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2015/05/11

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  • 映画『黒い雨」/ 「正義の戦争より不正義の平和」の重み

    ジャンル戦争製作日本英語タイトルBlackRain製作年1989公開1989/5/13上映時間123分+(未公開シーン19分)監督今村昌平脚本石堂淑朗今村昌平原作『黒い雨』井伏鱒二プロデューサー飯尾久撮影川又昇美術稲垣尚夫音楽武満徹録音紅谷愃一照明岩城保夫編集岡安肇助監督月野木隆スチール石月美徳出演田中好子(高丸矢須子)、北村和夫(閑間重松)、市原悦子(閑間シゲ子)、原ひさ子(閑間キン)、沢たまき(池本屋のおばはん)、立石麻由美(池本屋文子)、小林昭二(片山)、山田昌(尾崎屋タツ)、石田圭祐(岡崎屋悠一)、小沢昭一(庄吉)、楠トシエ(カネ)、三木のり平(好太郎)、七尾怜子(るい)私の評価★★★★☆(4.0点)お家観賞概要昭和20(1945)年8月6日8時15分、快晴の空から原子爆弾が落とされた。その20分後旧広...映画『黒い雨」/「正義の戦争より不正義の平和」の重み

  • 映画『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』/ディズニーのそばにある町で暮らす子どもたち

    原題TheFloridaProjectジャンルドラマ製作国アメリカ製作年2017公開2017/10(アメリカ)2018/5(日本)上映時間112分監督ショーン・ベイカー脚本ショーン・ベイカー、クリス・バーゴッチ製作総指揮ダーレン・ディーン、エレイン・シュナイダーマン製作ショーン・ベイカー、クリス・バーゴッチ、ケビン・チノイ、アンドリュー・ダンカン、アレックス・サックス、フランチェスカ・シルヴェストリ、ツォウ・シンチン撮影アレクシス・サベ美術ステフォニック・ユース衣装フェルナンド・A・ロドリゲス編集ショーン・ベイカー音楽ローン・バルフェ、音楽監修マシュー・ヒアロン=スミスレイティングG(一般映画)出演ウィレム・デフォー(管理人ボビー)、ブルックリン・キンバリー・プリンス(主人公の女の子ムーニー)、ブリア・ヴィネイ...映画『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』/ディズニーのそばにある町で暮らす子どもたち

  • 映画『普通の人々』/普通の人々普通の家族

    原題OrdinaryPeopleジャンルドラマ製作国アメリカ製作1980年公開1980/9(アメリカ)1981/3(日本)上映時間124分監督ロバート・レッドフォード脚本アルヴィン・サージェント原作『アメリカのありふれた朝』(1976)/ジュディス・ゲスト製作ロナルド・L・シュワリー撮影ジョン・ベリー音楽マーヴィン・ハムリッシュ編集ジェフ・カニュー出演ドナルド・サザーランド(父カルヴィン・ジャレット)、メアリー・タイラー・ムーア(母ベス・ジャレット)、ティモシー・ハットン(次男コンラッド・ジャレット)、シャド・ハーシュ(タイロン・バーガー医師)、M・エメット・ウォルシュ(水泳部コーチ)、エリザベス・カクガヴァン(恋人ジェニン・プラット)、ダイナ・マノフ(友人カレン・アルドリッチ)私の評価★★★★☆(3.5点)お...映画『普通の人々』/普通の人々普通の家族

  • 映画『ベルリン天使の詩』(1987)/天使が人間の歴史を見守っている

    原題DerHimmelüberBerlin(独語)ベルリンの空/LesAilesdudésir(仏語)欲望の翼/WingsofDesire(英語)欲望の翼製作国西ドイツフランス製作年1987年公開1988/4/23(日本)上映時間128分監督ヴィム・ヴェンダース脚本ヴィム・ヴェンダース、ペーター・ハントケ出演ブルーノ・ガンツ、ソルヴェーグ・ドマルタン、オットー・ザンダー、クルト・ポウワ、ピーター・フォーク、ラジョス・ユヴァーチ見所①モノクロの映像が美しい。舞台はベルリンの街を”壁”が分断していた頃で、2年後1989年11月に壁は崩壊する。②天使たちが人々の心の声に耳を傾け、静かにモノローグが続く。セリフひとつひとつが詩的なのにリアルである。③コロンボで有名なピーター・フォークが本人役で出演している。④図書館の雰...映画『ベルリン天使の詩』(1987)/天使が人間の歴史を見守っている

  • 映画『ミッドサマー』/かわいいと思って観たらとんでもなかった

    原題Midsommar(スウェーデン語)/夏至ジャンルドラマ、ホラー、スリラー製作国アメリカ、スウェーデン製作年2019公開2020/2/21(日本)上映時間174分監督・脚本アリ・アスター撮影監督パヴェラ・ポゴジェルスキプロダクションデザインヘンリック・スヴェンソン編集ルシアン・ジョンストン衣装デザインアンドレア・フレッシュ音楽ボビー・クルリック言語英語、スウェーデン語レイティングR15+出演フローレンス・ビュー(ダニー)、ジャック・レイナー(クリスチャン)、ウィル・ポールター(マーク)、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー(ジョシュ)、ヴィルヘルム・ブロングレン(ペレ)、アーチ・マデグウイ(サイモン)、エローラ・トルキア(コニー)、ビョルン・アンドレセン(ダン)あらすじアメリカの大学生たちがに留学生に誘われ、故...映画『ミッドサマー』/かわいいと思って観たらとんでもなかった

