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2015/10/10

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  • 禅的、ZEN的

    禅的、ZEN的

  • 居場所

    居場所

  • 世界の共有

    世界の共有

  • 第1回 気まずい連中

    高橋洋介はガラステーブルの上にお土産を並べた。 お菓子やらアクセサリーやら、さほど悪いものでもないはずだった。でも、義父母は触れもしなかった。義妹や義弟はいちおう手にしたものの、表情が硬かった。こいつは気まずい。しばらく五人で黙りこくっていたんだけど、やがて義妹の奈美恵が口を開いた。 「あのさ、宝石とか貴金属とかなかったの?」 「ネックレスを買ってきたじゃないか」 奈美恵はケルト十字架をモチーフにしたネックレスをつまみ上げた。それはシルバーではなく、麻の紐に木彫りのケルト十字架をぶら下げたものだった。 「こういうのじゃなくて! 本物のケルトジュエリーとか探さなかったの?」

  • ハイデガー「存在と時間6」(1927年)

    いよいよ時間についての考察がはじまるようだ。 その一端として、人間にとっての「死」についての考察がある。 人間の一生を時間としてとらえると、「死」は時間の終わりということなのだろう。 なお、ハイデガーは人間の死と他の生物の死を区別しており、生物の死を「落命」としている。人間の死については解説において、ハンナ・アレントの言葉が引用されている。つまり、人が完全に死ぬということは、故人のことを誰ひとりとして記憶しなくなったときだ、というのだ。 そのような解釈をするのであれば、愛していたペットの死を「落命」として扱ってよいのだろうかという疑問はある。 死の話のほかに、6巻で印象に残ったのは、

  • 地平線

    町の地平線は、地平線だろうか。 がたがたの地平線。 それは都会の人間の地平線だ。

  • ボタニカル

    大自然ではなくてもみどりはすこしでも多い方がいい。 そういう場所で呼吸する。

  • 「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(2009年)

    ホグワーツの6年生になったハリーの物語。 ヴォルデモート卿の配下であるデスイーターたちとの戦いもありつつ、ヴォルデモート卿の魂を隠してあるとされる分霊箱の捜索をする。 本作の時期になると、第一作とは違い、一生懸命魔法を覚える、ということはなくなる。もちろん魔法の勉強はするのだが、知識として蓄えていく感じだ。 魔法は主に言葉によって唱えられる。これは言霊思想のある日本人にとっては受け入れやすい。 今回はなぜかロンがモテる。 恋愛の要素は今までもあったのだが、そういう意味でもハリーたちは成長している。 本作は製作費が370億円。興行収入は1,384億円。 文字通り魔法にかかったような

  • 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2007年)

    5作目、つまりハリーがホグワーツで5年生になったということだ。 本作は物語の展開もかなりダークになっている。 物語としては下記のようなもの。 人間の世界にディメンターが現れ、それを撃退しようとして魔法を使った。 それが原因でハリーはホグワーツを退学を通達される。 しかし、「不死鳥の騎士団」が迎えにきて、隠れ家に移動する。 どうやら、ハリーの退学には、魔法省がからんでいるようだ。 そして、ホグワーツに新しい教師がやってくる。魔法省から派遣されてきたドローレス・アンブリッジだ。 彼女は学校を改革しはじめるが、その背後にはヴォルデモート卿の復活があるようだ。 今まではヴォルデモート卿とい

  • フロイト「精神分析入門 下巻」(1917年)

    上巻は夢判断に関する話題だった。 下巻は神経症に関する話題がメインとなる。 読んでいて思った。 夢判断も神経症の発作も、人間の内面にあるドロドロしたものが形を変えて表に出てきたものだ。 フロイトの講義は基本的に、他者とのかかわりあいにおいて出てきた症状について話している。 そう、他者の存在が前提になっている。 そのポイントをさらに踏み込むと、フロイトがこの本を書いたのも、誰かが読むから書いたのであって、そういう意味では他者の存在が前提になっている。 人間は自分の奥底になにがあるか知らない。しかし、それはなんらかの形で表に出てくる。フロイトはそれを精神分析という学問として伝えたのだろう

