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  • 読むより感じる

    「同罪?」10月24日専修大教授武田徹氏が、『文字リテラシーを失うな早送り視聴の功罪』という表題でコラムを書かれていました。その中で武田氏は、『有限の時間資源の中で早送り視聴は一種の必然的選択だった』と述べ、『早送り視聴は新しいリテラシーの一つだと認めるべき』としています。その一方で、『新たに加わるリテラシーがあれば失われつつあるリテラシーもある』と指摘し、『文字リテラシーの低下は社会全体を覆いつつある』と警鐘を鳴らしています。どういうことかというと、個人が受け取る情報に占める割合が、かつては文字>動画であったものが、現在では文字<動画となり、動画情報は増える一方で、それをこなすために早送り視聴が一般化してきたと捉えているのです。そして、『目の前で語りかける動画メディア、文字だけの資料よりも親しみやすく感...読むより感じる

  • 男子だけ多目的室に集めて

    「教室に男子だけを集めて」10月24日りんくう総合医療センター産科医荻田和秀氏が、『男性への育児スキル教育を仕事と家庭の両立のため』という表題でコラムを書かれていました。その中で荻田氏は、『患者さんから男性の育休時における行動を聞いていると、まだまだです。回答で比較的満足度が高いのは、買い物や上の子の送り迎え。それ以外は「任せられるレベルじゃない」といいます。次いで多く聞くのは「おむつ替えやミルクづくりといった基本的な育児スキルどころか、掃除や洗濯、炊事といった生活スキルすら十分ではない」という不満です』と書かれています。こうした実態を踏まえ、荻田氏は、『育休を取得しやすくする環境整備はもちろん必要ですが、同時に男性が育児するためのスキルを上げる実用的な教育が必要だと痛感します』と主張なさっているのです。...男子だけ多目的室に集めて

  • 命は同じか

    「命は同じか」10月22日『「チントンシャン」守れるか』という見出しの記事が掲載されました。『伝統芸能に不可欠な三味線の業界が曲がり角を迎えている』ことを報じる記事です。記事に中に、『動物の皮は厚みにムラがあるから音にも厚みが生まれる(略)ただ、愛猫家らの反発を受けて供給が減り、80年代には輸入の猫皮に頼るようになった。供給も減って価格は高騰。一時はアジア産の犬の皮で代用したが、こちらも動物愛護の観点から入手が困難になった』という記述がありました。また、『オーストラリアで増殖が問題視されるカンガルーの皮が代替として注目される』という記述もありました。『三味線業界が打撃を受け、(職人技が途絶える)危機が増した』とも。さらに、『動物の皮に頼らずに済む研究は続けていく』ことも述べられていました。とても考えさせら...命は同じか

  • 公平・公正に…、難しい

    「公正・公平」10月21日『戦争観根底から揺さぶられ』という見出しの記事が掲載されました。ウクライナから帰国した写真家渋谷敦志氏に取材した記事です。その中で渋谷氏は、『戦争に対する考え方を根底から揺さぶられ、今ぐらぐらきています』と語っています。そして、『行く前は戦争を否定していたけど、現実に触れると、ロシアの侵略には武器で戦うしかない、勝つしかないと思うようになりました。生きるためには殺さなきゃいけないと。殺し合いの一方に肩入れして、殺すのを後押ししている自分に驚いています』と言葉を継ぐのです。渋谷氏は、『最初は停戦こそが大事だと思ってた』と語る常識人、私と同じ感覚の人です。その渋谷氏が、上記のような言葉を吐くのです。しかも、全国紙の取材という公的な場でです。記者(アフリカやイラクでの戦場体験あり)は、...公平・公正に…、難しい

