類つくを書いてます。 Perdre la vue ビスクドール投稿中!
アメブロでMIMOSAという 類つくのお話のブログを持ってます。 旧Yahooブログから引っ越しました。 お気に入り登録して頂ければお話は読めます。 どうぞ宜しくお願いします。
花沢の邸に戻ると、邸は静まり返っていた。だから、類は自分の部屋に直行した。部屋の前にははな枝が立っていた。「はな枝?」「お帰りなさいませ類様、お食事は如何なさいますか?」「食べて来たから要らない・・・。もう、寝るから・・。」「類様・・その指はどうなさいました?」「何でもない。」「ですが、消毒はきちんとされてますか?」「子供じゃないから・・放っといていい。」「・・・。」「心配しなくても、牧野が絆創膏...
「おい、牧野と類・・食事の用意できたぞ。」あきらの声でお互い顔を見合わせて、それから二人は食堂に向かった。食堂には既に夢乃と双子が席に座って居る。あきらが、席に着き類とつくしに早く席に着けよと言った。「おばさん、今晩はお邪魔してます。食事、俺の分まですみません。」「類君いらっしゃい。あら、そんな事気にしなくていいのよ?食事は大勢の方が楽しいもの。さあ、みんな揃った様だから始めましょうか?」今日の料...
美作邸に着くなり双子ちゃん達の迫力ある歓迎にあい類はチョッとだけ、たじろぐ。類には妹などは居ないから、こんな時対応に困る。「お帰りなさい、つくしお姉ちゃま、あきらお兄さま」「あら、類お兄ちゃまもいらしたの?」絵夢と芽夢は言うが早いか、既に類の胸に飛び込んで甘ったるい砂糖菓子の様な声で甘えて来た。「ねぇ抱っこして、類お兄ちゃま。」「芽夢ずるい・・ねぇ絵夢も抱っこして?」「おいおい、類には二人は無理だ...
あきらは、類を急に揶揄いたくなって態とつくしとの距離を縮めた上に肩に手を置きつくしを抱き寄せる。「ヒャッ・・美作さんどうしたのよ、急に・・」「いや、人が多くなって来たから牧野を男して守る為だよ。」「守る為って‥駅前だから確かに人は多いけどさ・・西門さんじゃないんだからさ、ちょっと近づきすぎだよ。」「牧野は骨折してるんだから、人にぶっかって転びでもしたら大変だろう?」「確かに利き手の右を怪我したせい...
俺の目の前を歩いていく、カップルは牧野とあきら?何故?こんな時間に二人が車じゃなく歩いてるんだ?それも二人だけで?笑ってる?思わず、類はカフェを出て二人の後ろ姿を目で追った。「お客様?珈琲と苺サンドが出来ましたけど?」「あゝ幾ら?」「あの・・?」「悪いけど、これでいい?」「類はポケットからカードを取り出した。」「はい。」「悪いけど、急いで。」「はい・・。」スタッフは苺サンドと珈琲1杯分だけカード払...
気が付けば、類が頼んだ珈琲は既に冷めてた。ボーっとして気が付かなかったが、もう外は暗い。それでも行く宛の無い類は、2杯目の珈琲を頼んだ。「珈琲をお願い、それと悪いけどこれも下げて。」類は店のスタッフに一口も飲んでない珈琲カップを指差す。「はい、お客様こちらの珈琲に何か問題でもありましたか?」口も付けてない冷めた珈琲を不思議そうに見るスタッフに類は「ごめん、何も問題は・・・多分無かったと思うよ‥考え事...
類だって、はな枝の心配が分からない訳では無い。ただ、何と無くだが鬱陶しいと思っただけ。子供扱いされて、腹が立つ‥それよりなにより類の腹の虫の居所が悪かった。落ち着いて考えればその理由が分かる。ー牧野があきらの処に居るーー。それが原因。確かに俺が提案したんだ。牧野にあきらの邸で世話になる事を。・・・・でも、パスポートを作りに行った日に食事に行こうって言った俺の誘いを牧野は断った。平常心を保っては居た...
