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  • 分かりやすい悪を叩く

    ツイッターをやっていると時たま思うことですが、分かりやすい悪者を叩くのが好きな人がちょっと多すぎる印象があります。 誰の目にも悪いと分かる悪者を仕立て上げてタコ殴りにして、気が済んだら放ったらかしという態度はどこででも見受けられるので、ツイッターに限った話ではないのですが、やや食傷気味です。 直近で言えば、「スーパーのお惣菜コーナーで主婦に向かってポテトサラダくらい自分で作れよと老人が言っていた」といった旨のツイートが拡散されていました。なるほど老人の言っていることは徹頭徹尾、間違いです。ポテトサラダはそんなに簡単に作れるものでもない。それを知らないからそんなことが言える。手間を省くことへの個…

  • 『豊かさのなかの自殺』ボードロ,エスタブレ

    『豊かさのなかの自殺』という本をとりあげたい。 実のところ、まだ読み途中なのだが、興味はあるのに読み進まなくなってしまい、一度考えを整理して明らかにしておく必要を感じた。さしあたりは現場までの要約をしておく。 // タイトルにある通り、本書は豊かな国において自殺率が高いという社会現象に光をあて、分析した研究成果である。豊かさと自殺率のつながりについては社会学の祖デュルケームが著書『自殺論』で明らかにしたもので、一般に社会が経済的に豊かになると自殺率が上昇するという傾向性が見出された。そこからデュルケームは「貧困は自殺を妨げる」という結論を導き出した。 本書ではその結論に否を突きつける。デュルケ…

  • 『真実の終わり』ミチコ・カクタニ

    昨今のコロナウイルス騒ぎの混乱は世界規模に拡大している。 日経平均やダウ平均は急降下し、ニューヨーク株式市場は石油危機以来初となる取引の一時中止措置をとった。各種イベントに対して自粛要請が出され、多くのイベント関係者に大損を抱えさせている。学校の臨時休校や仕事のテレワーク化などが重なり日常生活にも余波が広がっている。以上のことは今更、確認するまでもないかもしれない。店頭からマスクやトイレットペーパーが消えるなど、日々の生活の中で何かしらの異常を実感していることと思う。 // しかし、一体、何がここまでの混乱を引き起こしているのだろうか。たしかに、一つの病気が短時間で世界的に広がっている様は目を…

  • もしもし(ニコルソン・ベイカー)

    ハルキストに朗報だ。 村上春樹っぽい雰囲気の村上春樹のではない小説を発掘した。 それが、これ。ニコルソン・ベイカーの『もしもし』 村上春樹と言えば特有の文体で、不思議にも極端に評価が分かれる。 最近は「〜〜かもしれないし、そうじゃないかもしれない」のような末尾だけを転用して村上春樹っぽい文体でウケを狙っているものがあって、個人的には全然おもしろくないのだが、その末尾に村上春樹っぽさを感じないからというのが理由の一つだと思う。 個人的には火事を見ながらキスをするみたいなシチュエーションや、そこに相まった文体が醸し出す雰囲気が好きなのだけど、あらゆる文脈をそぎ落として部分のみを摘出した文体を村上春…

  • 「してあげる」ベースから「させていただく」ベースの関係へ

    長文なのであらかじめ話の内容をざっくり述べておく。 友人や恋人などとの仲がこじれることはままあることだが、ある種の問題については「〜してあげたのに」と無意識に見返りを求める態度が不仲の原因である。 代わりに「〜させていただく」という態度を取ることによって、「〜してあげる」という態度に起因していた問題はいくらか解消できるだろう。 とはいえ「〜させていただく」関係でも改善の余地は残っている。尊敬によってつながることになるのだが、尊敬自体、難しい概念だからだ。 「〜させていただく」以外の関係も見いだせるのではないかと期待している。尊敬の代わりに尊重と愛でつながる関係はできないだろうかと模索しており、…

  • 『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

    映画『フロリダ・プロジェクト』 の感想 途中からネタバレ 冒頭までのあらすじ フロリダの某所でムーニーは同じ年頃(小学校の低学年くらいと予想される)の子供たちとやんちゃばかりしている。髪を染めた若い母は無職で、母娘二人暮らし。同じモーテルの友人の仕事中に子供を預かっているが放任主義で、子供たちに好き放題させている。と言っても愛情に欠けているのではなく、むしろとても可愛がっていて一緒になって遊んでたりして、友達みたいな距離感の良き母親。ムーニーとその仲間たちは街中をたくましく遊び場に変えて何もかも楽しんでのけるが、ある事件をきっかけにムーニーの周りは少しずつ変わっていく。 感動する系統というより…