  • 専用学校

    「専用学校」10月21日『熱中できる何か探し続け』という見出しの記事が掲載されました。学校に違和感を覚え、一時は死も考えた少年が、自分の居場所を見つけるまでを報じる記事です。その中に気になる記述がありました。『学校に居場所を求めるのはやめ、不登校を“選択”した。その後、オンライン授業がメインのルネサス大坂高校に進学し、現在は高校1年生だ』という記述です。私は以前このブログで、不登校の子供への対応について、「学校に行かなくてもいいんだよ」というだけでは解決にならないと指摘しました。もちろん、本当に苦しみ自殺の淵にいる子供にとっては、緊急避難的に救いの言葉になることは否定しません。しかし、学校に行かない日々が続いているとき、多くの子供の心には、「このまま学校に行かないままで、自分の人生はどうなってしまうんだろ...専用学校

  • エビデンス無用

    「ネタ満載」10月20日宮崎支局記者一宮俊介氏が、『見直すべき効果不明の習慣九州の高校で続く「朝課外」』という表題で記事を書かれていました。ちなみに、「朝課外」とは、『通常の1時間目の前に午前7時半ごろから40分程度実施されている』課外授業のことだそうです。一宮氏は、「朝課外」の廃止に向けた動きが出ていることを紹介し、廃止に賛成の立場を示しています。私も、記事を読んで廃止すべきだと考えました。ただ、そうした主張とは別に、一宮氏が書かれた記事には、学校教育に纏わる「あるあるネタ」が満載なのです。そうした視点で記事を読むと、いろいろと考えさせられるのです。まず、『本来は「自由参加」のはずが遅刻すると怒られた』『「選択制」が導入されていたが、実際は参加しないと教員から呼び出される』という記述です。自由や個人の選...エビデンス無用

  • 立派な横領

    「したことがある」10月19日『学校所有の本販売フリマで利益教諭懲戒免職』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『(都立高の教員が)指導用教科書や問題集計9冊(1万3313円相当)をフリーマーケットアプリに出品し、1万1580円の利益を得た。これらは一般には販売されていない。同校では公費で購入し、学校に保管し教員同士で共有していた。都教委は横領に当たると判断し、同校が目白署に被害届を提出した』とのことです。2つのことを思い出しました。まず一つは、私のつれあいが校長に就任したとき、叔母から電話があり、「市販のテストの見本が各校に送られているはずだから、それを譲ってほしい」と言われたことでした。校長であれば、見本を手に入れることは容易であるはずだということでした。その通りです。市販のテスト見本を入...立派な横領

  • 別の方向で

    「教育委員も」10月19日論点欄では、『原子力規制委発足10年』というテーマで、2人の識者が自説を展開していました。その中で、元官房長官塩崎恭久氏が述べられていることに注目させられました。塩崎氏は、『5人の委員がそれぞれ独立し、平等・対等の立場で専門的な議論に臨み(略)事務局の原子力規制庁が作製した案を審議するようなことになってはならない。これでは役人が決めたことを追認するだけになってしまう。米国の原子力規制委員会では、事務方から委員へのアクセスは禁じられている。また、委員は事務局職員の電子メールのやりとりを見ることができるなど、主役が誰かはっきりしている。委員が独立して強い権限と自らの専門性を持って、事務局に作業を指示する(略)委員ごとに数名の優秀なサポートスタッフを付け、各委員が独立して総合的な判断が...別の方向で

  • すぐに役に立つ

    「生きる力」10月18日『全国の中学生に、さまざまな分野で活躍する人が語る「授業」』、連載企画『14歳の君へ』は、料理研究家枝元なほみ氏が登場しました。一応「技術・家庭科」ということになっていました。この企画では、教科名が掲げられていても、実際の内容はあまり関係がないというケースが多いのですが、今回はまさに家庭科の内容に関わるものでした。気になったのは次の記述です。『炊飯器を使わずに鍋でご飯を炊く方法を伝授します。将来、1人で暮らしてお金がなくても、ご飯さえあればなんとかなる。今はおむすびをコンビニで買うもの、と考える人も多いですが、米を炊いて塩むすびにすれば半額以下です。(略)キャンプに行っても、海外で道具がなくても鍋があれば炊けます。私はインドで~』という記述です。これは、要するにどんな厳しい状況にな...すぐに役に立つ

