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  • 理念の正しさは方法の正しさを保証しない

    「各論で迷う」11月23日北米総局の秋山信一記者が、『保守層の不満憎悪に転化トランプ前米大統領再出馬』という表題でコラムを書かれていました。その中で秋山氏は、『大統領選での敗北を認めず、「不正選挙だった」と根拠のない主張を続ける姿勢は、一切擁護できない』とトランプ氏を批判する一方で、その保守的な主張については、一部判断を躊躇っているのです。『保守系の草の根団体を取材中、白人が黒人奴隷を使役した歴史を学んだ白人の小学生が帰宅後に自分の肌を傷つけたという話を聞いた(略)人種や差別に関する教育は必要だが、教える学齢や内容を慎重に考えるべきだ」都の考えには共感できた』『性転換した男性が女性の競技に参加して記録を更新するのは、私も「公平でない」と思う』『リベラル派の取材先で、性的少数者への配慮から性別不問のトイレし...理念の正しさは方法の正しさを保証しない

  • 親の精神的安定

    「親の幸せ」11月21日『離婚後の親権子の幸せ最優先の議論を』というタイトルの社説が掲載されました。離婚後の共同親権の導入を検討してきた法制審議会の部会が、中間試案をまとめたことに関わる社説です。共同親権の是非についてここで論じるつもりはありません。とても難しい問題ですから。ただ、気になることがありました。『子どもの幸せにとって、どのようか仕組みが最善なのか』で始まった社説は、『子どもの立場から議論を尽くすことが大切だ』という結びで終わっています。実はこの「子供の幸せ」というフレーズは、私はよく使ってきた言葉なのです。学校でのトラブルについて、解決を見た後に保護者が教委に来て、「あの教員は許せない、何らかの罰を与えてほしい。そうでなければ私の気が治まらない」というような訴えをすることは珍しくありません。そ...親の精神的安定

  • 本当の昭和

    「昭和は?」11月21日『教員処遇改善策検討自民党給特法見直し含む』という見出しの記事が掲載されました。自民党が『教育人材の確保に関する特命委員会を設置した』ことを報じる記事です。記事によると、『教員に残業代を支払わないと定めた教職員給与特別措置法の見直し』が検討課題に含まれるということです。是非、議論を進めてほしいと思います。そのこととは別に、とても気になる記述がありました。萩生田政調会長の言葉です。萩生田氏は『残業時間が8時間だった昭和の時代になかった仕事が増えている』と述べているのです。萩生田氏は、いわゆる文教族と呼ばれる議員で、その中でも大物です。市議会議員出身で、地方教育行政についても、身近に見聞していたはずです(平成時代でしょうが)。その萩生田氏にして、昭和は8時間、という認識だということに驚...本当の昭和

  • 出来る人が基準になる?

    「出来る人、が基準になる」11月20日直木賞受賞作家今村翔吾氏の連載コラム『乱読御免』は、司馬遼太郎氏の「功名が辻」を取り上げ、『良妻の物語に考える多様性』というタイトルでした。その中で今村氏は、『男女平等、女性の社会進出が顕著な今の世の中において、「夫を支えるのを賛美するなんて!」なんて声が聞こえてきそう(略)ただ一つ、首を捻ることもある。それは「自分の意志」で千代(功名が辻の主人公、山内一豊の妻)のような道を選んだ方を、非難する人が少なからずいることだ(略)多様性が認められる世の中ではないのか。ならばその中に、そのような生き方を選ぶ人がいても認められるべきではないか』と自説を展開なさっているのです。そしてさらにご自身を引き合いに出し、『昨今、ライフワークバランスという言葉をよく耳にし、猛烈に働いている...出来る人が基準になる?

  • 子供は○○である

    「私もそっち側」11月19日『「事なかれ」から?続く学校の黙食』という見出しの記事が掲載されました。『新型コロナウイルスの感染対策を巡り、飲食店への自粛要請などが緩和される中、なぜ多くの学校で「黙食」が続けられているのか』という問題意識で、現状と背景を探る記事です。全体として、緩和を薦める内容ですが、その中で気になった記述がありました。国立成育医療研究センターこころの診療部臨床研究員山口有紗氏の話です。山口氏は『他の子と向き合って話ながら食べたり、大きな声の飛び交ったりする従来の給食のあり方がつらかった子もいるかもしれないことの注意すべき』とおっしゃっているのです。『感染流行前に当たり前だと思っていた給食のあり方が、心地よい子もいればそうでない子もいるはず』と述べ、『どういうやり方であれば、みんなが楽しく...子供は○○である

