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新宮ボディワーク整体研究会 http://bodyworkers.seesaa.net/

からだの仕組みをよく知り、自分自身のからだの使い方を探究していくための研究会です。

触って分かる解剖学教室、筋膜リリース法セミナーなど、和歌山県新宮市を拠点に活動しています。 医療・教育・スポーツ関係者はもちろん、興味をお持ちの方であればどなたでも大歓迎です。

谷口
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新宮市
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新宮市
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2015/09/30

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  • 王子ヶ浜に石ころが増えていく過程

    10月1日夕方 1台風16号の影響で王…

  • 自然の中で無為に過ごすことの意義【読書メモ】『身体の言い分』

    整体師である私がジオパークガイドになったとき、なんでそんな無関係なことを始めたのかと訝しがる友人・知人が何人かいた。 身体と大地との密接な関係がさっぱり分からないようだった。 大地の成り立ちに想いを馳せたり、自然の中でのんびり過ごすことが、いかに身体のバランスを整えることになるかを彼らは理解しない。 大自然の中でのんびりと歩いたり、泳いだり、寝ころんでぼーっとしたり、石ころを積み上げてみ…

  • ノマドランド

    映画『NOMADLAND』というタイトルを見ると、 “No-mad-land ” というメッセージが隠れているように思えてくる。 大地は決して狂ってなどいない。 狂っているのは人間たちのほうだ。 土地は売買の対象であり、お金儲けの道具になっていたりする。 高度資本主義社会のなかで、多くの人びとは豊かさとは何なのかが分からなくなっている。 「安定した生活」と「バランスのよい生活」は必ずしも同じではないと思…

  • 身体を細かく動かす【読書メモ】『身体の言い分』

    以前、大阪で合気柔術のO先生の講習会を受けていたことがある。 先生に軽く触れられただけで私の体は思わぬ動きをしたり、身動きが取れなくなったりしてしまう。 YouTubeでもふくよかなO先生の動画は観れるのだが、知らない人が見ると何が何だか訳がわからないと思う。 やらせではないか、インチキじゃないかと思ってしまう人もいるだろう。 しかし実際に体験してみると、その精緻な身体操作術には驚嘆する。 …

  • アラインメントが整うとき

    その時の状況に応じて人体の各部位(頭蓋・脊柱・骨盤など)がちょうどよい位置にある、というのがアラインメントが整った状態である。 アラインメントを整えるためには、どこかに「正しいもの」がなければ整えようがない。 巧妙に積まれた石には、鉛直方向に万有引力が働いて、まっすぐな線が見える。 ロックバランシングをやってみると、地球上において成立している正しい線が感じ取れてくる。 鉛直でもいいし、…

  • 環境と自分との関係

    整体をしていると体が整ってくる。 体が整うためには、体の内外の環境を整えていく必要がある。 皮膚で覆われた体そのものだけをどうこうしたら良いというものではない。 自分の身体をどんな環境に置いてどう調和していくか、ということを考えながら生きていくことになる。 * 『ノマドランド』という映画を二度観てきた。 環境というのは、自分から切り離されて対象化されがちであるけれど、実際のとこ…

  • 重力と調和する瞬間

    青い空と海、温かい陽光、微かな潮風、波の音、鳥のさえずり、お尻の下の玉砂利・・・ 穏やかな春の夕暮れ前の王子ヶ浜を全身で感じながら、ひとり石を積む。 石ころがなんとか立てるギリギリのバランスを探求する。 石の重心や接触部位を感じながらミリ単位の微調整。 そうしているうちに石ころが重力と調和してピタッと立つ瞬間がくる。 何とも言えない爽快感。 高度文明社会に暮らす現代人にはとても贅沢…

  • 古代人の思考法【読書メモ】大阪アースダイバー

    「自分」というのは「自然の分身」なのだという考え方がある。 私にとっての「世界」とか「宇宙」というのは「私自身」なのだと思う。 私の周囲のありとあらゆる人や物事は、とりもなおさず私自身(=自己)である。 私たちは複雑な関係性の中で互いにつながりあって生きている。 ・・・という考え方を、現代人はあまりしないのだろうか? ☆ 以下、『大阪アースダイバー』中沢新一著(講談社)より。 …

  • からだにきく

    解剖学者・養老孟司さんの動画を観る。 →養老孟司「いまを生き抜くヒント」 現代人の多くは、物事を意識・頭で考えすぎていて、目に見えるデータにとらわれるあまり、感覚でとらえるべきものまで見失っているのではないか。 医療の現場では、患者の体は実際の体ではなくて「検査の結果」になってしまっている。 医者の考えている「体」は、目の前にい…

