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高平九の日常と詩のブログです。

詩の創作、入院の記録、そして御朱印蒐集の旅など高平九の日常を綴ったブログです。少しでもあなたのお役に立てば幸いです。

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2015/02/05

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  • 九の近況(13)~私の2023年

    九の近況(13)~私の2023年 前回近況を書いたのは5月でしたから、半年以上ぶりの近況になります。もはや人に読んでもらうというより自分の記録みたいなものですね。長くなります。 今年の後半は様々な病気に悩まされました。でも、それが8月の『千年天女』公演以降に始まったというのはそれまで執行猶予を与えてくれていたのかなとも思います。それほど一気に体調が悪くなり、たくさんの人に迷惑もかけました。来年はまずは体調を整えて、皆さんに恩を返すことを心がけようと思っています。 昨年くらいからでしょうか、小説にしても詩にしても脚本にしても、何とか「いのち」に届くようなものが書けないかともがいています。「いのちに届く」なんてかっこつけすぎかな。それにわかりにくいですね。つまりは、人生、生きることに深く関わるというような意味です。時には「いのち」を削ることもあるし、時には逆に「いのち」に火を..

  • 九の近況(12)

    久しぶりに近況を書きます。 小説 物語は私にとって最も古い親友です。父親は商売人でした。映画は好きでしたが本を読んでいる姿は一度も見たことがありません。そんな父がある日「児童文学全集」を買ってくれました。幼い私はそれらの本、「巌窟王」「ああ無情」「家なき子」「フランダースの犬」「小公子」「若草物語」「秘密の花園」などを何度も繰り返し読んでは感動に心を震わせていました。いつかそういう物語を作る人になりたいと思っていました。ですから、売れない小説を書いている今がいちばん幸せかもしれません。 1月末締め切りの「千葉文学賞」(千葉日報主催)に応募したのですが、すでに文学賞自体がなくなっていたことを知り衝撃を受けました。長く続いた地元の文学賞だっただけにとても残念です。 2月は「第3回更級日記千年紀文学賞」(千葉県市原市・市原市教育委員会主催)に応募しました。市原は若いときに..

  • 『千年天女』原作について

    3年前、私は千葉市民創作ミュージカル原作大賞に『千年天女』という作品を応募し大賞をいただきました。小笠原響先生の脚色・演出、音楽は日高哲英先生。歌唱指導は横洲かおる先生、ダンス振付は小林真梨恵先生。素晴らしい講師陣のもと市民のキャストも集い、立ち稽古を始めたばかりの頃に、コロナウイルス感染が広がり残念ながら無期延期となっていました。 その『千年天女』が今年の8月27日上演されることになりました。講師の先生方はそのままですが、キャストはそれぞれの事情もあり再結集というわけにはいきませんでした。しかし、4月から新たな仲間を迎え新しい配役で稽古が始まりました。 蛇足という批判もありそうですが、原作者として自作『千年天女』について思うことを記しておこうと思います。出演者の皆さん、上演を観てくださる皆さんのご参考になれば嬉しいです。 【もくじ】1、羽衣伝説2、天女の正体3、千年4、平常将5、千..

  • 皇産霊神社に初詣

    四街道市和良比の奇祭「はだか祭り(どろんこ祭り)」で有名な皇産霊神社(みむすびじんじゃ)に行って来ました。 昨年の公演の際、四街道市文化センターホールのホワイエに鉛筆画で有名な福田芳生さんの作品が展示されていました。それを見た劇団の入村代表が興奮したように私たちに報告したのです。「皇産霊神社の近くの防空壕と思い込んでいたものは実は本土決戦に備えて少年たちを訓練する施設だったみたいだ。子どもの頃、近くで遊んでいたのにまったく知らなかった」 福田さんの絵の説明によると、少年たちはその施設で敵戦車前に爆弾を抱えて飛び込む訓練をしていたそうです。 当時の軍部は、九十九里浜から連合軍が上陸し東京に向けて進軍すると想定していたそうですから、途中で待ち伏せして戦車を破壊するための少年ゲリラ兵を育成していたのでしょう。 皇産霊神社はもっと遠いところにあると思い込んでいましたが、実は家から徒歩30分..

  • 九の近況(11)~私の2022年~(4)演劇

    脚本・演劇 今年は3回も舞台に立つことができました。 3月にはやまさわたけみつ先生の主宰するパントマイム集団MMTの『色即是空』に参加しました。「神奈川演劇祭」参加作品でした。フランスのアビニョン演劇祭でも好評を博した名作に参加させていただくことができ、稽古から本番まで最高の時間でした。馴れない殺陣の稽古ではとにかく足手まといにならないように必死で演じました。両足の爪が真っ黒になり筋肉痛に苦しみながらも楽しんでいました。やまさわ先生、藤井さん、キャストの皆さんに感謝しています。 10月には四街道公民館まつりの座・劇列車公演『村田さん』(鈴木聡 作)に出演し、演出も担当しました。30分強の短い作品ですが味わいのある名作です。 12月には座・劇列車第32回公演『オカリナの少年~クロスロード2』(作・演出 高平九)がありました。3月から11月まで楽しく充実した稽古ができま..

  • 九の近況(11)~私の2022年~(3)詩

    詩 11月に詩誌『凪』の創刊号が発刊されました。同人の半数以上の方がすでに詩集を出版している詩人の皆さんです。同人の端に加えてくださった主宰の石川敬大さんに感謝しています。たくさんの方に読んでいただきたいのですが売り切れ状態のようです。私の手もとにも残っていません。来年3月に2号の発刊予定です。創刊号はすぐに売り切れてしまいました。2号をお読みになりたい方はぜひ予約なさってください。 詩誌「ココア共和国」への投稿も続けています。 1月号 『できそこないの言葉』佳作集 2月号 『セブンの孤独』佳作集 3月号 『ほんとうの歌』傑作集 4月号 『僕のシュレッダー』佳作集 5月号 『チョコの拳銃』傑作集 6月号 『やさしい公園』傑作集 7月号 『うちにはねシタイがあるんだよ』傑作集 8月号 『白い消しゴム』傑作集 9月号 『黒い皿』傑作集 10..

  • 九の近況(11)~私の2022年~(2)小説

    小説 今年は第25回「伊豆文学賞」の佳作に選んでいただきました。『戸川半兵衛の黒はんべ』という作品です。 私は東京で生まれましたが、1歳から18歳まで静岡市の清水で過ごしました。千葉に来たとき初めて黒はんぺん(かつては「黒はんべ」と呼ばれていました)が静岡にしかないことを知り愕然としました。黒はんぺんは私の大好物だったからです。母校の岡小学校の近くにはおでんを食べさせる店があって友達とよく行きました。駄菓子も売っていたので小学生でも入りやすかったのだと思います。それに串に刺したおでんは1本5円か10円で子どもでも買い食いできるような安価な食べ物でした。静岡のおでんは円い釜で炊かれて、真ん中にある味噌を自分で付けて食べました。その甘い味噌が私は好きでした。具材の中でも黒はんぺんは大人気でした。家庭で食べるときは大人はちょっと炙ってショウガ醤油などで食べまていました。フライ..

  • 九の近況(11)~私の2022年~(1)座・劇列車公演

    大晦日に書いています。今年も1年ありがとうございました。 座・劇列車第32回公演『オカリナの少年~クロスロード2』(作・演出 高平九)が無事終演いたしました。御来場いただいた皆様、応援していただいた皆様ありがとうございました。 アンケートやメールなどで感想が続々と届いています。嬉しかったのは地元の方が四街道の歴史に興味を持ってくださったこと。それから芝居をきっかけに身近な方と戦争について語り合ってくださったことです。母方のお祖父様が野戦砲兵学校の校長だったことを初めて知った方がいました。実は親戚に少年砲兵がいらしたという方もいらっしゃいました。帰りにルボン山に登ってくださった方もたくさんいらっしゃいます。 今作の上演意図の一つは、観ていただいた皆さんに四街道の歴史や戦争について思い出してもらうことでした。私たちの今は間違いなくその延長上にあるのに、日々の忙しさにか..

  • 九の近況(10)

    九の近況(10) いつの間にか前回の近況から1ヶ月半経ってしまいました。特に忙しいわけでもなかったのですが、心にゆとりがなかったのかもしれません。 小説 8月に同人誌「山田組文芸誌」第7号に『ドリーム座の休日』という短編を投稿しました。今号のテーマは「映画」。中学1年のとき劇場で『ローマの休日』を観たときのことをベースに書きました。締め切り間際に致命的なミスを見つけて編集長に迷惑をかけてしまいました。申し訳ない。 「山田組アカデミー賞」というオススメの映画紹介文も載せていますので、よろしければ読んでみてください。書棚の本を見ると人物がわかるといいますが、好きな映画にもその人が反映しているものだと思います。さて、同人たちは皆さんの目にどんな人物として映るでしょう。 https://note.com/yamadagumi/ 集英社ノベル大賞から選評が届きまし..

  • 九の近況(9)

    6月23日は沖縄の慰霊の日でした。77年前の3月末から続いた沖縄戦が一応終わった日です。「一応」というのは、首里にいた牛島司令官の自決によって組織的な戦闘は終わりましたが、実はこの後の方が民間人の犠牲は多かったからです。解散となったひめゆり学徒の多くも自決したり崖から身を投げたりして亡くなりました。手榴弾をみんなで囲んで自爆したり、親兄弟で殺し合ったりという話もあります。アメリカ軍に捕まると女性は乱暴されて殺される。男は拷問された後で八つ裂きにされる。そんな噂がまことしやかに伝わっていたからです。中国大陸で戦った日本兵が自分たちが中国人に対してやったと同じようなことをされるとデマを広げたと言われています。ハワイから帰って来た人が「アメリカ人はそんなことはしない」と住民を説得して全員が助かったシムクガマの例があります。逆にそのすぐ近くにあったチビチリガマでは噂を信じた全員が自決しています。 ..

  • 九の近況(8)

    5月12日は65回目の誕生日でした。多くの皆さんにSNSやメールで「おめでとう」をいただきました。ありがとうございました。 いくつになっても祝ってもらうのは嬉しいです。まだまだここにいていいのだと思えるからです。 5月12日はナイチンゲール、武者小路実篤、バート・バカラック、風吹ジュンの生まれた日。私の大好きな人ばかり。皆さん、お誕生日おめでとうございます。 ちなみに65年前の5月12日は日曜日、つまり母の日でした。母は東京で生まれました。戦時中は両親の実家のある秋田に疎開していましたが、田舎はつまらないと一人で戻って来て、3月10日の東京大空襲に遭遇したそうです。戦争は2度としてはならないとよく言っていました。母の語る空襲の話にはB29の爆音や焼夷弾の擬音がよく出てきました。その「ブルンブルン」「ヒューヒュー」という不気味な音は今も耳に残っています。母が生きていたらロシアのウクライ..

  • 九の近況(7)

    ウクライナの悲劇が伝えられるたびに胸が痛くなります。人の国を侵略するなどという暴挙はけして許してはなりません。戦争は外交の敗北であり理性の敗北です。力の強いものが好き勝手をできるような社会にしてはいけません。それは家庭の中でも、教室でも、職場でも同じです。一日も早くウクライナに平和が戻りますように。 以下、3月の近況を綴りました。例によってとても長いので、興味のあるところだけ拾い読みしてください。半分は私の備忘録です。 小説3月に『戸川半兵衛の黒はんべ』が「第25回伊豆文学賞」の佳作をいただきました。選んでいただきありがとうございました。1年以上落選ばかりでしたので少しほっとしました。この話は小学校中学校の同級生秋山くんの御先祖について書きました。ご先祖である清水の網元秋山仁左衛門という人が駿府城の賄頭半兵衛に依頼されて黒はんぺんを考案したというのです。秋山君の話では隠居していた徳川家..