  • 難しくて分からない

    「影響大」11月18日『いじめ関与生徒名開示命令』という見出しの記事が掲載されました。『熊本県立高3年の女子生徒がいじめを受け自殺したとして、遺族が県と同級生8人に損害賠償を求めた訴訟で、熊本地裁が22年5月、関与した生徒の氏名の開示を県に命じていた』ことが明らかになったことを報じる記事です。記事によると、『県の第三者委員会は15年1月にまとめた調査報告書で、いじめに関与した生徒の名前を黒塗にしていた』ということで、『県は「報告書は任意調査で、公務遂行に支障が生じる恐れがある」として却下を求めていた』が認められなかった、ということのようです。難しい問題です。調査報告書の加害者氏名が黒塗りで開示というのは一般的です。しかし、遺族感情からすると、納得しがたいものです。真実を知りたいという思いもあれば、加害者を...難しくて分からない

  • 多様な目で見る

    「謝罪したのは」11月18日『職員室会話端末介し生徒に漏えい』という見出しの記事が掲載されました。『岩国市の市立中学校で、職員室で教諭らが交わした会話が、生徒に配布されているタブレット端末を介して複数の生徒に漏れていた』事件について報じる記事です。記事によると、『内容にショックを受けた生徒1人が登校できなくなる』などの影響が出ているということで、学校側は『生徒に事情を説明して謝罪』し、教委は『不安を与えて申し訳ない』と陳謝したということです。ところで、一体何について謝ったのでしょうか。教委は、「不安を与えた」ことについて謝っています。何の不安なのでしょうか。学校の情報管理体制の不備が、他にも個人情報が洩れているのではないかという不安を与えた、ということなのでしょうか。それとも、『内容には(略)教諭が生徒に...多様な目で見る

  • 教育が社会を悪くする?

    「どういう方向で」11月18日論点欄では、『方向性見失う国家』というテーマで、2人の専門家が対談していました。その一人、仏歴史人口学・家族人類学者エマニュエル・トッド氏が語られていることに考えさせられました。エマニュエル氏は、『今の欧米は、高等教育を受けた人と大衆の分断が先鋭化しています。人々の社会的な連帯感、宗教や愛国心、つまり集団意識が弱くなっている』と述べています。トランプ前大統領の支持を巡る分断状況を見ていると、その指摘が正鵠を射ていると思われます。では、我が国はどうなのでしょうか。私は、人々が自由に意見を表明する権利をもつ民主国家においては、分断が生じ、表面化するのはある程度仕方がないことだと考えています。ただ、宗教や地域性といった避けることができない要因ではなく、教育が分断の要因になるという事...教育が社会を悪くする?

  • どうすればよかった?

    「だったらどうすれば」11月15日読者投稿欄に、神奈川県在住I氏の『「ごんぎつね」であの子を思う』というタイトルの投稿が掲載されていました。I氏は教員時代を振り返り、『国語の授業で「ごんぎつね」を扱った。あの子というのは、やや落ち着きがなく、授業中に気ままに発言することがある児童だった。ごんがその本意に反して撃たれた場面になったとき、突然彼の大きな声が響いた。「もう、いやだ!」。私は驚いた。「国語の話って、いつもこうなんだから」とも。新米の私は、勝手に発言しないようにと注意した(略)彼は社会の不条理を子供心に感じていたのだ。彼には済まないことをした』と書かれています。確かに小学校の国語の教科書には、悲しい話が多く掲載されています。ですから、(彼)が、繰り返される悲劇に心を締め付けられ、思わず叫んでしまった...どうすればよかった?

  • 押しつけと反発

    「成り立つ?」11月15日『都は全廃校則「最小限に」』という見出しの記事が掲載されました。ツーブロックの髪型に纏わる校則について報じる記事です。ツーブロックの是非については論じるつもりはありません。そのこととは無関係に気になる記述があったのです。都立井草高校副校長島岡恵一氏の『大人の価値観を押し付けないことが大事です』という言葉です。島岡氏は、『(生徒に)自分たちで考えて行動してもらうというのが原点です』と話した後に、こう語っていらっしゃるのですから、言いたいことは十分に分かりますが、根本的な疑問が湧いてきてしまうのです。そもそも教育とは、大人の価値観を植え付けようとする営みなのではないかということです。その「植え付け」が正しいとは限りません。また、「植え付け」が成功することもそんなに多くはないかもしれま...押しつけと反発

