「Opensesame!(開けゴマ!)」って、とんでもない要求だと思います。だってあんなに小さい粒を一つ一つ開くって、ものすごく大変じゃないです?【ただいま読書中】『最良の嘘の最後のひと言』河野裕著、東京創元社(創元推理文庫Mこ61)、2017年、680円(税別)世界的な大企業「ハルウィン」は「超能力者を一人採用する」と告知、応募した2万の中から面接に進んだのは126人と3匹。そして最終試験に残ったのは7人。最終試験の内容は、3月31日18時〜24時の6時間の間に、受験番号1番の人が持っている一通しかない採用通知書を奪い取って担当者に渡すこと(1番の人はそれを奪われないように持ち続ける、奪われたら取り返すこと)。いやいや、ふざけた「採用試験」ですが、年収8000万円を65歳まで保証、と言われたら、それは参加した...開けゴマ
大災害の時「真実を報道したらパニックが起きるかもしれない」と手加減した報道をすることを主張する、という場面が映画などでよくありますが、実際に日本の大災害で大規模なパニックが起きたことってどのくらいありましたっけ?私が思い出せるのは、関東大震災での朝鮮人虐殺くらいなんですが。それとも私が「パニック」を知らないだけ?【ただいま読書中】『砂漠の戦争──北アフリカ戦線1940-1943』アラン・ムーアヘッド著、平井イサク訳、早川書房、1968年、500円1940年、カイロで「戦争」はラジオの雑音でした。しかし、フランスの降伏とイタリアの参戦で人びとは本気になります。地中海でのイギリスの拠点は、マルタ島とエジプト(とスエズ運河)。当時の中東イギリス軍最高司令官ウェーヴェル将軍は、圧倒的な戦力差(ドイツどころかイタリア軍単...パニック
私たちは、味覚細胞だけで味わっているわけではなくて、嗅覚や視覚、温度や触覚(舌触り)などもフル動員して食べものを味わっています。さらに「言葉」も動員されます。「松阪牛」とか「野菜は○○県産」とか「シェフはフランス帰り」とか聞くだけで「美味しさ」がアップしません?ということは、私たちがもしも「舌」だけで料理を食べたら、そこにはどんな「味」がするのでしょう?【ただいま読書中】『ペルシア王は「天ぷら」がお好き?──味と語源でたどる食の人類史』ダン・ジェラフスキー著、小野木明恵訳、早川書房、2015年、2200円(税別)本書は著者の友人夫妻の娘さん(当時7歳)が発した「トマト・ケチャップって、どうしてわざわざ『トマト』が付いているの?」という疑問から始まったそうです。さらに著者の香港出身の友人から「keは広東語でトマト...味覚
何から復興したいのかは知りませんが、東京の「復興」を応援しましょう。なにしろ「復興五輪」だそうですから。【ただいま読書中】『パンは呼んでいる』山本あり作、ガイドワークス、2017年、1300円(税別)先日『京都ご当地サンドイッチめぐり』で出会った作家(「漫画家・イラストレーター。調理師免許所持」とプロフィールにあります)です。あちらでは「京都」を駆け回っていましたが、本書で最初に登場するのはハバナ。映画「シェフ三つ星フードトラックはじめました」で話題になったキューバサンドイッチ(サンドイッチ・クバーノ)を実際にキューバで食べてみよう、というのです。いや、これが“絶品"。サンドイッチそのものもですが、それを取り巻く環境まで楽しんでしまう作者の姿勢が、こちらに「作者の幸福感のお裾分け」をしてくれるようです。メキシコ...東京も頑張れ
大昔の検疫では、船が港に着いたらそこでまず隔離して人の交流をしないようにして、一定期間発病者がいなければ上陸を許す、となっていたことがヨーロッパではありました。最近の新型コロナウイルス肺炎での“検疫"で、クルーズ船が妙な形で注目されることになってしまいました。あれは隔離施設ではなくて客船ですから、もしもどうしても船で「隔離」をしたいのだったら、その大昔のやり方を真似するしかなかったのではないか、と私は思っています。実際には船内感染が猖獗して、まるで「培地」のようになってしまったわけですが。【ただいま読書中】『客船の世界史──世界をつないだ外航客船クロニクル』野間恒著、潮書房光人新社、2018年、3000円(税別)「海の道」は大英帝国によって整備されましたが、その主力は帆船でした。1788年スコットランドでウィリ...検疫