  • 第六回 片山雅弘が戻ってくる。(最終回)

    それから数年後。 八月中旬の土曜日の昼下がりのこと。小出健太郎は中央線に乗っていた。ドアのそばに立って外の風景を眺めていたんだ。なんの変哲もない、見ていても面白くも何ともない左から右へと流れていくだけなんだけどね。 新大久保駅を通過したあたりで誰かに見られている気がしたらしくて、健太郎はそっと振り向いた。そうすると、確かに健太郎を見ている人物はそこにいたんだ。女装した男だった。そう、片山雅弘だった。 数年前に健太郎の前から姿を消した頃よりもやせていて、化粧が上手くなっていた。それだけじゃなくて、長く伸ばした髪を栗色に染めて、さらにはストレートパーマをかけていた。トリートメン

  • 土の感触

    土の感触

  • 雑木林が光をまとう。 なぜだかはわからない。 自然はそういうことがある。

  • 可能性

    ダルマのシルエットはわかりやすいものではないのだけど、愛嬌がある。 見ているとなんらかの可能性を感じる。

  • 第五回 片山雅弘が突き抜ける。

    月曜日の朝、雅弘がオーティービーのオフィスに入っていくと、空気が凍りついた。小田部と佐川は唖然としていた。唯一、野口だけがさっと立ち上がると、雅弘の腕を掴んで、そのまま応接室に引っ張っていった。扉を閉めて、言った。 「片山さん、違うよ。それは違う!」 そう、雅弘は化粧をしていたんだ。しかも、それだけじゃなくて、花柄のワンピースを着ていた。半袖の袖口にレースの飾りがついているやつで、スカートは膝が隠れるくらいの丈がある。日曜日に尚美と一緒に買いにいったんだ。 雅弘は穏やかな表情で言った。 「野口さん、さすがにこれは想像できなかったでしょう」 野口は何度も首を横に振った。

  • 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット 」(2005年)

    ハリーはホグワーツ魔法魔術学校の四年生になった。 三大魔法学校対抗試合をメインに、宿敵のヴォルデモート卿との戦いも描く。 今回、他の魔法学校も登場し、魔法の世界に奥行きが出てきた。 また、ヴォルデモート卿が実体化したこともあり、物語が展開しはじめた感がある。 本作でもハリーに対して「お前は孤独ではない」というメッセージが伝えられる。本作が出版された2000年には、作者のJ・K・ローリングは成功した児童文学者になっていた。状況の変化を考えると、人生がうまくいっていなかったころとは心境も違うだろう。ハリーと自分を重ね合わせていた時代は過ぎて、このころには読者に向けて、もしくは彼女とって

  • 「ハリーポッターとアズカバンの囚人」(2004年)

    ハリーのホグワーツ魔法魔術学校の三年目を描く。 ダニエル・ラドクリフをはじめとする生徒役の俳優たちが急におとなになっている。 監督がアルフォンソ・キュアロンになったためか、映像がシャープになり、前2作よりも洗練された印象を受けた。 冒頭ダーズリー家での様子が描かれる。 あいかわらず虐待されているハリーだが、今回は親戚のマージがひどいいじわるをする。これに対して、ハリーが逆襲するのだが、ロアルド・ダールを髣髴とさせる展開となっていた。こういうひねくれたユーモアというのはイギリスの御国柄なのだろうか。 なお、叔父のバーノンはいつもよりも優しくなっている印象だ。 このあたりの変化は今後どう

  • ハリー・ポッターと秘密の部屋(2002年)

    ハリーがホグワーツ魔法魔術学校に入学してから二年目の様子が描かれる。 まずは現実の世界からストーリーがはじまる。 現実世界でのトラブルがありつつも、ホグワーツ魔法魔術学校にいく。 今回は生徒が石にされるという事件が発生する。 事件はやはりヴォルデモート卿につながる。 現実の世界と魔法の世界。魔法の世界は、基本的に学校の中で物語が展開する。今のところ、魔法の世界はホグワーツ魔法魔術学校とその周囲のエリアに限定されており、村の住民だとか、他の魔法学校などといった要素は出てこない。 校内での年中行事もありつつ、事件も進展していく。このバランスが観客にとってはリアリティを感じさせるのかもし

