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  • 世界はこうしてできている 美しい物理のしくみ (川村 康文)

    いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。私は高校時代「文系」だったので、「物理」についての素養は今から50年近く前の中学校理科のレベルです。そういう背景もあり、こういった“科学の入門書”には大いに興味をいだきます。本書は、PART1美しい自然現象の物理のしくみPART2美しい人工物の物理のしくみに分かれていて、夕焼けはなぜ赤いのかナイアガラの滝のエネルギーはどれほど凄いのか美しい雪の結晶ができるしくみとはクレーターができるほどの隕石の衝撃とは地球はなぜ回っているのか太陽からは、何が降り注いでいるのか気球はなぜ空に浮かぶラップフィルムには「ファンデルワールス力」がはたらく「落ち続ける」宇宙ステーションのしくみ等々といった身近に感じられるような項目が取り上げられています。写真と図解が豊富で、説明もこ...世界はこうしてできている美しい物理のしくみ(川村康文)

  • 〔映画〕糸

    小松菜奈さんと菅田将暉さんが共演した映画です。中島みゆきさんの「糸」をモチーフにしたオリジナルシナリオとのことですが、正直、映像作品としてはイマイチでしたね。「平成」へのこだわりに納得感が得られず、テーマの一貫性を阻害していたように感じます。観る前の期待値が高かったことは否めないのですが、ともかく予定調和のラストに向かってあれこれとエピソードが盛り込まれ過ぎで、これでもかと右往左往させられた気分です。唯一の見どころといえば、やはり小松菜奈さんですかね。あのピュアな透明感溢れる演技は流石だと思います。糸DVD通常版菅田将暉ポニーキャニオン〔映画〕糸

  • 〔映画〕ゼロの焦点

    松本清張さんの代表作を映画化した作品です。清張さんの作品は、以前そこそこ読んでいたのですが、この作品はこれだけ有名なのにもかかわらず、何故か手に取っていませんでした。なので、映画と原作でどの程度異なっているのかわからないのですが、映画は映画でサスペンス作品としてもしっかりとした出来栄えだったと思います。3人の女優さんはそれぞれ対照的な役柄をうまく演じていましたね。久我美子さんはあのころから落ち着いた雰囲気で違和感はありませんでしたが、出色だったのは有馬稲子さん。健気な明るさをもつ役柄にはぴったりでした。あとは、西村晃さん、加藤嘉さん、壮年期の重鎮の登場シーンもなかなか興味深かったです。<あの頃映画>ゼロの焦点[DVD]久我美子SHOCHIKUCo.,Ltd.(SH)(D)〔映画〕ゼロの焦点

  • 〔映画〕オリエント急行殺人事件~死の片道切符~

    原作であるアガサ・クリスティーの「オリエント急行の殺人」を読み終え、待ったましたとばかりに見た作品です。今まで、映画としては1974年版、2017年版ともに観ていますが、この作品は原作を現代風にアレンジしたという長編テレビドラマです。映画の方はかなり力を入れた作品だったので、その点こちらはストーリーもキャスティングもグレードダウンしているのは止むを得ないところですが、それでも結構予想外に楽しめました。変更した部分も、原作を損なうことなくうまく活かそうという気遣いが感じられて好感が持てますし、出演した役者さんたちも、それぞれの登場人物のキャラクタをうまく演じ分けていました。難しいチャレンジを試みた作品で、その“心意気や良し”ですね。オリエント急行殺人事件~死の片道切符~[DVD]アルフレッド・モリナハピネッ...〔映画〕オリエント急行殺人事件~死の片道切符~

  • 日本のいちばん長い夏 (半藤 一利)

    この時期(8月)には、できるだけ「戦争」を扱った本を読んでみようと思っています。少し前になりますが、半藤一利さんの「日本人の宿題:歴史探偵、平和を謳う」を読んでいて、“太平洋戦争”をテーマにした大座談会の話が登場していました。本書は、その座談会の様子を記した著作です。8月15日を挟んだ終戦前後、様々な立場、様々な場所で同じ時を迎えた30人の人々の証言は、心に留め置くべき真実の吐露でした。それは、読む人の心に、改めて戦争の悲惨さや理不尽さを刻み直すものもあれば、戦争に至らしめた人の無責任さへの怒りや虚しさを思わせるものもありました。たとえば、ポツダム宣言受諾をめぐる8月10日ごろの政権内の様子を振り返ってのやりとりです。(p69より引用)松本俊一(当時、外務次官)終戦工作というのは、要するに、今になると実感...日本のいちばん長い夏(半藤一利)

