんだ あなたもそうだったんだね
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春雷に怯える夜も カラクリを憂える昨日も 嘘つきを罵る川面を遠くから眺めては 幾つの真実を共有できるのかと 冷たく笑う 蕾ほころぶ朝も 理(ことわり)崩れる街の 幾許かは幸せを拡散できたろうにと 冷たく笑う 不安に慣れ過ぎ冷静さを纏うばかりの 日々に飽きたろうにと 冷たく笑う ランキング参加中詩
あなたの上をわたしの上を 誰かの上を その日は音もたてず通り過ぎる 誰かと祝っても 孤独を楽しんでも その日が音もたてず通り過ぎる 誰かが知っていれば あなたが忘れてしまっても わたしのままに 淡々と その日は音もたてず通り過ぎる いい日だ ろくでもないけれど 心底いい日なのだ
歯科治療を終えて、体重がちょっと増えた話をどこかで書いた。 噛み合わせがうまくいくので、口の中を噛むことが激減。それで、同じ時間で今までより多めに食べることができるようになったようだ。 それでいて、咀嚼もできているからだろう、お腹の不調に悩むことも減った。むしろ、珍しく食べ過ぎてしまう。もっとも、お通じの回数が増えるくらいで、どうということはない。 去年、減り過ぎたのがいい具合に戻ってきた。 おかげさまで、スマートウオッチに「薄い」と表示されることもなくなり、急激に増減もしなくなった。 自分の体にあらためて感謝する日々である。 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記
引き金になったのは あなたの声だった 引き金になったのは あなたの背中だった 引き金になったのは 雨粒を確かめた あなたの視線だった ランキング参加中詩
新ジャガの季節、菜の花も…と思うのだが、なぜか猫街近辺のスーパーで見かけるのは「はなっこりー」である。 ブロッコリーや菜の花もよいが、まるっと食べることのできるはなっこりーは、この季節に食卓にのぼりやすくなる。 袋の中でよくよく洗って、キッチンバサミで切ってレンチン。 じゃがいもを添えるだけでも、ご馳走だ。 冬の間、蓄えたあれこれを手放すのにもいい季節。 野菜がおいしい。 ランキング参加中雑記
冬物の引き出しをひっかき回し 慌ててセーターに着替える 季節が丁寧に丁寧に足踏みを繰り返すから 猫街も幾分白っぽい風が吹く それでも約束は約束だ 無理しなくてもいいんですよ、 あなたは私たちと違って 人みたいなものだから 珍しく電話をくれた猫そっくりの店主に 感謝を伝えつつも、やはり心が騒ぐのだ 花が咲くのとあたたかな飲み物がよく似合う marchéを目指す コーヒーと毛糸と花が並ぶのは 今日だけなんだから ランキング参加中詩
あぶくですら宿命だとするなら いっそ生まれる前の そのまたずっと前の はるか昨日へ 思いすら存在しなかったあの時にまで 息をつきたい だけどあたしの中の群衆が そうさせない 微笑みたい だけどあたしの中の群衆が そうさせない 許したい だけどお前なんぞ滅びえてしまえと あたしはあたしに突きつける 雫すら 宿命だとするなら いっそ生まれる前の そのまたずっと前の はるか昨日へ 思いすら存在しなかったあの時にまで
リフォームしてから、ガス火炊飯が難しくなった。システムキッチンに組み込まれている、働き者の安全装置のせいだ。 それでも、ココット・エブリィで揚げ物したり煮物をしたり。 ただ、最近は電気圧力鍋で(揚げ物こそしないが)事足りるようになったので、ココット・エブリィの出番はしばらくなかった。 猫街に、暴風警報が出た。 季節がまた少し足踏みしている。それで、ふとたっぷりのスープをこしらえたくなったのだ。 ミントグリーンの鍋に、野菜や芋たちをこれでもかと詰め込み、ハーブソルトをきつめにふった肉を少し。トマト缶が半分残っていたので、それも使う。 あとは適当に水を入れて、最初は中火。ぐつぐついう音が聞こえたら…