  • MMTパントマイム『色即是空』公演御礼

    3月12日(土) MMTパントマイム『色即是空』に出演させていただきました。『第19回かながわ演劇博覧会』参加作品です。 会場は神奈川県立青少年センター2階スタジオHIKARI 午後1時と5時の2回公演でした。 この日は劇団北口改札さん、劇団「無題」さん、金沢総合高校演劇部18期さんの公演もありました。 皆さんお疲れ様でした。 この『色即是空』はかつてMMTパントマイムがエジンバラとアビニョンの演劇祭でも上演し絶賛された作品です。私にとっては憧れの作品でした。参加させていただき光栄です。 ピンチヒッターとして急遽参加することになり初めての殺陣に挑戦しました。 帯も満足に結べず、袴も一人ではけないようなへっぽこ侍でしたが、とにかく足手まといにならないように必死で頑張りました。仕事を定年退職して小説を書くこと以外にこんなに頑張ったのは初めてかもしれません..

  • 九の近況(6)

    ロシアのウクライナ侵攻、今の時代にこんな暴挙がまかりとおるとは思いませんでした。独裁者を作り出したすべての人々に責任があると思います。どんなに優れた人でもどんなに魅力的な人でも、何でも許される立場に置かれたら何をしでかすかわからないということでしょう。ヒトラーに学んだはずなのに同じことを繰り返してしまいました。次は第3次世界大戦にならないように知恵を出し合うべきです。 小説さて、2月は長いあいだ書き切れなかったミステリーの長編を書き上げました。昨年中に第一稿は書いたのですが、読み返すたびに問題点が見えてきて結局2月いっぱいまでかかってしまいました。コンピュータソフトのバグとりってこんな感じなんですかね。ミステリーは向いてないかも。 何とか書き上げてみると400字詰原稿用紙581枚。これまで書いた小説の中でも最も長いものになりました。今回の賞は郵送の応募のみです。30×40でプリントアウ..

  • MMTパントマイム『色即是空』

    MMTパントマイムの作品『色即是空』に出演させていただくことになりました。かつて2000年エジンバラ、2001年アヴィニョンの演劇祭で好評を博した名作です。 3月12日(土)「第19回かながわ演劇博覧会」●時間 13時  、17時の2回公演●場所 神奈川県立青少年センター 紅葉坂スタジオ JR 桜木町駅下車 徒歩8分●入場無料(ただし予約が必要ですので、かながわ演劇博覧会ホームページよりご予約ください) 舞台監督 細見玲子作 徳富敦演出 やまさわたけみつ殺陣指導 やまさわたけみつ 私の役は浪人役。殺陣のシーンもあります。先日初めてやまさわたけみつ先生にご指導いただきました。 やまさわ先生には千葉のカルチャースクールで10年間ご指導いただきました。その間、毎年の発表会はもちろん、鎌倉でのMMT公演にも出演させていただきました。また先生の御指導のもとカルチャー..

  • 九の近況(5)

    2022年最初の近況です。人間ドックの結果、昨年より体重が3キロ、腹囲が5センチ減りました。まだまだメタボですけど(苦笑)高血圧、高脂血症、脂肪肝、糖尿予備軍は相変わらずです。基礎疾患ありまくりなのでコロナも気を付けます。散歩と体操頑張ります。間食減らします。魚食べます。 小説1月は「千葉文学賞」に応募しました。この賞は千葉日報社主催の賞で、今回で第65回になります。千葉児童文学賞、千葉随筆文学賞と併せて「千葉文学三賞」といいます。 「千葉文学賞」の応募資格は千葉県内在住、在勤、在学者のみです。 一昨年にも『鴎外の一日』という作品で応募しましたが二次で落選しました。 森鴎外は『即興詩人』というアンデルセンの恋愛小説の翻訳をしていますが、実はそのはしがきを四街道で書いています(註)。小倉から東京に戻って来たばかりのころです。徴兵検査の立ち会いか何かで陸軍衛戍病院(現在の下志津病院)に..

  • 鈴谷和子さん公演情報!

    「山田組」の仲間、鈴谷和子さんが「演劇集団キャラメルボックス俳優教室」プロデュース公演に出演します。 鈴谷さんは昨年の10月からキャラメルボックス俳優教室に入所して成井豊氏のもとでお芝居を学んでいるそうです。 演目は『ヒトミ』。鈴田谷さんはYキャストの大友役だそうです。 チケット発売は2月14日から。皆さん、よろしくお願いします。 チケット予約フォームhttps://www.quartet-online.net/ticket/cbachitomi

  • 千葉駅零時九分発内房線最終電車殺人事件

    久しぶりに山田組のための小品を書きました。『千葉駅零時九分発内房線最終電車殺人事件』という作品です。山田組の作品としては『バスジャックプレイヤー』『俺らってやっぱ天使じゃねえ』に続いて3作目です。 山田組は千葉県高校演劇部第8地区顧問有志とOBなどで作っている劇団です。これまで「小芝居祭」の最後に短い芝居を上演してきました。「小芝居祭」とは第8地区高校演劇部が集まって開催している演劇祭です。 台本(既製または創作)はあらかじめ配付されますが、山田組としての稽古時間は部員たちがリハーサルをしている2日間だけです。でも、かなり本気でやってます(笑) 「小芝居祭」自体は今年も開催できましたが、今年も山田組の出番はありませんでした。来年こそはという祈りを込めて新作を書きました。 『バスジャックプレイヤー』はエレベーターを舞台とした名優ジャック・レモンの名作短編の趣向を借りて作りました。舞台..

  • 『オカリナの少年~クロスロード2』について

    四街道市民劇団「座・劇列車」第31回本公演で拙作『オカリナの少年~クロスロード2』を上演してくれることになりました。本公演では『クロスロード~運命をつなぐ四つ辻』『人情喜劇カリホルニアホテル』に続き3作目です。 来月から3名のニューフェイスを迎えることになり、現在、キャストを増やして台本を書き直しています。 また、探していた「平和よ永遠に~少年砲兵史」(少年砲兵史編集委員会)という資料も、ようやく手に入れることができました。 今、イトーヨーカ堂(四街道店)のある場所には戦時中まで陸軍野戦砲兵学校がありました。 文化センターの隣にルボン山(大土手山)という小山があります。かつてこの下志津原が佐倉藩の火業所(砲術の練習場)だった頃、この山が射朶(しゃだ・目標)として使われていました。明治以降も引き続き陸軍が野砲の訓練に使っていました。総武本線が開通し四街道駅ができると、駅の方面に大..

  • 九の近況(4)

    「コロナめ、また来やがったか」と思っていたら夜中の津波警報。本当に何があるかわかりませんね。今も不安な日々を送っている方も多いと思います。お見舞い申し上げます。でも、せめて気持ちだけは元気でいましょうね。頑張らなくてもいいです。まずは自分と大切な人の心と体を守りましょう。 温かいものが食べられるといいですね。それだけで少し心も穏やかになる気がしませんか。実はそういう小説を書いて、「第25回伊豆文学賞」に応募したところ、ありがたいことに佳作をいただきました。『戸川半兵衛の黒はんべ』という作品です。昨年応募した作品はほとんど一次で落選していたので今年最初の結果が入賞でほっとしています。 この作品は静岡っ子のソウルフード「黒はんぺん」誕生について書いたものです。小学校中学校の同級生秋山君の御先祖が「黒はんぺん」の考案者だという話をFacebookで読んだのがきっかけでした。地元の人は..

  • 明けましておめでとうございます。

    明けましておめでとうございます。 昨年は私が脚色を担当した『やまんば おゆき』(座・劇列車第31回公演)をご覧いただきありがとうございました。 また、5月9日には拙作『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』を同じ劇列車が上演してくれました。感染予防のためにマスクをしての上演でしたが、こちらも多くの皆さんに観ていただくことができました。ありがとうございました。 明日はある高校が拙作『バスジャックプレイヤー』を上演してくれます。若い人たちの演じる『バスジャックプレイヤー』とても楽しみです。 詩作の方は詩誌『ココア共和国』にお世話になりました。投稿した詩のうち6作を傑作集に、残り6作を佳作集に掲載していただきました。選者の一人女優の秋吉久美子様から「こりゃいいね!」も6回いただきました。 3月号にはエッセイも掲載していただきました。生まれて初めて詩誌にエッセイが載りました。..

  • 新作執筆中!

    先日、座・劇列車の稽古納めでした。 現在は来年度の公演作品について選定作業が行われています。 私の新作も候補の1つなんですが、今回は執筆が遅れていて1月の最初の稽古まで時間をもらっています。というわけで、目下よもやよもやの全集中で執筆中。 一応、劇団の座付作家ということになっていますが、これまでも私の作品を優先して上演してもらったことはありません。必ずコンペという形で他の候補作品と比べて決めてもらっています。別に自作に自信があるわけではありません。でも、座付作家の作品には台本使用料がいらないとか改作が自由だとか様々なメリットがあります。アドバンテージがないと既成の作品にはとても勝てません。 劇団の恩師西田了先生は「地元四街道を舞台にした作品を書きなさい」とよくおっしゃっていました。 四街道は東京のベッドタウンという側面を持っています。「四街道で生まれた子たちが故郷..

  • 『やまんば おゆき』公演御礼

    四街道市民劇団 座・劇列車 第31公演『やまんば おゆき』が無事終演いたしました。 一昨年、30周年には『やまんば おゆき』をやろうという話になりました。まだ劇団になる前、四街道市民の皆さんが上演した作品です。 脚本と演出は、劇団あすなろを主宰していらした西田了先生でした。 早速、30年前の初演に参加した劇団員に当時の台本を借りて読んでみました。朗読を多くの人が代わる代わる担当して、その間にちょっとした芝居をする。時には木になったり石になったりすることもあったそうです。基本は朗読劇でした。西田先生らしいとても面白い台本でした。 今回は本格的なお芝居にしようということになり私が脚本を担当することになりました。 原作(浜野卓也 作・箕田源二郎 絵)の童話を購入してみました。読んでみると美しい自然描写がたくさんありました。村の生活や人々の生き様も鮮やかに描写され..