希なること「まれ」は「稀」とも「希」とも書きますが、すると「希望」は「(叶うことが)希な望み」ということに?【ただいま読書中】『人類との遭遇──はじめて知るヒト誕生のドラマ』イ・サンヒ&ユン・シンヨン著、松井信彦訳、早川書房、2018年、2300円(税別)まず「食人」というインパクトのある話題から本書は始まります。発掘されたネアンデルタール人の骨に肉を削いだと思われる傷がついていました。ではネアンデルタール人は「人喰い人種」だったのか?ここでの研究は「科学がどのような筋道で進むか」を明確に示してくれます。食人による傷と二次葬による傷の違い、食人行為と食人種の区別、食人による病気……話はどんどん楽しく膨らみます。「父親」についての話も実に示唆的です。生殖戦略で雄と雌の利害は対立します(雄はできるだけ広く精子をばら...希なること
セックスレス夫婦というとなんだか肉欲の観点だけで夫婦を見ているようですが、同じカップルを「純愛夫婦」と言ったらなんだかきれいなイメージになりません?【ただいま読書中】『ダンケルクの海』N・モンサラット著、伊藤礼訳、フジ出版社、1968年、550円『非情の海』で著者は知られているそうですが、私はそちらは未読。とりあえずこの短編集が気に入ったらそちらの方にも手を伸ばすことにします。目次:「マールボロー号の帰港」「恥辱で死んだ船」「殺しのライセンス」「ダンケルクの海」「マールボロー号の帰港」……実に独特のリズム感を持った文章です。「雷撃をうけた船は暴行をうけた老貴婦人を思わせた」とか「ここまでは事件はすべて鋼鉄と鋼鉄のあいだで行われたものであった。しかしここから問題はたちまち人間の手にわたってきた」とか、魚雷を一発く...肉欲と純愛
カメラやスマホを構えている人は、拍手をする気がありません。その気があっても、拍手できません。【ただいま読書中】『花火(ものと人間の文化史183)』福澤徹三著、法政大学出版局、2019年、2600円(税別)辞書には「狼煙」を「昼の花火」と説明しているものがあります。空中で火薬を爆発させたら、火花と煙が出ますから、そのどちらに注目するか、ということなのでしょう。本書では「花火」を(軍事用途ではない)「鑑賞して楽しむもの」に限定して話を進めています。文献に残る日本の最初の花火は、天正十七年(1589)「伊達政宗のもとに唐人(明国人)が三人参って花火や歌を披露した」と『天正日記(伊達家の歴史書)』に記録されています。ちなみに、秀吉の小田原征伐はその翌年のことです。24年後の慶長十八年、徳川家康がやはり唐人が持参した花火...応援
ちょっと調べたら日本中で様々な文学賞が競われていますが、あれって「作品」の出来不出来を競っているんです?それとも「作家」?もしも「作品」の出来を評価しているのだったら、「著者名」は伏せて純粋に「作品」だけで勝負をすれば良いのに、なんてことを私は思います。俳句の句会では俳号は伏せられて審査がおこなわれるはずですが、それと同じことが小説でできないのは、なぜでしょう?【ただいま読書中】『世界一わかりやすい俳句の授業』夏井いつき著、PHP研究所、2018年、1400円(税別)「俳句のタネを播く」ことを自らの使命としている著者の俳句入門書です。いやあ、非常に取っつきやすい。まずは「三種の神器」を揃えましょう、から始まります。「歳時記かな?」と半可通の私は思いますが、「紙」「筆記具」「俳号」とお金がかからないものばかり。な...小説のコンテスト