乾くか乾かないとか そんなことだけ心配している 風そよぐ朝 彼女はあたしを見向きもしない 降るか降らないか そんなことだけ心配している 暖かな空 彼はあたしを見向きもしない 何を口に入れたところで 腹痛のもとだから こっそり食べたふりをする あたしは彼らを見向きもしない ランキング参加中詩
またひとつ なくしものをした 今度ばかりは手痛かった ただひとつ 残っていたのを 使い果たしてすっかりひからびて またひとつもうひとつ などとふざけてる隙に うっかり落として粉々だ またひとつ なくしものをした 今度ばかりは手痛かった 誰かのおこぼれを頂戴するのは 性に合わない だったら種からまた 育てるしかないかねえ ランキング参加中詩
風景に会いたいから 旅するのではなく あなたに会いたいわけじゃなく ただ 風を抱きしめたくなる それだから詩人さんは 人生を旅するのです ランキング参加中詩
日曜が苦痛だった 今でこそ曜日を意識しても なんと言うこともないが ただただ苦痛だった テリトリーを侵食し続ける 愛という名の束縛と 大切だ、の一言で片付けられる 自我の否定 日曜はそんなものが 殊更に強くなる 苦痛だった 今でこそ曜日を意識しても なんと言うこともないが ただただ日曜が苦痛だった ランキング参加中詩
スポドリの代わりにすればいいさ ねじ巻きを忘れないように、との但し書きは 確かに欠かせないのだがね じゃあ エンプティになったなら その時はその時 眠って眠って眠り倒して また次の時に悩めばいい なんだってできるから きっと ランキング参加中詩
どんな命も否応なく 死出へ向かうのだから 急がない慌てない焦らない 怖がらない お誕生日おめでとう ランキング参加中詩
持ち歩き用の充電器が2〜3台ある。 そのうちの1台が、半分だけ壊れた。二口あるOUTの片方が反応しなくなったのだ。 半分使えるのだから、ちょっとぐらい😈 そんな悪魔めいた囁きは、脳内から追いやってしまおう。 すぐにはどうということもなかろうが、やはり過剰に負担がかかりそうだし、まさかの事態にならないとも限らぬ。 近所の電器店に駆け込むもよし、ネットショップでじっくり探すのもよし。 一方、捨てる時は回収ボックスへ…となるので(市区町村により異なるのでご確認を)、車のない我が家では、何かのついでに最寄りの市民センターに立ち寄ることにしている。 ただ、その「ついで」が案外ないものだから、まあそこは季…
子どもの頃、チーズケーキが苦手だった。 思春期の頃、アップルパイが苦手だった。 大人と呼ばれる間際、自分が苦手だった。 大人を通り過ぎた今、チーズケーキに目がない。 ランキング参加中詩
人生斜め読みぐらいが ちょうどいいのさ ランキング参加中詩
03月11日。 あの年は、金曜日だった。 立ち寄った店で賑やかなラジオ番組が流れていて、店主と明るめの会話を交わしたのを覚えている。 帰宅してラジオをつける。 少し遅い昼食。BGMは、先ほどの店で流れていた同じ番組だ。 午後3時近く、速報が入り緊迫した空気が漂う。 たまらない気持ちになった。 震えが止まらなくなった。 何かがそれで変わるわけじゃないと、百も千も承知で、それはじゅうぶんすぎるぐらいわかってるくせに、ポロポロと涙が止まらない。 03月11日。 あの年は、金曜日だった。 <詩人さんから> よろしければ、お試しください。 何から備えよう?という方にも、いろいろ備えている方にもおすすめ。…
星にも命にもやさしい 愛情にあふれ凜として 誰にでも好かれ 安全面も申し分なくて 口コミだって高評価 それでも 自分にとってもそうであるか 過剰になれば毒ではないのか そういった目は 必要なのだ きっと多分この先の終わりまで ランキング参加中詩