  • 逆だと思うけど

    「もっと細かく」10月18日『性別思い込みいつから「女性は優しい」4歳「男性は賢い」7歳』という見出しの記事が掲載されました。『性別に対する固定観念「ジェンダー・ステレオタイプ」は、いつごろ生じるのか。京都大などの研究グループが4~7歳の男女を対象に調べた』結果を報じる記事です。その中に気になる結果がありました。『「賢さ」については4~6歳で男女差は見られなかったが、小学生になる時期の7歳の男児では女児よりも自分の性別を「賢さ」を結びつけた。グループの森口佑介・京大准教授(発達心理学)は「小学校に入学すると、テストなどで成績を競わされる場面が増える。他人との比較や子ども同士の関係性、同調圧力も影響しているのでは」と分析する』という記述です。小学生になると、テストや授業中の言動などによって同年齢の他者と自分...逆だと思うけど

  • どっちつかずの

    「移行するときには」10月17日『特別支援学校は維持障害者基本計画素案』という見出しの記事が掲載されました。『2023年度から5年間の障害者政策の方針となる「障害者基本計画」の素案』が有識者委員会に示されたことを報じる記事です。『国連の障碍者権利委員会は(略)日本への初めての勧告を発表し、分離教育の中止を求めていた』にもかかわらず、政府が『障害のある子どもがほかの子供と分かれて、特別支援学校などで教育を受ける仕組みの中止には踏み込まなかった』ことが記事の中心ですが、私は別のことが気になりました。それは、『障害の有無で分け隔てられることなく、可能な限り共に教育を受けることができる仕組みの整備を進める』ための対策として打ち出された、『全ての新規採用教員が10年目までに特別支援学校などでの指導を複数年経験すると...どっちつかずの

  • 武器があるうちに

    「武器のあるうちに」10月15日『子どもと大人対等なバディー』という見出しの記事が掲載されました。『子どもと大人が上下関係のない“友達”に-。東京の非営利法人がその橋渡しに取り組んでいる』ことを報じる記事です。記事によると、『オランダで約40年続く活動で、子どもは親や教師とは別の信頼できる大人との関係を築き、親は自分の時間をつくることができる。参加した子どもにいい変化が見られたり、大人も新たな気づきがあったりと、それぞれ貴重な体験』になるそうです。具体例として、西田さん(26)と原田さん(9)の2人が、『1年前から月2回2時間、買い物や食事をしながら、一緒に過ごしている。西田さんによると「年は離れているけど同年代の友達と会っているのと変わらない「会うのが楽しみ」という小学4年の~」』が紹介されていました。...武器があるうちに

  • ダメおやじ?

    「真意は?」10月13日専門記者田原和宏氏が、『オシムさんの教え』という表題でコラムを書かれていました。その中に気になる記述がありました。『指導者を目指す教え子にこう説いたという。「私のコピーをするな。オリジナルのサッカーを作れ」』というオシム氏の言葉です。オシム氏は、『調教師を語源とする「トレーナー(監督)」ではなく、教師を意味する「フットボール・ティーチャー」と呼ばれたがった』そうですから、「私のコピーをするな」という言葉は、教員についても当てはまると考えてもよいと思います。そうだとして、オシム氏の「私のコピー~」発言の真意は何か、と考えてしまったのです。私は、教職は職人芸であり専門職だと考えています。ですから、初めは良きお手本の模倣から入るべきだと考えています。つまり、この先輩はできる教員だ、自分も...ダメおやじ?