  • 本『「反権力」は正義ですかーラジオニュースの現場から』飯田浩司/マスメディアのあり方を問う

    ニッポン放送の飯田浩司アナウンサーの初著書飯田アナのラジオをポットキャストで5年くらい聴いている。パーソナリティの飯田アナがコメンテーターを迎えてニュースを解説していく番組である。日替わりで様々な専門家が語る。大変勉強になって面白い。わたしのニュース情報の多くがここからになっている。テレビと違って、ラジオは1人が話す時間が長い。議論を深めていく飯田アナの姿勢に共感する。飯田アナ本人が生まれていない時のこともまるで見てきたかのかのように語るので勉強ぶりに感心する。本書は普段飯田アナが語っている話なので知っていることも多いが、ラジオという媒体で奮闘する姿が浮かび上がり、思いが伝わってきた。反対賛成の対立で見えなくなってしまうもの「どちらでもない」という苦悩を伝えるのもメディアの役目であると飯田アナは語る。沖縄を取材...本『「反権力」は正義ですかーラジオニュースの現場から』飯田浩司/マスメディアのあり方を問う

  • 本『関ノ孫六 三島由紀夫、その死の秘密』舩坂弘/介錯に使われた日本刀を贈った舩坂氏の三島さんへの思い

    三島由紀夫twitterで元自衛隊員の「今の若い自衛官は三島由紀夫を知らない」との投稿に驚く。三島由紀夫が自衛隊市谷駐屯地で割腹自殺をして50年経つ。憲法改正の決起を呼びかけるためバルコニーに立ち、約800名の自衛官の前で演説をしたが、怒号にかき消された。昭和45年(1970)11月25日三島45歳の時である。戦後の小説家の代表でノーベル文学賞の候補となり、「仮面の告白」「潮騒」「金閣寺」「憂国」など読み継がれる名作が数多くある。文学者として名を残している。三島本人は今の評価を喜んでいるだろうか。関ノ孫六とは著者の舩坂氏が、三島に贈った日本刀が関ノ孫六である。その関ノ孫六が三島の介錯に用いられた。ふたりは剣道を通して親交があり、舩坂氏の著作『英霊の絶叫』に三島が序文を寄せている。そのお礼として愛蔵の日本刀を贈っ...本『関ノ孫六三島由紀夫、その死の秘密』舩坂弘/介錯に使われた日本刀を贈った舩坂氏の三島さんへの思い

  • 映画『だってしょうがないじゃない』/広汎性障害のまことさんのドキュメンタリー

    ジャンルドキュメンタリー製作国日本製作2019年上映時間119分監督坪田義史出演大原信坪田義史木村真智子あらすじ:広汎性発達障害のまことさんはお母さんが亡くなって、ひとり暮らしをしている。成年後見人のマチ子さんが世話をしている。マチ子さんはまことさんのいとこで、マチ子さんの甥が坪田監督である。親亡き後の障がい者の自立や老後の住居問題などを映し出す。見所バリアフリーの字幕付。坪田監督と主演の大原信さんが仲良くなっていき、ほほえましい。私が女でマチ子さんと同じ心配をするので、男同士の話を関心を持って聞いた。私の評価今、観てもらいたい作品。お家鑑賞※【以下ネタバレあり】まことさんの生活最初、まことさんの生活を覗いているようで落ち着かなかった。監督自身の親戚とはいえあけっぴろげにしすぎてないか、ご近所からクレームを話し...映画『だってしょうがないじゃない』/広汎性障害のまことさんのドキュメンタリー

  • 映画『国境は燃えている』/食べるために娼婦になる女の悲しみを、兵士たちはわからないだろうか。

    原題:LeSodatesse(兵士)ジャンル:戦争/ドラマ製作国:イタリア製作:1966年監督:ヴァレリオ・ズルリーニ原作:ウーゴ・ピッロ脚本:レオ・ベンヴェヌーティ、ピエロ・デ・ベナルティ音楽:マリオ・ナシンベーネ上映時間:120分モノクロ出演:トマス・ミリアン(中尉マルチーノ)、マリー・ラフォレ(エフティキア)、アンナ・カリーナ(エレッツァ)、レア・マッサリ(トウーラ)、マリオ・アドルフ(カスタグノリ軍曹)、ヴァレリア・モリコーニ(エベ)、アッカ・ガヴリック(アレッシ少佐)あらすじ第二次世界大戦下、イタリアに占領されたギリシャ。イタリア軍の中尉が12人の慰安婦をトラックに乗せ、いくつか部隊に送り届ける任務に当たる。見所勝者が敗者を支配、男が女を支配しようとする。弱者は死ぬか、仕方ないと諦めるか。戦うか。生き...映画『国境は燃えている』/食べるために娼婦になる女の悲しみを、兵士たちはわからないだろうか。