  • その一言が余計

    「その一言が余計」11月15日『全国の中学生に、さまざまな分野で活躍する人が語る「授業」』という趣旨の連載企画『14歳の君へわたしたちの授業』の今回の先生は、歌手・タレント中川翔子氏でした。中川氏は、自身が中学生時代に受けたいじめのことを述べています。『攻撃してくるのは、実は自分の人生でなんの関係もない人たち』『学校以外にも必ず居場所はある。困ったら「助けて」と声を上げて』『「死にたい」とか「消えたい」と思ったら、とにかく一度、寝るとか、別のことをしてほしい』『いじめた人への当てつけで自殺するなんて、もったいない』など、体験に基づくアドバイスも貴重なものだと感じました。ただ、締めの言葉が残念でした。『今の自分を大事にすれば大丈夫。誰でも何か才能を持っているから、きっと大丈夫です』という言葉です。いじめに限...その一言が余計

  • 恥をかかされた

    「訂正の仕方」11月15日『小池書記局長パワハラ共産が警告処分』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『小池氏がある地方議員の氏名を誤って読み上げたことに対し、田村氏(同党政策委員長)がその場で訂正したが、その後小池氏が詰め寄り、「ちゃんと読んでいる。訂正する必要ない」などと強い口調で抗議』という言動が、パワハラと認定されたということです。なお、『用意されていた原稿の議員名が誤っており、小池氏がそのまま読み上げた』ということで、誤読ではなかったということだそうです。しかし、誤読の有無にかかわらず、小池氏は田村氏よりも党内序列が上であり、「詰め寄り」「強い口調」というのですから、パワハラと認定されても仕方ありません。小池氏自身も、認め謝罪しているのですから、パワハラか否かを論ずる必要はないと考え...恥をかかされた

  • 比較すれば軽すぎる

    「軽すぎない?」11月14日『車内に9時間2歳児死亡父が保育所に預け忘れる』という見出しの記事が掲載されました。『保育所駐車場に止めた乗用車内で12日夕、この保育所に通う女児(2)がぐったりした状態で見つかり、間もなく死亡が確認された』事件について報じる記事です。記事によると、父親は『長女と三女を同じ認定こども園に送り届けた後、次女を保育所に預けるのを忘れて自宅に戻った。ワンボックスカーの窓を閉め、鍵も施錠した後に車を離れた』ことによる事故ということです。最近この手の事故が頻発しています。悲しいし、残念なことです。記事の中に気になる記述がありました。『有効な予防策の一つとして、子供の座席の近くにバッグや財布、スマートフォンなどを置くことを勧める。貴重品を置いておけば、車を降りる際に子供の存在に気付きやすく...比較すれば軽すぎる

  • 感情より記録

    「要はバランス」11月12日放送タレント松尾貴史氏が、『国民の声を聞かないってこと?』という表題でコラムを書かれていました。その中で松尾氏は、『政権関係者の口から「支持率に一喜一憂しない」というお題目が唱えられるようになった』ことへの疑問を述べられています。『国民が仕事を「評価してくれている」「信頼してくれている」ということを喜ばしく思い、「評価してくれていない」「信頼してくれていない」ということを憂えるというのが、政治家として当たり前の感性』だと言っているのです。政権支持率についての「一喜一憂」は、今回の岸田政権のように、下がり続けている場面、つまり喜ぶ要素がなく、憂える要素しかないときに使うこと自体が間違っていると思います。「一喜一憂」とは、言うまでもなく、喜ばしい事態と憂うべき事態が交互に訪れるとき...感情より記録

  • 「~」は何?

    番外編「もうやりません」WSJWSJ10月号に『企業を成功に導く「引き算」の法則』という見出しの記事が掲載されました。記事は、『多くの企業が窮乏ではなく、消化不良で息絶えている』という書き出しで始まっています。これは、デービット・パッカード氏が『仕事を増やし過ぎる一方、減らすことをほとんどしない企業リーダーの危険性について警鐘を鳴らした言葉』だそうです。記事ではさらに、バージニア大の研究も紹介されています。『問題を解決するにあたり、人はまず「足し算」を試みることが明らかになっている』というのです。『われわれは元来、思考の代わりに「足し算」するようになっている』とも述べられています。企業にしろ官庁にしろ、組織は課題に直面したとき、その対応策として「足し算」をするという指摘です。課題解決のために、新しいシステ...「~」は何?