  • 海に吠える

    この獅子巌(ししいわ)は1400万年前の超巨大カルデラ噴火の痕跡。

  • お蛇浦海岸

    那智勝浦町のお蛇浦海岸を散策する。 弁天島。 写真中央付近に見える小さな白いスジは那智の滝。 …

  • 整然とした地層

    白浜町の見草崎に行く。 陸に近い浅い海に土砂が堆積してできた地層が隆起してこのような大地になっている。 すさみ町太間川上流の直立した地層と違って、こちらは水平に近い整然とした地層が見事だ。 貝の化石などもあって興味深い。

  • 立ち上がる地層

    すさみ町の太間川上流に行く。 海洋プレートが沈み込む深い海に堆積した土砂でできた付加体の地層が見える。 プレートに押し上げられて地層が立ち上がっている。 二千万年の大地の営みを垣間見る。

  • 当たり前の有り難さ

    多くの人は、大人になるにつれて、日常の様々な事象を「当たり前」と見なすようになる。 私もずいぶん「当たり前」が増えたように思う。 しかし、新型コロナウイルス感染拡大によって、「当たり前」がもはや当たり前でなくなっていることも増えている。 そんな状況で整体師として身体の仕組みと働きを探究し、ジオパークで大地の成り立ちを学ぶ。 この大地で、この身体をもって生きていることが、驚きに満ちてい…

  • 共鳴するからだ

    以下、精神科医・名越康文氏のツイートから。 ********** 響きとは、胸が開いて明るく、かつ自己抑制が効いている状態の時に体に生じる。 それはちょうど楽器の名器に似ている。 静かに沈黙しているが、触れると一気に響きで空間を満たすからだ。 響きが出ると繋がりの感覚が生まれ、孤独や怒りが払拭され易くなる。 ********** 孤立して繋…

  • 聖なる場

    ジオパークガイドの研修で熊野川町の大山高倉神社を訪れた。 社殿のない素朴で原始的な祈りの場。 美しく苔むした大地の静謐な雰囲気に心洗われる。

  • 不快現象と魅力現象【読書メモ】『原初生命体としての人間』

    ヘビ、ムカデ、ヤスデ、ケムシ、ナメクジ、クモ、ゴキブリ…… こういう不当に嫌われ気味悪がられている動物を不快動物という。 とくに危害を加えられたわけではなくても、それら対して人が「嫌な感じ」を抱いてしまうのはなぜなのか。 不快動物に接したときに私たちに生じる「心のエネルギー」はいったい何なのだろうか。 以下、野口三千三著『原初生命体としての人間』より。

  • 大地の営みを身体の深部で感じて

    今月は梶取崎と潮岬でロックバランシングのイベントがあった。 梶取崎のときは雨が降り、潮岬では強い風が吹いた。 いちおう講師ということで、私は参考資料をつくって、参加者にあれこれ説明した。 石をぎりぎりのバランスで立たせるとき、その重心が支持基底面の真上にくるように調整する。 視覚的に分かりやすいようにと思って、積み木で重心と支持基底面の関係を示した。 しかし、いびつな形の石ころでは、…

  • 呼吸

    以前、ある家の前で、小学校5,6年生ぐらいの男の子がひとり携帯型ゲーム機で遊んでいた。 そこに近所のおばさんらしき人がにこやかに近づいて、「◯◯君、何しやるん?」と尋ねた。 男の子はゲーム機から目を離さずに「呼吸」とそっけなく答えた。 「ああそう、呼吸しやるんかぁ」と笑いながらおばさんは歩き去った。 なかなか興味深いやり取りだった。 私たちは、生きている限り、いつも呼吸している。 …

  • イベントのご案内⑵

    10月24日(土)は、潮岬の海岸でロックバランスのイベントがあります。 石ころを積んで遊ぶわけです。 ギリギリのところで石が崩れずに立つおもしろさを味わってもらいたいです。

  • イベントのご案内

    10月17日(土)は、太地町の梶取崎で南紀熊野ジオパークセンターのイベントがあります。 私はロックバランシングを担当します。 気が向いたらぜひご参加ください。

  • 大崩落

    白浜町のシガラミ磯は、1500万〜1600万年前に浅い海に土砂が堆積して固まり隆起した地層が見事である。 先日、その整然とした美しい地層の見える崖が大きく崩落してしまった。 とても残念ではあるけれど、大地も流動変化するということを学ぶには良い機会だと思う。 地球の表面は、地殻変動や火山の噴火で凸凹になり、風雨や寒熱や重力の働きによって平らになっていく。 現地では、落石には十分注意してほ…

  • 持ちつ持たれつ

    石が立つためには、その重心は支持基底面上になければいけない。 重心が支持基底面の上から外れると、石は倒れる。 倒れようとする石たちが、互いにもたれ合い、支え合うことで…