  • 映画『彼らは生きていた(2018)』/第一次世界大戦の記録フィルムが甦るドキュメンタリー

    原題:THEYSHALLNOTGROWOLDジャンル:ドキュメンタリー/戦争製作:2018年監督:ピーター・ジャクソン上映時間:99分R15+概要:イギリス帝国戦争博物館に保存されていた2200時間を超える第一次世界大戦(1914-1918)の記録映像を修復、再構築したドキュメンタリー。第一次世界大戦終結100周年事業として制作された。無音映像にBBCが所有していた600時間以上もある退役軍人200人のインタビューや読心術のプロが解析した兵士の言葉、効果音を加える。監督の祖父が第一次世界大戦に従軍している。この大戦で大英帝国軍の兵士100万人が戦死した。見所:バラバラの速度で撮られていたフィルムを統一し、映像の修復とカラーリングされると、撮り直したのかと思うくらい生き生きと鮮やかに兵士の顔が映し出される。ナレー...映画『彼らは生きていた(2018)』/第一次世界大戦の記録フィルムが甦るドキュメンタリー

  • 映画『理由なき反抗』/24年しか生きられなかったジェームズ・ディーン。生きていたら90歳なのに、

    原題RebelWithoutCause製作1955年公開1955年10月26日(アメリカ)1956年4月18日(日本)監督ニコライ・レイ脚本スチュワート・スターン、アーヴィング・シュルマン原作ニコライ・レイ出演ジェームズ・ディーン、ナタリー・ウッド、ジム・バッカス、アン・ドーラン上映時間111分本作公開1か月前にジェームズ・ディーンは交通事故により死去する。24歳没。2021年の今生きていたら90歳である。早くに亡くなり永遠の青春スターになったが、年を重ねた姿も見たかった。かっこいいだけじゃなく、彼にしか表現できない繊細さと演技への情熱は、すばらしい作品を生み出しただろう。自分の評価★★★☆☆お家観賞ー写真は映画と関係ありません【以下ネタばれあり】10代のエネルギーと反抗心。映画の彼らと同じ歳の頃、教師が「なぜ...映画『理由なき反抗』/ジェームス・ディーンの繊細な演技が物語に深みを与える。

  • 映画『レ・ミゼラブル(2012)』/スペクタルなミュージカル。パンと自由、そして愛。

    公開2012年監督トム・フーパー出演ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・サイフリッド、エディ・レメイン、サマンサ・バークス、サシャ・バロン・コーエン、ヘレン・ボナム=カーター上映時間152分あらすじヴィクトル・ユゴー原作のミュージカルを映画化。19世紀フランスが舞台。飢える姪のためにパンを盗み重い刑が科されたジャン・バルジャンは、脱獄で刑が加算され徒刑場で19年服役し、ようやく仮釈放される。見所①美術が凄い。貧困に苦しむ民衆の暮らしがリアルに描かれ、壮大なミュージカルに仕上がっている。②感情がのった歌と演技(パフォーマンス)がすばらしい。後から歌を取り直すのではなく、歌って撮影している。ほぼ全編セリフがすべて歌なので、突然歌いはじめることはなく自然である。ミュージカルが苦手な私で...映画『レ・ミゼラブル(2012)』/スペクタルなミュージカル。パンと自由、そして愛。

  • 映画『ヘヴン』/ケイト・ブランシェットが美しい。

    原題『Heaven』公開2003年監督トム・ティクヴァ出演ケイト・ブランシェット、ジョヴァンニ・リビシ上映時間96分見所①ケイト・ブランシェットの美しさ。その涙はファン必見。白Tシャツとジーンズで際立つかっこよさ。②風光明媚なイタリアの田舎の風景。私の評価★☆☆☆☆お家観賞【以下ネタバレあり】夫を死に追いやった男に復讐する女性(フィリッパ)をケイト・ブランシェットが演じる。方法は時限爆弾。犯罪ものかと思っていたら、ラブロマンスでした。闇が深そうな麻薬の売人と警官との関係は表に出ず、捕らえられたフィリッパに恋をした刑務官フィリッポの手引きで逃げ出し、復讐相手をいとも簡単に殺してしまう。ここで私は肩の力が抜けました。復讐を果たしたら罪を償うのかと思ったら、ふたりで逃避行。休暇中のように汽車でフィリッパの田舎に向かう...映画『ヘヴン』/ケイト・ブランシェットが美しい。

  • 本『どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?』中島義道/生きている意味はないから、いま死ぬ意味もない。

    なぜ死んではいけないのか論の展開よりもエッセイの味が強い。改題前の単行本でのタイトル『どうせ死んでしまう・・・・・・・私は哲学病。』(2004)ほうがぴったりだと思う。「自分で解決しなさい」と突き放された。私は著者のような成功者ではなく、折り合いをつけて生きられなかったのだと痛感した。これまで私は「幸せと思いなさい」「人生苦しいことだってある」と、なまぬるい人生論に頷くしかなかった。生きる虚しさを著者は語る。きれいごとがないのがいい。人は必ず死ぬ。死は悲しい。その悲しみに向かって生きていくのが真実である。生きている意味などないとまで言い切る。胸がすく思いだ。幸福とは幸福をめざすことは社会的評価をめざすことであり、幸福か否かの判定が自信を失う犠牲者を産み出すのだという著者の言葉に、幸福にならなくてはいけないという...本『どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?』中島義道/生きている意味はないから、いま死ぬ意味もない。

