今はアイドルグループ平成9人さんのパロディを書いています。
完全妄想のお話をあげています。日本のアイドル、Hey!Say!〜9人さんのパロディ(あなたはでてきません)をアップ中です(^_^)
yt.side みんなが感じているであろう疑問に藪くんは、「いや、途中までは、モニター体験予定のゲームだったらしいけど、途中からバグみたいな状況だっただろ、そのあとも探偵みたいな流れだったし」「うん、みんながゲームの枠を超えて合流して、滝に落ちて、みんなで探偵役みたいになって、サギタニさんを救うために頑張った」 流れはそんな感じだったよな、と思い返しつつ言うと、「合流したあたりから、あの男の作った物なん...
ym.side 藪くんがあきらめ顔でコーヒーを淹れ始めた。こっちを見てくるもんで、俺もカウンターの中に入ると手伝った。 コーヒーを淹れつつ、「合併したって言ったろ」 と一言。「鷺ノ宮、融資を頼まれたんだ。だけど、どうせならってゲーム制作の会社と合併したんだ」 と光くんが付け加える。「で、ゲーム会社の人間が勝手に人員整理をしたんだ」「マジかあ」「あのゲームの中と同じじゃん」 と大ちゃんと知念がどこから持っ...
yt.side 休みって聞いた瞬間、元気になったけど。疲れ切って帰ってそのまま爆睡したのはたぶん俺だけじゃないだろう。 今日も休みならなあと思いつつ店に出ると、カウンターに藪くんのお友達が座っていた。「鷺ノ宮さん?」「だよ。俺が来たらもういたんだ」 と高木くんが掃除しつつこそこそと答えてくれた。「あのことかな」 と小声で言う俺に高木くんも、「あのことって昨日の? そうだろ」 とうなづいている。 結局何が...
kt.side 階段を駆け下りる男を藪くんたちが追っていく。 俺や山ちゃん、ちいちゃんに裕翔は声をかけるとエレベーターへと走った。 あのまま降りていけば挟み撃ちにできるはず、と思ったんだけど。「乗ります」「すみません、10階で」 途中途中で止まるエレベーター。乗り降りする人がひっきりなしで、なかなか下に着かない。「まずいな。早くしないと」「でも階段よりは早いんじゃない?」 山ちゃんやちいちゃんが話すのを聞...
ar.side エレベーターにRのボタンがない。「ともかく一番上に行こう」 と藪くんがボタンを押した。 一番上の階から廊下を走り階段を探す。廊下の端にあった階段の前には大きいわっかのチェーンが渡してあり、上に行かれないようになっていたが、チェーンをまたいで上に上がる。 屋上に出られるらしいドアの前。「開かない」 藪くんがドアノブをがちゃがちゃとさせるけど、鍵がかかっていて開きそうにない。「開かないってこと...
hk.side「うわあああああああ」 全員で叫んでた。 ゲームの中、サギタニを助けようとして手を伸ばした。サギタニを突き飛ばした男を止めようとした大貴たちが男と一緒にもつれるように転がり、裕翔たちが転がり落ちそうな俺たちを止めようと手を伸ばしてつかんで。 そのまま、全員でビルの向こう側、空に向かってアニメのようにジャンプしていた。「うわああああ?」「え? え?」「ここ?」 思わずつむっていた目をそろりと...
yb.side 伊野尾が開いたパンフを覗き込むと、一角に笑顔で映っている一人の男。バックにはヘリコプターが小さく見える。「これがサギタニ?」「鷺ノ宮に何となく似てるな」 光が横から口を挟む。「なあ、ヘリコプターってどこよ」 高木が「あっ」と言うと、伊野尾も「上だ」と一言。「上?」「屋上だよ、たぶん」 高木が答え、伊野尾も「ヘリポートだよ」とパンフの表紙を見せてきた。「屋上!」 全員で上を見上げた。 壁の...
ym.side「あの絵。あんなの、ゲームの部屋になかったよね?」 と知念が壁を指さすと、「こんな写真のことを伊野ちゃんと圭人が言ってなかった?」 と首をひねってる。「そうだよ、くまと犬と で並んでて」 顏を見合わせた俺と知念は部屋から飛び出すと壁に向かって今見た絵画のことを話した。「あの写真か」 と言う伊野ちゃんの声。反対側の壁の向こうからは圭人が、「動物が並んでたよね、あれのこと?」 すると、裕翔の...
ym.side いったん、下の階へと降りた俺たちは、階段を進んだ。「これもゲームの流れ?」「さあ、わからないけど、あの部屋には行かないと」 階段を上がると、廊下に通じるドアを開ける。 後ろを振り返ると、廊下にさっきまでの壁がない。 と思った瞬間、目の前に壁。「まじか」「妖怪かよ」「そんなゲーム?」 もう一度、階段へと戻った俺たちは、半分に別れた。 階段と非常階段に。 でも、俺は非常階段を進みながら首を...
in.side 和室で死体を置いたまま、呆然状態の俺たち。「あの、でもさすがに9人が行方不明だったら、事件になるし」 と圭人がごにょごにょ言うのを山田も、「そうだよ。たぶん大丈夫だよ。それより、ここでしないといけないことがあるんじゃない?」「何だよ、やらなきゃいけないって」 と大ちゃんが口をへの字にしてわーわー言ってる。「クマと犬とツルってきたんだから、次はサギだろ」「そうか、サギ。こっちの世界の鷺ノ宮さ...
tk.side「でも、それはゲーム制作のヒントに使ったとか」 と言う俺に、知念が、「現実の事件がいつ起きたかによるけど、制作してるとき起こったなら、シナリオを変更していくのは難しくない?」「できないとはいえないけど」 と山田も口の端をまげつつも、嫌な感じしかしないんだろう。言い出した俺自身も嫌な予感しかしない。「だいたい、この流れもおかしいし。何か変だよ」 と言い切る伊野ちゃんに、圭人も大ちゃんも嫌そう...
yt.side 男子高校生に言われ、隣の部屋に飛び込むと、女性がお腹を押さえて屈みこんでいる。苦しそうな様子に俺はあわてて駆け寄った。「大丈夫ですか?」「ううううう」 唸りつつ額には脂汗をかいている。何? さっきみたいな毒? 「とにかく救急車呼ばないと」 と言う知念に、藪くんが電話をかけている。山は、俺の側に来ると女性の背中をさすりつつ男子高校生に顔を上げた。「何か口にした?」「え? いや、おじさんがお...