  • 評価がもたらすもの

    番外編「評価がもたらすもの」WSJWSJ10月号に『同僚の給料知ったら…チームより自分』という見出しの記事が掲載されました。『NHLの報酬情報流失』事件についての影響について述べた記事です。ちなみに、これは『1990年のある朝、(NHL:北米プロアイスホッケーリーグの)選手全員の年俸一覧が新聞の一面を飾る』という事件です。記事によると、『同僚よりも報酬が低いことが判明した選手は、職場で急に仕事をなおざりにするようなことはしなかった。むしろ、別なところに力を入れ始めた』ということです。具体的には、『ディフェンスを犠牲にしてオフェンスに注力するようになった。オフェンスで活躍する選手が年俸交渉を優位に進めていることが分かったためだ(略)各選手のプレーが変わったことで、チーム全体のパフォーマンスは落ち込むという逆...評価がもたらすもの

  • いつからそんなに偉くなった

    「居丈高」11月12日『首相また後手求心力低下』という見出しの記事が掲載されました。葉梨康弘法務相の更迭についての経過と影響を報じる記事です。その中に気になる記述がありました。『葉梨氏が同様の発言を過去に複数回繰り返していたことも判明した』という記述です。ちなみに、ここでいう発言とは、『(法相の職務は)朝、死刑のはんこを押す。昼のニュースのトップになるのはそういう時だけという地味な役職』『法相になってもお金は集まらない。票も入らない』という発言のことです。私はこの記述を見たとき、葉梨氏の人間性を想像してしまいました。それは、諫言を許さない雰囲気をまとっている人なのではないかということです。葉梨氏は、10年以上の国会議員歴をもち、複数の省の副大臣を務めた中堅の政治家です。当然、多くの支持者や秘書等のスタッフ...いつからそんなに偉くなった

  • 子供も高齢者も

    「通底するもの」11月7日論説委員永山悦子氏が、『「ごみ屋敷」の深層』という表題でコラムを書かれていました。その中で永山氏は、『少し変わった住人が、外にまで物をあふれさせ、積み上げている家』というごみ屋敷のイメージを否定し、『昔は片付けができた人が、加齢で思うようにできなくなったことを受け入れられず、「いつか片付けよう」と先送りするうちに物があふれていく。判断力の低下で物を捨てる基準があいまいになり、捨てられなくなる。「人に迷惑をかけたくない」と、自分にとって「必要な」ものをためこむ』というケースが大半であることを指摘しています。つまりごみ屋敷問題は、『高齢者の社会的孤立や健康問題が根っこにある』ということです。こうした認識の下、永山氏は、行政の対策において必要なのは、『物を捨てることよりも、住んでいる人...子供も高齢者も

  • 授業中に一杯ひっかけて

    「調子が出るんだけど」11月7日『歌が「つなぐ力」大事に』という見出しの記事が掲載されました。『観客に酒を振る舞い、自らも特大の杯で喉を潤しながら歌を聴かせる年末恒例の「ほろ酔いコンサート」が今年、東京で開催50回目の節目』を迎えた加藤登紀子氏へのインタビュー記事です。その中に、『「ちゃんと歌唱できるんでしょうか」』という記者の問いに対する加藤氏の回答が掲載されていました。加藤氏は、『まず歌に集中できて、歌詞を間違えなくなるんですよ(略)雑念がなくて歌に集中できるというか(略)もともとね、自分の体が一升瓶になったような感じが一番いい歌い方なの(略)私の体の中に埋まっている熱い気持ちが、じわあっと体に満ちてきて、それが絞り出すのでもなく、ふわあっとあふれてくる』と語られているのです。加藤氏の言いたいことは、...授業中に一杯ひっかけて

  • 求めてはいけない?

    「求める権利は?」11月6日『吃音が問うもの1/100人の障害「流ちょうさ」過度に求めないで』という見出しの記事が掲載されました。『吃音がありながら、しゃべる機会の多い職業に就いている人は少なくない。ただ、流ちょうさでコミュニケーション能力を評価されてしまえば苦悩してしまう。私立大のある若手教員は、学生への講義でつまずいた』ことを報じる記事です。記事では、『20代で理学博士の学位も取り、大学院で執筆した論文の雑誌掲載数は7本に上った。指導教員は「この30年で一、二を争う才能だ」と言ってくれた』優秀な講師が、学生による授業評価アンケートで、『「おどおどしていて話が聞き取りにくい」「滑舌が悪すぎて何を言っているのか分からなかった。二度と授業を受けたくない」』と酷評されたという事例が紹介されていました。そして、...求めてはいけない?