  • 『バスジャックプレイヤー』

    拙作『バスジャックプレイヤー』を来年正月に、ある高校が上演してくれるようだ。とても嬉しい。 少し前、東京の中学校からも『バスジャックプレイヤー』の上演許可がほしいという連絡があった。もちろんメールで許可する旨を伝えたのだが、そのあと何の連絡もない。おそらくコロナ禍のために中止になったのではないだろうか。残念だ。 高校演劇の大会は開催されている。ただまだ一般客は入れないそうだ。それでも春の大会で部員の一部が別室でモニター鑑賞したのと比べると少しずつ状況はよくなっているのだろう。 劇場やホールも少しずつ人数制限をゆるめていると聞く。 他の国の状況を見るとまだまだ油断はできないけれど、以前に近い日常を早く取り戻したいものだ。

  • ある文学賞の……

    ある文学賞の一次選考を通過しました。今年応募した小説はすべて一次選考で落ちているので久しぶりの通過です。この賞には2回目の応募で前回は一次選考も通過できませんでした。ある作家によると「文学賞は最終選考に残らないと意味がない」ということなので、一次選考に残ったくらいで喜んでもいられないのですが、それでも約7倍の競争に勝ったのは嬉しいことです。夜が明けるまで夢中になって書いたあとに、自分はいったい何をやっているんだろうと思うこともあります。でも、仕事も退職して何もなかったらさぞ寂しかったことでしょう。詩も小説も芝居も、これからプロになれるとは思っていません。自分に残されたわずかな余白に、命を搾って書きつけることがただただ楽しいのです。これからもできそこないの作品をどんどん作り続けますよ。

  • 九の近況(3)

    コロナウイルスもずいぶん落ち着いてきましたね。天然痘もコレラも昔から何年かの周期で襲ってきたようです。コロナはそうならないといいですね。皆さんのご無事を祈っています。 久しぶりに九の近況です。お時間のある方はお付き合いください。長くてごめんなさい。 (詩)詩誌『ココア共和国』への投稿を続けています。最近は好調で、9月号、10月号、11月号と続けて傑作集に入れていただきました。秋吉久美子さんの「いいね」または「こりゃいいね」ももらっています。もちろん、私にしては上出来なんですけど、毎号若い人たちの詩があまりに素晴らしいので少し気後れしています。自分以外にもアマチュアで詩を書いている人がこんなにいるんだと実感できるのは本当に嬉しいことです。そういう場を与えてくださった「ココア共和国」に感謝しています。しかも、11月号では従兄と同時に載ることができました。まったく予想していませんでした。感激..

  • けん玉のこと

    学生時代にけん玉に夢中になった時期があります。狭いアパートに一人暮らしだったので、寂しかったのでしょう。毎晩、ひたすらけん玉で遊んでいました。 けん玉にはまったきっかけはあるけん玉との出会いでした。そのけん玉は「民芸交易」という世田谷の町工場が作っていて、従来のものと比較すると格段にバランスがよく使いやすかったのです。 ↓ 「民芸交易」が製作販売していた競技用けん玉。S18‐2型。倉庫から未開封のものを発見。 民芸交易のけん玉を設計したのは新間英雄さんというクラシックのギタリストでした。当時はまったく知らなかったのですが、日本の五大ギタリストに挙げられるほどの演奏家なのだそうです。 けん玉のテクニックの本も何冊か出していらして、今では当たり前になっているコスミック技(玉とケンを手元から離す技)も新間さんの本で知りました。コスミック技の考案者は田中俊一という方..

  • 赤い洗面器を頭にのせた男の話

    久しぶりのブログです。 今日ドラマ『古畑任三郎』の再放送を観ていたら「赤い洗面器を頭にのせた男」のことが出てきました。 第38話「最も危険なゲーム・後編」主演は江口洋介。 「赤い洗面器を頭にのせた男」 道を歩いていると向こうから赤い洗面器をのせた男がやって来た。洗面器には水がたっぷり入っているらしく、男は慎重にゆっくりゆっくりと歩いている。私は勇気をふるって尋ねた。 「ちょっとすいません。あなたどうして頭に赤い洗面器なんかのせているんですか?」 すると男は答えた……。 こんな話です。 この話は古畑任三郎シリーズに5回、他の三谷幸喜作品にも何度が登場していますが、どの場合もオチが明かされず、いまだに謎の小咄なのだそうです 最初に古畑シリーズでこの話が出てきたのは1994年放送の第1シーズン第11話。桃井かおりが犯人役の「さよなら、DJ」。ラジオ番組の最中..

  • 九の近況(2)

    今日(7月1日)は関東地方、大雨のようですね。 ようやくワクチン接種券が届きました。65歳以上に1ヶ月足りなかった私は取り残されたような気分でしたけど、これで高齢者の仲間入りができます。近所の病院が今日から予約受付なので、朝の9時から電話をしました。でも話し中、その後100回以上かけ直して、ようやく10時過ぎにつながりました。7月6日が1回目、2回目は7月27日になりました。 I園O茶新俳句大賞は6月前半に二次通過者への封書が届いたみたいですね。残念ながら私のところには来ませんでした。入選した俳句を見ると、どれも実感がこもっていて感心します。俳句は写真のように一瞬の出遭いを切り取るものだと思っています。想像だけで作ったものにはやはり力がありません。旅先など特別な状況でなくても、日常に目を凝らせば出遭いはあるはずなんですけど、なかなか難しいですね。来年も挑戦します。 「ココ..

  • 九の近況です。

    九の近況です。 4月に「第52回ENEOS童話賞」に初めて2作の童話を応募しました。一つの作品はしばらく前に興にまかせて書いたものです。もう一つは今回応募を意識して書きました。最近は道化師として子供と遊べないので、童話で子供の想像力に挑戦しようと考えました。意識したのには「なるべく書かないで、子供が書き込める余白をたくさん作る」こと。これがなかなか難しい。ついつい書き込みすぎてしまう。2つの作品は果たして子供に気に入ってもらえるかな。えっ、 選ぶのは大人ですって? 「第52回ENEOS童話賞」(締め切りは5月31日です。まだ間に合いますよ) https://style.ehonnavi.net/ehon/eneos/2021/03/03_001.html 「第16回千代田文学賞」にも応募しました。今回で3回目です。前回の反省を踏まえて余裕を持って書き進めたはずが、結局..

  • 英友会有志劇団ミュージカル『The Greatest Showman』観劇の感想

    5月16日(日)英友会有志劇団『The Greatest Showman』を観て来ました。 会場は船橋市市民文化ホール、開演は18時でした。 あいにくの小雨模様。船橋駅から会場までは10分ほどでした。船橋市もまん延防止重点地区ですけど駅の周辺には多くの人がいました。 会場にはスタッフの方が大勢いて、検温、アルコール消毒など感染予防は万全でした。チラシも自分で取り、チケット代わりの施設使用申込書も自分で箱に入れるようになっていました。さらにテーブルを並べて順路を作り整然と入場できるように工夫されていました。 座席も1つおきを徹底していました。キャパが千人ほどのホールですが、観客は230人ほどだったそうです。お陰で感染も気にせずゆったりと観劇できました。 全編英語のセリフでした。英語が苦手なのでほとんど聞き取れませんでしたが、この作品は映画で観ていて、スト..

  • 御礼『俺らってやっば天使じゃねえ?』公演

    5月9日(日)に座・劇列車の拙作『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』公演が無事終了しました。 団員がそれぞれ声をかけて40名のお客様に来ていただきました。千葉県演劇連盟に加盟している団体の皆さんも来てくださいました。本公演『やまんば おゆき』に参加してくださる皆さんもいました。私の千葉市ミュージカルの仲間も応援に来てくれました。中には私の清水二中時代の同級生もいました。それから、この作品を最初に演じてくれた演劇部の顧問たちも応援に来てくれました。皆さん、まだまだ感染の危険が去らない中、御来場本当にありがとうございました。 そして、『やまんば おゆき』の演出福山啓子先生にもいらしていただきました。とても緊張しましたが観ていただくだけで感激でした。ありがとうございました。 喜劇なのにあまり笑ってはいただけませんでした。喜劇は難しいですね。ゲネを観たときにはかなり面白かったので自信..

  • いよいよ明後日『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』本番です

    明後日『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』本番です。 座・劇列車では演出はやりたくなくて、これまでは自作であっても固辞してたんですけど、小品だけは仕方なく引き受けていました。 以前、千葉でやった『白雨五人男女?(しらさめごにんおとこおんなはてな)』という作品以来2作目。 この公演は様々な芸事、日舞、三味線、お琴、ダンスなどの発表会だったので、お客様もそれらの芸事をやっている方ばかり。ミュージカル『コーラスライン』と『白浪五人男』をベースに『雨に唄えば』で踊り、『雨の慕情』を歌うというシュールな喜劇をどう受け止めてくれるかとても不安でした。 5つの役の中で、もっとも不安だったのは女子高生でした。60歳代の女性が女子高校生に見えるかどうかがこの芝居のキモでした。でも、たまたま楽屋が一緒になったダンスサークルの皆さんがあれこれと助言してくれたお陰で本番直前に素晴らしい女子高校生が..

  • 不思議な感覚

    先日、あるテレビ番組のなかで、 「芝居の最中に周囲の人がゆっくり動いているように感じたことがある」と話している俳優さんがいました。そして、共演している女優さんも「私も同じ経験をした」と言っていました。 「ゾーンに入ったみたいなことですか」と司会者が尋ねましたが、俳優さんたちは「そうかもしれない」と言葉を濁しました。 「ゾーンに入る」というのは、今では脳内麻薬とも言われる「βエンドルフィン」によって起こる科学的な現象と認識されていると思います。しかし、いまだに世迷い言だと決めつける人も多いことでしょう。俳優さんたちの曖昧な態度もそういう批判を怖れたからかもしれません。 「ゾーンに入る」という言葉自体は比較的新しいものですが、その感覚は昔から有名でした。例えば、赤バットで知られる巨人軍の川上哲治氏が「ボールが止まって見える」と言ったという逸話(実際は小鶴誠という選手が言..

  • I園O茶新俳句大賞に今年も応募しました

    今年もI園の新俳句大賞に応募しました。締め切りは2月28日です。ネットからも応募できますのでお早めにどうぞ。 https://clk.nxlk.jp/0GuGcD8D 応募は1人6句まで。一般の部は40歳未満と40歳以上に分かれています。毎年、子供たちの応募数がものすごい数になります。学校単位で応募するからでしょう。それと比べると大人はそれほど多くありません。とは言っても前回の応募総数は全体で3,700万句を超えていたそうです。すごいですね。 一次審査で約2万句まで絞られるそうです。二次審査ではさらに半分の約1万句まで絞られます。 おそらく、この二次審査を通過した人に、封書で「二次審査通過回答シート」という書類が送られてきます。シートには氏名や住所、年齢などの確認とともに、二重投稿をしていないか、すでにどこかに発表をしていないか、などをチェックするアンケート。さらに..

  • 詩『あどけない話』(高村光太郎)について(2)

    あどけない話 『智恵子抄』より 智恵子は東京に空が無いといふ、 ほんとの空が見たいといふ。 私は驚いて空を見る。 桜若葉の間に在るのは、 切つても切れない むかしなじみのきれいな空だ。 どんよりけむる地平のぼかしは うすもも色の朝のしめりだ。 智恵子は遠くを見ながら言ふ。 阿多多羅山の山の上に 毎日出てゐる青い空が 智恵子のほんとの空だといふ。 あどけない空の話である。 青空文庫より 以前、高村光太郎の詩「あどけない話」の2つ目の「ほんとの空」が「ほんとうの空」になっているテキストがあるということを書いた。 その後、ブログにコメントをくれた方がいて「単なる間違い」と断定していた。もしかするとすでに何度か取り沙汰されて決着がついた事件なのかもしれない。そう考えるとちょっと恥ずかしい。 でも、もう少し説明をして..

  • 落選の思い出

    この1月にも地方文学賞のB文学賞に落選しました。 連敗が続いています。なんでそんな情報を発信するのかと思う方もいるでしょうね。 私がインターネットの前身である「パソコン通信」をしているときに、教えてもらったことがあります。 「どんな情報であっても必要な人はいる」 ですから、文学賞落選の情報もお知らせしようと思います。 それにしても、B文学賞には9318作品の応募があったそうです。複数応募が可能ということで、作家の人数は6061名。 ショートショート(4000字)という気安さもあるのでしょうけど、ものすごい応募数ですね。 9318作品の応募作の中から最終選考に残ったのはたったの6作品。作家数でいうと約千倍ということになります。候補に残った皆さんおめでうございます。 2月下旬の表彰式ではじめて大賞1作と佳作5作が発表されるそうです。連絡が来てから..