  • 〔映画〕人間の証明

    1977年公開の角川作品ですから、もう45年も前の話題作です。原作は森村誠一さんの長編小説ですが、プロットやストーリーは、映画化にあたりかなり手が加えられたようです。できあがった作品の方は、正直とても残念な出来栄えだったと思います。織り込まれているエピソードがことごとく表層的で唐突感に溢れ、サスペンスとしてもエンターテインメントとしても全く楽しめるレベルに至っていません。ところどころに登場するワザとらしい演出も逆効果でしたね。その反面、キャスティングは三船敏郎、鶴田浩二、長門裕之、ハナ肇、夏八木勲、伴淳三郎・・・等々錚々たる役者がそろい踏み。かえって作品の質とのギャップが際立ってしまいました。人間の証明角川映画THEBEST[DVD]松田優作KADOKAWA/角川書店〔映画〕人間の証明

  • 〔映画〕キング・オブ・シーヴズ

    2015年、ロンドンで実際に発生した窃盗事件を映画化したものとのことです。観終わっての印象ですが、何とも“中途半端”な出来の作品でした。「実話」という面を重視すると“ドキュメンタリー”としてのリアリティや重厚さを期待するのですが、「老人たちの犯行」という点以外にインパクトはなく、かといって、実話をモチーフにした“映像作品”だとしてもストーリー展開が平凡で全く「エンターテインメント性」が感じられません。マイケル・ケインが主演ということで期待して観てみたのですが、正直なところ大いに残念な作品でした。キング・オブ・シーヴズ(字幕版)マイケル・ケイン〔映画〕キング・オブ・シーヴズ

  • 〔映画〕マリアンヌ

    ロマンティック・サスペンス映画の王道を行くような出来栄えです。こういった過度にセンセーショナルな演出を施していない作品はいいですね。やはり軸となる役者さんがしっかりしていると違います。映像自体に惹き込まれますし、ストーリーの展開にも素直に入っていけます。本作品の場合はブラッド・ピットとマリオン・コティヤール、二人とも流石の存在感だったと思います。特にマリオン・コティヤールは役柄にぴったり、とても魅力的でした。マリアンヌ[DVD]ブラッド・ピットパラマウント〔映画〕マリアンヌ

  • ナイルに死す (アガサ・クリスティー)

    ちょっと前に映画「ナイル殺人事件(1978年版)」を観ました。最近もまた映画化されたようで、そうなってくると、やはりアガサ・クリスティーの「原作」を読んでみようという気になってくるのです。ということで、いつも行く近所の図書館から文庫本を借りてきました。ネタバレになるとまずいので、内容には触れませんが、読み終わっての印象は、彼女の代表作のひとつということもあり、流石にしっかりとした構成の密度の濃い作品だと感じますね。少々欲張り過ぎのような印象を与える枝葉のエピソードも、物語の展開の中できちんと丁寧に回収しています。映画の方も、結構、原作に忠実に作ってあるようです。最後、オリエント急行殺人事件と同様に、関係者が一堂に会した場でエルキュール・ポアロが謎解きを披露するのですが、これは映画ならではの演出でした。ちな...ナイルに死す(アガサ・クリスティー)

  • 〔映画〕アメイジング・スパイダーマン2

    ちょっと前に「アメイジング・スパイダーマン」を観たので、その流れで続編にもトライしてみました。出来栄えはといえば、本作も2作目のジンクスに引っかかったようです。1作目との連続性が濃いプロットとストーリーで、その点はいいチャレンジで好感が持てるのですが、如何せん敵役のキャラクターに問題ありでした。登場背景もスパイダーマンに対峙する動機も説得力に欠けていて意味不明です。また、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズとしては、この二作で完結させるということだったらしく、ヒロインを悲劇的結末に至らしめたのは大いに残念でしたね。それだけに、本シリーズでのエマ・ストーンの存在感は抜きん出ていたということでしょう。アメイジング・スパイダーマン2アンドリュー・ガーフィールド〔映画〕アメイジング・スパイダーマン2

  • 〔映画〕ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ

    以前に観た「ヴェノム」の続編です。やはり、私は、この手の特にアメリカ映画でありがちな“造形”は好きではありません。主人公にも親しみや魅力は感じませんし・・・。それに加え、ストーリーにも何の物語性もないので、観終わっても全く気分が良くないのです。まあ、マーベル・コミックのキャラクタ映画なので話題にはなるでしょうから、今後も続編があれば観るだけは観ると思いますが・・・。そういう点では“興行的”には成功している作品といえるのかもしれません。ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジブルーレイ&DVDセット[Blu-ray]トム・ハーディソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ

  • 〔映画〕監視者たち

    久しぶりの韓国映画です。追うものと追われるもの、シンプルな対立の構造のストーリーですが、シーンの切り替えがテンポよくスピーディーで観ていて心地よい緊迫感を感じました。また、新人刑事の成長物語でもあるので、その新人刑事役の役者さんのキャラクタも本作の印象を大きく左右するポイントだと思うのですが、この点は大正解だったと思います。演じたハン・ヒョジュさん、ひとつひとつの表情がキラキラしていました。とてもよかったですよ。全体的な作品の雰囲気は一昔前のノリでしたが、結構楽しめた作品でしたね。監視者たち通常版[DVD]チョン・ウソンTCエンタテインメント〔映画〕監視者たち

  • 札幌殺人事件 (上・下) (内田 康夫)

    いつも利用している図書館で、この暑い日々の中、気楽に読めるサスペンスものはないかと探していて目に付いた本です。内田康夫さんの小説は、かなり前に結構集中して読んだのですが、この作品は抜けていました。今回の舞台が私の大好きな街「札幌」ということで、躊躇なく借りてきました。数年前、仕事の関係で、2年間にわたりほぼ毎週札幌出張をしていたので、札幌の街には特別の思い入れがあります。また、そういった経緯から、わずかですが土地勘もあるので、光彦が訪れる街並みや通りの姿をなんとなくイメージしながら楽しむことができました。ネタバレになるとまずいので、内容には触れませんが、この作品は、内田さんの「浅見光彦シリーズ」の中では、比較的オーソドックスで“硬派”な印象です。登場人物にまつわる伏線をしっかりと回収していく丁寧さがいいで...札幌殺人事件(上・下)(内田康夫)

  • 〔映画〕アメイジング・スパイダーマン

    このところ改めて「マーベル・コミック」系の映画を観直しています。この作品も観るのは2・3回目だと思いますが、エンターテインメント作品としては、無難なハイレベルの出来ですね。ストーリーは比較的シンプルですが、節々のエピソードがとても効果的です。特に、伏線の回収でもある終盤の「クレーン」のシーンは、よく思いついたものだと思います。あとはキャスティング。白眉はマーティン・シーンとサリー・フィールドです。主人公の心のよりどころとしての“家族”をベテランの存在感で見事に描き出していました。そして、エマ・ストーン。ラストシーンの表情は最高でしょう。私の好きな女優さんのひとりです。アメイジング・スパイダーマンアンドリュー・ガーフィールド〔映画〕アメイジング・スパイダーマン

  • 〔映画〕恋におちたシェイクスピア

    久しぶりにDVDを借りてきました。観るのは3・4回目かもしれません。比較的評価は高い作品ですね。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をモチーフに、流石によく練られたストーリーだと思います。そして、この作品の華は、やはり何と言っても「グウィネス・パルトロー」ですね。少年っぽさも漂わせつつの自然な輝きは、彼女ならではでしょう。最近の作品でもそういったキャラクタが活きています。私が大いに気になっている女優さんのひとりです。あと、忘れてならないのが「ジュディ・デンチ」。彼女の“イギリスの女王”役は、まさにはまり役ですね。恋におちたシェイクスピア[DVD]グウィネス・パルトロウユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン〔映画〕恋におちたシェイクスピア

  • 〔映画〕ハスラー

    かなり以前に、本作の続編「ハスラー2」は観たことがあります。ただ、本作と25年もの年月の隔たりがあって、続編といってもポール・ニューマンが出演していること、ビリヤードが舞台になっていること以外につながりはありません。作品のテイストも全く違います。この第1作目、どうにも“暗い”ですね。本作のヒロインのサラの活かし方はもっとあったと思います。あの結末ではやり切れなさが残ります。致命的なのは、主人公にまったく魅力が感じられないことです。そもそものプロットの甘さのせいだと思いますが、“人間的には未熟な腕のいいハスラー”というだけではマズイでしょう。ラストも、想定内の展開で、何とも雑なエンディングでした。ハスラー[DVD]ポール・ニューマン20世紀フォックスホームエンターテイメント〔映画〕ハスラー

  • 横浜中華街 ―世界に誇るチャイナタウンの地理・歴史 (山下 清海)