  • 支えとなる前提条件

    「前提条件」11月5日書評欄に、大阪大特任教授大竹文雄氏による『「雷神と心が読めるヘンなタネ」鎌田雄一郎著(河出書房新社)』についての書評が掲載されました。その中に次のような一文がありました。『ある銀行が経営不安だというデマを信じて一定の数の人が預金を引き出せば、その銀行がその日に金庫に準備していた現金の量を超えてしまう。なぜなら、銀行は企業にお金を貸し出しているからだ。みんなが預金を引き出すと、健全だった銀行が破綻するので、自分も預金を引き出したほうがよくなる。銀行という制度が成り立つのは、誰もが必要以上にお金を引き出さないという状況の時だけなのだ』。当たり前の話です。誰でも知っていることです。しかし、改めて言われると、銀行という制度の不安定さがよく分かります。自分の預金を引き出すのは預金者の権利です。...支えとなる前提条件

  • 合わせると貫く

    「お客様は神様です」11月5日『バイデン氏演説的外れ?「民主主義」争点化躍起』という見出しの記事が掲載されました。米中間選挙に向けての『民主主義が脅威にさらされている(略)制度そのものが危機に陥っていると理解して投票しなければならない』というバイデン大統領の演説に対し、『有権者の最大の関心は経済やインフレで、民主党内からも「焦点が合っていない」と批判が出ている』ことを報じる記事です。その通りだと思います。しかし、よその国のことで大きなお世話だと言われるかもしれませんが、私の認識はバイデン氏と同じです。世界の民主主義国家群をリードし、専制主義と対峙し、平和と人権を守るためには、選挙結果を平気で無視するような勢力を放置するようなことはあってはならないと考えています。ですから、これから私が述べることは、少し偏り...合わせると貫く

  • 20年前の変節

    「20年前の変節」11月5日書評欄に、詩人渡邊十絲子氏による『「英語のアポリアネイティブが直面した言葉の難問」トム・カリー著(研究社)』についての書評が掲載されていました。その中に、次のような記述がありました。『外国語を学ぶ目的や動機は人それぞれだろう。著者は言語の「社会的側面」と「認知的側面」に分けて考えている。社会的側面に注目する人は、グローバル言語としての英語を話せるようになることが今後の社会人に欠かせない能力だと考え、英会話に力を入れない英語教育などあり得ないと考える。認知的側面を愛する人は、文字や文法や語彙について自分の母語で(日本人の視点から)たっぷり解説してほしい。そこにこそ異文化理解のカギがあると考えるので、外国人講師による会話中心の授業は物足りない。この二つの考え方に引き裂かれているのが...20年前の変節

  • 右も左も

    「嘘がまかり通る世界」11月3日『表記子供・子ども→こども家庭庁準備室省庁に依頼原則は子供文科省困惑』という見出しの記事が掲載されました。『来春に発足する「こども家庭庁」の設立準備室が他省庁に依頼分を出した。6月に成立した「こども基本法」の理念を浸透させることを目指し、行政文書などは原則、平仮名表記の「こども」を用いるよう呼びかけ』たことを報じる記事です。その中に気になる記述がありました。『子供の「供」の字は、「供え物」や「お供する」などを連想させ、差別的印象を与えるとの考えが一部で広まったのが混ぜ書きにつながったともされる。ただ、「日本国語大辞典第2版」によると、「ども」は複数を表す接頭語で、「こども」はこの複数語として使われていた。それが徐々に大人の対義語として単数を表すようになり、近世に「子供」の当...右も左も

  • 誰にどれだけの力を

    「誰を念頭に?」11月2日東大名誉教授西垣通氏が、『機械翻訳と外国語学習異文化間の相互理解に活用を』という表題でコラムを書かれていました。その中で西垣氏は、『機械翻訳があれば外国語学習なんて要らなくなる、と言う人がいる。はたして本当だろうか』と問題提起されていました。私が4~5年前からこのブログで、「数年後には、スマホのアプリに翻訳機能が加えられ、日常会話程度は不自由なくこなせるようになるはず。特に東京五輪で大勢の外国人が来日することを見込んで、急速に技術開発が進むことが予想される」という趣旨のことを述べています。そして、「買い物をしたり、道を尋ねたりする程度の英会話能力を身に付けるために、他の教科の学習を犠牲にしてまで、小学校から英語教育を始める必要があるのか」という疑問を呈してきました。まさしく、西垣...誰にどれだけの力を

