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2015/05/19

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  • 幸せのかたち (中編)

    ☆神奈川県清川村にある犬猫の保護シェルター『清川しっぽ村』。私がこの清川しっぽ村を訪れてまで会いたかった猫、それは海岸猫のリンだ。私がケージの扉を開けて近づくと、リンはおもむろに顔を上げた。リンの視線は私の背後にいるスタッフに注がれている。目の前にいる私より事務所のなかを動き回っているスタッフのほうが気になるようだ。リンがこの施設に収容されてから20日ほど経っていると聞いているが、まだスタッフに馴...

  • 幸せのかたち (前編)

    ブログランキングに参加していますにほんブログ村☆2019年1月某日、私は『清川村』にいた。清川村は神奈川県の北部に位置する人口三千人ほどの県下唯一の “村” である。私がここを訪れたのは2度目で、20年ほど前に急に思い立って妻と次女を連れてドライブがてら宮ヶ瀬ダムを見に来たのが最初だった。以来私がこの村に足を向けることはなく、そしてその訪問が最初で最後になると私自身は思っていた。そんな私がなぜふたたび...

  • 防砂林の奥で (後編)

    ブログランキングに参加していますにほんブログ村☆同じエリアに暮らすキジ白と黒シロだが、なぜか性格は対照的である。キジ白は人なつこく、いっぽうの黒シロは警戒心が強いのだ。とはいっても黒シロが野良猫としてとりわけ警戒心が強いわけではない。人の姿を見ただけで脱兎のごとく遁走する野良猫にいくども遭遇している私からすれば。黒シロを用心深い猫と感じるのは、あくまでもこのキジ白との対比である。つまりキジ白は野良...

  • 防砂林の奥で (前編 1)

    ブログランキングに参加していますにほんブログ村☆交通量が多くこれまでにも幾多の野良猫の命をうばってきた海岸沿いを走る国道。その剣呑な国道わきの歩道に横たわる猫がいた。以前『死線上の猫』のタイトルで紹介した人なつこいキジ白だ。その後ながらく姿を見なかったが、歩道を通っているときなどに防砂林のなかにひとりでたたずんでいる彼女の姿をときおり目撃することがあった。そこで‥‥。普段は入らないその防砂林のなかへ...

  • 逆鱗に触れる (後編)

    ブログランキングに参加していますにほんブログ村☆何が原因なのか私には理解できなかったけれど、サキはリンの怒りを買い叱責されてしまった。そのことがショックだったのか、直後にサキはリンから離れて地面に身体を横たえた。そしてサキはそのまま動かなくなった。「母の怒りが鎮まるのをああして待っているつもりなのだろうか」私はサキのことがいささか心配になったので、しずかに近づいていった。足音で私の接近を察知してい...

  • 逆鱗に触れる (前編)

    ブログランキングに参加していますにほんブログ村☆『逆鱗』とは何か?伝説上の生き物である龍の81枚の鱗(うろこ)のなかで、あごの下に1枚だけさかさに生えている鱗があり、この鱗のことを “逆鱗” という。そして龍はその逆鱗に触れられるのを嫌い、もしさわられると激怒してその者を殺してしまう。この故事にならい、自分の言動が原因で目上の人の怒りを買ったときに『逆鱗に触れる』と言いあらわすようになった。*夕刻の海...

  • 侵入者 (後編 3)

    ブログランキングに参加していますにほんブログ村☆果たしてキジトラはリンとサキとのあいだに見えない壁として立ちふさがる『逃走距離』2メートルを縮められるのだろうか。そしてリンとサキはそれを許すだろうか‥‥?*キジトラは用事を思い出したようにふいにベンチから下りると、レンガ道に通じる踏み分け道を歩きはじめた。ところが数メートル進んだところで、キジトラはあわてた様子できびすを返した。今度はなにか大切な物を...

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