    いつも利用している図書館の新着本の棚を観ていて目に付いた本です。ちょっと前、横浜中華街の聘珍楼閉店のニュースが流れました。今から30年以上前、結婚して最初の社宅が横浜(南区)で中華街まで歩いて行けるところでした。20数年前、神奈川支店勤務時のオフィスは中華街そばのビルでした。その後も時折訪れることがあり、中華街は私にはとても馴染みのある街です。その中華街をテーマにした解説本ということで手に取ってみました。あれこれと興味を惹いたところがありましたが、そのいくつかを書き留めておきます。まずは、「はじめに」に記されている「横浜中華街の特徴」です。(p17より引用)まずチャイナタウンとしての横浜中華街の規模は、サンフランシスコやニューヨーク・マンハッタンのチャイナタウンには及ばない。しかし、世界のチャイナタウンの...横浜中華街―世界に誇るチャイナタウンの地理・歴史(山下清海)

  • 〔映画〕キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

    「マーベルコミック」のヒーロー「キャプテン・アメリカ」の実写版です。ちょっと前に、第1作目の「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」を観ましたが、本作品はその続編です。第2作目は第1作目に比べてレベルダウンするのが通常ですが、本作はよくできていたと思います。大体のストーリー展開は誰もが予想できるものですが、そういった素直なつくりは、今時貴重です。奇を衒わず正攻法のエンターテインメント作品に仕上がっていますね。戦闘シーンも、過度にセンセーショナルな映像はなく、それでいて充分迫力のある絵になっていました。本シリーズの大きな成功要因は、正邪、敵味方をはっきりさせた登場人物の明確な性格付けにあるように思います。主人公は徹頭徹尾“いい人”です。そして仲間たちも“爽やか系”です。今回は「ナターシャ・ロマ...〔映画〕キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

  • 〔映画〕とんび

    重松清さんの新聞連載小説の映画化版です。阿部寛さんが演じる主人公のキャラクタを受け入れられるかどうかで、作品の好悪が決まるでしょう。私の場合はダメでした。ストーリー展開も、細々としたエピソードを盛り込み過ぎているようでどうにも落ち着きません。最後の方のエピソードも唐突感満載で不自然さを感じてしまいました。キャスティング面で言えば、主人公役の阿部寛さんはともかく、北村匠海さんは正直ちょっと合わなかったですね、年相応のシーンは無難でしたが、高校生時代や最晩年のころの写りにはかなり無理がありました。半面、薬師丸ひろ子さんは流石の安定感、あと出色だったのは安田顕さんと大島優子さん。この二人の細かな神経の行き届いたさり気ない演技は見事でした。とんびDVD(通常版)阿部寛バップ〔映画〕とんび

  • 〔映画〕サヨナライツカ

    原作は辻仁成さんの小説です。好みの問題ではありますが、こういった“現実感のないいい加減な主人公”が登場する話には全く入っていけません。個別のエピソードも“わざとらしさ感”満載で、これまたいただけないですね。空港のシーンとかは有り得無いでしょう。このあたり、原作がそうなのか、映画化した時の演出がそうなのか・・・。こういうグダグダのストーリーの収束もお決まりのパターンで、これにも閉口です。その中で、主役を演じた中山美穂さん、メリハリの利いた立ち居振る舞いで良かったと思いますね。女優さんとしての力量は確かでした。サヨナライツカ[Blu-ray]中山美穂アスミック・エース〔映画〕サヨナライツカ

  • 〔映画〕東京リベンジャーズ

    人気コミックの実写版ですが、先日地上波で初放映されたので観てみました。コミックの原作もアニメも見ていないのですが、映画の方は“今ひとつ”でしたね。タイムトラベルものですが、そのプロットはあまりにありふれていますし、ストーリー自体にも惹かれるところはありません。キャスティングは、当代の人気若手俳優のみなさんオールスター登場といったところで、そこだけは異様に豪華でしたね。主役の北村匠海さんを除いて、山田裕貴さん、磯村勇斗さん、間宮祥太朗さん、吉沢亮さん・・・と並ぶと、NHKの朝の連続テレビ小説の同窓会のようです。東京リベンジャーズスタンダード・エディション[DVD]北村匠海TCエンタテインメント〔映画〕東京リベンジャーズ

  • 幕府軍艦「回天」始末 (吉村 昭)