  • 飛行機雲

    空高く伸びていく雲は、飛行機がいなくなってもしばらく続く。 それはまるで自然発生した線のようで、思わずみとれてしまう。

  • 「ハリー・ポッターと賢者の石」(2001年)

    「指輪物語」や「ナルニア国物語」といった魔法の物語を蘇らせたのが、「ハリー・ポッター」シリーズの最大の功績だろう。 本作はその第一弾。 ハリー・ポッターは、両親と死別していた。闇の魔法使いであるヴォルデモートと戦って死んだのだ。ハリーは生き延び、ヴォルデモートは体を失った。 ハリーはダーズリー家に引き取られていた。叔父夫婦はハリーを育ててはいたが、虐待していた。 叔父のバーノンと叔母のペチュニアはハリーの両親の死について知っており、彼らが魔法使いだったことも知っている。 だからだろうか、バーノンはハリーが魔法の世界(ホグワーツ魔法学校)にいくことを執拗に阻止しようとする。 それでもハ

  • 鈴木祐「YOUR TIME ユア・タイム: 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術」(2022年)

    これはなかなか良かった。 現代人は生産性を求められ、常に時間に追われている。 そして、生産性を上げてタスクを達成しても、タスクはなくならないし、思ったほどの効果はあげられない。 そんな現実を踏まえながらも、著者はいくつかの時間の使い方を紹介する。人によって適した時間の管理の仕方がある。 著者は、時間の有効活用を肯定しているわけではない。むしろ、人間が人間らしく生きるということがすばらしいのだという立場だ。個人的にもこれはよい。 ブログ「パレオな男」を愛読している。 著者の性質的なところが、自分と被るところがあって、非常に参考になる。 おそらく、日本人の中でこの著者のような悩みや不

  • 「未知との遭遇」(1977年)

    スピルバーグの傑作、というリストなどではよく名前が挙がる作品。 ちなみに「ローリングストーン誌が選ぶ最高のSF映画150選」でも3位だった(1位は「2001年宇宙の旅」)。 アメリカで大規模な停電が起こったり、未確認飛行物体が飛来するなどといった現象が起こる。そんな中で、主人公のロイ・ニアリーはなにかに憑りつかれたようになり、導かれていく。 といったストーリー。 2時間ほどの作品で、1時間40分ほどを「なにか大変なことが起こっている」という予感だけで引っ張るのは見事だ。 スピルバーグの自伝的映画「フェイブルマンズ」で、子どもの頃に観た「地上最大のショウ」で、機関車が車を吹っ飛ばすシ

  • 第四回 片山雅弘が新しい顔を手に入れる。

    土曜日の朝、片山家は静かだった。尚美はいつものように三面鏡の前に座っていた。背後に雅弘が立っていて、鏡に映る妻の姿をじいっと見つめていた。時々目が合うと、尚美は視線を逸らした。雅弘が「塗りすぎじゃないのか?」などとからかうと、尚美は弱々しく微笑んだ。確かに塗りすぎではあるんだけど、ファンデーションを厚塗りしても頬が腫れているのを隠しきれていなかったんだ。 「職場で、厚化粧してきたって言われるんじゃないか?」 「もともと厚化粧だと思われてるから……」 尚美の声はか細かった。雅弘はパフを使ってファンデーションを手の甲に塗ってみた。 「化粧をした顔が本当の顔だと思われてるんじゃない

  • 「エイリアン:コヴェナント」(2017年)

    基本的な構造は前作「プロメテウス」(2012年)と同じ。 ・宇宙船がとある星に探査にいく(ミッション) ・エイリアンと遭遇して襲われる(戦い) ・生き残った乗組員がその星を立ち去る(英雄の帰還) といった、典型的な「行きて帰りし物語」の構造になっている。 ほとんどの物語はこの構造を用いているのだが、「プロメテウス」と本作は探査船の乗組員が未知の星に探査にいってエイリアンに襲われる、というプロットになっているので、「前作と同じだ」という印象が強い。 ある意味いたしかたないのかもしれない。 登場人物のつながりももちろんあるのだが、むしろ創造主は誰か、というテーマがつながっている。「プロメ