  • ぼかしを入れても、モザイクをかけても

    「無理な注文」10月13日『保育所消える園児写真』という見出しの記事が掲載されました。『子供たちが日常生活を送る保育所では、写真の情報流出に敏感になっている。変わる現場を追った』記事です。記事では、『神戸市内全57カ所の公立保育所では(略)「おたより」を紙での配布からデータ配信「よい子ネット」に切り替えた(略)最大の変化は、子供たちの写真が消えたことだ。市はネット上で転載される可能性を考慮し、「よい子ネットには、子供の写真を一切掲載しない」との方針を決めた』という事例が取り上げられていました。さらにこうした現状に対し、『潤いのようなものが消えた』『家庭では見られない友達と過ごす子供の表情をスマホで気軽に見たい』などの声があることを紹介し、中央大学教授岩隈道洋氏の『家庭ごとに(個人情報への)感覚は違うが、保...ぼかしを入れても、モザイクをかけても

  • 書籍で学ぶ

    「限界」10月13日連載企画『日中50年識者に問う』は、中国社会科学院日本所長楊伯江氏へのインタビューでした。その中で楊氏は、『民間交流の健康的で安定的な発展が、これから50年間の中日関係の重要なカギ』と述べ、『現在は新型コロナの影響で難しいが、いずれは正常に戻るだろう。両国の若い世代に、本やニュースで見た中国、あるいは日本とは違う本物の姿を見てほしい』と語られていました。政治的に問題が起こらないように配慮された当たり障りのないコメントです。それは別にして、私が気になったのは、日中間のことではなく、楊氏の言葉の最後の部分です。「本物の姿」とは何か、ということです。楊氏は、実際にその国を訪問して、その目で直接見ることによって、本当の姿が分かると言っています。多くの人が同じようなことを言います。百聞は一見に如...書籍で学ぶ

  • 私はしたい、でも彼にとっては?

    「共に学びたい」10月11日オピニオングループ小国綾子氏が、『「ともに生きる」を探して』という表題でコラムを書かれていました。その中で小国氏は、『養護学校の義務化』について取り上げ、『80年代後半、大学生だった私が一番悩んだのがこの問題(略)担当教官は義務化を推進した中心人物。私は「わける教育」だと反発し(略)自問した。「ともに生きる、って何だろう」結局、担当教官に正直に伝えた。「私は障害のある人とも一緒に学びたいです」。それからしばらく学校を休学し、悩んだ末、専攻を変えて卒業した。教師の道をあきらめ、新聞記者になった』と書かれていました。お仕着せではなく、自分で事の是非を考える真面目な学生だったことが分かります。しかし、一つだけ気になったことがあります。それは、「私は障害のある人とも一緒に学びたい」とい...私はしたい、でも彼にとっては?

  • 本当に困りますね

    「健康教育も?」10月6日精神科医和田秀樹氏が、『メンタルヘルスもっと重視を』という表題でコラムを書かれていました。その中で和田氏は、『日本の健康第一主義というのは、メンタルヘルスをないがしろにする傾向がある』と指摘し、『健康診断で一つでも異常値があると、それを矯正するような生活指導や投薬が行われる。多くの場合、それには我慢が伴う(略)食べたいものや好きなお酒も飲めず、だるいのも我慢していれば、メンタルヘルスに決していい影響は与えない』と説かれていました。さらに、メンタルヘルス軽視→ストレス増→NK細胞活性低下→がん細胞増という図式を示したうえで、『健康第一主義で我慢生活をしていて、免疫が落ちてがんで死んだら元も子もない』とまでおしゃっているのです。これはあくまでも特殊な例でしょうが、『82歳で肺がんの診...本当に困りますね

  • お気に入り

    「教員と良い子」10月5日ナレーター近藤サト氏が、『聞き手には公平無私を』という表題でコラムを書かれていました。その中で近藤氏は、『私が過去に行ったインタビューの中には、それが友好的なものであっても、「誘導したい方向での受け答え」や「この人なら意図をくんでくれるであろう希望的観測」がありました(略)一方、被取材者側にも「こういうことを話せばいいんでしょう?」という暗黙の了解のようなもの』があったと書かれています。そうでしょうね。そんなやりとりはテレビの情報番組やバラエティー番組で毎日見ることができます。そうした一種の約束事を理解し、相手の思いに忖度できる人が「使える人」と評価されているように思えます。テレビは、それでよいとして、同じことが学校で、教室の中で起こっていることには留意すべきです。授業中、教員が...お気に入り