ネットゲームというものを経験しようと始めてみました。ゲーム自体も面白いのですが、もっと興味深いのは「人と人との関係」です。ゲーム参加者がチャットルームでお喋りをして、気が合うと仲が良くなっていって、でも全員ハンドルネームだから男か女か何歳かも不明(自分で言う人はいますが、それが本当かどうか確かめようがありません)。ところが時にオフ会もあるようで、そこで会った人たちの繋がりは、ちょっと特別なものになっているようです。四半世紀前に「コンピューター通信」の世界で私がやっていたことと、本質的に差はないようです。ただ、NIFTY-Serveでは「会話」がメインだったのが、ネットゲームだと「ゲーム」がメインになっていることが大きく違います。そうそう、何歳かが不明、と言いましたが、この前東京オリンピックのことが話題になり、「...ゲーム仲間
ツイッターが標準的なコミュニケーションツールになったら、140字以上の文章はもう「理解不能」と言う人が増えてしまわないでしょうか。私のブログももうすぐ読む人がいなくなって消滅?【ただいま読書中】『思いつきで世界は進む──「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと』橋本治著、筑摩書房(ちくま新書1384)、2019年、780円(税別)橋本治さんはもう七十歳を超えているはずですが、相変わらずのパワー溢れる文章を綴っています。昔の作家はこの年齢になったら「文壇の重鎮」としてちんまりおさまってしまうものだったのにねえ。反知性どころか無知性が幅をきかす最近の日本の政治や社会の現状に、声を荒げるわけではないけれど辛辣に異議を申し立てる著者は、半分あきらめながらも、でも小言を言うことはあきらめてはいないようです。というか、橋本...文字数制限
ナマコを初めて食った人は、何を思ったのか、なんてことをよく言いますが、たとえばコーヒーも初めて口に入れた人は何を思ってたんでしょうね。豆をかじって「苦い、これは食えない」でぺっと吐きだして忘れてしまえばいいのに、熟成やらローストやら抽出やら、面倒な手続きまで発明してしまうのですから。よほど変わったものが食べたい、という熱意に燃えていたのかな。『孤児たちの軍隊5──星間大戦終結』ロバート・ブートナー著、早川書房(ハヤカワ文庫SF2034)、2015年、1000円(税別)本シリーズが下敷きにしている『宇宙の戦士(または映画の「スターシップ・トゥルーパーズ」)』には、ブレイン・バグという、知性を持たない兵隊をコントロールする知的中枢のバグが登場しますが、本シリーズもそれを踏襲して、知性を持たないナメクジ型異星人をコン...変食
我が家では燃えるゴミも燃えないゴミもプラスチック製のゴミバケツに入れて収集場所に出しています。これがもう20年も使っていて相当へたってきているのですが、ではこのゴミバケツ自体をゴミとして出す場合にはどうしたらよいでしょう?そのまま置いていたら中身を入れ忘れてゴミバケツを出しているだけに見えます。だけど、「これはゴミです」と張り紙をして出せば、その張り紙自体は「燃えるゴミ」ゴミバケツは「燃えないゴミ」です。さて、どうしたものか。【ただいま読書中】『日本で1日に起きていることを調べてみた──数字が明かす現代日本』宇田川勝司著、ベレ出版、2018年、1400円(税別)私たちは「数字」を便利に使っています。しかし「数字」が「実感」に結びつくことは、意外に少ない。「丸ビル(または東京ドーム)3杯分のビール」とか言われたっ...ゴミバケツ
たしか国会の規則には「不規則発言の禁止」があったと私は記憶しているのですが、国会議員って決まりを守る気はない人たち、ってことなのかな。いや、もしそういった規則がなくても、公的な場所での人の発言をヤジで妨害するのは社会人としての礼儀に大きな問題があることになりそうですが。ま、首相が率先してやってたら、下々はみな真似をしますわな。そういえば、「チコちゃんに叱られる」(NHK)で「前頭葉の機能が弱ると、衝動が抑えられなくなる」なんてことを言っていましたっけ。気に入らないことがあったら即座にヤジで反応する衝動を押さえられない人は、前頭葉が相当弱っているのかもしれません。【ただいま読書中】『孤児たちの軍隊4──人類連盟の誕生』ロバート・ブートナー著、早川書房(ハヤカワ文庫SF2018)、2015年、920円(税別)戦争が...国会でのヤジ