  • 『夢を与える』 綿矢りさ

    久々にネタバレをしながら本を紹介する。 ネタバレをするのは、この本が予想外なオチを期待して読む本ではないと判断したからだが、あくまでも個人的な判断である。 それから、このブログで本を紹介するときは「読んだはいいがこの本の何がそんなに良いのかわからない」に自分の解釈でもって応じる方針でいこうと考えているからというのも一つある。 なので、初見を楽しみたい人はこの先を読まないでほしい。 // 広告 ストーリーを追っていく前にざっくりとこの本の一番凄いところを伝えておきたい。 端的に言うとタイトルだ。 『夢を与える』というタイトルが凄まじい。 何を言ってるのかと思われるかもしれないが、通して読んでみる…

  • 嫌いな人に第一子が誕生した

    単なる愚痴になるかもしれない。 表題の通りだ。 嫌いな人とは大学の研究室の指導教官で、もう数ヶ月前になるが第一子が誕生した。 子供が生まれますと聞いて、まず思った正直な感想は「うわぁ」だった。 もちろん声には出していない。わりと非人道的というか社会に馴染まないリアクションである自覚はあるのだが、感じてしまったものは仕方ない。 言い間違いを心理学で扱う時と同様に、とっさの反応はその時点での自分の考えや趣向が重なりあっての結果だろうと考えられ、この「うわぁ」には様々な含蓄がありそうな予感があった。そして、考えを巡らせるうちに自分の人生観みたいなものに通じるようだぞと判明し、せっかくならば一つ整理を…

  • 一般の方という不快な言い回し

    「一般の方」という言い回しに引っかかりを覚えることが多い。 最初にそう思ったのは村上春樹がオウム真理教の元教団員たちにインタビューをしてまとめた『約束された場所で(underground2)』にあとがきで述べていたことだ。このブログのかなり初期にも紹介したのだが、教団側にいた人たちの印象として「一般の方」という言い回しをよく使うと村上春樹が振り返っていた。 これを最初に読んだときは衝撃を受け、今でも「一般の方」と聞くと強烈な違和感を感じている。「普通の人はさぁ〜」などと言ったりするのも同じ違和感を感じるし、学生の「うちらのグループまじで変なやつしかいない。やばすぎ」みたいなノリにも同じ感慨を抱…

  • 思惟漏刻 [モテるとはどういうことなのか考えていた]

    友人と久々に会った。久々にと言っても他の人も交えた集まりで二週間くらい前にも会ったのだが、以前は毎日のように会っていた間柄であるし、大勢の中に紛れているのと特に気心の知れた数名の中の二人とでは雰囲気も異なるものだ。 近況報告というほどでもないが、その友人が大学の授業で面白いものがあったと教えてくれた。 ディスカッション形式の授業で、前回は「好きとは何か」がテーマだったと言う。毎回、恋愛周りの言葉を議論しているようで、次回は「モテる」がテーマらしい。 思考に瞬発力がないのが僕の弱点で、ゆっくり考えてたまに文字に落とし込んで、何度も書き直してようやく人に伝えられるレベルに整理がつくのだ。だから、そ…

  • 母の日ということで

    母の日にかこつけて文章でも書こうかと久々にブログを開いたら、今週のお題「おかあさん」とあった。 やはり身近な人に思いの丈をぶつけるのは何かきっかけが必要なんだなぁと改めて思う。 不特定多数に発信するメディアで一人に向けてメッセージを送るのが不適当なのは分かっているけれども、まぁ、個人的にはブログを言い訳にできて都合がいいので。 おかあへ 24年生きてきて手紙を書いたのは簡易なものを含めてほんの数回です。 日頃から感謝の意を示すでもなく、なんならどう感謝すればいいのかもはっきりと分かってない有様で、出来がいいんだか悪いんだか分からない息子に育ちました。素直にありがとうと言いもしないのだから育てた…

  • 私の恋人(上田岳弘)

