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深淵から見えた https://nadeshikosakura-psychiatric-care.hatenadiary.jp/

精神科に勤務するとあるメンヘラナースの頭の中。自傷 躁うつ病 発達障害 BPD 精神科ナース

正常と異常の狭間で生きる。 だからこそできることがある。

櫻子
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住所
広島県
出身
鹿児島県
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2015/05/22

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  • 愛こそ全て、信じ給え

    私は多動で学級崩壊を招く子供だったが、 天才少女だった。 と、言うのも小学1年生で 英検3級まで持っていたからだ。 今では語学なんてからっきしだが 当時は年齢の割にバイリンガルな少女。 イギリス人のおじさんと仲良くなったりした。 都会の事なんて知らない。 ただ、田舎では天才少女として噂された。 両親は私に期待した。 だが、 私はその期待に応える事が出来なかった。 小学2年生の時、準2級に落ちた。 それから英語を読むのも聞くのも嫌になり 英語から逃げ出した。 そんな私に両親は失望した。 恋人には兄がいる。 兄は成績優秀、スポーツ万能。 幼い頃から野球で成果を挙げ、 中学は有名私立に進学。 甲子園…

  • 逃避行

    逃げて来た。 中学時代にいじめられて不登校になった。 高校時代にいじめられて保健室登校になった。 社会人になっても人間関係で悩んで自傷、 退職した。 私は逃げてばかりいた。 逃げることは悪い事じゃない。 死ぬくらいなら逃げればいい。 簡単に人は言うけれど、 逃げた末に待っているのは 死んだように生きる日々だ。 転職しても私は逃げた。 思うようにいかない業務、冷たい視線。 私は体調を崩し、 それを理由に仕事へ行かなかった。 今日、看護部長と面談した。 「普通は」「普通に考えると」そう連呼された。 「普通って何だ」 それの言葉が喉元まで出かかった。 「あなたは仕事ができない訳じゃない、 仕事はでき…

  • 真っ白な病室の窓の向こうには

    8月 待ちに待ったその日が来た。 真夏の精神病院 その日はいつも通りの時間に起きて おめかしをして 「佐々木さん、調子が良さそうですね」 なんて看護師さんから 声を掛けられるくらいには 晴れ晴れとした表情をしていた。 15時くらいに病室に聞こえるくらいの バイクのマフラーの音がして 私は病室から駆け出した。 面会票に戸惑いながら名前を書く 彼の姿が目に映る。 お盆休みを明けて 6時間もバイクを飛ばして 関西から会いに来てくれた 泣きながら電話した夜もあった。 私は彼に飛びつきたい衝動を抑えて 看護師さんに面会室の鍵を開けてもらった 面会室で どうして私がこんな事になったのか どうして私がこんな…

  • 波の随に願って

    私の大好きだった祖父は癌で亡くなった。 「家族と最期の夏を」 そう望んで オピオイドで疼痛コントロールしながら 自宅で数ヶ月療養した 何の知識もない12歳の私が 祖父の背中にフェントステープを 貼っていたことを覚えている。 それから丁度10年が経った。 外科病棟で看護師として働いているが たまにターミナルの患者さんを看る事もある。 そんな私は 恐らく、看護師人生で忘れられないような 出会いをした。 外科に配属されて2ヶ月になる頃 仕事が上手くいかず 病棟に行くのが嫌になっていた。 しかし、ある患者さんの部屋に行くと 心が楽になった。 その患者さんもまたターミナルだった。 恋人が昇進せず 結婚の…

  • 未来づくり

    ガラスの割れる音 怒声 何かが壊れる音 鈍い音がした後 痛みに咽び泣く声と 襖の隙間から漏れる 蛍光灯の光 そして、 不安と恐怖で眠れない夜 いつだっただろう あれから何年経っただろう 昨日の事みたいに 瞼の裏に焼き付いている光景 耳の奥にこびり付いている音 大切に想う人のあたたかい胸の中で 目が醒めた 頬が濡れている。 大丈夫か? 心配そうに声を掛けられて ああ、夢だったんだと 現在に引き戻される。 もう何度こんな夜を過ごしただろう。 愛されている 愛している 一緒にいられてとても幸せな筈 なのに 一緒にいると思い出す ああ 私はひととき 幸せになる事も許されないのか 一生逃げられないのか。…

  • 再起

    精神科を退院してから3ヶ月が経った。 あの後、私は仕事を辞めた。 「患者の急変対応ができるようになりたい」 そう思って一般病院の外科に行った。 挿管の介助もできるようになった。 また沢山の患者さんと出会った。 命を削ってまで生きたいと 再発するガンに対して化学療法や手術をして 必死で生き延びようとする人達がいた。 そんな患者さんを看護する日々で 自分がしたい事は何だろうと 自問自答する毎日。 精神科で患者さんの 気持ちに寄り添える看護師になりたい。 その思いが消えたわけじゃない。 でも、人の人生の最期に関わって 「いい人生だったと」思ってもらえるように 人生の最期に花を手向ける 緩和ケアの看護…