戦場に出ない兵士は、兵士とは言えないでしょう。それは軍隊に住む官僚です。では、戦場に出ない人間の命令で戦う兵士は、なぜ兵士ではなくて官僚の命令に従わなくちゃいけないのでしょう?【ただいま読書中】『孤児たちの軍隊3──銀河最果ての惑星へ』ロバート・ブートナー著、早川書房(ハヤカワ文庫SF1984)、2014年、1080円(税別)ジェイソンはこれまでに、多くの仲間を失い、自分の体では指を2本失っていました。それが本巻冒頭早々に、肺と両方の大腿骨を失うことになってしまいます。少しずつ「サイボーグ」に近づいているようです。地球上は相変わらずごたごたしています。「チベット自治区」という欺瞞的な名前の地域では軍事弾圧がまだ続いています(そういえば、どの本で読んだのだったかな、天安門事件の時に動員された人民解放軍の中に、チベ...これが文民統制
「そろそろ大人になれ」とか「いつまでも子供だ」とかの言葉がありますが、大人と子供ってそんなに違う存在です?たとえば「未熟な大人」と「成熟した子供」の本質的な差って、どんなところ?【ただいま読書中】『京都ご当地サンドイッチめぐり』山本あり作、産業編集センター、2019年、1280円(税別)「京都」と「サンドイッチ」の取り合わせに私は一瞬「?」を感じますが、「京都府って日本一パンの消費量が多い所なんだよ」と冒頭にしっかり言われると、とりあえず納得してしまいます。なにより作者の「パン愛」が半端ではありません。4日間の京都旅行ですが、紹介されるサンドイッチ店は13。朝昼晩ずっとサンドイッチを食べてます。「めぐり」ではありません。「朝から晩までどっぷり浸かって」います。「ご当地サンドイッチ」と言うだけあって、「さすがに京...大人と子供
我が家にはまだ有線の電話がありますが、最近かかってくるのは、間違い電話か営業の電話だけです。プライベートな用件は携帯かメールかラインでくるからでしょう。まだ非常用に必要かもしれないので維持していますが、そのうちに携帯電話だけになる日も近そうです。【ただいま読書中】『環境中の鉛と生体影響──最近の研究動向』堀口俊一著、労働科学研究所出版部、1997年、1236円(税別)「鉛による健康障害」は、江戸時代の白粉によるものが有名、と思っていましたが、日本で確かな文献としてあるのは、明治22年のものだそうです(というか、よくそんなものを見つけたものだ、と私は感心します)。また明治23年には鉛鉱山の精錬夫に下肢麻痺が出現した報告があり、これも鉛中毒が疑えるそうです。さらに古く、明治16年にも鉛中毒を疑える症例報告が残されて...固定電話
今回の「新型肺炎」での厚生労働省の後手後手の対応を見ると、以前の「新型インフルエンザ」のときにやった「水際作戦」の失敗から何も学んでいないように見えます。「自分たちは優秀だ」という自負があるから「学ぶ必要」はないのかもしれませんが、人間相手にいくら威張れても、ウイルス相手には通用しないのではないかな。【ただいま読書中】『ロストフの14秒──日本vs.ベルギー未来への教訓』NHKスペシャル取材班、NHK出版、2019年、1500円(税別)2018年夏サッカー・ワールドカップ・ロシア大会、日本代表は一次リーグを突破して決勝トーナメントに臨みました。一回戦の相手はベルギー。場所はロストフアリーナ。日本が2点を先取するも、ベルギーが2対2の同点に追いつき後半のアディショナルタイムに突入。本田圭佑が左コーナーキックを蹴っ...教訓