ar.side どうもみんなして各自色んな設定でこのでかい家にやってきたようだ。 全員から無理あるだろうと突っ込まれ気味な俺と山田。「高校生探偵と言えばあれだよなあ」「大ちゃん、ビデオカメラ持たないと」 なんて言われつつも、探偵役らしい山田や知念が「犬川家のこの人は犬川さんでいいんだよね?」と弁護士の裕翔に聞いている。 裕翔はネクタイを緩めつつ、「俺もいきなりだからよくわからないけど」 と持っていた書類...
cn.side 紙片に書かれた場所に行くと、そこはでかいお家で。 通された和室には、その家の親族が顔をそろえてて、そのうちの一人が光くんに、「いらしてくださって感謝します」 と頭を下げた。 どうも、光くんは有名な探偵らしい。じゃあ、僕は? 蝶ネクタイといい、何だか嫌な予感しかしない。 そういうゲーム世界なのかも。 だけど、和室の一角に座るよく知った顔を見て驚いた。「ゆーてぃ」 こちらに気付いてうれしそ...
tk.side 何が何やら。 俺はなぜか大学生で、伊野ちゃん助教授なのかなんなのか。 しかも、俺は伊野ちゃんのお供で建築物の調査に行くことに。 いや、建築って俺わかんないよ?「家の資産価値が知りたいんだってさ。この会社と合併したらしいけど。金ないのかな」 とジャケットの内ポケットから折りたたんだパンフを見せてくれた。会社の屋上を上から撮った画像が表紙のパンフ。何となく見たことあるような会社だけど。「会社...
in.side「えーっと、ここは脱出ゲーム?」 俺は部屋の中を見回した。 どうも普通の部屋に見えるというか、こういうの大学の教授の部屋で見たよな。 そんなことを考えつつ、壁一面にずらりと並んだ本棚を見ていると、いきなり誰かが飛び込んできた。「い、伊野ちゃん!」「あれ? 圭人じゃないんだ。高木?」 ジーンズにチェックのシャツに、なんだかオタクっぽいけど。どう見ても高木で。「伊野ちゃん、俺、学生なのかな」「...
yt.side 高木くんとイカダのオールというか、長い木の棒をあやつりつつイカダを進めていた。 川の流れに乗って進むイカダ。 イカダの上では全員で、自分たちに起こってこと、倒れてたクマがにぎってた紙片のこと、ゲームのことを話してた。 ゲームが全部混ざった状態はバグなんじゃないかって結論になってたけど。 何だか、川の流れが速くなってきたな、と思ってたんだ。 高木くんを見やると、こちらを見て眉間にしわを寄せ...
in.side とんでもない返しの裕翔に、高木が吹き出し、山田があきれ顔。 知念には「なーんだ」と言われつつ、俺は写真の話をした。「ベッドのそばに写真立てがあって、その動物が肩並べて写ってたんだ」「これ?」 と光が紙片を見せてくる。「クマと犬とツルはわかったけど、もう1羽、鳥がいたんだ。あれ、サギだったのかも」「肩並べてって、人間みたいに?」 と聞いてくる裕翔に、俺はうなづいた。「ファンタジーなのかな、人...
hk.side でかいイカダだとは思うけど、さすがに9人は多いよな。 ぎゅうぎゅう詰めで川を進む。裕翔と高木がオールなのか、長い棒を操作してる。 ゾンビが森から出たところ、さっきまで俺たちがいた場所にわらわらと姿を現してうろついている。「よかった、こっちに気付いてないみたいだよ」「だな、イカダが正解なのかも」 圭人と大貴が言うのを、他の連中もほっとした顔で聞いていた。 川の流れはゆるやかで、進むイカダもす...
yb.side「おいおい、まじかよ」 床に伏せていた俺たちは、音がやんでからもしばらくそのままで、そっと顔だけ上にあげた。 見ると、壁は穴だらけ。 いきなり機関銃なのか、何なのか、ハチの巣状態になったようだ。「何が起こったの!?」「わかんないよ。でも死にそうな状況だったのだけはわかる」「俺のゲーム、こんなんじゃないだろ」「俺のだって」 うつぶせのまま、ワーワー言い出した連中に、「もういいから、どうもおか...
cn.side 隣の部屋から何かを割る音やばたんばたん言う音が聞こえてきたと思ったら、いきなり2階から誰かが駆け下りてきた。「え? 圭人?」「伊野ちゃん?」 光くんやゆーてぃが指を差し、階段から駆け下りた2人もこちらを見て目を丸くしてる。 僕は、音がしたドアを開けかけてたとこで、ドアの向こうからも、「え? 何で?」 と聞きなれた声が聞こえた。 見ると、どこかで見たような勇者の格好の涼介が、タンスの扉を開け...
in.side 圭人と謎の生物から逃げ切った。 俺たちのゲームは脱出系のはずで、あんな生き物が出てくるとは思えないが。もしかしたら、新しい脱出系なのか。「まあ、いいか、どうせそろそろ戻るんだろうし」「そうだね」 と答えた圭人が、家の奥の方に「こんにちは」と言いつつ見に行った。「伊野ちゃん、スープある」「はい?」 隣の部屋に行くと、木のテーブルの上にスープが並んでて湯気まで出てる。「住人はいないんだよなあ...
kt.side なぜか外に出た俺と伊野ちゃん。 まさかのゴール? なわけないよなあ、早すぎるし。 と思ったが。「でも1時間で一応ストップして休憩してもらうとか言ってなかった? これって1時間たったってことじゃない?」 確かゲームの説明をうけたときにそんな話をしてたような。 そう思って言うと、伊野ちゃんも、「あー、そういえば、そんなこと言ってたっけ。もう1時間は経ってるよな」 だが、外に出たと思った景色はどう...
cn.side 気づくと、ファンタジーに出てくる村のようなとこにいた。 白い漆喰の壁に三角屋根。そんな家が立ち並び、道はもちろん舗装なんてない土のまま。木々も生えて緑も多い。人の姿もみえるものの、アニメから出てきたような姿形でやっぱりゲーム世界の中なんだと納得する。「なんとも不思議な感じだよな」 ときょろきょろしっぱなしの光くんに「とりあえず、村人に話聞いて、薬草を家に持って行って何か作らないとかも」「...