  • 質量のバランス

    石の重さは、それがどんな形をしていても、重心(=質量中心)から平均して分散される。 重心を通る平面でふたつに分割すると、それぞれの断片の重さは等しくなる。 ☆ 私…

  • 強さについて

  • 姿勢(attitude)

    整体・ボディワークをやっていると、姿勢には強い関心を持つようになる。 姿勢は、英語の “attitude” に相当する。 “attitude” という語には、「態度、心構え、気持ち、考え、意見、姿勢、身構え」といった意味がある。 つまり、それは人や物事に対する心理的な「態度」「心構え」であり、身体的な「姿勢」「身構え」である。 もちろん日本語の「姿勢」「態度」「構え」という言葉にも、心理的・身体的な意味…

  • 気、エネルギー、バイブレーション

    気というのは多層的であり、それゆえに気という言葉は多義的である。 根本的には、世界はすべて気であると言える。 ここで大事なことは、世界に「自分」が含まれるということだ。 私にとっての世界は、私との関係性のなかで存在する。 「この世」という物質世界において、私たちはそれぞれ自分の身体との関係性のなかで意味を見出し、物語を紡ぎ出している。 「あの世」というのはイメージの世界であり、この物…

  • 時間、生命、心臓 【読書メモ】『モモ』

    ミヒャエル・エンデ著『モモ』(岩波少年文庫)より ********** 時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。 というのは、だれでも知っているとおり、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ほんの一瞬と思えることもあるからです。 なぜなら時間とは、生きる…

  • 身体の「地図」としての解剖学

    スポーツや武術などで、指導者がどうやって身体の使い方を教えるのかに興味がある。 例えば、「アゴを引いて」「肩の力を抜いて」「腹筋を使って」などと言う。 そういう言葉は指導者の体感に基づいているのだろうけれど、教わる生徒の側にそのまま伝わらないことも多い。 言葉だけでなく実際にやってみせることで伝わりやすくはなるだろう。 しかし、精妙な動き、とくに身体の深部の細やかな動きや状態になると、…

  • つっぱること

    先月、車を運転しているときにラジオから「ツッパリHigh School Rock'n Roll」が流れてきた。 私は七里御浜沿いの直線道路でアクセルを踏み込みながら熱唱した。 …髪はリーゼント、サングラスに革ジャン姿の私はすっかり横浜銀蝿だった。(←軽度妄想状態) あれから3週間ほど経つのだが、ときどき頭の中であの曲が流れ出して口ずさむことがある。 なんだか横浜銀蝿が憑依しているみたいだ。 社会生活には…

  • 自己理解のプロセス 【読書メモ】『何者』

    承認欲求や自己顕示欲の強い年寄りが、上から目線で私に絡んでくることがある。 「あなたは何様!?」と思う。 「蹴ったろか、このヤロー!! 」と思ったこともある。 しかし、そうやって感情的に反応する自分を省みると、私の心の中にも彼らと同じ要素があるのだなと思えてくる。 他者と接して自分の感情や欲望がどう動くかを観察していると、自分の中の無意識的な何かを炙り出すことに繋がる。 「気が合わな…

  • 風当たりが強いとき

    思うところがあって、強い風が吹くなかで石を積んでみる。 ロックバランシングをやっていると、風にはとても敏感になる。 自分の身体の周りの空気の流れがよくわかるのだ。 風が強く吹きつけるときに、崩れにくくておもしろい石の積み方はないかと試行錯誤する。 なかなか難しい。

  • よみがえる

    黄泉の国は熊野にあるという説がある。 熊野市の花の窟には伊邪那美命が葬られているからだろう。 黄泉の国に行き、そこから帰ってくる。 それが「よみがえる(黄泉帰る)」ということ。 生まれ変わるためには死ななければならない、と河合隼雄は言っていた。 とは言っても、実際に肉体の死を経験する必要はない。 象徴的な「死」を通過することで、生まれ変わることはできる。 「イニシエーション(=…

  • 桑ノ木の滝にて

    家からひとり車を運転して桑ノ木の滝に向かう。 車を停めて15分ほど歩く。 滝に着いてみると男性が一人いて滝にカメラを向けていた。 よく見たら、それはジオパークセンターの福村研究員だった。 いつも私は福村さんから地質や岩石のことなど教えてもらっている。 ジオパークセンターにロックバランシングのコーナーを設けてくれたのもこの方である。 最近、福村さんがウグイスと会話できるということをイ…

  • 御手洗海岸

    1400万年前の超巨大カルデラ噴火の痕跡を巡って、三輪崎方面から御手洗海岸を歩いてきた。 前弧海盆堆積体(浅い海に土砂が堆積してできた大地)と火成岩体(マグマが冷え固まってできた大地)との境界になっている。 この崖の上にある熊野古道・高野坂を歩いてもその境界は分からないが、海岸を歩けばよく分かる。

