若き日のゲーテドイツの大詩人・ゲーテが満21歳のころに作った詩。青春の恋心と自然の情景がこれほど見事に融合した詩は滅多にない。そして、生の喜びを謳っているのだ。大好きな詩である。訳者は大山定一氏で少し古い印象を受けるが、そのまま載せておこう。『自然はうつくしくわれに燃え太陽はかがやき野辺はわらう小枝に咲きみつる花々しげみを洩るる鳥のこえわが胸にわくよろこびおお大地よ太陽よおお幸福よ愉悦よ恋よ恋よ片岡の朝雲のあかねさすうるわしさよみがえる野面に立ちこめしむらさきの靄(もや)のいろ少女よ少女よひとえにわれは愛す黒き汝(なれ)が瞳を汝(なれ)もまたわれを愛するかな揚げ雲雀の歌と空を朝ごとの花の微風を愛するがごとくわれはあたたかき血もて汝(なれ)を愛すわれに青春と歓喜とあたらしき歌と舞踏をおくるものとこしえに汝(...五月の歌(Mailied・ゲーテの詩)