hk.side 隣のカフェバーに顔を出すと、カウンターにいた鷺ノ宮に捕まった。「ゲーム会社?」 色んなことに手を出してるのは知っていたが、次はゲーム関連か。金持ちのすることはよくわからない。 あきれ顔してたのに気づいたのか、鷺ノ宮は、「これはいわゆる人助けなんだぞ」 と胸を張った。鷺ノ宮が言うには、「知り合いのとこなんだけど、経営難らしくてさ。合併することにしたんだ」 よくよく聞くと、ゲーム会社をしたい...
yt.side モニターをしないかって、と店終わりに藪くんから言われた。 すぐさま、大ちゃんが、「ねえ、ゲームの?」「やっぱり聞いてたか」 と藪くん。「ゲームのモニターって、あの人、そんな仕事始めたの?」 とちいがカウンターに座る。その横に座った伊野ちゃんが、感心なのか呆れなのか、「色々と手を伸ばすねえ」 と息をついた。「まあなあ」と答えたのは光くんで、「新しいゲームらしいよ。色々あるから2人ずつかひと...
yb.side 裕翔と小さなビルの小ぶりな部屋にいる。「所長、お茶入れましょうか」「ちょっと、俺が所長?」「でしょ? 実際オーナーなんだし」 裕翔がそそくさとお茶をいれはじめた。「ゲームなんだから裕翔が所長でもいいじゃない。それより、共同経営者っていうのでいいだろ。ほら」 と俺はドアを指さした。 すりガラスが四角くはめ込まれたドアには事務所の名前が裏側から見える。そこには「Y&N探偵事務所」の文字。「あ...
kt.side「なあ、圭人、これ英語で」 と言いかけた伊野ちゃんが、「いや、英語じゃないな」 とぽつり。「脱出ゲームってしたことあるの?」 と聞くと、「なくてもできるだろ」 とタンスの裏から出てきた紙片を逆さにしたりひっくり返したり。 俺と伊野ちゃんは気付くと、一つの部屋の真ん中に突っ立っていた。 4つのドアのうち、2つは開いたが2つは鍵がかかってる。「たぶん、このドアから出るのが最終目標だよね」「だろうね...
ym.side 朝目覚めたところから俺の話はスタートした。 まじで最初からなんだな。 どうりで、ひとりなわけだよ。 ひとりでも何人でもよかったみたいだが、なるべく全網羅してほしいということで、じゃんけんで別れた。 俺一人になったんで、てっきりアクションアドベンチャーとかかなと思っていたが。割り当てられたのはロールプレイングゲームだった。 ゲームは好きだし、ひとりでもいいんだけど。ロープレだと人数いるんじ...
ar.side 息をついて壁にもたれた。 手にはライフル。横にいる高木は、銃を肩にかけ、手にはバール。「近距離で物理攻撃といえばこれでしょ」 と車の解体置き場から取ってきたらしい。「実際さあ、ゲームは嫌いじゃないし」「好きでしょ?」「いや、まあそうだけど」 俺は口をとがらせつつライフルを持ち直し、崩れた建物の残りなのかコンクリートの塀のようなものの角から顔半分出してあたりの様子をうかがった。 民家らしい...
ケーキ&カフェバーへようこそこんにちは~やっとできました(;^ω^)12月にあげてから既に1か月ちょい?だいぶかかってしまいました💦その間に、アルバムも届き、車でずっと聞いてます🎵おとぎの世界というか童話の世界というか、統一テーマも色んな方の曲提供もいいですよね😊💙なかなかテレビで全員を見るってこともそんなに多くないので(少し寂しい(´;ω;`))ですが、みんなそれぞれに頑張ってますよね、今年も静かにですが応援して...
こんにちははじめましてのみなさん、はじめまして^^年末はいかがお過ごしですか?なんやかやと忙しいもんですね😅そんな中、久々に占いツクールさんをのぞきにいきました。うちのこの小説を置いたままななんですよ。最初は占ツクさんでやってたんだけど、色々難しいなってなって個人ブログを始めたんだけど。で、久々行ってみてみたんですがこっちでの最初の2,3本だけ占ツクさんに置いてるんですけどね。中身を読んでみて文章...
cn.side どんどんとドアを叩く音がして、でかいソファが大ちゃんちに入ってきた。「え?! え!?」 大ちゃんが目を白黒させてる。「どうしたの、これ」「みんなからだよ」 と藪くん。 全部がグレーのソファはちゃんと四つの足がある。圭人、ゆーてぃ、ゆーや、涼介が、居間へと運んできた。「知念、伊野ちゃんどいて」 はいはい、と二人で移動。 ソファは以前あったオレンジ色したソファの場所に置かれた。「これ、いいの...
kt.side 大ちゃんの家のソファは重要証拠として持っていかれた。 巣崎さんが運び出したものと同じかどうか、調べてわかるのかどうか、素人にはわからない。指輪ももしかしたら全然関係のないものということだってあるんだし。 ねえ、と自説を訴えたが、山ちゃんには、「お前、あのソファで寝たのをなかったことにしたいんだろ」 裕翔にも「かわいそうに」てな目で見られた。 同じくソファでうたた寝した高木くんは悟りを開い...
hk.side「俺たちが真面目に働いてるときに修羅場が展開されてたんだなあ」 と俺は、キッチンの椅子に座ると紅茶をすすった。「大変だったよ、なあ」 とキッチンの主、大貴がカップにココアの粉を入れてお湯をどぼどぼと注いでる。 カフェバーで巣崎さんに聞くことがあるってことを事前には聞いていたが。 まさか、警察沙汰になるとは思ってなかった。 なもんで、しばらくは来るお客様来るお客さまに色々聞かれて大変だったん...
ym.side 巣崎さんがお休みだという日。 午前中に店にまで来てもらった。「どうも、お騒がせして。プロポーズの件は」 カウンターに座った巣崎さんにコーヒーを出した。 裕翔や大ちゃん、雄也は店の開店準備中。 藪くんは頭を下げると、「こちらこそ、こんな時間にすみません。店をやってる時間だとゆっくり話せないかと」「いやいや」 と巣崎さんはにこりとしてコーヒーに口をつけた。「開店前の掃除なんで、バタバタしちゃ...
yt.side 藪くんの話と大ちゃんたちが聞いてきた話で、加塔さんと多丸さんが親しかったんじゃないかと思えた。 藪くんは更に、「色々、変なことが続くから気になってたんだ。ソファの出所がはっきりしたら変な妄想もしないだろうと思ったんだけど」「変な妄想って、あ、死体があるとかないとか」「それ、伊野ちゃんが言ってたやつだろ、ったく」 俺の言葉に大ちゃんが口を突き出している。「結局ソファの出所はわからなかったし...