    習慣的に本を読まない人から見ると、読書が好きと言う人は知的なイメージになるような気がする。 僕が人よりだいぶたくさん本を読んでいる自覚はあっても読書家ですと名乗りたくないのもその辺の消息のためだと思う。 ただ、趣味は読書ですと言うことも実は憚られるのだが、こちらは事情が異なるようだ。他に当たり障りのない自己紹介ができない場面では言ったりもするが、そういうときは趣味と言えるほどのものではないんだけど一番時間を費やしていることだし云々とひそかに言い訳しながら外目にはもじもじしてしまう。 まことに独りよがりなのだが、趣味と言うには読書をすることで快感を得られなくてはいけないという線引きをしている。大…

  • ずっとお城で暮らしてる (シャーリィ・ジャクスン)

    読む本を選ぶときの基準はなんだろうと振り返ってみると、僕の場合、どうもマイナーながら味わい深い文学を発掘したいという気持ちが根底にあるようだ。 例えば、大通りから少し外れた路地にある隠れた老舗であったり、客が少なく心ゆくまで羽を伸ばせる静かな喫茶店、あるいは、全国にはほとんど出回らない限定生産の日本酒であったり。 そうした自分だけの隠れたお気に入りを持つという「大人の趣味」的雰囲気に憧れているような気がする。 いろんなことに手を出していても、自分が多趣味と思えないのはそういう段階にはなかなか至らないからなのかもしれない。深めもしないまま、あちこちに手を出すのは節操がないと評価するのは少し厳しす…

  • 思惟漏刻 [破滅的不眠症]

    眠るのが苦手だ。 眠るのが、というよりは睡眠にまつわる全般が苦手だ。眠ること自体は好きなのだが、苦手なのだ。特に。その周囲の諸々が。 夜は寝付けず朝は起きれない。シエスタなど器用な真似はできない。休日は当然のように昼まで寝る。一時期は毎夜、悪夢にうなされた。 同じ境遇の人はゴマンといると思う。 世に快眠グッズだとかよく眠る方法論だとかが溢れているのは言うまでもない。睡眠に悩まされる多くの人がそうであるように、僕も早起きを試みたことがある。 結果は惨敗だった。 アラームが聞こえない。聞こえてもすぐに二度寝して、いつも通りの時間に起きる。起床が遅いから夜寝付けない。 この繰り返し。たまたま起きれた…

  • 悪用厳禁!! 洗脳詳述レポート

    「洗脳」とはどこか背徳的な魅力がある。人を操り従順にさせることまではしなくとも、なにが起きているのかに興味があっても普通だろう。 だが、実際に調べてみると、分かるようで分からない歯痒さが面白くないも事実。ネットで調べても浅い理解しかえられないことは多いからだが、調べ尽くせば多角的な理解へと昇華する。 この記事では、個人的な趣味の結実として洗脳に対する理解をまとめた。独自の理解を踏まえつつ、他とは一線を画したレポートにできたと思う。 自身に潜む悪魔がささやくままに読んでいただきたい。 0.悪用厳禁の嘘 この手の記事には、お決まりのように「悪用厳禁」の四文字が書いてある。 こんなものは消費者金融の…

  • あなたの人生の物語 (テッド・チャン)

    言霊というのがある。 祝詞のような霊力の宿った言葉が言霊と言われ、それを唱えることで人智を越えた力が生じる。僕はそんな理解をしている。 けれど、ネットで調べると、単純に言葉が人間に影響することくらいの意味合いで使われている様子だ。「死ね」と言ったら言われた方は不快に思うというような日常レベルの例を引き合いに出して、裏を返せば「幸せ」とか「ありがとう」のような前向きな言葉を使うと良いという結論に至る。 結果的に前向きな言葉を使うようになる分には賛成だが、これは言霊というよりも自分への暗示と言った方が適切だ。人間の脳は案外出来が悪いため繰り返される言葉やイメージに簡単に影響される。 前向きな言葉を…

  • 青少年のための自殺学入門 (寺山修司)

    ハイデガーは人間を「死への存在」と呼んだ。 大雑把に、死を意識することでより人間らしく生きることができるというような意味で、大雑把な理解なりに「そんなもんか」と思っていた。 ハイデガーの文章は読んだことがないが、クセのある文章が彼のカリスマ性を高めていたとは聞いたことがある。哲学者としてもよく聞く名前であるし、それなりに深い考えがあるのだろうとは思うが、ざっくりとしか知らないためにその偉大さがあまり分からない。 まさか「明日死ぬと思って生きろ」なんていう訓示を垂れるおっさんではあるまいが、死を意識することでどれほど人は変われるのだろうとも思っていた。 しかし、思い返せば世の中には喪失の物語は無…