  • 「うたは無駄の中にある」

    BEGINの「うたの日コンサート2020in石垣島〜with JALホノルルマラソン〜」という配信を観ました。昨年12月に配信された無観客のうたの日コンサートの再配信です。 石垣島の夕暮れを背景にしたコンサートは実に素晴らしいものでした。 もともと私はBEGINのファンなので、すべての楽曲が染みました。 でも、最も感動したのはコンサートの後半でボーカルの比嘉栄昇さんが言った、 「うたは無駄の中にある」という言葉でした。 コロナ感染によって会社帰りに一杯飲むことがやり玉に上げられています。しかし、栄昇さんは言いいます。 「会社から自宅にどこにも寄らずに帰れる人は幸せな人。どこかに寄って一杯引っかけずには帰れない人がたくさんいる。それは無駄に見えるかもしれない。でも、そこにこそ『うた』がある」 演劇やミュージカルは無駄なのでしょうか? ミュージシャン..

  • てるこ姫七変化!~『東金レットイットビー』

    てるこさんが拙作『東金レットイットビー』を、なんと1人7役で演じてくださいます。 期日 2月5日(一場)、19日(二場)、3月5日(三場)の3回 時間 午後7時30分~8時 YASSAWAVE『ブルボンまゆみの政子まけないわよ』番組内での生放送です。 「YASSAWAVE」は千葉県東金市のローカル・インターネットメディア局です。 スマホ(WALLOPアプリ)、パソコンで観ることができます。 パソコンの場合はこちらから↓ http://www.yassawave.com/ てるこさんも、番組パーソナリティーのブルボンまゆみさんも、千葉市民創作ミュージカルのメンバーです。 この作品はブルボンさんから番組用に「恋愛」をテーマにした朗読劇をと依頼されて書きました。 昨年の8月7日、21日に県内で活躍している俳優さんたち11人が、2チーム..

  • 詩『あどけない話』(高村光太郎)について

    『智恵子抄』に掲載されている『あどけない話』は高村光太郎の詩のなかでも最も有名なものの一つだろう。 私は中学生の時に『智恵子抄』に出会い、この詩をはじめ『レモン哀歌』『樹下の二人』などを暗記した。ほかの詩はうろ覚えになってしまったけれど、今でも『あどけない話』だけは何とか暗誦できる。 余談だが、『ムー一族』というテレビドラマがあった。 郷ひろみが演じた浪人生宇崎拓郎が足袋職人の野口五郎(左とん平)と話していて、教養があるとかないとかの話になった。馬鹿にされた野口は教養はないが詩の一つくらいは覚えていると言って島崎藤村の『初恋』を「まだあげそめし前髪のりんごの下に見えしとき……」と暗誦してみせた。皆が感心するなか拓郎が「それなら俺もできる」と言ってジャン・コクトーの『耳』を暗誦したが、「私の耳は貝の殻/海の響をなつかしむ」(堀口大学訳)とあまりの短さに周囲の人々が呆れるとい..

  • 二次選考落ちました

    Y新人賞の二次選考落ちました。 甘くないですね。 103作中27作品が二次選考を通過したそうです。 とても気に入っていた作品なのでゆっくりと「供養」しました。 私が造形した物語と人物は世に出ることができませんでした。せめて私が書いた者の責任として丁寧に読んであげたい。それが「供養」です。 読み直してみると欠点だらけでした。このままでは物語と登場人物に申し訳ないので、書き直して他の文学賞にも応募してみたいと思います。 相変わらずスランプは続いています。

  • うーん書けない

    小説が書けない。 昨年の8月までは好調だった。出来不出来はともかく3本の中長編と4本の短編を書いた。それが9月から全く書けない。なまじ賞など獲ったのが悪かったのか。受賞は「まだ書いていいよ」という何者かからのメッセージだと思った。少しでも多くの人に自分が作った人物と物語について知ってもらいたいと感じた。それなのに肝心の書く作業が止まった。 明日は二次選考の結果が出る。そろそろ短編の賞も発表になるはずだ。これまでは応募した賞の発表前他の賞に応募するようにしていた。「これが落ちても次がある」と思えるからだ。そろそろ書かないとそれが途切れてしまう。1月末締め切りの文学賞は多い。何とかつなげたいものだ。 小説を書きたい人は多い。人の人生に同じものは1つもない。ある程度の年齢に達すれば自分の波乱に富んだ人生を書いてみたいと思うのは至極当然なことだ。 だが、実際に小説の最初の一..

  • 妻の誕生日に花を贈る

    昨日は妻の誕生日だったので花を贈った。思いのほか喜んでくれた。 わが家は猫が3匹いるから、花を飾るのは猫がけして立ち入らない唯一の聖域、つまりトイレ。昨年リフォームしたばかりのトイレに花がよく似合う。 ちなみにリフォーム代の何割かは昨年いただいた文学賞の賞金を使った。その前に賞金をいただいたときには洗面台が壊れてリフォームした。次に何が壊れるか心配だが、きっとそのときも何か賞をいただけるに違いない。 妻への贈り物は難しい。昨年の12月で結婚30周年だったから、何か記念に残るものをと考えた。妻はあまり装飾品を好まない。いちばん興味があるのは食べることなので、とりあえず当日は彼女が希望する日本料理店に行った。次に好きなのは旅行。コロナ騒動が終わったら好きなところに連れて行きたい。でも今は我慢だ。 ふとマルセル・マルソーが初めて来日したときのエピソードを思い出した..

  • バックアップマニアの憂鬱

    バックアップ病とでも言おうか。PCのデータを外付けハードディスク2台(どちらも2TB)、32GBのUSBメモリ4本、4GBのUSBメモリ1本に保存している。さらに、いつもではないがМОディスク数枚(230MB、640MB)にも保存する。クラウドも使ってはいるが、上げるのは主に画像だけだ。 人にこのことを話すと「心配しすぎだよ」と言われる。だが、大切なデータは掛けがえがない。現役のときにPCの仕事をしていたことがある。そのときにバックアップを取らなかったために悔しい思いをしたことが何度もあった。当時はまだ記録媒体がフロッピーディスクしかなくて今よりもバックアップに時間がかかった。作業する時間も限られていたので、バックアップをする手間が惜しかった。結局そのために同じことを何度も繰り返す羽目になった。そのことが忘れられない。 今は定期的に自動バックアップを保存してくれるソフトがほと..

  • あけましておめでとうございます~「ふわふぬ」の年~

    あけましておめでとうございます 昨年中はブログを読んでいただきありがとうございました。 今年もよろしくお願いいたします。 ふわふぬ? 気づいた方もいらっしゃると思いますが、これはパソコンで「2021」と入力したときに誤入力される文字です。 最近は「ローマ字漢字入力」が主流なので意外にこのことを知らない方も多いかもしれません。ワープロソフトを「カナ漢字入力」にしてある方が、「ひらがな入力」の状態でうっかり「2021」とキィを押すと「ふわふぬ」と入力されます。 ちなみに「2020」は「ふわふわ」です。可愛い誤入力だと思って和んでいましたが、2020年はとんでもない年になりましたね。なかなかこの発見を披露するような状況ではありませんでした。今思うと「不和不和」もしくは「不安不安」だったのかもしれない。 さて、「ふわふぬ」の今年はどんな年になるでしょうか。きっと不..

  • 天女はどこに?~千葉市民創作ミュージカル無期延期

    第2回千葉市民創作ミュージカル『千年天女』が無期延期となりました。 一昨年「第2回千葉市民創作ミュージカル原作大賞」に応募した拙作『千年天女』が大賞をいただき今年の6月に上演予定でした。3月からは新型コロナウィルスの影響で稽古が中止になり、その後上演も延期となっていましたが、来年の上演についても難しいという判断が下り、無期延期となりました。 今の状況を考えると50人以上の人が狭い稽古場で歌ったり踊ったりお芝居をしたりするというのはとても難しいことです。ましてプロの演劇人ではなくあくまで全員が市民ですから、今回の判断は仕方がないことだと思います。 脚本も私が書かせていただきましたが、ミュージカルの台本など書いたことがありませんでしたので、演出の小笠等響先生が手直しをしてくださいました。歌詞はすべて小笠原先生に書いていただきました。 作曲は日高哲英先生、歌唱指導は横洲か..

  • ココア共和国(紙版)1月号に『恋うた』掲載されます

    ココア共和国(紙版)1月号(12月28日発売)に拙作『恋うた』が掲載されます。 しかも、今回初めて選者のお一人秋吉久美子先生に「こりゃいいね!」をいただきました! やったあ!! ありがとうございました。嬉しい! 何と言っても私たち世代の人間にとって秋吉さんは時代を先頭で突っ走る女優さんでしたからね。高校生の頃、男子はみんな秋吉さんに夢中でした。 今年は詩誌『ココア共和国』のおかけで、誰の目にも触れなかった拙作が多くの人に読んでいただく機会をいただきました。また、たくさんの素晴らしい詩人たちの詩に触れることもできました。これからも無数の才能がこの共和国へと集まってくることでしょう。いつまで選んでいただけるかはわかりませんが、来年も覚悟をもって詩を書き続けたいと思っています。 子どもの頃からココアが大好きです マグカップにたっぷりのココアと砂糖を入れ ほんの少しの..

  • 風呂の中で

    昨夜あんまり寒いので、冬至で使った残りの柚子を湯船に浮かべて風呂に入った。劇団の入村代表からいただいたものだ。代表からは夏は西瓜、冬は柚子の差し入れがある。劇列車の団員でよかった(笑)湯船に浸かりながらのルーティーンがある。深く息を吸ってツーと歯の間から息を長く抜く。風呂場には秒ごとに点滅する時計があるので、それを見ながら目標は40秒。次に丹田を意識しながらズー音。鼻、口、頭、胸、喉と5箇所を響かせるのハミングレッスンをやってから、千葉市ミュージカルの歌を2曲歌う。最後に「ういろう売り」。昨夜はそれでも温まらないので、体を洗った後に「般若心経」を2回唱えた。 「般若心経」は四国お遍路に備えて覚えた。遍路は定年退職後にやりたかったことの1つだ。劇団の公演や膝の故障などでぐずぐずしているうちにこのコロナ。もともとは在職中に知り合い夭逝した人たちの冥福を祈るための巡礼だったが、母親や友人、同僚..

  • 何とか一次選考通過

    ある新人賞で一次選考を通過しました。234枚の時代小説です。 応募総数667作品中103作品が通過したそうです。四百字詰め原稿用紙200枚から400枚の長編小説が対象なので応募数はそれほど多くありませんが、約6倍を通過できたのは好運でした。 実は一昨年もこの賞に時代小説で応募しており、その時は二次選考も通過しました。その時点で488作品中16作品に残していただきました。長編ではこれが私の記録です。残念ながら最終選考の3作には残れませんでした。 前作も今回の作品も自分ではとても気に入っているので何とか世に出したいと思っています。でも、なかなか難しいですね。もちろん皆さん人生賭けて書いているのでしょうからそんなに簡単では困ります。 今回は応募数も200近く増えているからでしょうか、一次選考通過作も30ほど多くなっています。二次選考で何作まで絞られるのか分かりませんが、作..