yb.side 池田さんのところに行っていた大貴と高木が帰ってきた。 だけど、二人して微妙な顔してる。「どうだったの?」「うん、ソファの出所はわかんなかった」 山田に大貴が答えてる。高木も、「池田さんが巣崎さんのソファを運んだ話も詳しく聞いてきたよ。あと加塔さんと彼女のことも少し」 と話したことを説明してくれた。「池田さんの彼女が見た様子からすると、加塔さんと多丸さんは仲良かったのかな」 俺はカウンター...
ar.side 池田さんのリサイクルショップに高木と一緒にやってきた。 ちょうどお昼をとるというので事務所にお邪魔した。「すいません、忙しい時に」「いえいえ」 とコーヒーを出してもらう。池田さんは昼食べながらすみませんと言いつつ、「あのソファのことですよね」「はい、出所はわかりませんか?」 ソファが中古なのはわかってるが、どこから来たかがわかればすっきりするし、指輪を返すとこもわかるかもという話になった...
tk.side とんでもないことを言い出した伊野ちゃんに、俺も山田も裕翔もソファから飛びのいた。「死体って」 有岡くんが、「やめてよ! せっかく買ったのに! お気に入りなんだから」 とぎゃんぎゃん言い出した。そんな様子をちらりと見上げた藪くんが、「じゃあ、やめとこうか」 俺たち3人以外も、わかったとばかりに立ち上がった。「え? やめるの?」 帰り始める全員に大ちゃんは、「中途半端じゃん、このまま使うのって...
hk.side「何、どういうこと?」 休みの今日、なぜか全員で大貴の家に全員集合。「ラインで早く来いって言うから来たのに。朝ごはんない」 と伊野尾が冷蔵庫を開けている。「コンビニ行ってくる?」 と裕翔。藪と高木は、「このソファのこと?」 と誰も座っていない大貴のソファに目をやった。「何?」 と俺が聞くと、「大貴がソファを買って運んでくれた人がカフェバーに来たった言っただろ。その時にソファの話が出て」 巣...
ym.side 夜遅かったが、伊野ちゃんと雄也にラインすると二人とも起きていたみたいだ。「ソファで見た夢?」 と雄也から電話がかかってきた。 大ちゃんがスピーカーにして聞くと、言いにくそうなのが声でもわかったが、「指輪をもらう夢だよ」 これには全員で驚いた。「もっと詳しく教えてよ」 電話の向こうで「えー」と唸ってる声がする。「ねえ、相手は涼介?」 なんてことを知念が言いだした。 電話向こうでは「いや」と...
kt.side ちいちゃんに誘われて大ちゃんの家にお邪魔した。「明日は休みだし~」 とさっそくゲームを始めるちいちゃんと大ちゃん。 山ちゃんは何か夜食食べる、とキッチンにいる。 手伝おうかと思ったが、ソファに座ると眠気の方が勝ってきた。「圭人~、寝ちゃうの?」「寝てもいいけど、毛布持って来いよ」 ちいちゃんや大ちゃんの声に「うーん」と答えつつ、まぶたが落ちそうになるのと戦っていたけど。「これ」 と目の前...
yt.side 開店時間間際に大ちゃんと高木くんがお客さまを連れてやってきた。お客さまをテーブル席に案内していった大ちゃんのあとを水やメニューを運んだ。 着替えに行く大ちゃんに、「巣崎さんに会ってたんだって?」 と言うと、「何で知ってんの?」「伊野ちゃんから聞いた。藪くんも聞いてるから大丈夫だよ」 その藪くんは、カウンターからレジに移動した加塔さんについていき、お見送りしている。「加塔さん?」 俺はうな...
ar.side 高木と二人で店までとぼとぼと歩いてた。「疲れたな」 という俺に高木は声を出すのもおっくうそうだ。「結局、愚痴を聞かされたというか」「自分は悪くないの一点張りって感じもしたけど」 巣崎さんはプロポーズの話をどうすべきか悩んでいることを相談したかったのか、加塔さんとのもめ事を言い訳したかったのか。ジムで会った高木を捕まえて話をしていたようだ。 そこに伊野ちゃんに背中を押されて参加したんだけど...
in.side みんなからいろんな情報を耳にした。 高木が遭遇した喧嘩の2人がお隣のカフェバーでまたもやひと悶着起こしたとか。三角関係だか、ストーカーだか、話があれこれと情報番組のごとく飛び回る。「でも、その彼女の行方がしれないなら、かなりやばい話じゃないの?」 と言ってくる大ちゃんに、俺は上を向くと、「もしかしたら田舎に帰省したのかもしんないじゃん」「田舎?」「付き合いに疲れたとか、三角関係に嫌気がさ...
yb.side 巣崎さんから連絡が入ったのは翌日だった。「で? なんて?」 と光がカウンターでコーヒーを飲んでいる。「ここでプロポーズはしたいけど、もう少し様子見るって」「だろうなあ」 うんうんとうなづいてる。「加塔さんだっけ? あの人の言い分だけじゃわからないけど。聞いた話からすると、また邪魔しに来そうだもんな」 そうなんだよなあ、と俺も心の中でうなづいてた。 何が本当かは知らないが、電話口での巣崎...
cn.side「犯罪者!?」 ケーキ屋の営業が終わって、カフェバーのキッチンに潜り込んだ僕は、飲んでた紅茶を吹き出しそうになった。 圭人も皿を洗い始めていた手を止めた。 涼介は、カフェバーの開店前に起こった出来事をさらっと説明すると、「加塔さんは、巣崎さんが彼女を殺したと思ってるんだよ」「彼女?」「加塔さんの?」 続けざまに聞くと、涼介は、「巣崎さんの過去の彼女らしいんだけど、加塔さんが言うには、彼女は...
tk.side ジムに寄って店に行こうとしていたところに、あの男性、うちの店でプロポーズをしたいとか言っていた男性がやってきた。 相談をしたいというので、そのまま店に向かったんだ。 来る道すがら、男性、巣崎さんというらしい、は、付き合っている女性がうちの店も隣のケーキ屋もひいきにしていると説明してくれた。「それで、うちでプロポーズを」「はい。まあ」 とにこりとする巣崎さん。 さすがにいちゃもんつけてきた...
