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ノリの悪い日記 http://port-k.com

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

以下のキーワードで検索すると、このブログの記事が上位に出てくるようです。「ドロレス・デル・リオ」「突貫勘太」「猿飛勘太」「画角にまつわる話」「周セン」「わかりやすい話」「新橋喜代三」「ニューヨーク23番通りで何が起こったか」「ドリーの冒険」「ヘレン・モーガン」等。なお、「わかりやすい話」は、「わかりにくさ」を「わかりやすさ」によって顕揚しようとする馬鹿げた記事です。

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2015/10/24

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  • 若菜集

    古本を見ていたら『若菜集』の復刻版があったので買って何ということなしに眺めていた。下の詩『春の歌』なんか「冰」は「氷」で今はあまり使わない漢字だなあ。しかし、「冰」は「氷」の正字だと辞書にある。現在は名詞は「氷」で、動詞は「凍る」を使うので、単純に「氷」に直して表記してよいかどうか疑問である。尚、一箇所誤植があって「冰」が「永」になっていた。 春の歌 春はきぬ 春はきぬ初音やさしきうぐひすよ こぞに別離(わかれ)を吿げよかし 谷間に殘る白雪よ 葬りかくせ去歲(こぞ)の雪 春はきぬ 春はきぬさみしくさむくことばなく まづしくくらくひかりなく みにくゝおもくちからなく かなしき冬よ行きねかし春はき…

  • 五重塔 (2)

    前の記事、「一葉の墓」で示した泉鏡花の『貧民倶楽部』にも増して、『五重塔』のこの部分では「写実」を遥かに超えて、文そのものが巨大な台風のように荒れ狂っている。文が嵐を写しとるのではなく、表現自体を暴風雨へと生成変化させること。明治のこの時期の文学が面白い点は、「近代」も「文学」も自明視された固定概念でないところにある。 其三十二 長夜の夢を覺まされて江戶四里四方の老若男女、惡風來りと驚き騷ぎ、雨戶の橫柄子(ざる)緊乎(しつか)と插せ、辛張棒を强く張れと家々ごとに狼狽(うろた)ゆるを、可愍(あはれ)とも見ぬ飛天夜叉王、怒號の聲音たけ〴〵しく、汝等人を憚るな、汝等人間に憚られよ、人間は我等を輕んじ…

  • 風流佛

    露伴の『風流佛』を読んだ。仏師である珠運の話だから、漢字の音読みは呉音が基本となるが、なかなか直ぐに出てこない。下に挙げたところでは「聖書の中へ山水天狗樂書したる兒童が日曜の朝字消護謨に氣をあせる如く」なんて、どうしたらこんな比喩が出てくるんだろう。写真は近くでとった石楠花。シャクナゲは呉音読みの「シヤクナンゲ」から転じた慣用読みだそうである。第九 如是(によぜ)果(くわ) 上 既に佛體を作りて未得安心勇猛精進潔齋怠らず、南無歸命(きみやう)頂禮(ちやうらい)と眞心を凝らし肝膽(かんたん)を碎きて三拜一鑿(さく)九拜一刀、刻み出せし木像あり難や三十二相圓滿の當體(たうたい)卽佛、御利益疑なしと…

  • 二人比丘尼色懺悔

    明治二十二年四月に発表された尾崎紅葉の『二人比丘尼色懺悔』を読んだ。明治二十三年一月発表の『緣外緣』(對髑髏) がどのくらい影響を受けているか確認するためである。 冒頭の一部だけ載せておく。『二人比丘尼色懺悔』は 2019 年に岩波文庫が復刊してくれていて普通に読める。『二人比丘尼色懺悔』の冒頭にある文章は三十六種の花々を描いた俳画とそれに添えられた俳文からなる森川許六——芭蕉の弟子の一人である——の『百花譜』からのものである。ここで引用されている罌粟についての文章からもわかるように、花を女性に喩えていて、罌粟坊主についての描写が洒脱で面白い。發端 奇遇の卷罌粟(けし)は眉目 (みめ)容(かた…

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