  • レノン忌に想う

    ジョン・レノンの命日。 ジョンなら今のコロナ禍をどんな風に歌っただろう。 人と人とがコロナによって引き離され、遠くに住む家族に会いに行けず、近くにいる友人たちとは気軽にハグもできない。まさに愛の危機的状況を。 きっと激しく憤ったに違いない。ウィルスなんかに負けるなと。愛はもっともっと強いはずだと。 ジョンだけではない。 多くの先達たちは私たちがつないだ命の糸はもっと強いはずだと人類を叱咤している。そんな気がする。 ジョン・レノン様。ご安心を。人類はこんなことでへこたれたりしません。

  • S社・B社W出版賞も落選しました。

    2つの出版社が共同で募集している文学賞か選考結果を知らせる封書が届きました。 応募したのは328枚のホラー小説でした。結果は選外でした。 入賞作品の紹介もあり丁寧な連絡をいただき感謝しています。文学賞の多くが応募の際にはメールで連絡をくれるようになりましたが、結果を文芸誌やホームページだけでなく、このように封書で知らせてくださるところは少ないです。 通知の中に「応募作品の書籍化をご希望の方は、作品講評をお出しすることも可能です」とありました。しかし、金賞、銀賞に選ばれなかったということは出版に値するような内容ではないということです。もうすこし自分の力を試してみようと思います。 現在、中長編3作(234枚の歴史小説、334枚のホラー小説、340枚のミステリー小説)、短編3作(ミステリーとショートショート)を応募中です。 新作の執筆はなかなか進みませんが、なんとか..

  • 『ココア共和国』に年内最後の投稿をしました

    来年2月号に向けて『ココア共和国』に投稿しました。 先月1月号に向けて投稿したものの続編のような詩です。 最近の心境を詩にすると、 居場所は知られています こころの淵にことばは眠っています 夢のなかでときには現にも 水中にうごめく人食い魚に指先をかまれながら 沼の底にたまった日常の泥をかきわけて やっと手がとどいた と思ったとたんに夢からさめる スマホ画面の狭さを知る 手をひらいてみた ああ ああ つかめるのは昨日ばかり ああ ああ 今日ですらない ああ ああ あしたのことばのいばしょはしられているのに 『ココア共和国』の内外で詩人たちは本当の言葉を見つけようともがいています。年齢も性別も人種も境遇も関係なく、運命の言葉に出会うことを切に願って今と格闘しています。 この日々のもがきを多くの人に目撃してもらいたいものです。

  • ココア共和国(電子版)に『おらの戦争』掲載

    詩誌「ココア共和国」の電子版(佳作集)12月号に拙作『おらの戦争』を掲載していただきました。ありがたいことです。 12月号の傑作集(紙版・電子版に掲載)には31篇、佳作集(電子版)には126篇もの投稿詩が掲載されています。 毎月投稿の数も増えていて、10歳から80歳までの方が投稿なさっているそうです。 B6版の紙版『ココア共和国』は私のお気に入り。装丁も可愛いし、何よりとても丁寧に作られていて、編集の皆さんの詩への愛情が伝わってきます。 女優の秋吉久美子さん、漫画家のいがらしみきおさん、劇作家のクマガイコウキさんなどが「絶賛」「いいね」などの評を付けてくれるも楽しい。評はもちろん佳作集にも及んでいます。つまり、すべての投稿詩に目を通してくださっているということですね。ありがたいことです。 今まで詩に全く興味のなかった人でも心の奥に届く美しい言葉に出遭え..

  • 今月も詩誌『ココア共和国』に投稿しました。

    今月も『ココア共和国』に詩を投稿しました。 投稿をはじめてから5ヶ月目です。 私は芝居の台本も小説も書きますが、台本の場合は所属する劇団などの上演を前提に書きます。小説も特に最近は特定の文学賞に応募するために書くことがほとんどです。 しかし、詩に関しては投稿目的ではなく自然に湧いて出たものを投稿しています。ただ、身体に起こる多くの現象がインプットの結果としてアウトプットが起こることもあれば、逆にアウトプットをすることでインプットが促されることがあるように、投稿という行為が詩を生むことのモチベーションになっていることはあります。 毎月の投稿によって詩作が促される。これは多くのアマチュア詩人に起こっている現象ではないでしょうか。 現実はヤスリのように私たちを傷つけます。シルクのような優しい現実でさえ人によっては激しい痛みを感じてしまうことがある。感受性というやわい..

  • うーむ、また落ちた

    2つの文学賞の結果が出ました。 どちらも一次選考を通過できませんでした。甘くないですね。 1つは応募数767編、一次通過125編。 もう1つは応募283編、一次通過24編です。 1本は旧作を書き直したものですが、もう1本はその文学賞を狙った新作でした。 他の賞で落ちた作品で応募するというのは怠慢だと誹る人もいらっしゃるかもしれませんが、自分としてはあわよくばそれで賞をというより、その作品で出会った登場人物たちを多くの人に知ってもらいたいという気持ちの方が勝っています。 私のように文学賞への応募しかしていない者には、人に読んでもらうには入賞するしかありません。自分にとってどんなに愛着のある登場人物も入賞して多くの人に読んでもらわなければ存在しないも同然です。 もちろん、短編の場合にはこのブログにも掲載しています。また「山田組文芸誌」という同人誌(サイト)..

  • ちよだ文学賞の表彰式

    10月24日(土)に千代田区が主催する「第15回ちよだ文学賞」の表彰式に行ってきました。 拙作『桜田濠の鯉』がいただいたのは、大賞ではなく「千代田賞」です。「区の文化的、歴史的魅力をアピールした作品」に授与される賞だそうです。 大賞には絡めなかったようですが、それでも表彰式に読んでいただき、作品集にも掲載されたので満足しています。 式は1時30分からでしたが、リハーサルを行うために12時45分集合でした。会場は九段下駅前の九段生涯学習館でした。 フェイスシールドやアクリルパネルを使い、万全の感染症対策のなかで式は行われました。緊張しましたけど、思い出に残る素晴らしい経験ができました。関係者の皆様ありがとうございました。 ↓ 表彰式の画像は千代田区ツイート10月24日の記事をご覧ください。 https://twitter.com/chiyoda_cit..

  • 千代田賞(ちよだ文学賞)をいただきました!

    な、なんと拙作『桜田濠の鯉』が第15回ちよだ文学賞の千代田賞に選ばれました。 大賞は中山夏樹さんの『異国の古書店』という作品です。おめでとうございます。 私がいただいた千代田賞は「区の持つ文化的、歴史的魅力をアピールする作品に授与される」賞です。選んでいただいて光栄です。感謝しております。 書く作業というのは孤独なものです。どんなに心血を注いで書き上げた作品も誰にも読んでもらえなければ、この世に存在しなかったも同然です。自分の作品が誰かの心に届いて賞に選んでくださった。それだけでも書いた苦労が報われました。ありがたいことです。 ここだけの話、実はこの作品4月30日付け記事に「書き上げました!(文学賞応募のバタバタ)」と書いたものです。前日まで書き上がっていなくて徹夜で仕上げて締め切りギリギリの時間に郵便局に持って行きました。ろくに推敲もしていない上に宛名まで間違えて..

  • 佐々木康『悔いなしカチンコ人生』を読む

    佐々木康『悔いなしカチンコ人生』(けやき出版)を読みました。 この本はずっと読みたいと思いながら、なぜか読む機会を逸していました。今回、読もうと思ったのは朝ドラ『エール』がきっかけでした。 『エール』はご存知のように作曲家の古関裕而さんがモデルです。先日、古関さんが『暁に祈る』を作曲した回を観ていたら、その曲をテーマ曲にした国策映画のポスターが画面に映って、なんと監督が佐々木康さんでした。 私の家は田舎で商売をやっていました。両親ともに映画が好きで、土曜日の夜になると近くの名画座に時代劇の3本立てを観に行っていました。おむすびと水筒に入れたお茶を持って、夕食は映画を観ながら食べました。私がまだ3、4歳の頃だと思います。銀幕のスター達の声を子守唄に私はすぐに寝てしまったそうです。時折、足元をネズミが走り抜けたのを覚えています。 父のお気に入りは『雨に唄えば』のようなMGMのミュージカ..

  • 初選評いただきました。

    ある文学賞で二次選考まで進み、初めて選評をいただきました。 観点別にABCの評価をしてくれていました。 独創性と文章は高い評価をいただきましたが、どうも構成力が弱いようです。 また文章での選評も丁寧に書いてくださっていて勉強になりました。 とにかく初めて選評をいただきましたのでとても嬉しかったです。指摘を無駄にしないように書き続けようと思います。

  • 『山田組文芸部誌』第4号出来ました。

    同人誌『山田組文芸部誌』の4号が出来ました。 まだ紙版はありませんが、こちらでお読みいただけます。↓ https://novela.at.webry.info/ 今号のテーマは「恋」です。 目 次 「これはすべて恋のお話です」 千秋明帆 「渚を舞う蝶」 三角重雄 「玩具のパトカー」 高平 九 3号の発刊から7ヶ月が経ちました。 今回は残念ながら高校生2人は不参加ということで3作品だけの号になりました。コロナによる非常事態宣言などもあり、この間同人の会合もできませんでした。私もいつものことながら作品がなかなか出来ずに編集の三角さんに迷惑をかけました。それでも何とか発刊出来たのは待ち続けてくれた三角さんのお陰です。千秋さんも忙しい中、作品を書いてくれてありがとうございました。 こんな時代ですが、とにかく文芸の小さな灯を..

  • 「ココア共和国」10月号に掲載!

    詩誌「ココア共和国」の10月号目次が発表されました。今月も拙作『道化師の歌』を掲載していただけるようです。 目次はこちらをご覧ください。↓ https://www.youyour.me/cocoa202010 発売は9月末ですのでしばらくお待ちください。 『新しい神様』が掲載されている9月号はこちらから購入できます。 ↓ 月刊 ココア共和国 2020年9月号出版社/メーカー: あきは詩書工房発売日: 2020/08/28メディア: Kindle版 それにしても、まさか連続して選んでいただけるとは思っていなかったので驚いています。どちらも投稿するために書いたものではありません。私が私であるために書いた詩です。私のささやかなメッセージが誰かの胸に届くことを祈ります。掲載ありがとうございました。読んでいただいた皆さんありがとうございました。 以前..

  • 9月の文学賞応募状況です。

    8月は存分に書いたので心の中には何も残っていない感じでした。しばらくはプロの作家の作品を読んだり映画を観たりして過ごしていましたが、冷蔵庫の残り物で料理を作るみたいに、心の中の残り物でも何か作れるんじゃないかなと大それたことを考えつきました。もちろん小説も料理もそんな達人ではないんですけど……。 そこで、 ミステリーの文学賞に旧作を直して応募しました。枚数は400字詰め原稿用紙に換算して340枚の作品です また、これも旧作を手直してしてある文学賞に応募しました。こちらはホラーで328枚。 いずれもすでに他の文学賞を落ちている作品です。一度客に出してまずいと言われたレシピをちょっと変えて他の客に出す感じ。時間をかけて育てたわが子を一回の就職試験に失敗しただけで諦めたくないのと同じです。誰かこの子の良さを分かってくださいって気持ちですかね。未練ですねえ。 新作は短篇ミステ..