  • 映画『エデンの東』/父に愛されたいジェームス・ディーン

    (TV観賞)1955年製作、ジェームスディーンの初主演の青春映画。この映画の監督エリア・カザンがジェームス・ディーンを見いだした。旧約聖書を下敷きにしたジョン・スタインベックの長編小説を原作として、父親の愛情を求める息子の役をジェームス・ディーンが演じている。小説を読んでいないし、旧約聖書の知識もないので、解釈を間違っていたらごめんなさい。【以下ネタバレあり】丸めた背中の寂しさ真面目でまっすぐな兄アーロンとは対照的に不安定でふらふらする弟キャルをジェームス・ディーンが演じている。二人は双子。厳格な父親と家族を捨てた母親、兄の恋人が物語を構成している。キャルは考えこんで静かかと思えば、突拍子もなく走ったり動き出したり見ていてひやひやする。猫背が憂いを帯びてかっこいいのはジェームス・ディーンだからこそ、物陰から覗く...映画『エデンの東』/父に愛されたいジェームス・ディーン

  • 映画『ぶあいそうな手紙』/高齢の親のこと、やがて自分も老いる。

    老いると失うものが増えていく。連れ合いに先立たれる。友人がひとりまたひとりと逝ってしまう。さらに死によって失うだけではなく、目が見えなくなる。耳が聞こえなくなる。足が悪くなる。階段を上れない。高いところのものが取れない。いろんな事ができなくなる。失っていく中にとどまるしかないのかと思うと、とてもせつない。主人公の老人は視力を失いかけていた。原題『AOSLOHOSDEERNSTO』(ポルトガル語)英語題『THROUGHERNESTO'SEYES』直訳すると『エルネストの瞳を通じて』製作:ブラジル日本公開:2020年(映画館観賞)【以下ネタバレあり】ひとり息子から一緒に暮らそうと言われるが承諾しない。78歳で目が見えなくても、住み慣れた家でなら1人で暮らしていける。隣には同世代の友人ハビエルが夫婦で暮らしていて、な...映画『ぶあいそうな手紙』/高齢の親のこと、やがて自分も老いる。

  • 映画『リバー・ランズ・スルー・イット』/川釣りの美しさに癒やされる。弟役ブラット・ピットも芸術的。

    アカデミー賞撮影賞。弟役ブラット・ピット有名にした作品。(1992年ロバート・レッドフォード監督)モンタナの田舎を背景に家族の心の葛藤が静かに描かれている。兄弟は幼い頃より父に連れられ川釣りに行く。細い釣り糸が優雅に清涼な水流に投げ込まれ、キラキラと反射する様子は、息をのむほど美しい。若き日のブラット・ピッドも自然のまぶしさに負けないくらい輝いていた。以下)ネタバレあり淡々と流れていく日々。二人の兄弟はフライフィッシングを厳格な牧師の父に教え込まれた。互いに対抗心を持ち、腹が立つこともあるが、仲がよかった。表だった不協和音はなく、よい家族だ。それでも弟のさみしげな表情、危うい行動を見過ごしたのだろうか。釣りに行けば生き生きとする弟を見て安心できたのに。兄弟の愛は変わらずとも大人になれば、それぞれを生きていくのが...映画『リバー・ランズ・スルー・イット』/川釣りの美しさに癒やされる。弟役ブラット・ピットも芸術的。

  • 映画『ボストンストロング ダメな僕だから英雄になれた』/(原題)『stronger』に敬意を表したい。

    2013年ボストンマラソンを狙った爆破テロ事件の実話パトリオットデイ(愛国者の日)にアメリカで催されたポストンマラソンを狙った爆破テロ事件を映画化。両脚を失った27歳の被害者ジェフ・ボーマンを描いた実話で、彼の回顧録を原作としている。「ダメな僕だから英雄になれた」?そんなに「ダメな僕」じゃないけど・・・。仕事でヘマをしたり、待ち合わせに来なかったりする。しっかりした大人じゃないから彼女が愛想尽かすのもわかる。でも被害に遭った彼の元へ家族は集結し、友だちや先輩とも仲がよく、会社(コストコ)にも大切にされている。頼りないけれど、いいヤツ。たくさんの仲間に囲まれた平凡な男だと思う。いきなり両脚を失って、すぐに前向きに生きられるか。自暴自棄になってもいいのに以前と変わらないように振る舞う。ユーモアで切り返せるだけで立派...映画『ボストンストロングダメな僕だから英雄になれた』/(原題)『stronger』に敬意を表したい。

  • 本『史上最悪のインフルエンザ:忘れられたパンデミック』/コロナ禍の今だからわかること。

    「手作りマスク」100年前のパンデミック1918年から1919年にかけて広がったインフルエンザの大流行はスパニッシュインフルエンザ(スペイン風邪)と呼ばれる。本書はアメリカから見たパンデミックの様子を描き、分析している。スパニッシュインフルエンザの拡大は、第一次世界大戦のさなかであったため、すぐには公にされなかった。中立国であるスペインに上陸してようやく情報が発信され、その名が付いた。スペインが発生源ではないし、突出して被害が大きかったわけでもない。コロナ禍の現在、本書を読むと100年前のパンデミックが遠い過去の災いとは思えない。ウィルスに対して、人間という生き物がこんなにも弱いものだったのだと思いしらされる。人とウィルスの戦いは終わっていなかったと知る。未知のウィルスインフルエンザウィルスによる感染症に弱いの...本『史上最悪のインフルエンザ:忘れられたパンデミック』/コロナ禍の今だからわかること。