はな枝の、冷たい目を避ける為に部屋に入ったが何時もの様に、ベッドに横になっても何故か直ぐに眠気が襲って来なくて寝付けない。仕方なくテレビを付けて見たが面白い番組が今日に限って何も無い。類はテレビを消し、リモコンを放り投げた。リモコンは何故か類のお気に入りだった、ベッドの証明器具に当たって割れた。繊細な作りなので高級ではあるが耐久性は皆無だ。イタリアに行った時に買ったものだ。粉々に割れた、照明器具。...
はな枝が怖い顔しているから、自分の部屋に逃げようと思った類だったがはな枝に呼び止められた。「あっ、類様。」ビック!「・・・・なに?」「そんなに、吃驚なされなくても、エマ・ウエストウッグ女史の事ですわ。ビスクドールの修理が無事に終わったので3日後にこちらにお見えになるとご連絡がございました。」「あゝなんだ・・分かったよ。」吃驚した、また何か難題を言って来るのかと思った・・心臓に悪いよな・・はな枝の声...
花沢邸はな枝は、エリカに頼まれた任務を果たす為に花沢家御用達のデパートの外商を呼んでいた。「お嬢様のサイズはこちらで宜しいのですね?」「ええ、そうです。下着のサイズはこれと同じで用意してください。それと洋服は着やすいワンピースがいいわ。でも何処に着て行っても恥ずかしくない物でお願いしますわね。2枚は飛行機に乗るので行きと帰りの長時間のフライトでもしわになり難い素材で、着心地とデザインに気を使ってく...
美作邸に戻ったつくしに最初に声を掛けたのは使用人のミサだった。「お帰りなさいませ、牧野さん。」「ただ今、ミサさん。」「どうかしましたか?なんだか嬉しそうですね?」「えっ?あゝこれ、見てみて?今日初めてのパスポートを持ったので嬉しくて・・・。」「最初のパスポートは嬉しいものですものね?良かったですね。」「へへっ、花沢類が写真館で撮ってくれたから、学生証の写真より3割増し、こんな私でも綺麗なのよ、この...
その日の内に、つくしのパスポートを作りに行く事になった。最初に申請書をダウンロードして未成年のつくしは親の署名が必要だからサインをして貰う為に花沢の人間がそれを先に貰う為に動いた。つくしと類は区役所に行ってつくしの戸籍抄本を取った。翌日、つくしの親にサインを貰った書類を持っていざ、パスポートセンターへ。都内には新宿、有楽町、池袋、、立川にありつくしと類は有楽町に行く事にした。パスポートの写真を撮る...
えっー・・・・この人達って‥何処までお金持ちな訳?そりゃ、私とは違うのは知ってるけど。突然のフランス旅行に便乗ですって?そこら辺の、美術館に行くわけじゃないのよ?行くのは、フランス、フランスなのよ?そんなにビスクドールに興味が或るわけでは無いのに?否・・例え興味があったとしても行くのは海外のフランス。あの、凱旋門やエッフェル塔で有名なフランス。普通、即決で行く?行かないでしょう?なのに・・・皆でフ...
お菓子の話が落ち着いた頃合いをみてあきらが類に聞いた。「類、それでビスクドールの件はどうなったんだ?」「うん、一応あの神戸のエマ・ウエストウッグ女史が近々修理を終えて遣ってくるから、見て貰う。それに、一応その結果がどうであろうが…フランスに持って行く。」「ふぅーん、向こうには目利きの人が揃ってるだろうしな?エマ・ウエストウッグ女史がまた偽物だと言ったとしてもそれはそれだと言う事か?」「うん、そうい...
テーブルの上には夢乃の作った兎のお菓子達と類の持ってきた金沢の老舗限定の和菓子それに総二郎の持ってきた、京都の老舗の兎の羊羹。飲み物は紅茶に玉露それに、総二郎が点てた抹茶。圧巻のラインナップに一同唖然。つくしと双子ちゃんだけが、目を輝かせてる。「類、なんで50個もあの菓子があるんだ?確か1日30個限定の筈。」「総二郎こそ、なんで兎の羊羹持って来たのさ?」実は一番吃驚してるのは俺だよ総二郎、30個だと思っ...