  • 思惟漏刻 [走る社会性動物]

    考えたことを書く。言うなればエッセイのようなものをしてみようと思う。 以前から、自分でノートに書き散らかしてはいたのだが、放ったらかしになっていた。それもそのはず。汚い字にまとまりのない文章だから読み返す気にならない。他人に見せることを意識した文章なら幾分マシになるだろうという期待を込めてここに載せることとした。 内省のような文章になりそうだから、読んで面白いと思わせることを目しておらず、一対多のコミュニケーションらしからぬところもあると思う。しかし、同じ人間であるから共感するところがあるだろうという見通しのもと、そして熟考はより深い共感をもたらすだろうとの信念で面白い文章を目指すつもりでいる…

  • 共喰い (田中慎弥)

    自分にぴったりなものがちょうどいいタイミングで自分のもとにやってくる、なんてことがたまにある。 些細な例で言えば甘いものが食べたいなと思いながらも自制心を働かせて買い食いは我慢して帰ってみると、母親が知り合いからクッキーをもらったのを分けてくれた、みたいなことだ。 天のお導きと言うには小規模であるし、記憶が都合のよく改ざんされただけなのではとの推測の方がもっともらしい。 甘い誘惑(甘いものだけに)を断ち切った見返りに神様がご褒美をくれたのね、というようなストーリーを勝手に作り上げて、実際はコンビニをただチラ見しただけの記憶が素晴らしい自制心の発揮として書き換えられていたのだ、と言うようなことは…

  • アイマスPの違和感

    突然ですが、僕はデレステのPです。 デレステとはアイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージのことで、Pとはプロデューサーで平たく言えばプレイヤーです。 要するにスマホのアイドル育成ゲームをやっておりますということです。 (ちなみに、担当は北条加蓮です) アイドルマスターシリーズの裾野は広大でデレステの他にもアイマス・アニマス・ミリシタなどなど、それぞれに特有の略称をつけられた作品が多く展開されているのですが、にわかものたる自分は寡聞にして全貌を把握するに至っていません。 そんなにわかものにアイマスを語られてはたまらんと怒り心頭の古参プロデューサーはまずは落ち着いて振り上げた拳を…

  • ジャッカルの日(フレデリック・フォーサイス)

    暗殺者というのは言い知れぬ魅力がある。 殺しは往々にして悪いことであると分かっていても、キャラクターとして映画や小説に登場するとわくわくする気持ちがどうにも出てしまうのだ。 『LEON』は最高だった。幼き日のナタリー・ポートマンの迫真の演技とジャン・レノのアクションとが相まって完璧な映画だった。 しかし、暗殺者というのは現実世界ではあまりお見かけしない。暗殺された有名人として記憶にあるのは、せいぜいケネディ大統領とかレーガン大統領とかジョンレノンとかキング牧師とかガンディーとか。いや、結構いるな。 そういえば、レーガン大統領とジョンレノンの犯人は逮捕された時、ともにサリンジャーの『ライ麦畑でつ…

  • いまさら2017年を振り返りまして(映画おすすめ5選)

    あけましておめでとうございます と、言うには少し遅過ぎるのは先刻承知のうえでございます。 今回の年末年始は、寝正月を先制スタートを決めるべく、年越し前からぐだぐだしており正月もテレビを見ることすらなく初詣に行くでもなくしていたことと言えば引き続きぐだぐだするばかり。 ようやく重い腰をあげて、よし一年を振り返るぞ! と思ったときには年明けから一週間を過ぎ、もうすぐ二週間が経とうとしている有様。 いやはや、まったくもって自堕落な生活をしております。 古くから一年の計は元旦にありと言われているようですが、僕の今年は既に詰みましたね。あと350日以上残ってるのに、どうせぇっちゅうんでしょうね。 まぁ、…