  • 信教の自由に抵触するが

    「信教の自由に抵触するが」10月5日『僧侶と対話企業で導入』という見出しの記事が掲載されました。『産業僧』という新しい試みについて報じる記事です。発案者である浄土真宗本願寺派僧侶松本紹圭氏は、『産業医ってありますよね。そのお坊さん版です』とおっしゃっています。きっかけは、『「僧侶を会社に派遣できないか」という米国の友人からの依頼』だったそうです。『企業から依頼を受け、社員一人一人が僧侶とオンラインで話す時間を持つ(略)特徴は、目的や意図のない対話だ。家族や仕事、やりがいや愚痴、内容は何でも構わない。語るうち、僧侶の聴く力で話が深まり、心理面への好影響が期待される』ということでした。「産業僧」を導入した企業では、『「もう一度話したい」「もっと時間が欲しかった」など、肯定的な意見がほとんどだ』そうです。面白い...信教の自由に抵触するが

  • 犬は嫌いだけれど

    「犬は嫌いですが」10月5日『BOOKWATCHING』面の新刊コーナーで、獣医行動診療科認定医奥田順之氏著『犬の問題行動の教科書』(緑書房)が紹介されていました。そこには、『犬の問題行動は、犬だけの問題?-それは「愛犬家らのメッセージです」(略)良い行動も悪い行動も、全て飼い主と犬の相互作用で生まれる。愛犬の気持ちが分からない時は、犬も飼い主の気持ちが分からなくなる』と書かれていました。お叱りを受けるかもしれませんが、犬を子供、飼い主を教員と読み替えてもそっくりそのまま通用すると思いました。未熟な教員は、子供が思うように行動してくれないとき、つい子供を責めてしまいがちです。自分はきちんと教えたはずなのに、と思い、原因を子供側に求めてしまうのです。ちゃんと話を聞いていないから、やる気がないから、バカだから...犬は嫌いだけれど

  • 新しい消費者教育…

    「消費者教育では」10月5日『ヒットのカギ「Z世代」』という見出しの記事が掲載されました。『「Z世代」(略)その消費行動がヒット商品を生み出す源泉になっている(略)Z世代のあれこれを、専門家と一緒に探った』記事です。その中に、気になる記述がありました。『どんな商品やサービスを利用しているかは、「自分らしさ」を表現する大きな要素。だからZ世代は自分がほしいと思った消費やサービスにはおカネをかけるし、時間も費やす』という記述です。学校では、かなり以前から消費者教育が行われています。私も指導主事時代には、消費者教育を担当し、都教委が主催する連絡会にも出席していました。当時の消費者教育の狙いを一言で言えば、賢い消費者を育てるということでした。誇大広告やデート商法、無知につけ込んだ詐欺まがいの悪質な業者の見分け方と...新しい消費者教育…

  • 木に竹を接ぐ

    「微調整では無理?」10月2日専門編集委員滝野隆浩氏の連載コラム『掃苔記』のテーマは、『老いは多様なのです』でした。その中で滝野氏は、『耳が遠くなった友人とは、文通することにした。手紙好きの仲間は指が不自由になって、電話でやりとりする。それぞれ体の衰えを抱えても、動く部分をつなぎ合わせて励まし合う(略)年を取ると「老い」という一色で塗りつぶされていますけど、実は「老い」というのはとっても個性的なものなのです』と書かれていました。なるほどと思いました。老人ということで一括りにしてしまっては、実相は見えないということです。同じことは、学校教育でも言えるのではないでしょうか。実は今思い返してみると、私は相当変わった子供だったのではないか、という気がするのです。私は、遠足や社会科見学、学芸会などの行事が大嫌いな子...木に竹を接ぐ