  • ジキルとハイド

    「もうしんどいんです」 巡視に来た看護師の私に 彼女は言った。 丁度、精神症状が悪化して来た 彼女に 何と言葉を返して良いか分からず ただ話を聴く事しかできなかった。 たった、3ヶ月前の事だ。 8月11日 午前1時 私は精神病院の開放病棟にいた。 看護師としてではなく、 患者として。 何がどうなって ここに立っているのか 訳が分からなかった。 ただ、自分の正中の静脈に ニードルを刺して 4日で2,000ml血を抜いただけだった。 看護師が淡々と入院の説明をする。 全く頭に入らず、 「どこで人生間違えたのか」 それが頭の中を渦巻いていた。 入院して3日、 新しい主治医も決まり、診察も受けた。 「…

  • メンヘラと知って逃げ出したんだ

    精神科で働くメンヘラとして精神医療に対する啓発をしようと立ち上げたブログなのに完全に自分語り用の自己満足ブログに成り下がってしまいました。そこで、今日は私の恋愛について語らせて下さい。私が完全に境界性人格障害を発症したのは初めて恋人が出来た時でした。別に彼自身が好きだったわけではなく彼からの好意が好きで付き合っていたという最低な女です。彼にはメンヘラだという事を打ち明けていました。そしたら事あるごとに「お前病気だからそんな風なんだろ」と冷たく言われ我慢できずに2年半で別れました。3番目の恋人は私の裏垢を勝手に見てメンヘラと知りました。「黙れよ精神障害者」と言われ、叩く、髪を引っ張って引きずるな…

  • 僕が死のうと思ったのは

    こうして眠れない夜は看護学校の吹き曝しの廊下に出て柵にもたれて地面を見下ろしていた日々を思い出す。地面には茶色い土、小石、それから視界の隅にアオギリの木があってその木漏れ日が揺れていた。今でもあの景色は鮮明に思い出せる。「ここから落ちたら死んでしまうだろうか」いや、「ここから落ちてしまえたら死ねるだろうか」そんな事しか考えられなかった。幼い頃の夢は看護師になる事だった。物心つく前から何故か〝自分は役に立たない人間だ〟という事を自覚していただから役に立つ人間になりたくて看護師になりたいと思うようになった。「看護師になりたい」そう言えば周りの大人を喜ばせることが出来た。いつしか私の頭の中で思い描く…

  • 戦え

    久しぶりです残暑厳しい頃になりました。皆様どうお過ごしでしょうか。私はもう何年かしたら思春期の精神医療に特化した病院に転職しようなんて考えています。だから、思春期に多い精神疾患について勉強するためにたくさん本を読まねばなりません。今日も図書館でBPDについての本を読みあさっていました。たくさん事例が乗っていて病態や治療的な関わり方とても為になる本だったのですが読んでいる途中で幼い頃の事がフラッシュバックしてとても辛い気持ちになりました。こんなじゃ実際の患者さんを前にした時自分も同調して患者になりかねない私は自分のトラウマと戦って勝たなければ誰も助けることができないそう思い知った1日でした。治ら…

  • 生きること、死ぬこと、食べること

    最近、精神状態がおもわしくない。仕事中も、死ぬことと食べ物の事で頭がいっぱい。精神科でナースとして働いてる癖に患者さんより強い薬を使ってる。私が看護師である価値があるのか。そんな事を考えると涙が溢れる。食べ物をうけつけない。食べたいけど食べてはいけない。少し食べては吐き出す。役立たずの憎い自分の左腕を傷つけてしまう。喜怒哀楽が激しくて自分で自分に疲れる。どうにかしなきゃ。どうにかしなきゃ私は看護師でいる事ができない。こんな看護師に看護されたくない。しかし看護師でない自分は何の価値があるのか。こんなに苦しい思いをして果たして私は看護師でありたいのか。しかし私は看護師でなくなればただの精神障害者に…

  • ヘンペルのカラス

    黒くなければカラスでない。白くなければ…九州の方は梅雨入りし、蒸し暑い季節となりました。入職して2ヶ月、そろそろ注射以外の事は徐々に覚えてきた頃です。そんな私はこの蒸し暑い中、まだまだ白衣の上に黒のカーディガンを着て勤務しています。理由は2つあり、クーラーの風がダメなのと、腕に人には見せられない傷跡があるからですその旨、直属の上司に伝え了承を得ていたつもりだったのですが今日もっと上の上司から呼び止められ「カーディガンを脱ぎなさい」と言われました。「そんなこと誰も気にする余裕はないから。誰かが何か言うと思うのは自分中心に考えてるからよ。成長したらそんなことない。」社会に出たらそうなのかも知れませ…