  • 気が重くなったとき 【読書メモ】『こころの処方箋』

    新型コロナウイルス蔓延で、これから先の世界がどうなるのか、日本がどうなるのか、自分たちの暮らしがどうなるのか、なかなか見とおしが立たない。 外出を控え、人と会うことを控えて家に篭っていると、なんだか不安に駆られたり、イライラしたりすることが多くなるかもしれない。 振り返ると、私もかつて悶々とした日々を、中島みゆきを聴きまくり、河合隼雄を読みまくって過ごしていた時期がある。 あの頃は私の身…

  • 鬼ヶ城にて

    那智黒石で作られたモニュメント。 最近置かれたものである。 かつて熊野の海を荒らし回ったという伝説の鬼の大将「多娥丸(たがまる)」像だ。 多娥丸は海賊の親分だったとい…

  • 景気が収縮しているとき

    気は膨張と収縮を繰り返す。 景気というのも、膨張と収縮を繰り返している。 今、景気は著しく収縮している。 一般的に、GDPが2四半期連続でマイナス成長になると「景気後退(recession)」と言う。 さらに景気が収縮すると「不況・不景気(depression)」と言うようになる。 ☆ アメリカ合衆国第33代大統領のハリー・S・トルーマンはこんな洒落た説明をしたらしい。

  • 蝶の羽根岩

    三重県熊野市の尾川川にある蝶の羽根岩。 流紋岩の風化によって、こんなユニークな模様ができている。 水に濡れると石の色合いが良くなるので、雨あがりの景色はもっと美しいだろう。 <…

  • コロナ

    コロナウイルスの蔓延によって、世の中が大きく変わっていく。 危機に際して、「なんとかしなければ」という思いから人びとの意識や行動が変わっていく。 人の流れ、お金の流れ、物の流れが大きく変わる。 今は世の中の流れが大きく変わっている真っ最中で、これからどういう流れに落ち着いていくのかまだ分からない。 何はともあれ、この大きな変化は人類史上の一つの大きな節目になるのだろうと思う。 この節…

  • 太古の記憶

    記憶というのはイメージとして想起される。 そしてイメージは身体に備わるあらゆる感覚と密接な関係をもつ。 私たちの記憶は、自分が直接体験したことに限られるものだろうか。 私たちの身体には、祖先が体験したことが記憶として残っていないだろうか。 自分では体験していないことが、夢や幻覚・妄想のようなイメージとして想起されることはないだろうか。 私自身の経験では、何らかの危機的状況にあるとき…

  • 石ころパワー!

    世間では、石ころといえば「無価値なもの」の代名詞のように使われる。 「そんなものは石ころ同然だ」といえば、「そんなものには価値がない」という意味になる。 世の中には石ころに意味や価値を見出そうとしない人があまりにも多いのだ。 先日は花崗岩や玄武岩がコロナウイルスに効くということで、その石ころが高値で販売されたと聞いた。 科学的根拠はないとしても、鰯の頭と同じで、石ころだって信心があ…

  • 自然な笑顔とは

    先月、なぜか私が雑誌の取材を受けた。 写真を撮ってもらうときに「はい、笑顔でお願いします」と言われて、私はがんばって笑顔を作った。 そして引きつった笑顔を保持することを努めた。 なんだかくたびれた。 自然な笑顔というのは、眼輪筋と大頬骨筋の働きが重要だといわれている。 眼輪筋の下まぶたの筋肉が目に笑みをもたらし、大頬骨筋が口角を引き上げる。 嬉しいとき、楽しいときなら自然に笑顔…

  • 呼吸について

    「深く呼吸することができなくて、なんか息苦しい」 そう訴える婦人が医者に診てもらったそうだ。 そしたら太りすぎだと言われたらしい。 内科的に問題ないのであれば、横隔膜などの呼吸筋の問題ではないかと私は予想した。 案の定、横隔膜(という筋肉!)の筋膜リリースをすると、深く息を吸えるようになって呼吸が楽になったと喜んでくれた。 「あの医者は太りすぎとか言うて、ぜんぜん分かってない!」と婦…

  • 敬意について 【読書メモ】内田樹の研究室

    最近、敬意について考えさせられることが多い。 いろいろな人間関係において、はたして自分はどれほど敬意をもって接しているか。 年少者、障害者、認知症の老人、友人、知人、先生、客人・・・ 親しみをもってフレンドリーに接することが必ずしも良いことであるとは限らない。 過度に共感的な態度には、相手に対する敬意が欠けている。 そういうことを最近ひしひしと感じる。 敬意をもって接するのに、な…