  • 本『「死」とはなにか』/父の死後1か月で思うこと。

    死ぬとどうなるのだろう。50歳を前にして私は初めて身近な人を亡くした。「死」が突然やってきて、混乱し対処しきれなかったと悔いている。ガンで余命6ヶ月と宣告された父が、急速に年老い弱って死を迎えるのを間近でみた。「死」を理解したい。死後1ヶ月経ち、本書を手に取った。魂の存在。哲学的に「死」をどう捉えるか。様々な説を分析し退け、著者シェリー・ケーガン先生は主張する。「魂は存在せず、死ねば全て終わる」死ねば「無」となる。この考えに同意しなくてもかまわない。自問することが重要だと語る。死は悪いのかシェリー先生によれば、将来起こるよいことを剥奪されるから、死は悪い。おいしいものを食べる。気持ちよく眠れる。犬や猫に癒やされる。映画の封切りや来週のドラマを心待ちにする。お風呂で「ああ、生き返った」と手足を伸ばす。よいことを奪...本『「死」とはなにか』/父の死後1か月で思うこと。

  • 映画『ジョーカー』/ホアキン・フェニックスの背中の表現が凄まじかった。

    『バットマン』の悪役ジョーカー誕生のストーリー。ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得するなど話題の作品である。後にジョーカーとなるアーサー・フレックをホアキン・フェニックスが演じている。アメコミのキャラクターだが、映画の脚本は完全オリジナル。(以下ネタバレあり)孤独な男がジョーカーへと変貌していく過程が丁寧に描かれている。コメディアンを夢見ながらピエロの大道芸人として生計を立てているアーサーは、老いて病気がちの母親と二人暮らしをしている。お母さんに問題があるのがすぐわかる。「どんなときも笑顔で人を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンになろうとしているアーサーは、笑いが止まらないという障害を抱えて苦しんでいる。笑ってはいけないところで笑いを抑えられなくなり周囲から気持ち悪がられている。笑いを仕事にした...映画『ジョーカー』/ホアキン・フェニックスの背中の表現が凄まじかった。

  • 映画『ひろしま』/地獄

    私は原爆投下を仕方なかったという言葉に強い悲しみを感じてきました。この映画で表現されていたように(あえて再現とはいいません。映画は作り手の感情が入るものだと考えているからです)一瞬にして地獄を作り出す原爆を許せません。映画の中で幼い子どもが母を呼び、探します。私の母の姉は学校の校庭で被爆し、3日後「お母さん」と言いながら、母親に会えないまま避難先で死にました。伝え聞いたことが映画と重なりました。私は核兵器を持つ国があるのが恐ろしくてなりません。「ひろしま」を観て、核を持った国が強いという現実をどうしたらいいのか分からないという気持ちがさらに大きくなりました。核兵器の恐ろしさを伝える映画として多くの人に観てもらいたいと思います。映画『ひろしま』/地獄

  • 絵本『赤いおおかみ』/犬版「置かれた場所で咲きなさい」

    (ネタバレあり)主人公の赤いおおかみは、小さな犬(ヨークシャテリア?)です。おおかみに拾われ、おおかみとして育った犬の自伝で、生きる厳しさを描きながら、愛情に溢れた物語です。犬の一生は人間に左右されてしまいます。人の一生も環境に左右されるところがあります。「幸せ」に生きるにはどうすればいいのでしょう。小さな犬は愛情に恵まれ、幸せな一生でした。小さな犬はあたたかな人の家に生まれ、馬車で運ばれる途中、あやまって、冷たい道に落ちてしまいます。人にかわいがられ過ごしていたのに、突然、おおかみの群れの中に置かれます。おおかみのお母さんに拾われ、他の兄弟と一緒に大切に育てられますが、生きていくには戦いに勝つ必要がありました。小さな犬は自分は他の者と違い、体力が劣るとわかっていましたが、知恵と強みを生かし、尊敬されるおおかみ...絵本『赤いおおかみ』/犬版「置かれた場所で咲きなさい」

  • 絵本「おはなをあげる」/道端の花に気付いていますか?

    (ネタバレあり)モノクロで描かれた世界に赤い服の女の子が登場します。文字はありません。女の子は道端の花を見つけては摘んでいきます。その花を誰かにあげるたびにモノクロの世界が少しずつ色づいていきます。世界が生き生きとしてきます。女の子はそっとみんなに花を配り、ありがとうとお礼も言われず、気づかれもしません。私も子どもの頃、野花を摘んでそっとだれかにあげたり、供えたりしていました。自分ひとりだけの世界があり、とても大切にしていました。すっかり忘れていた子どもの私に再会したような気持ちになりました。死んだ鳥を見つけ、花を手向けます。道で息絶えている鳥を女の子は見過ごせなかったのです。ベンチで寝ている人、散歩中の犬、一緒にいたお父さんが通り過ごすものを女の子は花で飾っていきます。お母さん、兄弟そして自分にも花を飾ります...絵本「おはなをあげる」/道端の花に気付いていますか?