やぶれたオムライスに 出盛りの菜の花 へたくそ、と君が笑う だけど あったかいから美味しいよ いつもありがとね これよ、これ やさしいね だからいつまでも やぶれ上手なんだろうな よしっ、いただきます! ランキング参加中詩
まずは服を脱ぐ 上着も下着もすっかりと それからおもむろに背中に指をかけ あとはいつもと同じように 綺麗な感情と汚れた感情を 少しだけ残して あとは記憶の底に沈めた それから 自分も同じように湯船の底に沈んで ふわふわと眠る まずは服を脱ぐ 上着も下着もすっかりと それからおもむろに背中に指をかけ あとはいつもと同じように ランキング参加中詩
春は多分 去年よりずっと短くて あなたを見つけるのは至難の業だ 出会ったら最後 喜びに震えながら その黄色い体を引き裂くのだ そうして次の春までの間 あなたはわたしを構成するものになり わたしはまた渇望を繰り返す 待ち遠しい狂おしい あなたを引き裂きたい
できるだろう。 なんとかなるでしょ。 そうたかを括って模様替えが頓挫している。 実はベッド以外にもちょっとした家具を購入したのだが、我が家の取り付け場所が古すぎて対応していなかったのだ。 サイズだけではわからないこともある。梱包を解いてしまったので、返品もできない(高い買い物でなかったのが幸い)。 もちろん、小さな家具の組み立てや取り付けは、日曜大工の経験がそれほどなくてもなんとかなる場合も多いのだが、プロにお願いしたほうがよかった(涙)と後悔することもある。まさに今回は、それだった。 頓挫も悪くない。 休憩時間が訪れたのだ。またじっくり考えたり探したり、次につなげていけばいい。 春の待ち時間…
嫉妬するなら美しく 恋をするなら躊躇わず 傷つけるならあどけなく 傷つくなら後腐れなく ランキング参加中詩
好きなことにまで鈍化するようじゃ 面白くはないでしょう 生きているんだもの 星を踏み締めて ランキング参加中詩
筆者の住む街では、ゴミ収集の日が週に何度か巡ってくる。 可燃ごみ・不燃ごみ・生ごみ・資源ごみなどと、自治体により名前は違えど、指定の袋にいれ定められた曜日・時間に集積所まで運ぶという決まりごとになっている場合が多い。 夏場はおすすめできないが、その運ぶ袋を収集日の二日前に準備することにしている。 ねぼけまなこでも集積場に持って行けるよう、ゴミ袋の状態(?)にしておくのだ。 これをするようにしてから、ずいぶんと気持ちが楽になった。 収集日の前日や当日に少量のごみが出そうな時は、完全には閉じず臭いが漏れないようにして家の隅に置いておくこともある。 以前は、前日にゴミ袋を作っていたのだが、なんとなく…
息ができなくなったとき あなたの手を握っていたかった 喉が塞がったとき あなたの背中にしがみついていたかった 言葉を失ったとき あなたを抱きしめていたかった あなたを忘れかけた今 あなたの鼓動が蘇る ランキング参加中詩
慎み深く空を拾う 用心深く開く傘は 僕と外界を程よく隔ててくれた 思慮深く色を集める 辛抱強く重ねる言葉は 僕と心を程よく乖離させた 用心深く体を重ねる 嘘をつく理由なら 僕ときみが出会った言い訳ぐらいには できるだろう ランキング参加中詩
休みなんだって 何が 人生が でも続いてるよね でも続くんだよね 途切れたら 途切れ、たら… 後悔しないの 後悔しない 会えたから 会えたもの 生きて 生きたから ランキング参加中詩
立ち尽くすだけなら 埋もれてしまえばいい 恋が終わるぐらいなら 散ってしまえばいい 心殺すくらいなら 狂ったように歌えばいい あなたを許しながら ランキング参加中詩
小狡さと愛らしさは 紙一重なるかな 汚(けが)れと草臥(くたびれ)も また 意味も意地も同時進行できるくらいに 曖昧な顔を装い 嘘つきなのは救われたいからなどと もっともらしくつぶやいた 晴れた朝は雨の前ぶれ 雨の午後は恋の前ぶれ 恋は別れの前ぶれ 生は終着に依存する 小狡さと愛らしさは 紙一重なるかな 汚(けが)れと草臥(くたびれ)も また ランキング参加中詩
