勇者乙の天路歴程015『川を遡る』※:勇者レベル3・半歩踏み出した勇者「これって、本当に神さまのための……そのぉ……旅なのかい?」「そうだ」前を歩くビクニは振り返りもしないで、木で鼻をくくったような返事。プータレる新米を面倒がりながら敵地に踏み込む少佐のようだ。「じゃあ、なんで……」次の文句をプータレる前に蘇ってしまう。さっきの栞。――おにいちゃん……しおりね……いっぱい夢があったんだよ。よるねるときは、おにいちゃんお母さんといっしょだったでしょ。お母さんのおなかのかわとおしてくっついていたんだよ……ままごとしたかった……おにんぎょさんごっこ……ぴあのっていうのもやってみたかった……おりょうりもしたかったし……かみしばいみたかったし、ひろばでかけっこしたかったし……きょうだいさんにんでひなたぼっことかもし...勇者乙の天路歴程015『川を遡る』