類は美作へと出向いた。牧野に逢いたく無い訳ではないが、用も無いのに顔を出すのは悪いと思って実は我慢してた。仕方なく、邸に居たんだけど・・・はな枝には、嫌々ながらってポーズで受けたけど美作家に行く口実が出来たのは、実は嬉しかったりする。牧野に届けて欲しいと言われたのは、懐古堂で出た求肥の兎の上生菓子に、似たお菓子だった。朝霞堂のは、白あんと丹波栗を丸ごと1個包んである。この兎の上生菓子が特に大人気で...
エリカは機上の人となる前に、はな枝にメールを送信した。エリカからある特命を受けたはな枝は、大きく頷いた。奥様、このはな枝に全てお任せ下さい。何時も様に、自室のベッドに寝ている類の元にはな枝が,やってきた。何時もは類が休んでいる時は、使用人は誰も近づかないのだが・・「類様、奥様から伝言でございます。」「う~ん、なあに?」「起きてくださいませ、これを美作様に届けて欲しいとの事です。」「美作に?母さんが...
エリカがフランス行きの飛行機に乗る前に、連絡したのは夢乃だった。夢乃にビスクドールの事はフランスでの展覧会が終わってから返事をするからと伝え、牧野さんを宜しくと伝えたかったのだ。「夢乃さん、今からフランスに戻るのよ。ビスクドールの事はフランスでの展覧会後にお返事させて頂くわ。」「エリカさん、ありがとう。楽しみにしてるわ。」「それと、牧野さんが夢乃さんのお邸でお世話になってるんですって?類がしっかり...
美作家つくしのお世話をしてくれるのは、ミサと言う27歳の人だ。流石、夢乃さんが選んだこの邸の使用人達は皆スタイルも顔も整っていた。それどころか、聞いた話では皆英語を話せて、護身術を習っているらしい。主人に危険が及んだ時に身を守る為だろうか?「牧野様今日からよろしくお願いします。ミサと呼んで下さい。」「すみません、ミサさんお世話になります。…あの、私は様付けは無しでお願いします。どうも慣れてないので...
エリカは類の話を信じられないと言う顔で聞いてた。「それでは、その懐古堂の会長さんはこのビスクドールが本物だと言うのね?」「・・うん、あゝ名刺を貰った懐古堂の会長で瀬戸一生だって。」類はエリカに名刺を渡す。受取ったエリカは名刺を眺めながら呟く。「それじあ・・あのエマ・ウェストウッグ女史が偽物って言ったのは何故なの?彼女はビスクドールの世界では有名な人なのよ。類、この名刺預かってもいいかしら?」「別に...
類が邸に帰ると、母親のエリカが類の帰りを待っていた。「ただ今、母さん」「お帰りなさい、類。あら、牧野さんは一緒じゃないの?手を骨折したんでしょう?可哀想に・・それで牧野さんはお部屋で休んでるのかしら?」「牧野はあきらの処。」「どうして?牧野さんが夢乃さんの処にいるの?」「俺言って無かった?」「聞いて無いわよ。」「そう、まあどうでもいいじゃない。」「どうでもよくないわよ。私は明日の便でフランスに帰る...
4人を乗せた車は最初は西門の邸に行き、総二郎を降ろすと美作の邸に着いた。あきらが先に降り、つくしに手を貸してくれる。つくしが降りると、当然類も降りて来ると思ったが類は降りて来なかった。「あれっ?花沢類は降りないの?」「あゝ俺は帰って母親に、今日の一応報告があるからね?ビスクドールを持って帰ってどうするのか聞くつもり。牧野を頼んだよ、あきら。」「あゝ任せろ。」「じゃあ、牧野またね?」「…うん、花沢類ま...
懐古堂の会長のビスクドールの蘊蓄はとても興味深いものだが興味のない、類とつくしには退屈な時間。会長がビスクドールの話をしてる間、つくしと類は、兎のお菓子に舌鼓しつつ、お茶を飲んでる。小声で話してるつもりでいるが、皆には全部聞こえてた。「ねぇ、花沢類これ凄く美味しいね。中は白あんで包んであるのは、お餅かな・・?」「うん、兎の形で可愛い。」「花沢類、甘いの大丈夫なんだね?」「うん、可愛いから。食べたい...