ym.side みんなで大ちゃんちにお邪魔してからすぐに、裕翔たちが遭遇した死体発見のニュースがテレビに流れてた。 殺人と事故の両方で捜査中だとか。と言っても、身元は不明で何もわかってはいないようだった。 足りないものを買いに出てた俺は、商店街の中で出勤途中の裕翔に出くわした。「それ持つよ」 と、両手を差し出してきたので、言葉に甘えて二つのうちの一つの袋を持ってもらう。 会話はついついニュースの話になっ...
kt.side 高木くんがため息をつくのももっともで、いきなり目の前でケンカが始まったらしい。「しまいには取っ組み合いになりかけるし、俺とジムのトレーナーさんたちでなんとか引き離したんだ」 うわあ、かわいそう、とちいちゃんが小声で言ってるし。みんなも同じように思ってたんじゃないかな。 藪くんが、「それじゃあ、彼女にプロポーズの話もどこか行った感じだな」 高木くんはまたうなづいて、「また話します、ってこっ...
ar.side みんなして山田が作った鍋をつついた。「うまああ~」 と俺が叫び、みんなも舌鼓を打っている。 裕翔も伊野ちゃんもやっと嬉しそうな顔で食べてるし、みんなでバカなことを話して笑ってた。「あー、食べすぎた。まずいなあ」 と高木が腹をさすってる。「せっかくジムに寄ったのにねえ」 と知念が言い、俺も、「来てもすぐにソファで寝ちゃうしなあ」「なんだ、高木も寝てたの?」 と伊野ちゃんがまだご飯を食べつつ...
hk.side 藪や山田、圭人と俺の4人で大貴の家に向かった。 たどり着くと、既に全員が集合してて。「伊野尾、寝てんの?」 伊野尾がソファで眠り込んでて、裕翔はソファにもたれてる。 知念と大貴は静かな音で、静かにゲーム中。高木はあくびをしつつ、コーヒーを飲んでいた。「大丈夫か? みんなお疲れみたいだな」 と言う俺の側で藪が、裕翔に「何かあった?」 と聞いていた。「電話で田中さんが謝ってきたんだけど」 そう...
in.side 公園で誰かを待っている俺。 誰かが駆けてくる。 その人は、俺の前で膝に手を置くと、ぜーはーと息を整える。 笑顔をあげ、ポケットに手を突っ込んで何か出そうとする。 その人はなぜか山田で。 俺、山田と何か約束してたっけ? ポケットから取り出したのは、小さな箱。 これ、まさか。 と思っていると、そこにまたもや誰かが走ってくる。 山田の肩を掴むと、ぐいっと後ろに引き倒した。 大ちゃん? なんで?...
yb.side 商店街の会合から帰ると、キッチンから山田が出てきた。「おかえり、こっちももう終わったよ」「遅くなってごめん。車出すよ」 休みの今日、大貴の家に集まることになっていた。そこでみんなして夕飯を食おうということになり、こっちから材料やら、料理したものを持っていくことになっていた。「あ、そうだ、裕翔と伊野尾、帰ってきた?」「あの二人なら、藪くんと入れ違いで帰ってきたよ。野菜もキッチンに運んでくれ...
yt.side「ここらへんだよね?」「たぶん」 助手席に座る伊野ちゃんがスマホを操作して地図を確認してる。「前にも来たんだけど、あの時は俺、運転してないし」「それは俺も。つか、迷うわ、落ちるわ、大変だったけど、」 とぶつくさ言っている。あの時は山ちゃんと伊野ちゃんの2人で山奥にあるトマト農家さんのとこまで行って、大変だったんだよね。「農家さん、元気かな」「田中さんだろ。元気でしょ。他の野菜も作り始めたみた...
tk.side 目の前に小さな箱を差し出された。 これって、指輪が入っているような箱というか入れ物だよな。 ドラマで、男が女にプロポーズするときなんぞに見る奴。 ぱかって開けて、結婚してください、なんてひざまずくのだよな。 と思う間もなく、目の前でひざまずいて顔を上げて、 って、伊野ちゃん? そこにいきなり誰かが飛び込んできて、伊野ちゃんがぶっ飛ぶと、別の誰かが俺の腕をつかむ。 見ると、それは。「え? ...
cn.side「知念、何か飲む?」「うーん、何があるの?」 休みの日、僕は大ちゃんちにお邪魔していた。「飲み物と菓子は買っといたんだよね」 なんて言いつつ、大ちゃんが冷蔵庫を覗いてる。「全員分買ったの?」 僕はテレビの前に移動するとゲームソフトを漁った。「買ったつもりだけど、全員、うちに入りきるかなあ」 全員、つまりは9人がここに集合する。「そうだねえ」 と答えつつも、何でまたそんなことになったんだっけ...
以前の雑記で書いたK国の5人組アーティストNU'EST日本で5年ぶりにアルバムが出ます!ってことでやっと買いました~~~~🎵本当は向こうで出てたミニアルムを買ってて(ってこれも前回書きましたね)詳しくはこちら→今日語るのはニューイースト♪で、一番新しいミニアルバム買おうかなあ、と思ってたら今回のアルバムにミニアルバム2枚分が全曲入って、日本語曲も2曲入るって言うんでこちらを買ったんです日本語曲、めっちゃよかった...
こんにちは~3つのグループで話題ですねえyoutubeにいきなり現れたグループこれってHeySayJUMPだよねえってあちこちで見かけますね歌声もダンスも、ねえ^^そうとしか思えないけどJさんとこもSNSを色々活用し始めた感じもしますね事務所管理でPVをもっとアップしていくとか、インスタ活用するとか楽屋裏とか見せてくれるとうれしいし、いいと思うんだけどSNSにあげたものはブログとかであげてもいいよって感じにもしてほしいなあ...
ar.side 伊野ちゃんのスマホを画像を覗き込むと「へえ、これ、すげえ」「親戚の子、すごいね」 一様にみんな感心してみていたが、「田舎からこっちに出てきたんだ。まだ知り合いが少ないから、ちょいちょい呼び出されて買い出しとか付き合わされてるんだよ」 と言う伊野ちゃん。「ひとり暮らし?」 と聞く知念に、「そう、△〇町の」 途端に俺はハッとした。「あ、そうか、あのマンション」 え? と言う顔をした伊野ちゃんに...
tk.side 裕翔が頭を下げると、山田も、「俺も言えばよかったよ、ごめん」 と二人で頭を下げあっている。「まあいいじゃん、ゆーてぃの心配も杞憂で終わったし」 にやにやする知念に、裕翔が「心配って」とぶつくさ。「あれ、でも爪って何?」 と圭人が首を傾げた。「そういえば、そんなこと言ってたな」 と俺も裕翔を見ると、「あれは、山ちゃんの頭に付いてたのが爪だと思って」「爪が頭に? 何それ、怖い話?」 と聞き返...