  • YouTubeで『東金レットイットビー』をご覧いただけます(2)

    以前、8月7日にインターネットメディア「ヤッサウエーブ」で放送された 『東金レットイットビー』 の動画をブルボンまゆみさんがYouTubeに上げてくれたことを紹介しましたが、続けて8月21日分も上げてくださいました。 どちらの回にも出ていらっしゃる役者さんもいますが配役は変わっています。同じ作品でも配役によって雰囲気が違うものです。ぜひ両方を比べてご覧ください。 7日の方はハンドマイクを使ったり、くず餅を食べたりと朗読しづらいところもあったようです。21日はそれらのことを改善して臨んだようですが、今度はマイクの不具合であおいの声が聞こえないというトラブルがありました。YouTube版では取り直した映像に差し替えて編集してくれてあります。ライヴのドキドキもなかなか捨てがたい魅力がありますけど、編集したものは落ち着いて見ることができますね。キャストの皆さんの気持ちのこもった演技..

  • 小説 『死神と老女』(4644字)

    小説 死神と老女 病室の窓から見えるのは倉庫の屋根と高圧線の鉄塔ばかりだった。高圧線の彼方から人の声がした。 「海の見える部屋で終わりたかったなあ」 良子は心の奥でそう呟いた。でも、仕方ない。一人息子の俊太郎は市役所に勤めるしがない公務員だ。それに大学生の子どもが2人いる。今までだって毎月の仕送りや訪問看護の費用などで無理をさせている。これ以上は分不相応だ。そんなことは分かってる。でも……。 「海が見えればいいのに」 ふた月前に救急車で運ばれて以来、昼間はいつも同じ言葉が胸の奥から湧いてくる。 10年前、良子と夫は住み慣れた焼津から武蔵小金井にある良子の母親のアパートに越して来た。周囲には母親の介護のためと説明していたが、実は家業の電器店の経営が手に負えなくなったからだった。母親はその年99歳で亡くなった。夫が認知症を発症したのはその2年後だった。 1歳若い夫は..

  • 小説 『バス』(3655字)

    小説 『バス』 小さな影が羽音とともによぎった。泉水みさきは思わず空を仰いだ。気温はまだ低いが空は晴れ渡っていた。それを見つけたみさきは慌てて顔を俯けた。 「ママ。ヘリトプター」 2歳くらいだろうか、女の子がベンチの上で足をぶらつかせながら傍らの母親に言った。黄色い帽子が可愛い。 「そうね。パパが乗ってるのかもね」 「行ったった」 「行っちゃったね」 「また来ゆ」 「うん。また来るよ、きっと」 機械的な羽音が消えたのを確信してから、みさきはゆっくりと空を見上げた。ドローンの姿はもうどこにもなかった。 ローカル線の無人駅ではみさきを含めて4人の客が降りた。切符の回収箱の脇に立っていた車掌は驚いた顔をした。きっと一度に4人が降車するなど珍しいことなのだ。駅舎の前のバスターミナルには錆びたベンチが一台あるだけで他には何もなかった。ただ早春の日射しがゆっくりと雑草の..

  • またまた文学賞に落選しました。

    とある文芸新人賞に落選しました。 なんと今回は2575篇の応募があったそうです。一次選考に通ったのはそのうち108篇、同時に二次選考の結果も発表されていて、二次通過は32篇でした。今回は一次選考も通過できませんでした。 それにしても2575篇はすごい数ですね。それだけの人が作家を志して渾身の作品を応募していると考えると受賞はまだまだ遠い夢です。 とにかく書くしかありませんね。

  • YouTubeで『東金レットイットビー』をご覧いただけます

    8月7日にインターネットメディア「ヤッサウエーブ」で放送された 『東金レットイットビー』 の動画をブルボンまゆみさんがYouTubeに上げてくれました。 たった4回のリモート稽古、しかも声だけの稽古でしたが、さすがに様々な演劇シーンで活躍しているキャストの皆さんだけあって、拙作にしっかりと命を吹き込んでくれました。ありがとうございました。 「ヤッサウエーブ」のキャスター、ブルボンまゆみさんからの「恋愛」をテーマにした朗読劇というオファーをいただき、今まで一度も書いたことのない苦手なテーマながら挑戦してみました。 非常事態宣言の少し前に、友人(女性)が初恋の人に会いに金沢に行ったという話を聞いたばかりでした。もちろんご主人と娘さん2人も一緒です。SNSには彼女と娘さん達が浴衣姿で舞い踊り、その中心に初恋の人とご主人が居心地悪そうに座っているなんとも微笑ましい写真が上がっ..

  • またまた文学賞に応募しました。

    8月は豊作でした。先日231枚(四百字詰め原稿用紙換算)の歴史小説を応募したことを書きましたが、その後中旬に361枚の青春小説、下旬には334枚のホラー小説を書いて応募しました。いずれも書きさしだったとはいえ、最後まで書き上げることができてホッとしました。 その間に同人誌「山田組文芸誌」の小品と短篇の推理小説を一篇書きましたから、我ながら8月はよく書いたと思います。 世の中には小説を書きたい人がたくさんいます。殊に波乱に富んだ人生だった方は自分の経験をそのまま書けばベストセラー間違いなしと思っているでしょう。でも、実際には小説の一行目を書く人はとても少ない。さらにその中で最後まで書き切ることができる人はごくわずかだと思います。小説を書きたいと思った人のいったい何人の人が一行目を書き始め、そのうち何人が結末まで書き切ることができたか。一度公募ガイドさんに調査してほしいですね 小説を完結..

  • 映画『緊急事態宣言』感想

    映画『緊急事態宣言』(Amazonプライム)を観ました。 とても面白かったので感想を書きます。 少しネタバレが含まれています。 この映画は「緊急事態宣言」をテーマにした5人の監督によるオムニバス作品です。 中野量太『デリバリー2020』 出演:渡辺真起子、岸井ゆきの、青木柚 お母さんが娘のためにケーキを手作りしてリモートでお祝いします。娘も息子も家を離れて暮らしているという設定です。 まずリモート画面の使い方が面白かったです。みんなでケーキを囲む感じで食卓の雰囲気が出ていました。それにデリバリーで頼んだものが一緒なんていうのもとても家族っぽい。そんな仲のいい家族の秘密が少しずつ明かされて行きます。 特に弟(青木柚さん)の「宮崎先生」に笑いました。 短いけど完成度が高くて、一話目にふさわしい作品だと思いました。 園子温『孤独な19時』 出演:斎藤工、田口..

  • 推薦『ココア共和国』!

    前に紹介した詩誌『ココア共和国』9月号が手もとに届きました。 7月号から読んでいますが、掲載されている詩の力が毎号増しているのが分かります。拙作『新しい神様』が恥ずかしくなるほど、それぞれの詩に魅了されています。投稿している人の年齢や性別が分からないのことも気に入っています。色々な世代の人が自由に自分の感じたことを言葉に結晶させている。まさに言葉の共和国です。 思うに今を呼吸している人が作る詩には、同じ今を生きている人にしか伝わらない匂いがあります。世阿弥の表現を借りれば、詩もまたこの辛い生の路傍に咲く一輪の花のようなものです。その言葉は私たち旅人を癒やし、励まし、驚かせ面白いがらせてくれる。そしてまた一歩、過酷な人生に踏み出す勇気をもらうのです。 『ココア共和国』という、今を摘み取った言葉の花束をぜひ多くの人に知ってもらいたいものです。 『ココア共和国』には紙印刷..

  • 「ココア共和国」9月号に掲載!

    ほんの数時間前に「ココア共和国」に詩を投稿したことを書きました。画像が横向きで何とかならないかなあと悩んでいたら、7月に初めて投稿した詩が9月号に掲載されるというメールをいただきました。予感がしたんですかねえ。偶然にしてはできすぎてます。でも嬉しくて小生いささか興奮しています。 それにしても掲載が決まる前に薦めておいてよかったです。掲載に関係なくとてもいい雑誌だと思いました。ぜひ一度読んでみてください。 月刊 ココア共和国 2020年9月号出版社/メーカー: あきは詩書工房発売日: 2020/08/28メディア: 雑誌

  • 「ココア共和国」に詩を投稿

    従兄に勧められて「ココア共和国」という雑誌に詩の投稿を始めました。 この「ココア共和国」は8月号で5冊目の若い雑誌です。あきは詩書工房という仙台の出版社が発行しています。B6(128×182)というサイズも可愛いし表紙のデザインもオシャレ。電子書籍なら275円、印刷版は700円+税という安さです。 内容のほとんどは読者が投稿した詩なんですが、毎月たくさんの投稿の中から選ばれただけあってレベルが高い。何より驚いたのは詩を書く人がこんなにもいたのかということです。私は中学生の頃から詩を書いていましたが、回りにはほとんど仲間がいませんでした。詩を書いていることが分かると大抵は変人扱いされたものです。 思うに詩というのは書こうと思って書くものではなく、心の深いところがヒリヒリして、言葉にせずにはいられずに出てくるものです。時には自分が何を書いているのかわからないこともある。よく友達や時には先..

  • 座・劇列車公演延期のお知らせ

    私が脚本を担当していました四街道市民劇団座・劇列車の第31日回公演『やまんばおゆき』は残念ながら延期となりました。 今から30年前、浜野卓也作・箕田源二郎絵の同名の新作童話を元に、西田了先生が朗読劇として脚本を書き、四街道市民が演じたのがこの作品です。この時の上演がきっかけで四街道市民劇団座・劇列車は生まれました。 ちょうど30年目の今年、『やまんばおゆき』を再演しようということになり、私が朗読劇を普通の芝居の脚本に書き直しました。その後、青年劇場の福山啓子先生、船津基先生に演出をお願いすることなり、先生方のご指導により、さらに脚本に修正を加え、自分で言うのもなんですが、なかなか面白い脚本に仕上がりました。 30周年なのでお祭りにしようと、かつての劇団員にも声をかけ、また市民の皆さんにも参加をお願いしたところ、13人の方に参加していただけることになりました。そのうちの3人は30年前に..

  • 小説を書いて新人賞に応募しました。

    またまた某新人賞に応募しました。 今回の作品は、四百字詰め原稿用紙231枚の歴史小説です。 なかなか最終選考に残れないのですが、とにかく駄作を書き続けるしかありません。そのうち運が良ければ傑作に会えるかもしれません。 若いときには『山月記』の李徴のように、自分に才能があることを信じるあまり、かえって作品にすべてをさらけ出すことができませんでした。全力を出して否定されることが怖かったのです。作品を否定されるというのは、自分の存在自体を否定されるのと同じですから、そこから逃げ出してしまった。まさに「臆病な自尊心」でした。今思うとその怖さに負けずに打ち克つことこそが才能だったんですね。 でも、この歳になると才能のことなど気にせず、作品に今の自分のすべてを注ぎ込むことができます。「臆病」も「羞恥心」もかなぐり捨てて、「尊大な自尊心」で突き進むことが可能です。いつガス欠になるか分かりませんけ..

  • 『東金レットイットビー』放送されました。

    7日(金)、拙作『東金レットイットビー』(朗読劇)がインターネットメディア局「YASSAWAVE」で放送されました。 見逃した方は来週金曜日にリピート放送があります。またキャストを変えて21日にも生放送されます。ぜひ観てください。よろしくお願いします。 時間は19時30分~20時。 「ブルボンまゆみの政子には負けないわよ」という番組です。 なお「YASSAWAVE」の視聴は「yassawave.com」で検索してください。ホームページ上の黒い画面をクリックしてください。視聴は無料です。ネットに接続しているパソコン、スマホ(iPhoneのみ)でご覧いただけます。 ↓八鶴湖での稽古風景「こんにちは、そろそろですね」「あっ、あなたはヒロシさん?」 ↓スタジオでの生放送「まだ俺と一緒になる気はあるか」「当たり前じゃない」 ↓7日組キャストの皆さん。お疲れ様でした。 ↓物語に..

