おわりに

2015年9月、妊娠14週で44歳の誕生日を迎えた。 ここ数年誕生日は、妊娠できないあせりを感じる日でしかなかった。今年は久しぶりにおだやかな気持ちで誕生日を迎えることができた。 約三年間続けた治療。最終的に両西中央病院でショート法による卵巣刺激による採卵、自然周

第1項 あらためて 治療のやめ時のこと

治療を始めた当初は「42歳の間は治療を続ける」と答えていた。 が、このときは43歳までには授かるだろうと思っており、本気で治療のやめ時を考えていなかった。 そして結局、43歳の誕生日を過ぎても治療を続けた。自分の体調、卵巣刺激、治療結果等に限界を感じるまで治療

第7項 夫婦二人で治療する意味

我が家の場合、不妊治療に関することは基本的に私が全部一人で考えて決めていた。夫に治療方針等を相談することはほとんどなかった。 もともと夫は「不妊治療をしてまで子供は作るもんじゃない」という考え方だし、そもそも治療開始を遅らせた原因は私にある。 だから、全

第6項 いちばんつらかったのは

三年二か月間の治療でいちばん泣いたのは、妊娠週数6週5日目で生理二日目くらいの出血をしたときだった。あのときは自分のお腹の中にいる存在が失われていくようで本当につらかった。 だけど三年二か月間でいちばんつらかったのかと言われると、そうではない。 出血したと

第5項 いちばん思い出すのは

肉体的につらかったこと、嫌だったことで思い出すことはいっぱいある。 採血するとき看護師さんに「注射しにくい静脈ですね、右腕の方が打ちやすそう」なんて言われていつも右腕にばかり打ってもらっているうちに、静脈のあたりがパンパンに腫れてしまったこととか。 数え