  • 全滅脳フューチャー

    アニメオタクは底辺。 そんな時代はもう終わりつつある。『電車男』に端を発したオタクの逆転劇は様々に世に出てきている。 『桐島、部活やめるってよ』なども中心的人物であった桐島が居なくなり、スクールカースト最上位層があたふたする一方で、クラスの地味な映画オタクがかえって生き生きとしている姿が描かれた。 今や、オタク=ダメ人間の式を感じているのは時代遅れだ。オタクでありながら、ホストの経験もある海猫沢めろんはその意味で時代の最先端にいるだろう。 『全滅脳フューチャー』は彼の経験を踏まえて綴った自伝的小説だ。 とはいえ、本文の印象はオタクに基礎を置いておりホスト的な視点はあまり無かったように思う。事前…

  • スタッキング可能 松田青子

    女性らしい感覚というのがある。 女性として生きるには、男性的にはわざわざ言ってもらわないと分からないような理不尽さを感じていることがある。らしい。 会社でお茶汲みばかりさせられて面白くない、くらい分かりやすければ「うんうん。つらいね。頑張ってるね」って思ってあげられる。 でも、小さいポーチでおしゃれにきめたいけど化粧品とかも持ってなきゃいけないからサブバックを持ち歩かないといけない。これじゃあどっちがサブか分かんないよっ!なんて発想には至らず、「なんで女子ってポーチパンパンにしたがるのかわからん」で止まってしまう。 ましてや、フィギュアスケート選手がハンドバックを握りしめながら得点発表を待つの…

  • へヴン

    いじめはよくない そりゃそうだろう。だが「いじめはよくない」の一文に何の意味があるだろうか? この一文でいじめっ子が己の悪事を自覚して、反省し昨日の敵と仲直り、なんてことはあり得ない。 第一、いじめてる側も自分のしてることがいじめだと気づいているし、それぞれの思惑でいじめてるのだ。 かく言う自分も中一の頃、いじめる側にいたことがあり恥ずかしい限りなのだが(その後しっかり怒られた)当時としてはいじめられる側に原因があり、自分達は各々がそいつと一対一で喧嘩していると思っていた。 今でもいじめられる側にも原因がある場合が多いと思っているが、突っ込んだ話は置いておくとして、だから「スカッとするからいじ…

  • 働く男

    星野源さんの一冊。 自分がほぼテレビを見ない生活をしているからか逃げ恥で有名になる前は、なんか歌手とかもしてる人としか知りませんでした。 本を書いているも知ってはいましたし、評判が良いのも聞いてましたが、歌手に俳優に執筆業とは節操が無いなと思ってました。正直なところ。 ところがどっこい、こんなエネルギュッシュな人があるかいなって。 自分の『好き』を思いきり堪能して追求してたらこんな自分になっちゃった。てへ(笑) みたいな人だったんですね。星野源さん。 だから映画紹介もめちゃくちゃ面白そうに書くし、面白そうに書かれたもんだから見たくなるし、「楽しい」がすごい伝わってくるんですね。 ひたすら自分の…

  • たつき監督降板騒動を受けて

    事態は収束しつつあるようですが、けものフレンズの立役者たるたつき監督の降板騒動を受けてカドカワに対する態度を表明させていただきます。 そもそも、けものフレンズは吉崎観音さんのキャラデザインを原型にヤオヨロズ所属のたつき監督を主導として製作されたアニメーションで絶大な人気を誇りました。放送終了後もコラボ作品が数多く展開され、2期の放送も決まっています。 個人的にはカドカワがたつき監督を悪者にして自信のメンツを保とうとする工作と見てます。 ことの真偽を確かめるよりも、いかに行動するかが本文の主旨ではありますが、まず、今、自分が知る限りにおいての現状をまとめたいと思います。 今回の騒動は以下のたつき…

  • 隷属なき道

    普段は小説ばかり書評していますが、良いものは小説であれこういう学術書であれ紹介していきますね。 本書のタイトルは省略なしだと『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』と、言いたいことを全部詰め込んだようなタイトルですね(笑) 実際、内容は一つのテーマに絞られているわけでもありません。筆者はベーシックインカムを推奨している第一人者のような立ち位置らしいのですが、そう主張する上で必要な周辺状況への考察が優れていて、その結果本書のような様々なテーマが書かれることとなったようです。 さて、そのテーマですが大きく分けて以下のようになっています。 ユートピア ベーシックインカム …