  • ムーチャン先生

    「愛称でお願いします」10月1日『薬剤師フルネーム名札波紋』という見出しの記事が掲載されました。『町の身近な健康相談窓口である薬剤師が、自身の名札を見た相手からストーカーやカスタマーハラスメントの被害を受けるケースが相次いでいる』ことを受け、その実態と対応策を報じる記事です。記事のよると、『2020年ごろを境に、ストーカーやカスハラの被害が急増。配置転換を希望したり、心身の不調で休職したり』する例があるとのことで、厚生労働省は、『従来、薬局や店舗の責任者に対し、薬剤師らは使命記載の名札を付けるように呼び掛けてきた(略)今年6月下旬、名札について「姓のみ」や「(ニックネームなど)使命以外の呼称」の記載を認めると呼びかけ内容を変更』したそうです。考えさせられます。教員も、モンスターペアレンツや悪質なクレーマー...ムーチャン先生

  • 中学生は世間を知らない

    「そんなものでしょう」9月30日人生相談欄で、コラムニストジェーン・スー氏が、『やりたいことが見つからぬ』という30歳男性の相談に答えていました。『自己分析、転職活動、一人旅、ネットや本での情報収集など思いつくことは試してみましたが、やりたいことが見つけられずにいます』という男性に対し、スー氏の回答が実に的を射たものになっています。『「仕事でもプライベートでも、人生をかけて絶対やりたいこと、達成したいことが見つかる」人など、ほとんどいないと思います。私も見つかっていません。そもそも、探しておりませんが』。こう言い切ってくれると気持ちがいいですね。さらに、『なんとなく時間が過ぎていくことが価値の低いことだとも思いません。やりたいことより、やらなければいけないことのほうが多いのが人生(略)目の前のことを一生懸...中学生は世間を知らない

  • 先生が先生を先生と

    「先生が先生を先生と」9月29日『議員「先生」と呼ばないで大阪府議会合意上下関係防ぐ』という見出しの記事が掲載されました。『大阪府議会の各会派は28日、議員間で「先生」という呼称を使わないことで合意した』ことを報じる記事です。記事によると、『府職員にも「先生」と呼ばないように求める(略)府職員との上下関係を生まないことが狙い。今後は氏名に「議員」や「さん」をつけて呼ぶことになる』ということでした。『「先生」は指導する立場の人に使う敬称』なので、相応しくないという判断のようです。私が勤務していた某市でも、議員を「先生」と呼ぶことは禁止されていました。それ以前に勤務していた区では「先生」だったので当初は戸惑ったことを覚えています。それはともかく、私はこの記事で、教員同士の呼称について考えてしまいました。私が教...先生が先生を先生と

  • 経済的合理性で

    「経済的合理性」9月29日『営利目的の民間へ学校施設開放提言部活「地域移行」で経産省会議』という見出しの記事が掲載されました。経産省の有識者会議が『「地域移行」を巡り、活動を新たなサービス業として成長させるための提言をまとめた』ことを報じる記事です。その中に気になる記述がありました。『教員が有償のコーチを兼業できるようにするといった指導者確保』という提言の内容についての記述です。私は、教員の多忙化を改善するという地域移行の趣旨からして、教員が移行後の部活に関わることに反対しています。このブログでも、再三訴えてきました。しかし、スポーツ庁も文科省も、希望する教員には引き続き何らかの形で部活の指導に関わらせるという方向を変えていません。部活を取り巻く現状を知っているがゆえに、教員を指導者にという発想を変えられ...経済的合理性で

  • 私だけが知っている、という思い込み

    「私は勉強しているから」9月29日『「教諭がいじめ」担任交代児童「発達障害」決めつけ』という見出しの記事が掲載されました。『滋賀県野洲市の市立小学校で、学級担任が発達障害を疑った男子児童に対して不適切な言動を繰り返し、学校が「担任によるいじめ」と認めて交代させていた』事件について報じる記事です。記事によると、『授業をさえぎって発言したり、よく質問したりする』という児童の行動に対し、『担任は数回にわたって「うるさいなあ」「スルーしよう」』などと言う対応をし、周囲の子供も「スルーしよう」と口にするようになっていったということです。そして、母親に対し『お子さんはADHDなので、早急に発達検査を受けるべきだ。そういう子に効く薬がある』などと話していたそうです。言語道断です。記事にある通り、当該教員の指導力不足が最...私だけが知っている、という思い込み

  • 授業が原因?