  • 絵本「あかいハリネズミ」/あなたを抱きしめてくれるのが友だち

    (ネタバレあり)ハリネズミがあかくなったわけに泣きました。かわいらしい絵でやさしく厳しい現実を描いている絵本です。コハリネズミはお母さんと二人暮らしをしていましたが、お母さんが病気になります。「友だちを見つければひとりではなくなるわ」とお母さんはコハリネズミに教えます。抱きしめてくれるひとが友だちだと伝えて、息を引き取りました。コハリネズミはたくさんのひとに冷たくされながら友だちを探し続けます。そしてようやく抱きしめてくれるひとが現れます。それなのに、抱きしめてくれたネズミのおじいさんは死んでしまいます。おじいさんが抱きしめるとハリネズミのトゲが体に刺さりました。痛くても抱きしめ続けて血を流して息絶えてしまうのです。おじいさんの思いに私は泣きました。ネズミのおじいさんは年老いて友だちはいません。ひとりぼっちだっ...絵本「あかいハリネズミ」/あなたを抱きしめてくれるのが友だち

  • 絵本『キツネと星』/友だちは必要だろうか

    心に友だちがいれば強くなれると、感じる絵本でした。夜空を見上げ、ひときわ輝くひとつの星を見つけたとき、その星が歩いている自分の後をついてきているみたいに思ったことはないでしょうか。それはまるで私を見守ってくれているかのようです。この絵本の主人公であるキツネは森の奥に一匹で住んでいます。見上げる空にある星ひとつをたったひとりの友だちだと思います。ある日、星がいなくなってしまい、キツネは元気をなくして、閉じこもってしまいました。友だちはいない。自分がこの世界にひとりぽっちだと感じ、とても苦しく何もしたくなくなります。再び動き出すにはどうすればいいのでしょう。キツネが動き出せたのは周りからの刺激と、自分の欲求でした。キツネは大きな声を出して、星を探し続けます。探し続ければ見つけられる。探さなければ決して見つかりません...絵本『キツネと星』/友だちは必要だろうか

  • 映画『許されざる者(1992年)』/スカッとしないしぶい西部劇。

    お家観賞クリント・イーストウッド主演監督の西部劇である。列車強盗や殺人で悪名を轟かせていたガンマンのウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)は11年前妻と出会ってから改心し農民になっていた。妻は3年前に他界し、今は子供二人と貧しい生活している。そこへ若者が賞金首を一緒に撃ちに行こうと誘ってくる。(以下ネタバレあり)賞金稼ぎがバンバン銃を撃ちあう世界は恐ろしい。日本でも日本刀を持った侍が問答無用と切りつける時代があった。西部劇や時代劇のころではなく、現代に生きていてよかったと思う。暴力がはびこる世界では、従わす者従わされる者がいる。娼婦たちは従わされ、ひどい扱いを受けている。狙う賞金首は娼婦に烙印を押そうとし深い傷を負わせた牧童たちだ。とんでもない輩なのに社会は懲らしめようとしない。それにひどく怒った娼婦た...映画『許されざる者(1992年)』/スカッとしないしぶい西部劇。

  • 映画『狼たちの午後』/アル・パチーノの顔に見とれた。

    お家観賞日本人の顔でも同じに見えて混乱する私でもアル・パチーノは一度見れば記憶に残る。大きな目が語りかけてくるようで、きれいな顔に見とれた2時間だった。あの大きな顔は見応えある。映画館のスクリーンで見たかった。(以下ネタバレあり)映画は1972年に実際にあった銀行強盗を元にして作られている。主犯格のソニー(アル・パチーノ)と、相棒のサル(ジョン・カザール)が銀行に押し入る。手際の悪さと人の良さから逃げ遅れ、いつの間にか警察に包囲されている。人質を取って籠城という犯人にも人質にも誰のためにもあらない状況に陥る。なんでそんな杜撰な計画を立てたんだと責めたくなる展開だ。頼りない強盗なので随所に笑える要素がある。喜劇っぽいのだけど、アル・パチーノの昂揚と緊迫感、ジョン・カザールの感情を押し殺したような不安定さがいつ暴走...映画『狼たちの午後』/アル・パチーノの顔に見とれた。

  • 映画『ROMA』/ぜひ体調を整えて観てください。

    映画館観賞大変評価が高い映画なので映画館に足を運んだ。前半うとうとしてしまったのは観る前から眠気に誘われていたからで作品のせいではない。しかし眠気を飛ばすほどの刺激はないので、体調を整えて観てほしい。美しさを感じるには耳や目を研ぎ澄ませる必要がある。さて、ぼーっと観てしまった人間の感想を書く。(以下ネタバレあり)白黒で物語の流れもゆっくり、キャラ立ちさせておらず普通だ。犬が沢山出てきても犬好きの私でさえ「かわいい」と思うところがない。うんこの始末がたいへんだなと生活を感じ、淡々と時は過ぎていく。音楽は流れず、生活音が重なる。風や空気を感じる立体感のある素晴らしい音響だった。音だけでも映画館で経験してほしい。映画館で誰かが音を立てているかと思ったくらい自然だった。普段の生活で耳にする静かな音が届いてくる。私の目が...映画『ROMA』/ぜひ体調を整えて観てください。