  • 転がるのか、滑るのか

    ロックバランシングをやっていて、石を立てようとするのだが、なかなか立ってくれないときがある。 そんなとき、石が倒れていくパターンが二つあることを知っておくといいと思う。 一つは石が転がって倒れるというパターン、もう一つは滑って倒れるというパターンである。 立てようとする石がその下の石との接触面において、ゴロンと転がるパターンと、ツルッと滑るパターンがあるということだ。 もちろん、転がり…

  • コンステレーションについて

    ユング心理学を日本に紹介したことで有名な河合隼雄先生の京都大学での最終講義「コンステレーションについて」をYouTubeで観た。 講義の中では易についてのエピソードも語られている。 ☆ 人はときになぜか情動が高まり落ち着かなくなることがある。 因果論的に考えてみても、何が原因なのか、どうすればおさまるのかは分からない。 そんなとき、コンステレーションを読むという態度で自分の置かれた状況を俯…

  • 運命、宿命、立命 【読書メモ】『易と人生哲学』

    運命との向き合い方については、大きく分けると「宿命観」と「立命観」の二つの考え方がある。 運命というのは生まれたときから決まっていて、どうにもならないという予定的・固定的な考え方を「宿命」という。 運命の理法を探究して原理を解明し、大自然・宇宙・神そして人間の思考や意思に基づいて、自分の存在・自分の生活・自分の仕事というものを創造していくことを「立命」という。 自分の命はどう運ばれてい…

  • 人生のバランス

    何かに対して強く意識を向けていると、無意識のうちにそれとは反対のものが現れてくる。 心はそうやってバランスを取ろうとする。 人の心は全体性を保持しようとするので、意識と無意識との間でシーソーのような働きが起きる。 ☆ 反対語というのは、文脈によって変わりうる。 「A」の反対は「Aでないもの」であり、それが文脈次第で「B」「C」「D」・・・といろんなものになり得るのだ。 たとえば、白…

  • 整然とした白浜の地層

    海洋プレートが沈み込む深い海に積もった土砂がどんどん押し上げられてきた「付加体」という大地では、地層がグシャグシャに乱れているところが多い。 たとえば、すさみ町のフェニ…

  • 自然と人間世界を媒介する「整えられた身体」 【読書メモ】『聖地巡礼 ライジング 熊野紀行』

    身体を整えて感覚を研ぎ澄ましていく。 そういうことに本気で取り組む人は少ない。 心身の不調を感じても、なぜそうなるのかを深く考える人は少ない。 “自分自身” をよく理解(realize)しようとする人は少ない。 科学技術の発達は、人を鈍感で浅はかで傲慢にさせることに繋がっているのかもしれない。 極めて優秀な人工知能やロボットが普及していったとき、私たちは自分自身の存在価値や存在意義というもの…

  • 笑顔がステキ〓️

    あけましておめでとうございます 今年もどうぞよろしくお願い致します

  • 富田川

    富田川は、果無山脈の安堵山(1184m)を水源とし、多くの支流を集めて南西方向に流れ、白浜町富田で太平洋に注いでいる。 昔からこの川は洪水を繰り返して人びとを悩ませてきた。 …

  • 「凸凹をつくる力」と「フラットにする力」

    地形はどうやって形成されるのか。 そういうことは、高校の地学ではなく地理で学ぶ。 つまり理科ではなくて社会科の問題なのである。 私はいま大学受験生向けの地理の参考書を読んでいる。 とてもおもしろい。 高校時代に地理の授業を受けていたはずなのだが、知らなかったことが山ほどある。 地形をつくる力のことを「営力」という。 営力には内的なものと外的なものがある。 これは忘れないようにメ…

  • 引張と圧縮

    枯木灘海岸のフェニックス褶曲でジオガイドの研修。 海洋プレートの沈み込みによって、深い海底に堆積した砂や泥がまだ完全に固まってない状態でゆっくりとぐにゃぐにゃ曲がっていっ…

  • 御神体

    朝日を浴びる神倉山のゴトビキ岩。 子どもの頃から見慣れたゴトビキ岩を見ていて、なんだか不思議な感じがした。 母親が入所した老人ホームの窓から見えるゴトビキ岩だ。 職員…

  • 崩れる

    ーーー 自分ではきっかけはなんだったと思いますか。 「……よくわかりません。長い間に少しずつ溜まっていたんだろうと思います。でも今にして思えば、あの電話がひとつのき…