    「教員の責任?」9月28日専門編集委員の与良正男氏が、『本当の「コミュ力」とは』という表題でコラムを書かれていました。その中で与良氏は、『自分の考えをきちんと言い、相手の意見もしっかり聞くのがコミュニケーションだと私は信じて生きてきた。ところが最近は、余計な口出しをせず、場を乱さないのが「コミュ力」だと誤解されているフシがある』と書かれています。驚きです。ただ、与良氏の指摘には、思い当たることがあります。それは、学校の授業、特に中高大の授業や講義に原因があるのではないか、ということです。文科省が、知識注入型の授業を否定したことで、近年は様々な工夫をして討論型、体験型、問題解決型の授業を目指す試みが増えています(まだ不十分ですが)。しかし、30年ほど前の中高の授業はそうではありませんでした。このブログで何回...授業が原因?

  • 私にはできない

    「どう教える?」9月27日大学生が作る紙面『キャンパる』で、『大学生の恋愛・結婚観は?』というテーマで,男女2人ずつが参加して行われた座談会の様子が掲載されました。その中で私が気になった発言がありました。『恋愛・結婚において、自身の中で譲れない点を教えてください』という司会者の問いに対して、4年生の女性が答えた内容が気になったのです。彼女は、『私は価値観が合うことを大切にしたい。同棲など相手を知る時間を多くとり~』と答えていました。私は、「同棲」に引っ掛かったのです。私が10代の頃、「同棲時代」というドラマが話題になりました。大学生になると、実際に同棲している友人もいました。それでも「同棲」は、親に隠れてするものであり、就職面接等では「同棲しています」などと言えば、不採用は決定的だという雰囲気でした。婚前...私にはできない

  • 最短コースではなく

    「上等な普通」9月26日連載企画『わたしと学校』は、プロレスラー棚橋弘至氏へのインタビューでした。その中で棚橋氏は、『小さい頃の夢はプロ野球選手(略)高校入試では、トップクラスの合格だったものの、部活に打ち込み過ぎて成績は下降(略)部を引退後は毎日、朝まで勉強(略)大学受験の現代文対策で、本をたくさん読むようになったら、読書がとても好きに(略)物事を伝える仕事に興味が出て新聞記者を目指したのも、勉強のモチベーションに(略)野球選手、新聞記者、それから大学教授になりたいと思ったことも。結局、全部かなわず、体を鍛えてプロレスラーになった。でも、夢や目標は諦めながらどんどん変わっていい。そのときの努力は、いつかどこかでつながり、役に立つ』と語っていらっしゃいました。久しぶりにこの欄で、「我が意を得たり」という記...最短コースではなく

  • 担任外しの問題性

    「担任は、顧問は?」9月24日『家庭問題把握へ面接江戸川区立全中学生対象ヤングケアラー支援強化』という見出しの記事が掲載されました。『「ヤングケアラー」の支援強化に向け、江戸川区が区立中学校に在籍する約1万5000人の全生徒を対象にした個人面接を始めた』ことに関する記事です。意欲的な試みです。大いに評価されるべきです。ただ、一つだけ気になる記述がありました。『ヤングケアラーの可能性があると判断した場合、生徒に家庭状況などを尋ねるアンケートに答えてもらい、20分程度の再面接をする(略)区は再面接で養護教諭など生徒自身が話しやすい人を選べるよう、アンケートに希望を書く欄を設けるなど配慮した』という記述です。この記述からは、養護教員には話しやすいが、担任には話しにくい、という生徒が多いという認識がうかがえます。...担任外しの問題性

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