大したことを言わない人間は、話の前置きが長い傾向があります。だから、長々とした前置きを聞かされている場合、その話は最初から聞く価値が少ない、と判断できます。【ただいま読書中】『たたら製鉄の歴史』角田徳幸著、吉川弘文館、2019年、1800円(税別)「日本の製鉄」で有名なのはアニメ映画「もののけ姫」にも登場した「たたら製鉄」で、たたら製鉄で使われる原料は砂鉄です。しかし、実際の日本の製鉄の最初期(弥生時代〜古墳時代)の製鉄炉で使われていたのは、砂鉄ではなくて鉄鉱石でした。日本に製鉄技術を伝えたとされる朝鮮でも、砂鉄ではなくて鉄鉱石を使っていたからそれは当然とも言えるでしょう。採掘された鉄鉱石は拳大以上の大きさでそのままでは製鉄炉に投入できないので熱してから指頭大に砕いて使っていました。そして、鉄鉱石での製鉄が日本...長い前置きの価値
第一次世界大戦・第二次世界大戦・朝鮮戦争・ベトナム戦争……こういった「実例」を見ていると「アメリカがきちんと計画をもって戦争に臨んだことはない」と言えそうです。もっともきちんと計画があったとしても「戦争が始まって最初に死ぬのは作戦計画だ」(『孤児たちの軍隊(1)』の解説から)なのだそうですが。【ただいま読書中】『孤児たちの軍隊2──月軌道上の決戦』ロバート・ブートナー著、月岡小穂訳、早川書房(ハヤカワ文庫SF1964)、2014年、940円(税別)h本シリーズ第一巻は、ジェイソンが死を覚悟しながらガニメデに降下するシーンから始まり、すぐに3年前に戻りました。本書でもジェイソンが死を覚悟しながら「ナメクジの宇宙船」に立てこもっているシーンから始まり、やはりすぐに3年前に戻ります。ガニメデの戦いで勝利した、とは言え...戦争の計画
「むだ毛」はあるけれど「無駄じゃない毛」って、どんな毛でしょう?「逆まつげ」があるのなら「逆鼻毛」もあるのかな?【ただいま読書中】『孤児たちの軍隊──ガニメデへの飛翔』ロバート・ブートナー著、月岡小穂訳、早川書房(ハヤカワ文庫SF1923)、2013年、940円(税別)2037年、太陽系外から侵入したナメクジ型の異星人は、木星の衛星ガニメデに基地を構え、そこから地球を爆撃しました(爆弾ではなくて小惑星のような巨大質量の物体による攻撃で、世界各所で2000万人が死亡しました)。復讐のためのガニメデ派遣軍に志願した者は多数でしたが、採用されたのは、異星人の爆撃で家族を失った1万人の孤児たちだけでした。マスコミは彼らを「孤児たちの十字軍」と呼びます(イスラム教徒の孤児は「十字軍」を嫌って「人類最後の希望」と呼んでいま...毛
私の身近で最近、個人商店・小規模なマーケット・大規模なショッピングモールが次々閉店しました。で、閉店セールというと人が群がるわけです。これだけの人が普段から来ていればここが閉店することはなかっただろうに、と思うのは、誰しもでしょう。そう言えば、私が割とひいきにしている店も、最近なんだか客が減ってきて、このままだとここも閉店になるのではないか、という嫌な予感がします。で、閉店セールになったらまた人がわっと集まって「閉店とは残念だ」とか口走るのでしょうね。だったら「今」行きなさいよ。【ただいま読書中】『世界の夢のショッピングモール&デパート』パイインターナショナル編集、株式会社アフロ写真、パイインターナショナル、2019年、1850円(税別)イギリスを舞台とした本に時々「ハロッズで買い物をした」なんてことが書いてあ...閉店セール
フラットフラッター先日『フラッターランド』を面白く読んだので、その“タネ本"を読むことにしました。しかし、フラット・フラッターときたら、次は最上級でしょうが、結局「フラット」に戻ってしまうのではないかな?【ただいま読書中】『フラットランド──たくさんの次元のものがたり』エドウィン・アボット・アボット著、竹内薫訳、講談社(選書メチエ)、2017年、1500円(税別)二次元の世界「フラットランド」に住む「わたし(正方形)」が、もっと別の次元の世界が存在することを知ったあとに書いた冒険記録です。フラットランドには「上下」はありませんが、東西南北の「方角」は存在しています。常に明るいのですがその光がどこから来るのかは謎です(実は三次元世界からやって来るのですが、そんな高次元をフラットランドの住人は認識できません)。女性...フラットフラッター