hk.side キッチンに次から次へとスタッフが入り込んだと思ったら、何やらワーワー言い合う声が聞こえてきた。 もう閉店時間も近くはなっていたが、お客さまはまだ4組もいらしてて。俺はというと、会計処理でこちらに来るのが遅くなったが、そのままカウンターでコーヒーを飲んでいた。 ふとカウンターの中にいる藪を見ると、こちらに顏を向けたお客さまに笑顔を向け、キッチンに向かっていった。キッチンに入る瞬間、舌打ちした...
kt.side 彼女かあ。 キッチンに手伝いに入った俺は、何気に山ちゃんを観察してた。 そんな雰囲気は感じないけど、やたらあくびをしている。 そういえば、ここのとこ、眠そうな様子はよく見かけてた。「眠い?」 と聞くと、口を押えた山ちゃんは、「ごめん、あくびしてた」 とフライパンをゆすりながら、首をまわしてた。「疲れてない?」「あー、ちょっとね」 にこりとした山ちゃん。 これは裕翔が言うように彼女との付...
cn.side 伊野ちゃんの彼女は親戚だったらしい。ほんとかどうか知らないけど。裕翔も違ったみたいだし。 伊野ちゃんの話だと、裕翔の彼女と思われた人は友達の彼女で、結婚式の司会を頼まれたらしい。 しかも、その彼女と伊野ちゃんの親戚がお友達だったみたい。 昨日は偶然に会ったとかで、みんなや僕が見たダブルデートシーンはそういうことだったんだ。 お隣のカフェバーに行くと、大ちゃんやゆーやにデートシーンが間違い...
in.side 彼女がどうとかって、誰の? いきなり手のことを言われて焦ったけど。 彼女の話は初耳なんだけどなあ。「彼女って誰の? 誰か彼女できた?」 と圭人と知念に顔を突き出すと、二人そろって顔を見合わせた。「いや、彼女は、涼介に」「え!? そうなの?」 知念の言葉に圭人の声が重なる。 あー、と上を向いた知念は、「そういう噂というか、何というか」「何だそれ。噂?」 知念は「ゆーてぃが気にしてただけ」「...
kt.side 休みの日に、ダブルデートが発覚した裕翔と伊野ちゃんだったけど。「なんか不機嫌なんだよなあ」 とちいちゃんがつぶやいた。「誰が?」 ケーキをホールのケースに運んだ俺に、「ゆーてぃ」 と言ったちいちゃんが、ホールを見回し、「それに伊野ちゃんも」 と言う。「伊野ちゃん?」 そういえば、姿が見えない。「どこか行ったの?」「いや、着替え中。でも、自分の手を見てはため息ついてたんだ」「へえ、手ねえ」...
yb.side「このぐらいでいいの?」 知念が買い込んだナフキンやらマットやらが入った袋を持ち上げた。「車に運んどいたらいいから」 と言いつつ、光に頼まれたメモをポケットから取り出した。「あとは」「えー、まだあるの?」「悪いね。夕飯は好きなもん奢るから」 当たり前だあと言う顔をした知念は、車の後部座席に荷物を置いた。「移動するの?」「そうだなあ。IKEAもみたいし」 結局、料理器具の専門店が集まる商店街に寄...
ym.side 家に着くと、圭人と雄也がそろってやってきた。「あれ? 大ちゃんは?」「まだ来てないの? 連絡は入れといたけど」 まあいいか、そのうち来るだろ、とさっさと料理を開始した。 光くんや圭人が飲み物をテーブルに運んでいく。 リビングではいつのまにやら、恋バナなのか頭を寄せ合ってひそひそと話し始めてた。「裕翔の話?」 茶碗と箸をテーブルに置いた。「山ちゃんも見たの?」 と圭人が箸をわけていく。「光...
hk.side 圭人が山田に夕飯を誘われて、仕込みが終わった途端に出て行った。「光くん、圭人は?」 キッチンに顔をのぞかせた山田に、俺は「ウキウキしながら買い出しに行ったぞ」 とキッチンを見回して、最終チェックをする。「あー、もう行ったのか」「山田、まだ仕込みだったの? いつもより長くない?」「うん、今日は来るのがちょい遅かったから」 ふーんと答えつつ、電気のスイッチに手を伸ばした俺に、「ねえ、光くんも...
tk.side 彼女ねえ。 そんな話が出ても不思議じゃないけど。 昨日の夜に、知念や有岡くんとそんな話になったものの、そこまで重要視はしてなかった。 彼女ぐらいできるだろうし、できたからってべらべらしゃべるもんでもないだろう。中坊でもないんだから。 と思ってはいたが、まさか目の当たりにすると驚きの方が大きかった。 あれ、伊野ちゃんだよなあ。 店が休日の今日、俺はジムに行き、そのまま買い出しに出ていた。 ...
ar.side 知念が高木を捕まえると何かこそこそと聞いている。「え? 山田がジムに? いや、来てないよ」 ケーキ屋が終わってからやってきた知念はキッチンにこもっていたが、そろそろ閉店時間と言う頃にホールに出てきた。「知念、伊野ちゃんは?」「あー、伊野ちゃん、今日は早く帰るって」 いつもは二人してカフェバーで休んでるか、店を手伝わされてるか、なんだけど。「珍しいね、まさかデート?」 なんて俺に確認を取る...
やっと買いました^^HeySayJUMPさんの新CD!「Your Song」本屋さんで手に入るし~とのんきに寄ってみたら売り切れえ? やばっで、すぐに2軒目にあれ? ないよ、新譜コーナーにもHeySayJUMPコーナーにもなんで? と見ると、CD売り場の正面に飾られてましたもうそれしかなかったみたいでなんとか間に合いました(>_...
yt.side 開店前の掃除で何気に隣との通路に入った。 そのままお隣のドアをそっと開けると店にはちいだけがいた。お客さまもちょうどいらっしゃらない。 今しかないと思った俺はちいを手招きして通路に呼んだ。「涼介に? 聞いてないけど」 と納得いかない顔してる。「だよねえ、ちいなら聞いてるかと思ったんだけど。圭人も知らないかな?」「じゃない? 知ってたら態度に出そうだし」「だよねえ」 と唸る俺を見上げてきた...