  • 深淵の向こうから

    何もしなかったら蒸し暑いけどクーラーをつけたら寒いそんな季節になりました。「馬鹿は風邪をひかない」よくそんなことを言いますが馬鹿な私は体調管理ができずに風邪をひいて三連休をもらいました。この連休で、ふと考えてみたんです。入院している精神病の患者さんにとって、精神病を持ちながらも働いているスタッフはどう見えるだろう。「あの人が働けているのなら、自分にもできるかな」そうポジティブに考える人もいれば「あの人は自分と同じような病気を持っていても働いているのに、自分はなんてダメなんだ。」と、焦りを覚える人もいるんじゃないかと思います。自分も精神病だから、患者さんの気持ちを考えて看護ができるんじゃないかそ…

  • 告白

    上司に精神科通いの事とリスカの事をカミングアウトしました。この先お風呂介助もあるので隠しきれないと思ったからです。カミングアウトと言っても今は何もないって事を全面にアピールして話しました。そんな事はないんですが。上司は優しく「看護師にもいろいろあるしみんなそれぞれ何か抱えてるから大丈夫」と言ってくれました。上司はそう言ってくれたのですが他のスタッフがこの腕を見たらどう言うでしょうか。ともあれあとは上司次第です。胸にそっとしまっておくもよし、お酒の席でネタにするのもよし。

  • 精神科って楽なの?

    インターネット上で精神科ナースを名乗る者が一度は聞かれるであろう事 「精神科って楽なの?」 今日は、そんな素朴な疑問に答えるべく、院外研修会と連休明けで約1週間ぶりに病棟に出る私が精神科ナースのお仕事を紹介して行きましょう。 まず、私が勤務しているのは精神病院の鍵をかけない病棟です。 ご存知の通り、 鍵をかける病棟→閉鎖病棟 鍵をかけない病棟→開放病棟 です。 閉鎖病棟は精神状態が良くない患者さん、不安定な患者さん 開放病棟は精神状態が比較的安定した患者さんがいます。 では、本題。 精神科ナースの1日のお仕事(A病院の場合) リーダー;看護記録を書いたり、他のナースの報告を受けて必要に応じてド…

  • 私のバイブル

    今週のお題「最近おもしろかった本」 その本との出会いは、 専門学校時代に授業で見た映画でした。 主人公は境界性パーソナリティ障害で精神病院に入院した女の子。 入院当初、病識はなく「なぜ私が精神病院に入院しなきゃならないの」状態。 そこで、反社会性パーソナリティ障害の女の子と出会います。 彼女との出会いにより色々なトラブルに巻き込まれ、正常とは何かと葛藤しながらも病気を寛解させ、退院して行く話です。 後でその映画の原作となった本があると知り、 ネットで購入しました。 思春期病棟の少女たちという本です。 映画のタイトルは 『17歳のカルテ』 ウィノナ・ライダーが主演を務め、 アンジェリーナ・ジョリ…

  • 被虐者の愛

    最初は母親だった。母は私がどんなに側にいて欲しいと願っても父と喧嘩する度に私を置いて家出した。そして、自殺未遂を繰り返した。次は仲良くなった友達。最初はみんな親切で、一緒にいると楽しくて大好きだった。でも、みんなは私といても楽しくないからみんな私を嫌った。少しでも私を嫌う素振りを見せると、大好きだった友達は無価値で存在が許せない人間になった。その好かれている、嫌われているに一喜一憂していた。好かれている時は自分が幸せな気がした。でも、いつも今に嫌われるんじゃないかと不安でたまらなかった。そして、嫌われたと思うと激しい怒りと絶望が襲ってきた。その怒りの矛先は、他人か自分か物に向いた。ある時は他人…

  • 私は

    櫻子といいます。今流行りのはてなブログをやってみました。精神科のナースをしています。更新は疎らになると思いますが、頑張りたいと思います。今日は最初の記事という事で、どうして新人の正看が精神科で働く事になったのか、お話したいと思います。看護を志した時、私は大好きな祖父をホスピスで看取った経験から緩和ケアのナースになりたいと思ってました。思春期になり、両親が不仲な家庭環境のせいか精神的に不安定になりました。中学2年生の時に初めて自傷行為に及びました。高校生の時に自分が他人からダメだと言われていた原因が発達障害であると明らかになって、「自分はやっぱり人より劣っているんだ」とさらに不安定さに拍車がかか…

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