2018年のブログです*田中康裕さんの『心理療法の未来-その自己展開と終焉について』(2017・創元社)を読みました。田中さんはユング派の分析家ですが、じっくりと読むのは初めて。かなり刺激的でいい本でした。田中さんは、心理療法はその対象によって常に改定される、といいます。神経症が対象だったフロイトさんの時代は精神分析、その後、精神分析は統合失調症や境界例にも適応されて発展しますが、解離性障害ではなかなか難しくなった、と指摘されます。それは、解離性障害では、それまで当然とされた「人格」の存在があやうくなった(?)ため、といいます(雑な要約で、間違っていなければいいのですが…)。そのために、それまでの、意識と無意識からなる「人格」を当然のものとしていたそれまでの心理療法では手に負えなくなったのではないか、と考...田中康裕『心理療法の未来-その自己展開と終焉について』2017・創元社-個別から普遍へ