ケーキ&カフェバーへようこそこんにちは~お久しぶりです(>_...
cn.side 魔法のカードと言う名のプリカを取りに、カフェバーにやってきたとか。「すげえ、喜んでたって」「そりゃそーだよ、なんせ諭吉さんだもん」 涼介の言葉に納得する僕。「そんなに課金するの?」 という圭人に、2人して大きくうなづいて返す。「でも見つかってよかったねえ」「まあなあ、落とし物のプリカを預かってますって貼り紙しても別人が現れても困るしな」 そんな悪い人がいるとは思いたくないが、連絡先もわ...
in.side 高木に指を突き付けられた知念と山田。「何?」「それ?」 高木は「あれ、プリペイドカードでしょ?」「あれ?」「だから、植木鉢から出てきたやつだって」 鍵と一緒に出てきたカードのことだ。 視線を向けられた藪が、「あれは通路に落ちてたんだろうってことで警察からも戻ってるよ」「それが魔法のカードだよ!」 と高木が名探偵のように指をびしりとさしてくる。 しばらく全員で口をあんぐり。「魔法?」「って...
hk.side 警察から刑事さんが来ることになった。通路でのことやら、すべてを話すと、色んな人間の写真を見せられた。 みんな出てきて、「あ、この人」「これ、霊能者だ」 とわいわい。 刑事さんが植木から出てきたのと同じ鍵を用意してくると、木の医者と言った男にこれを渡してほしいと言った。 木の医者がやってきてからのことは、藪と裕翔と大貴が対応して、偽物のロッカーのカギを見つけると早々に店を出たらしい。「偽物...
yb.side 木の医者だとかいう人がやってきた。 店には、俺、裕翔、大貴。キッチンには山田と高木。ケーキ屋には向こうのスタッフ全員。 俺だけかと思ったのか、「今日は休みじゃあ?」 と聞いてくる男性に、「あとから用事があるんですよ。その前に明日の準備もあるんで」 と言うと、納得したのかしないのか。「わざわざすみません」 と言う俺に、男性はいやいやと言いつつ、通路に向かう。 俺もあとをついていこうとすると...
cn.side それからすぐだった。「通路の植木、病気みたいだよ」 自分は木の医者なんだという人が現れた。 ホールにいたゆーやのゆーてぃも大ちゃんは耳がダンボになっていたらしい。 木のお医者とかいう人は、2つとも診てあげようと言ったらしいが、藪くんは、「今日は店をやってますので、店が休みの時に頼めますか?」 とにこにこして言ったとか。 その夜、閉店時間にエトワルとレーブをつなげる通路に集まった僕たち。 ...
kt.side「あれは、幸福の木?」「それは今、ホールにある奴だよ。確か、ユッカだっけ? 2つ置いてあるだろ」 山ちゃんが答えてくれた。「ねえ、それがどうかしたの?」 とちいちゃんが裕翔に顔を向ける。裕翔は山ちゃんからサラダを受け取りつつ、「あれが欲しいって言う人がみえててさあ」「はい?」 と3人で声を合わせてた。「で? やることにしたの?」 光くんがカウンターで片づけ中の藪くんに聞いている。「まさか」 ...
ym.side やんちゃそうな男性2人の登場で、テレビの3人はぶつぶつ言いつつも帰っていった。 男性2人はケーキ屋でケーキとお茶を注文、こっちの開店時間にあわせて通路を通って戻ってきた。「これ、めっちゃうまいっす」「ケーキもうまかったし最高」 と料理もカクテルもうまそうに平らげる。 藪くんはサービスしたかったようだが、2人は、来にくくなるからとちゃんと支払いして帰っていった。「あの人たちって本物なのかな」 ...
tk.side 霊能者の先生とかいう人が店の中をうろうろ。渋い顔して何やらディレクターにこそこそ話してる。「なあ、まじにいるのかな」 という有岡くんに俺も残り二人も霊能者以上に渋い顔になる。 トイレから出てきた霊能者がまたしてもディレクターに何やら言うと、つと指を差す。「通路?」「まさかお隣にまで行くのかな」「さすがに藪くんも止めると思うよ」 と言い合ってる間にカウンターから出てきた藪くんが通路に向かう...
ar.side いつもならもっと遅くに来るんだけど、この日は山田が夏向けに新作を作るって言うし。それなら試食に来るよと話してると、藪くんが、店用の買い出しもあるから早めに来て、と言われてた。「これって時間外労働だよなあ」 と来る途中で会った高木に言うと笑いながら「試食でちゃらじゃない?」 と返された。 それまじだよなあ、と言い合いつつ店に着いてあれこれ雑用をしていた。 店のドアは鍵はあいていたが、まだope...
hk.side お隣にテレビ局の番組が来たとか。 裕翔が言ってた人かと思ったが違うのか。 それよりも。「なんで幽霊関係なわけ?」 これには圭人も不審顔だ。 伊野尾は知念と二人して、「あっちの店に霊がでるって」「それを取材させてくれって」 思わず目が点。いったいどこからそんな話になったんだよ。「話がよく見えないんだけど。裕翔が言ってた人は通路に興味を持ったんじゃなかった?」「そういう話だったよね」 圭人も...
kt.side お隣の閉店時間。山ちゃんを手伝ってキッチンを片付けるとホールへと出た。 カウンターでは藪くんが裕翔に、「テレビの取材はないだろ」 と言っていた。 何事かと、カウンターで休んでる光くんに寄って行って聞くと、「うちとここの通路に興味持った人がいたんだってさ」「あまりない作りだからじゃないの?」 と言う山ちゃんに、裕翔が振り返りつつ、「興味の持ち方が半端なかったから」 横から高木くんも「それ、...
yt.side トイレに入ったお客さまがなかなか出てこないような。 ふと藪くんを見ると藪くんも気にかけているようだ。ちらちらとトイレの方に目をやっていた。 俺と目があって、自分が行ってみるとジェスチャーでかえした。 そっと男性用のトイレに向かう。 会社員風のお客さまで初めて見るお顔で。3人連れで見えたが2人はボックス席で飲んでる。 酔って気分が悪いとかかもなあ、とトイレの中に入った俺はそのまま固まった。 ...
tk.side「またくるね~」 と帰られていくお客さまをお見送りしていた。長い髪のOLさんとショートヘアのOLさん二人組。長い髪を見て思い出したが。 あの時、レジでうなだれてる長い髪のお客さまが気になった。「どうかされましたか?」 と声をかけると、魔法とカードがとか何とか。 思わず聞き返すと支払いをしていたお友達らしい短めの髪した女性が、「何でもないんです」 と手を横に振る。 そのまま帰られたけど。あれから...