  • バランスの変化について

    身体のバランスを崩してしまって「元どおりに戻してほしい」と訴える人は多い。 身体とその周辺環境は常に変化し続けているはずである。 バランスを崩したのは、身体が今までとは違う別のバランスを求めているせいではないか。 “自分自身” がバランスの取り方を変える必要に迫られている。 いつまでも同じバランスで安定しようとする態度・心構えに無理があると私は感じてしまう。 ☆ バランスしてい…

  • 三反帆

    三反帆 昨日は熊野川体感塾の三反帆(さんだんぼ)に乗せてもらった。 体感塾の谷上さん手づくりの三反帆にはエンジンが付いている。 帆を下ろしてエンジンで進み、帆を上げてゆったり漂う、ということの繰り返しで「川の参詣道」熊野川遊覧を楽しんだ。 今回私た…

  • 天高く馬肥ゆる秋

    澄み渡る青空のもと、大浜でロックバランシング。 小さな石の上に大きくて重たい石が立つ。 最近この感覚が楽しい。 手のひらの上に箒を立たせるのと同様の感覚だ。 これは…

  • インパーソナルな ‘it’

    時間・距離・天候・温度・明暗・季節などを述べる文の主語になる ‘it’ は、英文法の用語としては「非人称の it 」という。 それは「明確な意味はないが、文としての形式を整えるた…

  • 執着、依存、恐怖

    映画『IT』を観てきた。 ホラー映画が好きというわけではなく、スティーヴン・キングという作家に興味がある。 人の心の深奥に潜む恐怖にしっかりと向き合うことによって彼が紡ぎ出す物語には深い愛を感じる。 人知を超えた「それ」と、意識の司令塔である「私」とが、対立関係となるような事態がしばしば起こる。 その結果、心身にひずみが生じ、人間関係にもひずみが生じることになる。 それを癒すために…

  • 熊野川

    国道168号線を走り、田長の道の駅に車を停めて、熊野川の河原に降りる。 川の水は泥で濁っていて、対岸には8年前の紀伊半島大水害のときに崩れ落ちた岩石が大量に残っている。 …

  • 車の水害対策

    水害対策として、車をまるごとジップロックに入れるという方法があるようだ。 費用もそれほどかからないし、日本でも普及させればよいと思うのだが、どうだろうか。 Can the 'Ziplock bag for cars' keep floodwaters out

  • 和深

    Movie Trailer "TAMAGO" by Director Koji Hirano : 映画「たまご」予告編トレーラー 平野功二監督作品 以前、串本町の田並劇場で「たまご」という映画を観た。 南紀熊野を舞台とするとても美しい映画だった。

  • 不要な力の抜けた “力持ち”

    自分の体重よりもはるかに重いものを持ち上げている “力持ち” の写真を見ると、体には不必要な力が入っていないことがうかがえる。 力を抜くことで重さが足裏を通して大地に伝わ…

  • 力の伝達について

    力を出すためには、力を入れてはいけない。 自分の体から力を出すのだ。 力を入れると体が固まる。 力は抜かないと出ない。 しかし力の抜き方を間違えると、やはり力は出ない。 「力を出す」というよりも、「力を伝える」と考えたほうが、身体の操作はしやすくなるかもしれない。 力を入れて固まった部位や、力の抜き方を間違えて腑抜けの状態になった部位は、力の伝達を妨げる。 力の伝達経路が途切…

  • 地球環境の問題

    地球環境という巨大なスケールの問題に取り組もうとすると、しばしば退屈で面白みのないものになりがちである。 それは楽しいものでなければいけない。 クールでなければいけない。 そしてセクシーでなければならない。 セクシー(sexy)という語には、「(物事が新しくて)格好いい、人目を引く」という意味がある。 南紀熊野から眺める地球は、とてもクールで、セクシーだ。

  • 大地を祝福するということ 【読書メモ】『呪いの時代』

    私がジオパーク活動に関わるようになって3年が経つ。 壮大なスケールで大地の変動の跡が見て取れる場所が南紀熊野にはたくさんある。 知れば知るほどおもしろい地域だと思えてくる。 このワンダーランドを祝福していこうではないか。 祝福することで私たちは気持ちよく生きていくことができる。

  • 開放系

    大浜に行き、石を積む。 なかなか石が立ってくれないこともある。 なんとか立った石が風で倒れるのもよくあることだ。 ときどき散歩している人が横目で見ながら黙って通り過ぎ…

  • 力の総和がゼロになるところ

    石を積み、倒れないように、私はそっと手をそえて支える。 石から手に伝わってくる力の大きさや向きを感じ取っているとき、同じ大きさで逆向きの力が私の手から石に働いている。 …

  • 努力と感じている状態について

    【インタビュー】イチロー ❶努力は報われるか?❷死ぬまでにやりたい事は?❸野球が嫌いになったことは?❹人生最大の失敗は?❺10代の自分への助言は?❻今欲しいものは?etc. 2018年 「努力は報われますか?」という問いに、イチローは次のように答えている。