  • 愛のむきだし

    今回は映画 園子温監督の『愛のむきだし』 世間的には満島ひかりを大抜擢したのが評判らしく、個人的には監督がとても尖ってて面白いのでずっと気にはなっていたのですがなかなか観れませんでした。 と、言いますのもこの映画全部で4時間くらいあるんですね。 それと、以前観た園子温監督の『冷たい熱帯魚』がすごく見応えあって、裏を返せば30分観るのも息絶え絶えになるので覚悟が必要だったんですよね。 それがようやく覚悟が決まって観たわけですが、さすがでした。 以下、ネタバレしていきます。 長いので全体的なあらすじは省略して簡単に説明しつつ、心に響いたところをいくつか紹介していきます。 懺悔 神父の息子ユウが主人…

  • 2016年読んだ中で最強の激ヤバ本

    あけましておめでとうございます。 最近は読書ブログだと言うのにめっきり本の感想を更新しておりませんでした。ふがいないです。 ですが、読むのはちゃんと読んできたわけで去年は漫画を抜いて124冊と、まぁ自分的には読んだ方だと思っております。そして、本日は去年1年間で読んだ中から最もヤバい本を紹介してやろうという魂胆です。 というか、本当は年末にたまたまヤバい本に出会ってしまって紹介が遅れただけなのですが、とにかく!これはヤバい!ボキャ貧でごめん。だけどヤバい! その本とは ババンッ 夢枕獏の『上弦の月を喰べる獅子』 です! 大学生は大衆小説読んでる場合じゃない! 坊さんは座禅くんでる場合じゃない!…

  • 冷たい熱帯魚 園子温

    今回は映画です。 まず、見てない人へ ネタバレします。楽しみにしたいならこの先は読まないでください。 それから、とってもグロくてエロっちいです。普通に臓器が出てきたり血がブッシャーってなるシーンとか女の人の裸(モザイク無し)とか出てきます。それが嫌ならやめておいた方がいいかと思います。 さて、本編です。 あらすじ 熱帯魚店の店主、社本はある日娘が万引きしたとスーパーからの呼び出しを受けます。その場を取り納めてくれた村田は近所の巨大熱帯魚店の店主でした。社本は村田の言うままに身を任せているうちに娘を村田の店で働かせることになりますが、社本は村田の犯罪の片棒を担がされてしまいます。村田は自分に不都…

  • ペスト(カミュ)

    カミュのペストです。 異邦人で有名ですね。見た目の薄さから気楽に手を出してよく分からないまま終わると有名な異邦人ではなく、今回はペスト。 ペストとは致死率・感染力ともに重篤な被害をもたらす感染症で、作中ではペストが蔓延した街の人々の様子を手記の形をとって記述されています。 人間が窮地に陥った時、どのように振るまうのかが精緻な文章で書かれていて見事です。 信じがたい事態をすぐには受け止めず、事が手遅れになってから現実を受け止めない人々。 なにも変わらないのが分かっているのにできる役所の行列。 次第に厳かさが失われていく葬儀。 この世の終わりを示唆し始める宗教の教祖。 倦怠感に飲み込まれていく人々…

  • ご無沙汰です

    だいぶ久しぶりの更新になってしまいました。 どうせまた消えると思いますが、気負わず気が向いたら更新する感じにしていきたいと思います。 今回は適当に所信表明だけにしておきます。 今まで、本を読んで感想を書くというだけでしたが、自分が一貫性のない性格なので適当に思うところを書いていこうかと思っています。 まぁ、続かないので。地味に広告出してますが、アフィリエイトで稼ぐ気無くしましたし。 他人が読めるタイプの自分の思考のメモ帳として使うつもりです。 はい。今日の分おしまい。

  • 俺俺(星野智幸)

    久々にこんなに面白い本を手にしました。 突飛な設定で先へ先へとページを繰る手が止まらないのみならず、「自分とはなにか」「分かり合うとは何か」について新しい視点を投げかけてきます。俺ってなんだっけ?みたいになってきます。この小説はクッソ面白いのに一筋縄ではいかないところがたまんないです。 主人公がオレオレ詐欺を出来心でやってしまったら、3日後になって突然なりすました人間に成り代わっていた! そんなことから始まる話です。自分と同じ人間のような俺が現れ始め、俺ではない俺が次第にその数が増えていきます。俺は俺であるが故に完璧に分かり合え、幸せ極まりない俺たちとなる、はずだったのですが... 自分と話す…

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