  • 映画「ビューティフルボーイ」/すべて薬物はおそろしい。

    映画館観賞。主人公ニックを演じるティモシー・シャラメは美しい。ポスターも美しい。薬物依存の話なのに、ビューティフルで大丈夫だろうかと心配したがビューティフルだからこそ考えさせられた。(以下ネタバレあり)「覚醒剤やめますか?それとも人間やめますか?」私が子供の頃、強烈なテレビCMが流れていた。薬物は絶対手を出していけない恐ろしいものなのだと心に刻まれた。この映画の最後にアメリカの50歳以下の死因で最も多いのは「薬物の過剰摂取」と映し出される。人間をやめた人がこんなにも多くいるのかと驚愕した。映画「ビューティフルボーイ」は薬物依存の息子とそれを立ち直らせようとする物語で、音楽ライターの父親と息子ニックとの実話である。タイトル「ビューティフルボーイ」はジョンレノンが息子に向けて歌った同名曲から取られている。ビューティ...映画「ビューティフルボーイ」/すべて薬物はおそろしい。

  • 映画『半世界』/40歳になる人、なった人にお勧めしたい。

    (映画館観賞)稲垣吾郎、長谷川博己、渋川清彦3人の40歳前の男たちの話で、3人は仲のよい同級生です。同窓会的な学生時代の友だちっていいなという話ではない。吾郎ちゃん主演と観はじめたら、冒頭で田舎のおじさんに見えて一気にリアリティを感じた。台詞が多すぎると思うところもあったが、笑いどころ、じーんと感動どころもあり、最後には自らの人生を考えさせられ、見応えたっぷりの映画だった。(以下ネタバレあり)40歳といえば人生の半分だ。人生に挫折し故郷に戻る。故郷の親友たちもそれぞれ絵に描いたような幸せではないけれどどうにかやっていた。自分の人生に責任を持たなければならない年齢に達したのだと感じたとき、立ち止まり考えさせられる。自分のせいだと思わなければいいのかも知れない。誰かのせいにできれば楽になれるかといえばそうではない。...映画『半世界』/40歳になる人、なった人にお勧めしたい。

  • 映画「グリーンブック」/人はかなり大人になってからも変われる。

    映画館観賞(ネタバレあり)気持ちが良い。心が洗われて映画館を出た。ナイトクラブの用心棒トニーはイタリア系で、粗野で無学だけど腕っ節が強くトラブルの解決能力がずば抜けている。一方著名なピアニストのドンは黒人で物静かで知的だけど人を寄せ付けない雰囲気がある。この二人のロードムービーだ。大人になってからでも人は変われるんだなと信じられた。みんな仲良くできるよ。トニーは黒人が使ったコップをゴミ箱に捨てるような人間だが、黒人ピアニストの運転手を務めることになる。ドンはトニーのこれまでの仕事の成果を認めて良い条件を提示して雇った。お互いの利益が一致した仕事の関係のみで旅にでる。行き先は黒人差別が色濃く残る南部で、ドンは覚悟の上でコンサートツアーを決めた。下品な男と上品すぎる男の組み合わせではじめはうまくいかないけど心を通わ...映画「グリーンブック」/人はかなり大人になってからも変われる。

  • 映画「ニュースの真相」/プロデューサーの目から見た真相

    お家観賞(ネタバレあり)映画「キャロル」のケイト・ブランシェットは美しかった。女性としても母としても一人の人間としても素敵でファンになった。彼女が主役なので、かっこいいできる女をおおいに期待をした。今回はCBSニュースのプロデューサー役である。なのに美しい彼女はいなかった。「おばさん」呼ばわりに多少なりとも納得させられた。役柄に専念して美しさを全面に出してないの素晴らしいのかもしれないが残念だった。プロデューサーのメイブスはニュースで、ブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑をスクープする。放送直後からネット上で客観的証拠のメモが信憑性にかけると糾弾される。このメモ書きを提供したバーケットは、嘘をついたと証言する動画に出演させられる。バーネットの妻がメイブスに自分たちの保身ために病気の夫を苦しめたと言う場面に共感した。の感...映画「ニュースの真相」/プロデューサーの目から見た真相

  • 映画「ハクソー・リッジ」/あと一人助けさせて

    (ネタバレあり)お家観賞「あと一人助けさせてください」戦地ハクソーリッジに赴いた衛生兵の勇気と信念の実話である。ハクソーリッジとは沖縄の高田高知で、アメリカ軍はここを落とし沖縄を制圧し、沖縄から日本を落とそうとしていた。主人公デズモンドは人を殺すのではなくひとつでも命を救うため兵に志願した。訓練のため銃を扱うのさえ拒否するので除隊の圧力をかけられる。デズモンドがなぜ信念を貫こうとしているのか子供の頃からのエピソードが丁寧に描かれているので理解できる。しかし戦いを拒否して大事な人を守れるのか。戦争は殺し合いだ。自分の身を守る武器を持たないなら行くべきではないと私なら説得する。彼の願いは叶って戦闘地ハクソーリッジに派遣される。「奴ら(日本兵)は死を恐れない」戦闘シーンはすさまじくぐちゃぐちゃで残酷だった。敵が日本人...映画「ハクソー・リッジ」/あと一人助けさせて