私は20世紀に「全市停電」という異常事態を経験したことがあります。その時交通信号も全部消えていたのですが、その直後にはどのドライバーも速度を落とし、交差点を注意深く通過していたのが印象的でした(もちろん私もそうやって通過したり横断したりしました)。「危ない状況」だからこそ「安全運転」が徹底していたのです。信号は復旧せずやがて警察官がやって来て手信号で車の流れを制御しようとすると、車の速度は上がり、無理して通過しようとする人(車)も登場して、かえって危ない状況になりました。もしかしたら「これは危険な状況だ」としっかり全員がわかっていたら、かえってその道は安全になるのかもしれません。なんだか逆説的ですが。【ただいま読書中】『となりの車線はなぜスイスイ進むのか?──交通の科学』トム・ヴァンダービルト著、酒井泰介訳、早...危険な道
新型肺炎で、各国は中国からの入国制限を盛んにおこなっています。これがもしもアメリカのフロリダあたりで発生したのだったら、世界各国はアメリカからの入国制限を今回の中国と同様に盛んにおこなったのかな?【ただいま読書中】『子どもの貧困・大人の貧困(シリーズ貧困を考える(3))──貧困の悪循環子ども時代に貧困なら大人になっても?』池上彰監修、稲葉茂勝著、ミネルヴァ書房、2017年、1800円(税別)貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」があり、日本に多く存在するのは相対的貧困だ、とこのシリーズ(1)で私は学びました。そして、貧困には「機会の平等」が大きく関係していることをシリーズ(2)で学びました。本書では、貧困と学力に相関関係があることが示されます。親の貧困によって、子どもの「(勉学の)機会の平等」が奪われ、その結果...中国は嫌われている?
酒を飲む場に車で出かける人は、帰りは車に乗って帰ることがわかっているのに酒を飲むわけです。つまり「意図して飲酒(およびその結果としての飲酒運転)」をしています。そんな人が帰りに事故を起こした場合には、「意図して飲酒した結果」だから「(偶発的な)事故」と呼んではいけないのではないです?「事故」って「意図の結果」ではないはずですから。「それ」は「意図的な犯罪」あるいは「未必の故意による犯罪」です。それを「事故」と表現するのは「犯罪の隠蔽」です。【ただいま読書中】『昔の貧困・今の貧困(シリーズ貧困を考える(2))──歴史的変化変わる貧困と変わらない貧困を考えよう』池上彰監修、稲葉茂勝著、ミネルヴァ書房、2017年、1800円(税別)「格差」を問題視しない人はいます。しかし、それが「差別の結果」だったり「機会の平等がな...飲酒運転による「事故」
日本では一時期自殺者が年間3万人だったのが、最近減ってきて、昨年は1万9959人だった、と報じられていました。これで「減った減った」「よかったよかった」と喜んでいる人は、2万も悲劇が生じていることの重みを感じられないのでしょうか?【ただいま読書中】『自殺の歴史』ロミ著、土屋和之訳、国書刊行会、2018年、4200円(税別)本書はデュルケムの「自殺は社会を構成する要素全体の標準的構成要素の一つである」という言葉から始まります。「人類の歴史は○○の歴史である」とよく言われますが、「○○」に「自殺」も入るのだそうです。どの文明文化民族でも自殺はつきものです(例外的なのはヘブライ人で、4000年で自殺の記録は10件しかないのだそうです。……えっと、ヘブライ人ってユダヤ人とほぼ同義でしたよね。するとユダを除けば9件?)。...2万の悲劇
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