これみよがしにふりまくよりも 根深くじっとり憎むように 愛を届ける人になりたいのだ 奥底からとりだすのだから もうどちらでもない 区別もつかない 言葉ですらないものを 後生大事にしたところで 一生きみには届かないのだ ボルトを締め上げるような 伝え方しか知らない 自分を引き裂くような 伝え方を知らない これみよがしにふりまくよりも 根深くじっくり悼むように 愛を届ける人になりたいのだ ランキング参加中詩
哲学にはとらわれず ころべばまた立ち上がり 罵詈雑言には哀れみと俯瞰で 遠くに迷えば近くを踏み締め 思いが曇れば空を見上げる 寄る辺には偏らず つまずけば飛び越え 美辞麗句はその場限りの 遠くに憂えば近くに溶けて 今日が暮れれば空を見上げる 満ちては欠け 欠けては満ちて 明日もなお空を見上げる ランキング参加中詩
愛の一欠片もなかったと断言はしない 立場が逆転するのを恐れていたのだと 今になってようやく理解する 母の日も父の日も 「あれは百貨店の戦略でしかない」 と教えられ 学校で「お母さんお父さんにお手紙書きましょう」の宿題は 学期が終わってもなお終わらなかった もう少し愛の本当を知りたかったと 空だか地だかに向かって文句の一つでも言いたくなる もう少し愛が欲しかったと この命を呪う 愛の一欠片もなかったと断言はしない 立場が逆転するのを恐れていたのだと 今になってようやく理解する ランキング参加中詩
しまいこんだのはちょうど去年の今頃 わたしはまだ はじめましてを知らなかった とりだしたのはちょうど半年前のこと わたしはまだ その言葉を知らなかった かたづけようと決めたのはちょうど3日前のこと わたしはまだ その時間を抱きしめていたかった ランキング参加中詩
昨日の続き。 Twitterを眺めていて、「お仲間がそこかしこに😂」と勇気づけられた。 すなわち「ベッド組み立て中」「これから組み立てなければ」という呟きを多く見かけたからだ。 年度末から年度初め、人も街も活発に動いていく。新しい住所での寝具としてベッドを選んだ方もいらっしゃるだろう。 さて、少しずつ進めてきたベッドの組み立てが終わった。 寝室を決めてなかったわけではないが、こうしてベッドという形で定めてみるのは面白かった。捨てようと思って忘れていたものや、傷みが目立ってきたものを見つけたり。 カーテンをやめて、ロールスクリーンにしようか。 この台は手放してしまおうか。 中期計画の模様替えに思…
念願のベッドを購入した。 今までのような体の沈み込む(汗)ソファベッドではなく、正真正銘の組み立て式ベッドである。 格安で販売されており、サイズも丁度良い。 久しぶりのベッド。今の住まいに引っ越してきてからは、ソファベッド以外では初めての購入となる。 テーブルや本棚を組み立てたことは何度もあるが、ベッドを組み立てたことはない。 そこで、工程をひとつずつ重ねていこうと決めた。 1日目は、梱包を解くだけ。 2日目は、説明書を読むだけ。 3日前は、梱包されていた箱やビニールを処分するだけ。 その後数日はベッドのことを少し忘れて、他のことに時間を費やしていた。 先日より、組み立て開始。 ネジや部品をチ…
ランキング参加中詩
褒められることなく大人になった せめて笑っていようと決めて 隠れるように大人になった そのうち 人になりすますのも猫になりすますのも 詩人になりすますのも すっかり飽きた それでも死に物狂いで 幸せな人になりすます ランキング参加中詩
その春 桜のない土地にいて 桜を知らない人といた その春 桜は蕾のままだったらしいよと 桜のない土地の人から聞いた その春 桜は枯れたんだってと 桜を知らない人が嘆いた 桜のない土地で わたしは桜に焦がれる 桜を知らない人と手をつなぎ 美しいんだよ、と握り返した ランキング参加中詩