Book Review『ステージ4の緩和ケア医が実践 がんを悪化させない試み』山崎章郎

Book Review『ステージ4の緩和ケア医が実践 がんを悪化させない試み』山崎章郎

著者は75歳の緩和ケア医で、約30年間にわたり自信と誇りを持って活動してきました。その著者がある日突然ステージ4の大腸がんを宣告され、当事者になってしまいます。ステージ4大腸がんの標準治療である抗がん剤治療を受けるがそこで日常が壊れるほどの副作用を体験した著者は発想を転換し、なるべく日常生活を維持しながらがんとの共存を図る「がん共存療法」を、自身の身体を実験台にして開発することを決断します。つまり「がんが存在していても、増殖しなければすぐに命に係わることはない。ゆえに、がんの増殖を抑制できれば、がんとの共存は可能である」と価値観の転換を図るのです。本書はその実験の過程をまとめた書籍ですが、玉石混交の既存の代替療法の中から、科学的、細胞学的に腫瘍細胞を縮小させうる根拠になりうるものを組み合わせて次々と自身の...BookReview『ステージ4の緩和ケア医が実践がんを悪化させない試み』山崎章郎