  • 『東金レットイットビー』(朗読劇)稽古開始!

    拙作『東金レットイットビー』(朗読劇)がインターネットメディア局「YASSAWAVE」で放送されることは先日お伝えしました。 8月7日(金)と21日(金)の2回キャストを少し変えて上演します。 どちらの回も稽古の一回目を終えました。LINE電話を使っての稽古でした。達者な演者の皆さんによって自分の作品に命を吹き込まれる瞬間は緊張もしますが、とても感動的でもあります。 役者さんたちはそれぞれが様々な演劇シーンで活躍している皆さんです。個性的で存在感のある演技はとても魅力的でした。 あんまりステキなので、ついつい細かなことを言いたくなってしまいます(笑) とにかく初めての稽古とは思えない出来映えでした。本番は素晴らしいものになるに違いありません。ぜひご覧になってください。ただし朗読劇なので動きの演技はありませんので、よろしくお願いします。 時間はともに19時30分~20時。 「ブ..

  • サブテキストについて

    先日、朗読劇の仲間からサブテキストについて質問されました。 「サブテキスト」とは簡単に言うと「台詞すなわちメインテキストに語られていないすべて」のことです。 実際、特に日本人の場合、人が自分の本音をストレートに表現することは稀です。現実に半沢○○さんのように「倍返しだ」という人はまずいません。大抵の人は相手にそれとなく伝わるような表現をします。「空気」と呼ばれるものも同じです。どんなに饒舌な芝居でも(例えばシェイクスピアの戯曲)本音は言葉の森に巧妙に隠されていて、優れた案内人(役者)が演じることで、やっと真意がそれとなく伝わるような仕組みになっています。 詳しく知りたい方は検索してください。 私にサブテキストの重要性を教えてくれたのは、劇団を指導していただいた西田了先生でした。きちんと演劇を学んだことのない私には、西田先生はたった1人の演劇の師です。先生はサブテキストの話をするとき..

  • 75年前千葉市を襲った七夕空襲

    75年前の7月6日深夜から7日朝にかけて、千葉は大規模な空襲に見舞われました。 その日、房総半島方面から129機のB29が飛来しました。千葉は本土を空襲する際の経路でしたから、警報は毎日のように出ていたそうです。この夜も清水、甲府方面を空襲する編隊が通り過ぎ、一旦警報が解除されたといいます。しかし、この日は千葉市が目標の1つでした。 確かに千葉は軍都の1つではありましたが、先に千葉市街地の周辺に爆弾を落とし、逃げ場を失った人々を焼夷弾で焼き、機銃掃射を浴びせるやり方は、明らかに市民の殺傷を主目的にした無差別攻撃でした。 ご存知のように焼夷弾には粘性のガソリン(ナパーム)が使われています。空中で親爆弾が割れて無数の子爆弾に分かれます。子爆弾には長いテープが付いていて、必ず信管を下にして落ちるように工夫されていました。その信管が何かに触れると火のついた粘性のガソリンが四方に飛び散ります。..

  • 朗読劇『東金レットイットビー』放送決定!

    拙作『東金レットイットビー』(朗読劇)がインターネットメディア局「YASSAWAVE」で放送されることになりました。 8月7日(金)と21日(金)の2回キャストを少し変えて上演します。 時間はともに19時30分~20時。「ブルボンまゆみの政子には負けないわよ」という番組中の生放送です。 キャストは演劇、ミュージカルで活躍なさっている方ばかり。素晴らしい上演になること間違いなしです。 なお「YASSAWAVE」の視聴は「yassawave.com」で検索してください。ネットに接続しているパソコン、スマホ(iPhoneのみ)でご覧いただけます。 この作品はもともと番組パーソナリティーのブルボンまゆみさんからの依頼で書いたものです。私が最も苦手とする「恋愛」がテーマでしたのでかなり苦戦しました。でも今回書かせていただいたことで少しだけ苦手を克服できたように思います。「恋愛」どんと来い!..

  • ホラー小説を書きました。

    ホラー小説を書いて新人賞に応募しました。四百字詰め原稿用紙約100枚分です。 ホラー小説は3本目ですけど、ホラーって夜中に書いていると自分でも背筋がひやっとすることがあります。でも今回はあまり怖くなかったかも。 今は現実の状況が怖いからかもしれませんね。ゲームや映画でお馴染みのパンデミックほどではないにしても、現実にパンデミックが起きることなど想像もしませんでした。およそ人が想像できることで現実にならないことはないと考えた方がいいのかと思います。少なくとも一度起こってしまえば、どんな異常なことも受け入れてしまうのが人間なのでしょう。 今月は月末までにもう一本ホラー小説を書く予定です。10日しかないって?ホラ小説にならないように頑張ります。

  • 恋をテーマにした朗読劇の脚本書きました。

    ある方の依頼で恋をテーマにした脚本を初めて書きました。朗読劇です。どうも恋愛ものは苦手です。それなりに経験もあり、恋の裏も表も見てきたつもりですけど、やはり自分にとって終わってしまったことなんでしょうか。 とは言え、一度引き受けたからには書かないわけにはいかず、頑張って書きはじめました。ところがミュージカルのリモート飲み会に参加したとき、そのストーリーを披露したところあまり反応がよくなかった。他の参加者は酔っ払っているのでたぶん本音です。私は下戸なので素面でそれを聞きかなり凹みました。でも、後で考えるとあれはひどかった。恋がテーマの本に途中から徳川家康が登場する内容でした(笑) と言うことで、徳川家康抜きの脚本を仕上げました。先方に届けました。面白いと言ってくださっているので、近いうちにお披露目になるかもしれません。楽しみにしていてください。 それから、なんと同人誌の次号のテーマも「..

  • 『朗読版 穴~キツネとネズミの物語』

    拙作『朗読版 穴~キツネとネズミの物語~』を一人で演じてYouTubeなどで配信してくださるそうです。配信の予定は6月中の予定とか。 近い未来に人類を待ち受けるであろう食糧危機を、隣り合った洞窟に住むキツネとネズミの寓話にした作品です。座・劇列車でも何度か演じています。また、いくつかの団体が演じてくださっています。むやみに危機感をあおるつもりはありません。しかし、将来に想定される難題を多くの人が意識して立ち向かうことを期待します。けして「想定外のことでした」とならないように祈ります。 配信が楽しみです。 作品に興味のある方は「はりこの虎の穴」にて「高平九」の作品を検索してください。脚本がダウンロードできます。https://haritora.net/index.html

  • 歌(詩)

    詩 「歌」 高平 九トリが神様を讃える歌を作った。神様はたいそう喜んだが、ネズミだけは歌わなかった。トリはネズミに文句を言い、トラに今度歌わなかったら食ってしまえと命じた。ネズミはそれでも歌わなかった。神様が嫌いなわけでも神様への感謝がないわけでもない。でも歌えと命令されるのが嫌だった。ネズミはトラに食われてしまった。でも、ネズミはたくさんいるのですぐに代わりがやってきた。どのネズミも歌を拒否して食われてしまった。1年に一度神様を讃える日がやってきた。トリはここぞとばかりに神様を讃える歌をみんなに歌わせた。やはりネズミだけが歌わなかった。そこで、トリは神様に訴えた。「ネズミめはいくら言っても神様を讃える歌を歌いません。こんなものが干支の一番にいるのは納得できません。どうか神様を讃える歌を作ったわたくしを一番にしてください」神様は言った。「トリよ。わたくしを讃える歌を作ってくれたことには..

  • その会議(詩)

    詩 その会議 高平 九 その会議では、その世界の危機について語り合った。 「全員を救うべきだ」とネズミが言い張った。「それは無理なのだ」とウシ博士が反論した。「なんでですか」「ふむ。船の乗せる数には限りがある。わしの計算では、全員乗せれば船は必ず沈んでしまうのだ」「そんなのやってみないとわからないじゃないですか」「やってみてダメでしたで許されると思うか」「それは……」ネズミは黙ってしまった。「問題は誰を優先的に船に乗せるかだな」とトラ宰相が偉そうに言った。「私たちは神様から選ばれたものです。当然先に乗るべきでしょう」とウサギがすかさず言った。「そりゃそうじゃ」とタツ教授も言った。「最初に乗り込むのはトラ様でげすね。お知り合いのトラの皆さんもお先にどうぞどうぞ。へへへ」とヘビは赤い舌をチョロチョロさせた。「あたしらはその後からでいいですわ」とウマ女史までが言い出した。「貴様らは自分..

  • 小学校の思い出

    前回、この写真を載せてお遊戯会の話を書きました。今回は小学校の学習発表会のお話。 1年生 ゴリラの真似をしたら、担任のMS先生が面白いと誉めてくれて、隣のクラスでもやらされた。2年生 友達と2人で落語の『寿限無』を覚えて発表したら担任MS先生がこれも面白いからと誉めてくれて全校放送でやらされる3年生 お芝居で先生役をやる。うまく出来ず担任のSM先生に毎日しごかれ、プレッシャーで体調を崩し本番を休んでしまう。代役の子がSM先生に絶賛されて、さらに落ち込む。4年生 役もらえず。眠るウサギを演じている女の子が稽古中に本当に眠ってしまい、たちまち恋に落ちる。天然パーマで色白の子だった。ソバカスも可愛かった。傍に寄るといつもいい香りがした。一度だけ後ろの席になったことがあった。振り向いた時の笑顔が忘れられない。このYKちゃんはやがて転校してしまい、初恋ははかなく消えてしまったけど、今もステキな思い..

  • コロナ対策の歌紹介します。

    茨城県が非常事態解除になり、黄門様も世直し旅に出られるだろうとTakahiro Nakamuraさんがステキな替え歌を作ってくれました。『水戸黄門』のテーマ曲『あぁ、人生に涙あり』の曲で歌ってみてください。みんなで歌って悪代官ならぬコロナウィルスを退治しましょう。「助さんも格さんもしっかり歌いなさい。ハーハハハ」 人生コロナは禁物さ~♪隙ありゃあなたがクラスター♪密着密集密閉と~♪三つの密には気を付けて~♪ 人生自粛はまだつづく~♪マスクは必須のアイテムと~♪会話も控えていつもより♪くしゃみは押さえて下向いて~♪ 緊急事態も解除なり~♪心の緩みが涙なる~♪手洗い励行しっかりと~♪油断は大敵心して~♬ 疲れとストレス解放と♬感染症の源は~♪み~んな~の心の奥底に~♪あること忘れず♪慎重に~♬ 解除の指示出た今こそが~♬初心に帰れの合図なり♪コロナの再発見舞われて~♬泣くのが嫌ならさ..

  • 1枚の写真~幼稚園のお遊戯会~

    これは幼馴染みから送られてきた幼稚園のお遊戯会の写真。演目は『アリとキリギリス』立って歌っているのが私。キリギリス役は1人だけで、歌の独唱も3曲ほどあったと記憶している。同じ会でのもう1つの演目にも出演していて、それは人間に捕まった子タヌキを偉い役人に化けた親タヌキが助ける話。私は立派な着物に裃を着けて親タヌキの役をやった。後で母親から聞いたのだが、どちらも目立つ役だったので担任のM先生が贔屓したと親たちから批判があったそうだ。M先生のことは今でも覚えている。眼鏡をかけたふっくらした顔立ちの若い女性の先生だった。なかなか幼稚園の集団生活に馴染めなかった私に、これらの役を通して居場所を作ってくれようとしたのだと思う。毎日母親に引きずられるようにして登園したこと。給食が口に合わず桜エビのフライを食べたふりをして隠したこと。(今でも桜エビは食べられない)うんこを漏らしたこと。そんな嫌な思い出ばか..