  • 大人の世界

    「大人の世界」11月1日『難しい?現代ママ友事情』という見出しの記事が掲載されました。『「ママ友」という人間関係。育児期の母親特有とされるが、そんなに難しいものなのか?現代ママ友事情を探った』記事です。ちなみに、「ママ友」の定義は、『子どもを通じて知り合った母親同士の友人関係』だそうで、『公園デビューから幼稚園、保育園を経て小学校中学年ごろまで長く関係が続く』こともあるということです。私は高学年を担任することが多く、特に新採で赴任した学校では、子供のことで精一杯で、母親のことにまでは目を向けることができませんでした。しかし、異動し、年齢も30代になり、PTAの教員側委員なども務めるようになってくると、母親同士の世界、人間関係といったものにも目が向くようになってきました。さらに、母親を理解することは子供理解...大人の世界

  • 教員×生徒=学校

    「1/1000の話」10月31日連載企画『学校とわたし』で、日本たばこ産業会長岩井睦雄氏が、高校時代の思い出を語っていらっしゃいました。その中で岩井氏は、『先生たちは自分の好きな方法で、好きな題材を使って授業を進めていました』と述べています。具体例として、『古文の場合、(現代は用いられていない)変体仮名で書かれた「伊勢物語」を読みました(略)数学の先生も教科書や大学受験を枠を超えた難しい方程式をあえて取り上げて「これが数学だ」と魅力を伝えてくれました』とも述べられています。岩井氏の述懐を読み、教科書通りに授業を進めるしか能のない(なかった)自分の恩師と比べて、自分ももっと指導力のある教員の授業を受けていたら~、と考える人がいると困ると思いました。岩井氏の恩師たちが、好きなやり方で好きな内容を教えることがで...教員×生徒=学校

  • 自分と同じ人ばかり?

    「みんな同じ幻想」10月29日ヤマザキマリ氏が回答者を務める人生相談欄に、19歳男性の相談が寄せられていました。その内容に驚かされました。その相談内容は、『私は、SMAPの「世界に一つだけの花」(略)この名曲が大好きで、毎晩聞きながら寝ています。しかし先日、インターネットでこの曲を嫌いだと言っている人がいてショックを受けました。口ずさむ時もあり、嫌いな人が聞いて、けなされたらどうしようと、怖くなりました』というものです。驚かされた点は2つあります。まず、自分の好きな曲を嫌う人がいるということにショックを受ける、という点です。自分と好みが異なる人がいることなど当たり前ではありませんか。音楽でも、小説でも、ドラマでも、食事でも、服装でも、好みは違って当り前、その上で、どう折り合いをつけて生活していくか、という...自分と同じ人ばかり?

  • 勉強で頭では分かっていても

    「無意識のうちに」10月25日『妻の壮絶人生を「家族ルポ」に』という見出しの特集記事が掲載されました。「妻はサバイバー」を執筆された朝日新聞記者永田豊隆氏に取材したものです。摂食障害、性的被害、自殺未遂、アルコール依存症、アルコール性認知症と苦しみ続ける妻に寄り添い、自身も適応障害で一時休職した経験をもつ永田氏。その闘いの日々が興味深いものであるのはもちろんですが、私が注視させられたのは、永田氏の次の一言でした。過酷な日々をよく克服することができましたね、という問い掛けに対し、永田氏は『「都市部に暮らす正社員男性」という属性も、克服の一因だ』と答えているのです。私も、「都市部に暮らす正社員男性」でした。公立学校の教員から教委の職員という職歴ですから、正確には社員ではありませんでしたが、都市部に暮らす正規雇...勉強で頭では分かっていても

  • 校長は何を恐れたのだろう

    「耳タコでしょうが」10月25日『自殺「小6担任指導影響」熊本の13歳、抑うつに』という見出しの記事が掲載されました。『熊本市立中1年の男子生徒が自殺し、事実関係などを調べていた市設置の第三者委員会は24日、小学6年時の担任による不適切な指導の影響で発症・悪化したとみられる抑うつ状態が自殺の一因とする報告書』を提出したことを報じる記事です。私は教員の体罰や不適切な指導について、このブログで数十回も取り上げてきました。このブログを読んでいただいている方にはそれこそ「耳に胼胝ができる」状態かもしれませんが、あまりにひどい事件なので、また繰り返させていただきます。今回述べるのは2点です。記事によると、『小6の担任は18年4月、生徒の友人の胸ぐらをつかんで引っ張るなどの体罰を加え(略)仲の良かった友人がいつも怒ら...校長は何を恐れたのだろう

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