  • 「ブレット・トレイン」(2022年)

    伊坂幸太郎原作、ブラッド・ピット主演で、日本が舞台。ということで話題になった作品。製作費は120億円で、興行収入は344億円と、大ヒットを飛ばした。 監督は「ジョン・ウィック」のデヴィッド・リーチ。「ジョン・ウィック」の頃は、スタントマン出身だからアクションがいい、という評価だったが、「デッドプール2」「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」の監督でもある、となると、アクションが得意なのはもちろん、ヒットメーカーであることもつけくわえる必要がある。 このような制作陣なので、アクション満載の娯楽作品に仕上がっている。 東京から京都に向かう新幹線に大量の殺し屋が乗り込んでそれぞれの目的のた

  • 「ノースマン 導かれし復讐者」(2022年)

    邦題そのままの内容で、父親を殺された息子が成長して復讐するために戻ってくる。というもの。原題は「The Northman」なので、「城之内 死す」ではないが、邦題がネタバレをしてしまった印象。 ただし、映画としては良い出来だ。 主人公はヴァイキングではないのだが、北欧神話を信仰している世界観になっている。戦って死ぬとヴァルハラにいける、と信じている世界だ。 映画の雰囲気としてはマッツ・ミケルセン主演の「ヴァルハラ・ライジング」(2009年)の拡大版といったところ。製作費は「ヴァルハラ」が7億2千万円であったのに対し「ノースマン」は99億円~128億円ということなので規模が大きい。

  • ハイデガー「存在と時間5」(1927年)

    人間は普段、日常生活において現実世界に頽落してしまっている。つまり、人間本来の姿ではなくなってしまっている。 それが、不安によって、本来の自分が見えるというのがハイデガー( 1889年9月26日 - 1976年5月26日)の主張。 フロイト(1856年5月6日 - 1939年9月23日)も、不安という現象が人間の精神を深いところで刻印していると考えていた。同時代の人がこういうことを考えるのは面白い。 この考え方は映画「マトリックス」(1999年)の「カプセルの中で眠っている本当の自分」と「機械が作った仮想世界で生きている自分」に置き換えるとわかりやすい。 赤いカプセルと青いカプセルの

  • フロイト「精神分析入門 上巻」(1916年-1917年)

    古典なだけあって面白いが、逆に疑問もわく。 当時と現代では当然時代が変化しているので、どの程度現代にも有効なのだろうか。 夢の解釈の話でかなりの分量をさいているが、あくまでもタイトル通り「精神分析」がテーマなので、「夢占いのハウツー」ではない。 といったあたりは留意点としたほうがよいだろう。 おもしろいと思ったのは、 ・人が言い間違えたり、忘れたりするのは、深層心理でそれをガードしている。 ・自由連想のくだり。人は自由連想で1番興味のあるものを連想する。しかしながら、自由連想というものはそれほど自由ではないらしい。 ・夢を解釈する際に、夢に出てきた対象(アイテムとか)の名前や言葉に

  • 奈良美智: The Beginning Place ここから@青森県立美術館 240102

    青森県立美術館には「あおもり犬」と「森の子」があるので、今回の企画展では、建物全部で奈良美智美術館といってもいい印象を受けた。 展示自体は展示数自体は多すぎず少なすぎず、ちょうどよかった。 1,家 2.積層の時空 3.旅 4.No War 5.ロック喫茶「33 1/3」と小さな共同体 上記のテーマに沿って、1979年から2023年までの作品からチョイスされていた。 5つのテーマは奈良美智の作品を観ている人なら納得がいくと思う。 80年代の作品は現在の絵とはだいぶビジュアル的なテイストが違うのだが、人物の目はすでに今の目と同じなのが興味深かった。奈良美智にとって目とは、どうい

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