皆の前に新しいお茶が出された、今度は日本茶と上品な兎のお菓子。今度も花沢類がくれるかと思ったのに類はその兎のお菓子を手に取った。そして、笑顔で可愛いって小さく呟いた。その顔の方が何倍も可愛いって、つくしの胸がキュンとした。懐古堂の会長が皆の顔を見渡してから徐に口を開く、「このビスクドールの持ち主は‥確か花沢くんでしたね?」「はい、そうです。」「このビスドールは、フランスのブリュと言う作家の初期の作...
ビスクドールをケースから出したのはあきらである。こういう事をさり気なく、出来る処が美作あきらである。類はそれを黙って見てるだけだし、総二郎は会長と世間話をしてる。そして、つくしはというと2個目のお菓子に手を出すかどうか迷っていて目が泳いでる。着物の懐から会長が取り出したのは白い手袋(マイクロファイバー手袋)宝石店で品物を傷つけたり手の指紋を付けない為に店員が嵌めているあれである。総二郎の世間話に相...
その日の午後、皆が美作家に集まり、ビスクドールをケースに入れて銀座にある懐古堂という古い店に出掛けた。7階建てのビル全てが懐古堂のもので、6,7階は個人的なプライベートエリアで5階が事務所と応接室になってる。と総二郎が皆に手短に伝えた。「西門ですが、瀬戸さんを呼んでくれる?約束はしてある。」「これは、西門様ようこそいらっしゃいませ。社長の瀬戸を呼んで参りますので、どうぞ上の階へどうぞ。」エレベーターが...
起きて・・・ねぇ起きて。ツクシ・・夢?それとも・・・幻なの?私を呼ぶのは・・・ビスクちゃんなの?お願い、もう一度だけでいいから私と入れ替わって。私が本物だと分かると困るの。私はフランスに連れて行かれて、もう戻れないかもしれない。ツクシお願い。…いやよ。裸にされて髪を引っ張られて散々な目に遭うなんてそりゃ、ビスクちゃんは可哀想だと思うわ・・・だけど私が今入れ替わっても・・・夢乃さんが信じてはくれない...
夢乃に言われてもピンとは来なかった。生まれつき、つくしの家は人だけは良い両親の元でお金には全く縁のない生活をして来た。だから、感性など持ち合わせてはいないと答えた。F4とは全く違う我が家の懐事情では、感性を磨く等とは、程遠い生活だ。素晴らしい教育の下に生まれて来るのが感性ならば・・・つくしにはそれは皆無である。「つくしちゃんって・・自分の思ってる事が顔に出るのね。」「えっ?私の顔に・・・何か出てま...
顔から火が出るかと思った。花沢類があんな事言うから恥ずかしくて。本当の事だけど・・いつもお得とか一石二鳥とか言ってたのは私だから仕方ないけど‥何も夢乃さんの前で言わなくても。と思った・・でもそれは花沢類が私の事を思って言ってくれたんだと・・何となく皆の気持ちも分かった。意地っ張りな私の性格を知ってるから・・わざと・・きっとそうだ。確かに利き腕を使えない今は、アパートに一人で居てもご飯も作れなきゃ、...
明日ビスクドールを鑑定して貰う事になって、皆はそろそろ自宅に帰ると言い出した。チャンスだ、今言うしかない。「花沢類、私は自分のアパートに帰るね?」「えっ?無理だよ。」「無理って・・でもアパートの事も気になるし・・それに学校だってそれに、そろそろバイト行かないと‥えっと・生活が苦しいのよ。だから、今日からはアパートに帰って・・」「手を骨折してるんだよ?それも利き腕の右手。どうせ、アパートに帰っても一...
夢乃が上機嫌で電話を終えて戻って来た。「エリカさんに電話を掛けたら、ご主人に話してくれるって・・エリカさんは人形には全く興味が無いから、可愛がってくれるなら私に譲ってもいいそうよ。」「マジで?お袋には参るよな・・類のお袋さんも迷惑だったんじゃないの?」「あら、だってあきら君・・このお人形がここに居たいって、目で訴えるんですもの。」「そんな訳ないだろう?人形がそんな事・・・本当にお袋は自分勝手だよな...
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