  • 地面からの反発

    今日は潮岬の南紀熊野ジオパークセンターで館内ガイドをしてきた。 ここは7月27日にオープンしたばかりで、慣れないことも多く、なかなかヘヴィな一日だった。 ヘヴィと言えば、実は潮岬はとても重力値の高い場所である(→ 産総研 : 地下構造が推定できる「重力図」の和歌山地域版が完成)。 大…

  • 摩擦についてのメモ

    以下、Wikipediaから抜粋。 ********** 摩擦(friction)とは、固体表面が互いに接しているとき、それらの間に相対運動を妨げる力…

  • 最小の力加減で立つために 【読書メモ】『柔術の動き方 「肩の力」を抜く!』

    いかに力まずに立つかを考える。 以下、広沢成山著 『柔術の動き方「肩の力」を抜く!』(BABジャパン)より。 ********** …どうすれば最小の力加減で立つことができるのか。 …姿勢を維持するのは本来インナーマッスルなのですが、実際にはアウターマッスルを使っている人が多い。 そしてこのアウターマッスルで姿勢を維持しようする力がまさに「無駄な力」なんで…

  • 雨の日が続くので

    ついに家の中でもロックバランシングをやるようになった。 石の重心と接触面(支持基底面)との位置関係、そして摩擦力の具合を感じながらジリジリと微調整。 絶妙なバランスで石が立つ瞬間はやはり爽快だ。 最近はロックバランシングをやっているおかげで、自分が立つとき、歩くときの関節の微調整もより繊細になってきた。 お金のかからない素敵な遊びだなと思う。

  • 自ずから立つ

    強い仲間意識を持った集団がある。 頻繁に飲み会をしたり、一緒に旅行に行ったりする。 固い絆で結ばれた家族のような仲良し集団。 その固い絆は、ときにシガラミとなってメンバーを束縛する。 そんな表面的な仲間との繋がりよりも、他者との深い繋がりのほうがずっと大切だと私は思う。 表面的な繋がりを保持するのに一生懸命な人たちのなかには、「深い繋がり」というのが全く理解できない人もいるようだ…

  • カウンターバランス

    ロックバランシングのテクニックのひとつにカウンターバランスというのがある。 写真で見ていて、こんなのあり得ない、私には無理だと思っていた。 しかし、やってみたらそこそこできた。 石をひとつずつ積んでいくのではなく、複数の石をまとめて一気にバランスをとるのだ。 考えてみると、私たち自身が立つときのバランスのとり方も同じではないだろうか。 力みのない楽な立ち方をするとき、身体の各部位を…

  • 没我 : 迷っている自分から逃れるために

    自分と対象とが一体となることが、いろんな場面で大事なことだと私には思える。 脳科学者の茂木健一郎氏は次のように述べている。 ********** 迷っている自分から逃れようと思ったら、没我の境地に達するしかない。 取り組んでいることと自分との間に壁があるうちは、人はなかなか向上することができない。 自分と対象が一体となって、「我」を忘れるくらいでな…

  • 新宮城のお堀の跡

    明治、大正、昭和時代の新宮市の古い地図や写真を見るのはおもしろい。 市内を散歩しながら想像に耽ることができる。 ああ、ここはかつてこういう場所だったんだなあと、街並みの重層的なイメージが起ち上がってくる。 ☆

  • 相性

    10年ぐらい前、タイのチェンマイで、ホットストーンマッサージというのを受けたことがある。 施術者が温めた黒い石(玄武岩)を一つずつ私の背中に置いていくのだが、その間に何度も石が落ちた。 オイルをつけているので石が滑って背中から落ちるのだった。 後でそのことを知人に話すと、「ああ、それは石に嫌われてたんだよ」と言われた。 「本当に人と石との相性ってあるんだよ」と。 ☆ 最近、思う…

  • ちきゅう

    昨日の夕方、大浜に行くと、ちょっと変わった船が見えた。 望遠で撮影してみると「JAMSTEC」の文字がわかる。

  • 熊野川の河口付近にて

    夕方、熊野川河口付近を散策。 こちら側は和歌山県、川の向こう側は三重県、その間に小さな中州ができている。

  • 自分の欲望に素直に向き合う 【読書メモ】 『マーケット感覚を身につけよう』

    整体・ボディワークを通じて自分自身をできるだけ理解(realize)していこうよ、ということを私は呼びかけているわけだけれど、それを本気で受けとめてくれる人は少ない。 どうして自己理解を深めようと思わないのだろうか。 やる必要もないし、やりたくもない仕事を引き受けて、ぐだぐだ言いながら生きている友人・知人を見ていて私は不思議に思ったりする。 いったいどうしてそんなおもしろくない生き方をするのだろ…

