久しぶりに京都の町に雪が降り積もった。真白なそれは町を包み込み、碁盤に延びた不健康で、もったいつけた路面の上に数々のスリッピーな罠を張り巡らせていた。 朝から様々な救急車両のサイレンが鳴り止まず、耳に痛いほどやかましい。 夜勤からの帰り道、エンジンブレーキを最大限に活用しな...
この仕事を続けてきたけれど、何だか、困ったなぁ。何も見えやしねぇ。 どこを向いて、何を感じて仕事をしてんだか皆目、分からなくなってきた。 お金を、生活を、維持する、そういう風に割り切ることは簡単だけれども。 何だか。毎日。夢の中で猿の群れに襲われるくらいに困っている。 この...
大阪に女が居ただとか。二股がどうだの。 女物の水着を着てはしゃいでたのは、さすがに引くけれども。それは、気持ち悪いさねぇ。 でもそんなの知らなきゃ良いわけで。聞かなきゃ無かった事で。 そんな物、公表して、人を陥れる人間の方が、非道だと思うし… それを書き立てる、雑誌は、もは...
西日本を襲った豪雨。考えられないほどの雨が降り注ぎ、大地を削りながら命を奪っていった。間違いなく行き過ぎた人類の経済活動が地球を犯した所産である。 けれど、やめられない止まらない。 肥大化することを正義だとし資本主義的な限界には目を背けて、まだ日本は大丈夫だ、美しいと煽る現...
昨日の試合を見て悲しくなった。 フェアプレーとは程遠い試合をしていながらフェアプレーポイントで、アフリカ勢を抜いてトーナメント進出だなんて。 多くの人々が侍たちの躍進を信じてはいなかった。でも僕はサッカーが好きだから、弱くても頑張る侍たちの勝利を信じて応援した。どんなに強い...
ぴょんと飛んでみた。 ぴょん、ぴょんと飛んでみた。 行きつく先が何処なのかを僕は知らないけれど。 何故、飛んだのか?飛ぶ必要があったのか? 何を目指して飛んだのか?本能のままに飛んだのか?僕には、それすらも分からない。 だけど僕は、ぴょんと飛んだ。思い切り良く、ぴょん、と。...
理不尽な命令や指示に対して、理不尽だと言い返す。 だが、無理やりに理不尽を押し付けられた時。そして反論を無視し続けられた果てに。 そんなことに頷く気になれない僕は我が道を行くことに決めた。 上からは、やっぱりあいつは言うことを聞かない部下だと蔑まれ。 下からは、逃げてるだけ...
夢の話をするのは阿呆のすることだ。 そう言い聞かされて僕は、育った。 意味の無いことを語ることは、人間として恥ずかしいことだと教わって今までを生きてきた。 僕はだから、途方もなく無口だ。海中深くに沈む意思を持たない貝殻のように。 そこにあるけれど、どこにも無い何かを求めて、...
人の死を沢山見てきた。 有難いことに日本は平和なので、別段、戦の果ての血みどろの死を見た訳では無いのだが、それでもこういう職場に居ると、色んな死を見る機会はあるわけで。 医学の進歩が行き過ぎた果てに、呆け老人の数は無制限に増えた。 笑うことすらも出来ない彼らに、どう引導を渡...
足元に絡みついているのは、緑色の長い蔓でしかない。 それを振り払った時に感じる痛みは、長く伸びた蔓が千切れてしまうことに対して、可哀そうに…、と思うくらいの極ちっぽけで取るに足りないものだ。 けれど、その時には感じなかった痛みがワルサーに膝を撃ち抜かれた時の様な痛みに変わっ...
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