ar.sideトイレに何か出たんじゃないかと言うと、数人に超否定された。そんな一生懸命にならなくてもと思ったが。「何でトイレなんだよ」「出るならアレだろアレ」 なんてわーわー言うもんで、あれって言葉に藪くんが反応しちゃったよ。「掃除した? 誰、当番」 とホールをぐるり。 まずいよなあ。 と、俺はしぶしぶ手をあげ、高木に振り返る。高木も首をすくめると小さく手を上げた。「掃除は?」 と聞かれ、2人して、「ち...
ym.side 知念がキッチンに入り込んできてすぐに圭人もやってきた。「通路ねえ、何もなかったと思うけど」 と知念の話を聞いた圭人が上を見上げる。「もう帰られたから、見つからなかったんだと思うよ。でもさあ最初、おばけかと思ったよ。髪は長いしうつむいてるっていうか、こうやってはいつくばってるし」 と、かの有名なホラー映画のように首をたれる。つい想像してしまい、「やめろ」 と手を伸ばす。 それじゃなくても、...
in.side 店が終わってお隣に行こうと知念と通路に入ると、何かがごそごそとはいつくばっている。 思わず2人して、「うわあ」 と声を上げていた。 よくよく見ると長い髪の女性、生きた女性だとわかる。 これ、山田や裕翔だったら走って逃げてるな。 そう思いつつ、こちらに気付いた女性に、「大丈夫ですか?」 と声をかけた。 やっとこちらに気付いたらしい女性は顔を上げ、あわてて立ち上がると「いえ、いや、何でもないで...
yt.side 男性が亡くなられたことを会長さんに聞いたのかと藪くんが大ちゃんに聞いている。 首を横に振った大ちゃんは、「時計屋さん。ここに来る途中で聞いたんだ」「そうか」 とうなづいた藪くんの話に、みんなもあの時の人かあ、と思い出したみたい。 俺もトイレから飛び出してきて出て行った男の人を思い出していた。あの時もはてな顔を大ちゃんや高木くんと見合わせてた。「でも」と首を傾げた俺は、「警察が動くことでも...
yb.side「この前、ここに来た人亡くなったらしいよ」 いきなり大貴が言い出し、高木や裕翔が、「え? 誰?」 とこちらに振り返る。 キッチンから砂糖や塩を運んできた山田が、「お客さまだろ」「そうなの? いつ?」「ほら水曜だよ。なんか慌てた様子で出られた方いただろ」 と言う俺の説明に高木がぽんっと手を打った。「あ、わかった、隣から来た人だ」「そうなの?」 と言う裕翔に、「お隣の通路通ってやってきたときも...
ym.side 閉店時間になり、キッチンからホールへと裕翔を連れていく。 藪くんが「裕翔、声は聞こえたろ?」と言う。 知念や圭人は何となしにわかったようだが。他の連中ははてな顔。話を聞いていたらしい光くんが、「裕翔、自分の存在価値で悩んでたんだろ」 藪くんも「山田から聞いたんだよ。じゃないかって」 裕翔は驚いた顔して俺を見てきた。「だって、この前キッチンに来て帰ったじゃない。何となくだけど」 というと、...
cn.side 藪くんに睨まれて、ホールのあちこちに分散したが僕はそのままキッチンへと入り込んだ。だけどそこには、裕翔が僕が座るスツールのちょこんと座っていた。「裕翔、涼介にくっつきすぎ」「え? いや、今日は藪くんに呼ばれて」 目を細めてみてくる涼介の視線をよけつつ、「藪くん?」 と聞くと、裕翔は小さくうなづいた。「藪くん、接客で忙しそうだけど」 ホールへのドアを垣間見る僕に、涼介が、「知念、裕翔がいな...
in.side 高木が憧れの君かあ、なんて茶化したが、意外な言動に結構感動してた俺。 今度何かおごるかなあ、と考えていると、当の高木がケーキ屋におじいちゃん、おばあちゃんを連れてきた。「何でも好きなもの食べてください。絶対、隣にも来てくださいね」 話に聞いていた高木に色々と恵んでくれたおじいちゃんおばあちゃんだとわかる。「藪くんがフライヤー渡すように言ってたらしいけど。商店街で会ったのかな」「そんなとこ...
kt.side せっかく治りかけてた裕翔の足の小指は、踏まれたことでいちから治療しなおしみたいな状況になったんだよね。 店の前でしゃがみこんでた裕翔をすぐに病院に連れていったりと大変だったんだ、とあとから聞かされた俺と光くん。キッチンでケーキを作ってたので外で何が起こってたかなんて全く知らなかった。 ケーキ屋に来た女子高生の話やら裕翔の話を聞いて、もしかしてってみんな思ったようだけど。 さすがにどうこう...
ar.side それからすぐだった。 商店街のサイトにある動画が流れたんだ。「会長さんのりのりだねえ」 みんなしてパソコンを囲むようにして商店街のサイトを見てた。「裕翔、手伝ったの?」 振り返って聞くと、ソファに座った裕翔が「まあちょっとね」とにこり。 足には前よりぐるぐるにまかれた包帯が痛々しい。 動画では、会長さんが商店街紹介ムービーがどういう経緯でできたのか、お話は全部自分が作ったもので、フィクシ...
yt.side 休みをもらって数日。 最初はよかったんだ。 ゆっくりするぞー、とごろごろしつつパソコン見たり、ゲームをしたり。でもすぐにすることもなくなった。 掃除するにも足は足だしで無理はできない。 カメラでも調整しようかな、今のうちに撮りだめた画像をフォルダわけして、なんてしてみたものの。これも終わるとすることが見当たらない。楽器はアパートなんでそうそう音を鳴らすのもまずいし。 お前は多趣味だからな...
cn.side 3時前、お店にはイートインのお客さまが2組。いつもよく来てくださるお母さん2人組と高校生らしい女子2人。 お母さん2人組はいつもの如くおしゃべりに忙しそうだが、女子高校生はなぜか借りてきた猫のようにおとなしい。静かにはしているが、なんだか落ち着かないのか視線が忙しく、特に伊野ちゃんを見ているような。 何だろ? ファンかな? と思いつつも、わざわざ聞くことでもないし。当の伊野ちゃんはお母さん方の...
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