  • 映画『キングスマン:ゴールデンサークル』/悪人は死んでもいいか。

    「キングスマン」とは、どこの国にも属さない最強のスパイ組織。表の顔はロンドンの高級テーラー。品のいいイギリス紳士たちがスーツ姿で切れ味鋭いアクションと粋なスパイ道具を使って戦う。続編である本作は謎の組織ゴールデンサークルからのミサイル攻撃で本部が壊滅する。二人だけになったキングスマン(タロン・エガートン、マーク・ストロング)はアメリカに渡る。敵に挑むため同盟機関「ステイツマン」と組む。キングスマンがスマートスーツなのに対し、ステイツマンはワイルドカーボーイハット。前作『キングスマン』ではがっしりと心を掴まれた。スタイリッシュで刺激的な映像でとくに師匠コリン・ファースの紳士然とした戦いぶりがかっこよかった。ありえないスピードと技で繰り広げられる大量殺人は残酷きわまりないのだが、現実味がなく痛みを感じないので目を背...映画『キングスマン:ゴールデンサークル』/悪人は死んでもいいか。

  • 本『ハリネズミのねがい』/考えないで。

    私は悩む人間だ。「考えないで」と言われる。考えすぎて不安で動けなくなる。同じことをぐるぐる考えて苦しんでいると自分でもわかっている。考えてはいけないのか。考えているだけになるからだめなのか。私がいけないのか。でも考えるのが私だとも感じるのだ。『ハリネズミのねがい』の主人公のハリネズミは家に誰かを招待したいと願う。けれども「もしも○○が訪ねてきたら、こうなるかもああなるかも何を話せばいいか。どうもてなしたらいいか」と、考えはじめて不安にかられて、招待状を出せない。私とよく似ている。ハリネズミは、自分の「ハリ」のことで悩み、嫌いになる。でも「ハリ」なしでは自分ではないのもよくわかっている。「ハリ」を含めて自分を受け入れてもらいたい。自分を好きになりたい。人と関わるには、傷ついたり傷つけたり、疲れたり疲れさせたりする...本『ハリネズミのねがい』/考えないで。

  • 映画『淵に立つ』/家族とは

    「あの男が現れるまで、私たちは家族だった」この映画コピーに惹かれて映画館へ行った。なんか違った。鑑賞後に知った監督提案コピー「さよなら家族、こんにちは人生」こちらが合っていると思う。(以下ネタばれあり)「やっぱりそうだったんだ」と不思議に気持ちが楽になる映画だった。孤独は当たり前なのだと言われた気がした。家族といえどもそれぞれが様々な事情や思いがあってバラバラだという前提で生きているのだなあと。今まで私は壊れそうで壊れなかった家族の中で暮らしてきた。壊れなかったのがよかったのかどうかわからなかった。この映画でますますそう感じた。きっと家族、夫婦、親子などの人間関係は努力があってこそよい関係が築けるのだろう。夫婦は他人のだからなおさらだ。同時に私は努力ができない人間かもしれないと考える。なぜならこの映画を観ていて...映画『淵に立つ』/家族とは

  • 日記「力がなかった私」

    夜9時頃、歩道のない道路の隅に女の人が二人いました。20歳くらいの女の子が道に座り込み女性が立たせようとしています。家族でもめているように見えました。道路は車が途切れないくらいの通行量で、暗い中彼女たちのすぐそばを車が走っていきます。ケンカをしているのなら声をかけて興奮させたらかえって危険かもと考え様子を見ていましたが、別の場所に移動しないと危なすぎると思い勇気を持って声をかけました。「大丈夫ですか」「助けてください」即座に女性の方が答えました。困ってらっしゃったのにどうしてすぐ声をかけなかったんだろうと後悔です。連れて帰りたいけど歩けなくなったそうで、普段は車イスだけど調子がいいから歩いて出かけたということでした。救急車を呼びましょうかと問いかけたら、家に連れて帰りたいから手を貸してほしいと頼まれました。頑張...日記「力がなかった私」

  • 映画『シンゴジラ』/ゴジラから日本を考える。

    ゴジラを初めて見た。非常におもしろい大人の怪獣映画だった。国としての自立。防衛のあり方。原発等などを想定外なゴジラから考えるのも必要なことなんじゃないだろうか。(ネタばれあり)ゴジラが都心を進む。這い進むだけなんだけど巨大だから建物は粉々、人々は逃げまどう。甚大な被害がでる。倒すしかないかなあ。自衛隊が武器使用するしかないのだけど、日本では簡単にいかないから、えらい人たちのやり取りがなかなか興味深くて笑えた。現在の日本の状況をリアルにあらわしているようでひきこまれたが、真剣になりすぎず素直に楽しめたのは、子供のころに観たウルトラマンなどの怪獣登場映画と重なったからかも(イー◯ン石原さとみも許すよ)無人の新幹線がゴジラに突っ込んだりまさに総力戦。日本人が日々真面目に働き、力を蓄えてきたから対応できたんだと考えると...映画『シンゴジラ』/ゴジラから日本を考える。

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