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andante*アンダンテ* http://andantetsukasa294.blog.fc2.com/

花より男子二次小説。大人になった司とつくしの物語。いくらかの涙と幸福を感じていただければ幸いです。

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2015/11/08

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  • Love Affair 25

    新作シューズの発表会は、会社が道明寺グループの企業になったことでメープルの部屋を貸切られて行われた。だから、つくしが走っているのは本来なら静かなホテルの館内。だが今は男と女の声がうるさいほど響いていた。「牧野!待て!」「嫌よ!待たない!」設備管理部の男性従業員は館内設備の点検のため廊下にいたが、突然後ろから聞こえて来た大きな声と足音に何事かと振り返った。するとそこには自分の方に向かって必死な表情で...

  • 金持ちの御曹司~骨まで愛して~<後編>

    司の眼下で動いているのは黒髪の小さな頭。それは、ひざまづいた女が自分の腰に顏を押し付けている姿。その黒髪に指を埋めて引き寄せたいと思いながら、そうすることを抑えているのは、「触らないで」と言われているから。司は恋人が突然部屋を訪ねて来たことを喜んだ。だが恋人は酔っていて、部屋に入ると暑いと言ってスーツの上を脱ぎ、スカートを床に落としブラウスも脱いだ。キャミソールを脱ぎ捨てブラのストラップを片方おろ...

  • 金持ちの御曹司~骨まで愛して~<前編>

    司の日曜の予定。それはほぼといっていいほど決まっていて恋人とのデート。そして夜はナニをする。そう決まってナニをする。ナニ以外考えられない。「ダメよ道明寺…..あっ、ダメだってば!」「ダメなもんか。お前、ココが一番感じるんだろ?」「あっ!あっ……ん….ダメ!」「牧野。お前の口は嘘つきだ。ダメだって言うが身体は正直だぜ?」司は恋人の反応を見ながら、もっと声が訊きたいと華奢な身体を掴む手に力を入れた。「どうだ...

  • Love Affair 24

    立ち上った男はマイクを手に会場の一番後ろにいるつくしに視線を向けた。そして暫く見つめた後、記者たちに視線を向けた。「わたくし事ですがお話したいことがあります。これは私の人生にかかわる話ですがご興味のある方はどうぞそのままお座り下さい」その言葉に会場はざわついた。道明寺司が自らの人生にかかわる話をマスコミの前で語る。ビジネスに関してのインタビューは受けたことがあっても、自らについて語ることのなかった...

  • Love Affair 23

    「それでは皆様。この度当社のイメージキャラクターに就任されたジョナサン・テイラー氏をお招きしたいと思います。どうぞ拍手をもってお迎え下さい!」進行役を務める広報課長の言葉と共に新作シューズの発表会に現れたジョナサン・テイラーは、にこやかな笑顔で手を振りながら拍手に応えた。そして用意されていた席に着くと隣に座った通訳から何かを囁かれ了解した様子で頷いた。「そして本日は我社の親会社である道明寺ホールデ...

  • Love Affair 22

    「牧野さん。ジョナサン・テイラーがうちの招きで来日するって本当ですか?それにうちの会社を訪問するって本当ですか?」社員食堂でつくしに話しかけて来たのは、かつてつくしが働いていた営業課の後輩社員だ。そしてジョナサン・テイラーは前回のオリンピック陸上100メートルで金メダルを取ったアメリカ人。家族の病気を理由に引退をしたが、次のオリンピックに出ることを目標に現役復帰した。そんなジョナサンは会社が契約し...

  • Love Affair 21

    「そうか。お前。えのきとアスパラを間違えたのか!それにしても牧野が海って女の名前まで出したってことは、あいつあの時のこと今でも相当根に持ってるってことだな」あきらは訪ねてきた男の話を訊いて大笑いした。そんなあきらの前にいる男は、片肘をついた姿勢でソファに腰掛けムッとした表情を浮かべていた。「それにしても、どんな女も欲しいと言えばすぐに手に入れることが出来る男も牧野つくしには弱いのは昔と変わってねえ...

  • Love Affair 20

    「牧野。朝飯を一緒に食おう」土曜日の朝早くから部屋のチャイムが鳴った。インターフォンの画面に映し出されたのは上のフロアの住人。かつて朝が苦手だった男だが今は違うようだ。無視しようと思ったが、出なければいつまでもチャイムが鳴らされることは既に経験済みだ。それにこの部屋を用意したのはこの男で恐らくだが合鍵を持っていることは間違いない。つまり出なければ踏み込まれる可能性がある。だからそうなる前に扉を開け...

  • Love Affair 19

    「ここがお前の部屋だ。どうだ?気に入ったか?」と訊かれたが、つくしは口を開くこともなければ眉ひとつ動かすことなく案内された部屋を見ていた。そこは男が暮らすペントハウスのひとつ下のフロアにある部屋。本来ならこのフロアには他にも部屋があるはずだが、男が全ての部屋を買い取りつくし専用のフロアに変えた。部屋の中は豪華ではなくシンプルで上品な家具が配置されているが、このマンションも家具も飾られている調度品も...

  • Love Affair 18

    つくしは唖然として男を見ていた。男はつくしに対して責任があると言ったが、それは彼女の身体に対しての責任。その身体は自分以外の男に抱かれることを望まないはずだと言い切った。それにしてもこの男は昔から自信過剰な人間だったが、自分が抱いていた女が12年も忘れていた女だったと思い出した途端のその言い方は昔と同じ横柄で変わっていない。そして、つくしが他の男に抱かれることを望まないと言い切ったが、その自信はど...

  • Love Affair 17

    「どうした?何か言えよ。罵ってもいい。怒ってもいい。俺に言いたいことがあるはずだ。長い間お前を忘れていた男を許せないはずだ。だから殴りたければ殴ればいいし蹴りたければ蹴ればいい。だが俺は今でもお前のことが好きだ」と、言われたが、つくしは口をつぐんで何も言わなかった。それは単に突然目の前に現れた男が自分のことを思い出したと言ったことに驚いて言葉が出なかったに過ぎない。だが、その驚きが過ぎると、それと...

  • Love Affair 16

    つくしは一目でイタリア製と知れる上等なスーツに身を包んだ男の姿に、ゆっくりと息を吐いた。そうしたのは肺から空気が漏れて、肺が小さくなったような気がしたからだ。だが何故そんな気がしたのか。それはここにいるはずのない男がいることに驚いたからだ。いや…..この男は世界でビジネスを展開する道明寺ホールディングスの副社長だ。だからベトナムにいたとしてもおかしくはない。だがホーチミンの街角に、それも自分の前に現...

  • Love Affair 15

    「マキノさん!こっちです。こっち!ホーチミンで一番美味しいフォーを食べさせてくれる店は早く行かないと座れません。それにあの店は麺が無くなり次第閉店です。だから急いで下さい!」「トランさん、ちょっと待って!もう少しゆっくり走ってくれない?」「マキノさん。あなたシューズを作っている会社で働いているのに足が遅いのは問題です。日本人は自分の足を使わず車ばかり乗るから足が退化しているんですね?でも安心して下...

  • Love Affair 14

    つくしの部屋を訪ねてきた桜子は出された紅茶を飲むと口を開いた。「先輩。道明寺さんとのこと。本当にいいんですか?」「いいわよ。12年間の片想いは終了。だからベトナムへの転勤を受けることにしたわ」つくしはスポーツ用品会社のフットウエア事業部で営業をしているが、そんな彼女にベトナムにあるシューズ生産工場で管理の仕事をしてみないかと打診があったのが3ヶ月前。個人的な事情もあるとは思うが考えて欲しい。引き受...

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