  • 湯垢離(ゆごり)

    昨日は病院に母親の面会に行って、なんだか嫌な疲れ方をしてしまった。 これは良い温泉に浸かるといいのではないかと思って湯川温泉のきよもん湯に行った。 大正解だった。 大地のエネルギーに充ち満ちたお湯に浸ることで、全身から邪気が抜けていったような感じがする。 すっきり、さっぱり、ぽかぽか、すべすべになった。 そうい…

  • 節合わせ

    いびつな形の石ころも、うまく “節合わせ” をすれば積み上げることができる。 大事なことは、中心を外さないということ。 石ころの中心と地球の中心とがぴしっと一直線になるよう…

  • ふしあわせ

    車を運転しながら「情熱の薔薇」を熱唱している。 何度も歌いながらいつの間にか「なるべく小さな節合わせ♪」と勝手に歌詞を解釈していたりする。 苦境や逆境にあるとき、それはたいてい人生の “節目” となる大事な時機である。 そんな大事な時機を「不幸せ」と嘆いているのではなく、新たな人生に適応していくのに必要なことを「節合わせ」として淡々とやっていければ良いなと思う。 そして、身体にもひずみが…

  • 近況報告

    母親が認知症治療病棟に入院して二ヶ月半になる。 まだ退院の目処は立っていない。 面会に行くと、「ここは地獄や」「人間扱いされへん」といった愚痴を母から聞かされる。 入院当初は私が面会に行くと、母は嬉しそうな表情を見せてくれたものだったが、今ではベッドに拘束される時間が大幅に増えて笑顔が消えた。 心配してくれる親戚の人たちには、なかなか状況の深刻さを理解してもらえない。 おかげで「誤解…

  • 鬼神

    三重県熊野市の鬼ヶ城を散策する。 「これは鬼の足跡じゃないか」 「この穴は鬼が金棒でぶっ叩いてできたんやろね」 七歳の甥っ子にそんなことを言われると、「なるほど、そうかもしれん」と本気で思えてくる。 「神」という自然の力は、人間の善悪や好き嫌いといった価値判断とは無関係に、私たちの身体やその周辺環境に作用する。 そして「魂」というのは、私たちの想像力というか、イメージの世界と密接…

  • 鵜殿

    七里御浜の南端は、紀宝町の鵜殿港のすぐ隣になる。 海岸侵食が進んでいて、波打ち際にはテトラポットが並んでいる。 なんでこんなことになったのか、関心のある方には次の論文をお読みいただきたい。 →三重県七里御浜海岸の海浜変形機構に関する一考察

  • 波打ち際

    「波打ち際」という場所がおもしろい。 そこは海と陸との境界であり、いつも変化が起こり続けている。 異質なものが互いに影響し合う場所。 縁(へり)はおもしろいものなのだ。

  • 丸山千枚田

    熊野市紀和町、田植え前の丸山千枚田を訪れた。

  • 身体と大地との関係 【読書メモ】 『野口体操入門』

    身体は、個体ではなく、液体のような流体としてイメージする。 足をポンプのように使って、床から足、脚、腰、背、腕、手、指へと水が伝わっていゆく。 そんなことを、かつて太極拳を習い始めた頃に教わった。 「ふーん、そういうものなのか」と思いながら毎日稽古しているうちに、いつの間にか本当に身体を流体として感じられるようになってきた。 何年かかったかわからない。 イメージが実感に変わっていくプ…

  • 華城山

    今日は熊野市の華城(はなじろ)山へ。

  • 松本峠

    熊野市の鬼ヶ城のそばにある熊野古道・松本峠へ。

  • 鬼ヶ城の西口へ

    三重県熊野市の鬼ヶ城を訪れる人はたいてい東口から歩く。 なぜなら東口には広い駐車場があって、レストランや売店があるからだ。 先月私が訪れたのも東口付近である。 今回は辺鄙で裏口のような雰囲気の西口付近を散策してみる。 七里御浜すぐそばに西口はある。

  • 花の窟神社とその周辺

    伊弉冉尊(イザナミノミコト)が祀られた花の窟神社に参拝する。

  • 悟りの境地?

    入院している母親の面会に通っていると、いろんなことが起こる。 たとえば、見知らぬお婆さんが近づいてきて、私の肩に手をおく。 「こんにちは」と挨拶すると、お婆さんは黙って私の頬をつねる。 「痛い、痛い、やめてください」と言うと放してくれたのだが、少し時間をおいて今度は耳を引っぱる。 お婆さんは無表情で、興奮している様子もない。 感情が表に出ていないので、私に敵意を抱いているのか、親しみ…

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