  • 書き上げました!(文学賞応募のバタバタ)

    ある文学賞の応募作品を書き上げました。準備は半年前から始めていたんですけど、実際に書き始めたのはごく最近です。 締め切りは今日。一昨日の夕方にも書き上がっていなくて「今回は間に合わないかな」と諦めかけていたところ、「なんで諦めるの」と妻が家事を全部引き受けてくれました。それからは睡眠時間も削って執筆に没頭。書き上がったのは今日の午後2時過ぎ。2度めの応募なので、住所や実名を記入した表紙はできていました。あらすじも必要なのですが、書き出す前に内容を短い文章にしてあったので、それを少し補強して作りました。 この、内容を短い文章にまとめて書き始めるというのは、執筆中に道に迷わないために役立ちます。あらすじは書き始める前に出来ていなければならないと私は思っています。 応募のために用意してあるレターパックに原稿を入れて宛名を書きます。慌てているために手が震えてひどい字になってしまいました。やっ..

  • 詩 優しい人

    優しい人 高平 九 それは私たちから一人の喜劇人を奪った人間も動物もへだてなく愛したあの人を笑わせることに命懸けだったあの人を時に理不尽な批判にさらされてもいつも子供の思いに寄り添い一人ひとりの小さな笑顔を大切にしたあの人を それは今日も一人の女優を私たちから奪った家族をこよなく愛した人だったその愛は誰の妻を演じても誰の母を演じても同じだったから私たちはその愛を信じることができたその人の明るさに誰もが暗い日常から救われた それは優しい人ばかりを私たちから奪っていく理不尽に無遠慮に無差別にだから私は負けないそれが尻尾を巻いて消えるまでけして負けることはないこれだけが奪われてしまった優しい人へのたったひとつのレクイエムだから

  • 詩 それは

    それは 高平九 それはどこからきたのでしょう空を壊したからでしょうか山を崩したからでしょうか海や森を欲望にかえたからでしょうか 動物達は行き場を失い人と交わり見えないものを身にとりこんでそれを小さな刃にしたのでしょうか それは今ここにいますささやかな反乱は大きな災厄となり水に流し風に化けついには深々とわたしたちを刺しました それはどこへいくのでしょう見えない因果は見えないものになりわたしたちを散々に踏みつけて明日を待ち伏せているのでしょうか それともそれともアンビギュイティに気付いたあなたが銀河のブレーキを踏んで神様の嘘について語りはじめるのでしょうか それとも……

  • 詩 新しい神様

    新しい神様 高平九 世界がみな仲良くなるためには宇宙人が必要だと思っていましたうんと凶悪な宇宙人に手を焼いて誰もがやっと地球人という名札を胸に付けるそう思っていました 神様の陣取りに勝負がつかないならいっそ新しい神様が通販で買えないかなと思っていましたポケットサイズのコスパに優れた神様がいいなと思っていました みんなが同じ病気になれば互いの苦しみや悲しみを流行り歌のようにハモることができると勘違いしていました酸素をくれと歌えるんだと手を洗うリズムを刻めると 宇宙人と神様と病気を揃えたら平和で豊かな未来という賞品がもれなくもらえるという愚かな思い込みを泣きたいくらい反省してるんでどうかもうわたしたちから大切なものをとりあげないでください

  • 詩 こんなときだから

    こんなときだから 高平 九 こんなときだからあの人を想いたい こんなときだから恋人とは愛を分かち合いたい妻や夫とは我慢を分かち合いたい こんなときだから友とは「大丈夫?」を送りあいたい隣人とは「いい天気ですね」と挨拶をしたい こんなときだから年寄りを気遣いたい困っている人に寄り添いたい こんなときでも子供には笑っていてほしい若者には明日を信じてほしい こんなときだから遠くの親類に無事を伝えたい意見の異なる人と心で語りたい こんなときだから国境をなくしたい人種を忘れたいあらゆる差別を忘れたいそしてイデオロギーよりも宗教よりも人間を信じたい こんなときこそ武器を置いて手を振って合図をしてマスクを届けたりアルコール消毒を勧めたりトイレットペーパーを分けあったりしたい こんなときなのに私はこんなことをしたいと思うこんなときにあなたは何をしますか?

  • お墓参り(東金八鶴湖)

    お彼岸のお墓参りに行きました。妻の実家の墓は東金の八鶴湖湖畔にあります。湖畔のソメイヨシノが花をつけていました。例年、花の時期は賑やかな八鶴湖も今年は人影も少なく静かです。 お墓参りの帰りには、よく蕎麦を食べます。今年もいつもの店に寄りました。 上は大きなエビの天ぷらが2本ついた「海老天せいろ」。下は妻が頼んだ「天ぷらそば」の器です。可愛い器でしょ。冷たいお蕎麦の「天せいろ」と同じように、海老、穴子、椎茸、さつまいも、じゃがいも、茄子の天ぷらがついています。せいろは200円で蕎麦のおかわりができます(ただし一度だけ)。 昼はお墓参りのお客さんで混雑したようですが、わたしたちが行った夕方は空いていました。静かなお座敷で庭を眺めながらお蕎麦を楽しむことができました。

  • 人間ドック

    毎年同じクリニックで人間ドックを受けています。 今年の集合時刻は8時。まずは受付をして検体を出します。ロッカーで着替えたら看護師さんの問診。内科医の検診。採血、心電図、聴覚、視力、眼圧、身体測定、肺活量、超音波と進みます。いつも超音波検査で脂肪肝を指摘されるのですが、体重が減ったせいか去年よりは改善されていると言われました。胸部エックス線を撮影が済むと、最後は胃の内視鏡。 今年いつもと違ったのは検温くらいです。コロナウィルスの影響で空いているのかと思いましたが、例年通り混んでいました。 胃の内視鏡検査も毎年お願いしています。 ずいぶん前から「食道裂孔ヘルニア」という食道内に胃の一部が突き出る病気を指摘されているんですが、昨年までは自覚症状も全くありませんでした。ところが、今年は何回か胃液が逆流するようなことが何度かあり、実際モニターに映るヘルニアもかなり大きくなっていました。それで..

  • 詩 道化師の歌

    道化師の歌 高平 九 道化師は言った風船で動物を作るコツは入れた空気をほんの少しだけ抜くことだよ張り詰めたものは変化しにくいからね 道化師は言った良い車には必ず良いブレーキがついているんだよ制御不能なんて感心しないね 道化師は言った言葉はフーとすると温めることができてハーとやると冷ますことができるよ言葉が凶器になるなんてまさかね 道化師は言った僕ってね何でも一生懸命やるよだけど何をやってもうまくいかない何でかなあ?パパが言った「当たり前だ。それが道化師の仕事だからな」 道化師は言った君が言ったことに必ず「違う!」って言う人がいるよその覚悟がないならしゃべらない方がいいんだ 道化師はさらに言った本当に大切なことは言葉にできない大切なことを君に伝えるために僕はひたすら蝶々を演じる君の目に君の蝶々が見えるまで 道化師は最後に言った「僕は道化師なんだ」と言ったら彼女が言った「それは僕..

  • 詩 昨日の夢に君がいなくて

    昨夜の夢に君がいなくて 高平 九 昨夜見た夢の中に君がいなかった。僕はむちゅうで君を捜した。飢えていないか。強姦(おか)されていないか。慟哭(ない)ていないか。冷え切った暗い部屋で爪の下に金属を突っ込まれていないか。どこかの堅い壁の前に目隠しもなく立たされていないか。けばだったロープを首に巻かれていないか。表通りに取り残された少女に、ビルの窓から照準を合わせながらも銃の重さによよと泣いているのではないか。 目が覚めると、僕もしゃくりあげて泣いていた。犯され、拷問され、射殺され、首を吊られて(ひたすら撃てと命令されて) 昨夜見た夢のなかに君はいなかった。この世界にひとつきりの君の魂を僕はひっしにさがしてそして、みつからない。

  • 詩 密室の道化師

    密室の道化師 高平 九 戦争は密室で起こっているから外にいる僕らはみているしかないいつの間にか僕らの場所が密室になるまで僕らは戦争が起こったことにも気づかない 蝶々が指先のようになにかをつかもうともがくけれどつかまるのはカラスの糞にまみれた案山子くらいだああ、案山子ほど口がかたい奴はいない アリは皆口をあけてつぶやくけど何をつぶやいているかは互いに知らないたとえそれが真実の甘い蜜であっても 誰かが老人たちをころす今日もまた子供を優しい日常から拐ってゆく 道化師はひとり空を見上げ奥歯をがりりと噛み締めた

  • 『信長公記』を読む

    『地図と読む 現代語訳 信長公記』(太田牛一 著/中川太古 訳)を読みました。2019年KADOKAWA刊。 『信長公記』は『しんちょうこうき』と読みます。織田信長の家臣だった著者が見聞きしたことを詳細に綴ったものです。慶長の頃(1600年頃)に書かれたものだそうです。 記事は天文十一年(1542年)8月上旬の小豆坂の合戦から始まっています。三河に攻め寄せてきた駿河の今川義元の軍勢を織田信秀(信長の父)が迎え撃った戦です。次の記事は天文十五年の吉法師(信長)の元服と続きます。 最後の記事は天正十年(1582年)6月の本能寺の変を中心に、その後の安土城に残された人々の反応、徳川家康の去就で終わっています。 今回初めて読んでみて、合戦の有様が実に克明に書かれていることに驚きました。兵の動きや戦の推移だけではありません。誰が手柄を立て、誰が戦死し、敵将の誰の首をとったか。さらに手柄を..

  • 千葉市空襲の証言集を読む

    千葉市空襲の証言集はこれまで以下の2冊発行されています。 「千葉市空襲の記録」(千葉市空襲を記録する会/1980.11.10/縦書き・ハードカバー) → 以下「記録」と略します。 「千葉市大空襲とアジア・太平洋戦争の記録100人の証言ーこの記憶をあなたに繋ぎたいー」(千葉市大空襲とアジア・太平洋戦争の記録100人の証言編集委員会/2009.11/横書き・ソフトカバー)→以下「証言」と略します。 サイパン、グアムなどのマリアナ諸島の島々を奪還したアメリカは、それらの島に飛行場を建設してB29戦略爆撃機による日本本土空襲を開始しました。当初は東京など5大都市が目標でしたが、次第に地方の中小都市にも矛先が向けられるようになりました。千葉市への空襲もその1つです。 「記録」には千葉市を目標とした3度の空襲について、それぞれ資料と証言がまとめられています。 1回目の空襲は194..

  • 髭を当たる!

    昨年の12月から3ヶ月伸ばしていた髭を剃った、いや当たった。特に理由もなく、一度伸ばしてみたかっただけなのだが、いざ剃るとなると残念。しかし、久しぶりのクラウンパフォーマンスのため、幼稚園の子供たちのために剃らなければいけない。それに、どうも髭を伸ばしはじめてからいいことがない。咳喘息、半月板損傷、義母の入院などなど。あのウィルスも実はこの髭のせいかも……。悪運を断ち切るつもりで髭を剃った!いや当たった!↓すっきりしたあ。子供たちも大喜び!でも、次の公演の役作りのためにまた伸ばしまあす。

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