    吉村昭さんは私の好きな作家のひとりで、かなり以前には集中して何冊か読んでいました。今回、まだ読んでいない作品が、いつもの図書館の新着本リストの中に並んでいたので手に取ってみました。吉村さんの作品の中では、比較的軽めですね。幕末から明治維新期が舞台。函館に渡った旧幕府軍と新政府軍との一連の戦い(戊辰戦争)におけるエピソードのひとつを取り上げたものです。小説なのでネタバレになるような引用は避けますが、精緻な取材に基づくノンフィクションを基本としつつも、「表現者」としての吉村さんの非凡な筆力を示すところを書き留めておきます。新政府軍艦艇との戦闘に向かう「回天」が、中継地のある湾内に進んでいった場面です。(p91より引用)不意に、甲板上の者たちの間からどよめきに似た声が起った。かれらの視線は、一様に湾をかこむなだ...幕府軍艦「回天」始末(吉村昭)

  • 〔映画〕天河伝説殺人事件

    ちょっと前、久しぶりに内田康夫さんの「浅見光彦シリーズ」の文庫本を読んだので、映画もと思い観てみました。何年かぶりですが、この作品ももう3・4回は観ているかもしれません。ともかく、映画になってしまうと出演する女優さんのラインナップを観ただけで「犯人」はわかってしまうので、楽しみの幾何かは失われてしまいます。さらには、角川作品で、市川崑監督、岸恵子さん、石坂浩二さん、加藤武さん・・・と並ぶと、どんな原作も“横溝正史シリーズ”になってしまいますね。音楽の使い方も似ていますし・・・。しかしこの作品、浅見光彦の愛車が「ジャガー」なのは頂けませんね。ここは絶対「ソアラ」でないと。天河伝説殺人事件[DVD]榎木孝明KADOKAWA/角川書店〔映画〕天河伝説殺人事件

  • 〔映画〕青空エール

    少女向けコミックの映画化です。プロットやストーリーは、この手の作品の王道中の王道を歩んでいる“テッパン”ものです。なので、個々の作品の個性はキャスティングに表われるわけですが、ここに登場する役者のみなさんも「年齢」というフィルタを通すと、結局、いつも同じような顔ぶれということで落ち着いてしまうのです。そして、作品のキャラクタに当てはめていくとさらに主要キャストのパターンが絞られて、まさに何を観ても同じということになるんですね。なので、注目はむしろ脇役陣に移って、私にとっての本作の見どころは「上野樹里さん」でした。同じ“音楽”がモチーフになっている映画「のだめカンタービレ」でのキャラを思い出しては、微笑ましく見入ってしまいます。青空エールDVD通常版土屋太鳳東宝〔映画〕青空エール

  • 〔映画〕ムーンフォール

    劇場公開の予定だったのが、AmazonPrimeVideoでの配信に変更された作品とのことです。この手のSF映画は、その構想が大胆であればあるほど当たり外れは“賭け”になりますね。その点では、正直なところこの作品は「ちょっと、やっちまったなぁ」といった印象です。まずは、意味不明な“黒い物体の群れ”がマズかったですね、メカニカルな造形に徹した方がよかったと思います。また、ストーリーも、家族愛と脱出譚とヒーローの活躍といった手垢に塗れたお決まりの展開で目新しさはなく、大災害の映像も今までのディザスターものと全く変わり映えしません。期待のハル・ベリーも、輝きをみせるようなシーンに恵まれませんでした。残念です。ムーンフォール(字幕/吹替)ハル・ベリー〔映画〕ムーンフォール

  • 〔映画〕恋に落ちたら…

    ロバート・デ・ニーロの芸域の広さは衆目の一致するところです。この映画が批評家から高評価を得ているところをみると、本作の主人公のようなキャラクタも“彼の得意とする役どころ”のひとつなのかもしれません。ただ、私にはまったく響きませんでしたね。さらには、物語の展開がどうにも不自然で、登場人物のプロットも中途半端な感じがします。キャスティングについて強いて言うなら、ビル・マーレイはまずまずの安定感、ユマ・サーマンは魅力的ではありますが、この作品では今ひとつでした。ともかく、私にとっての「ロバート・デ・ニーロ」は、こういった煮え切らないタイプではないのです。恋に落ちたら…[DVD]ロバート・デ・ニーロユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン〔映画〕恋に落ちたら…

  • ピンピン、ひらり。: 鎌田式しなやか老活術 (鎌田 實)

    いつも聞いている大竹まことさんのpodcastの番組に著者の鎌田實さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。鎌田さんの著作は今までも何冊も読んでいるので、だいたいの内容は想像できるのですが、とはいえやはり最新刊の現物にもあたっておこうと思った次第です。で、読み通してみての印象。いつもながらの鎌田さんのアクティブな姿勢は健在でしたが、正直なところ、新たな気づきは特にありませんでした。鎌田さん自身の入院治療体験を踏まえた「老い」との付き合い方や、第二、第三の人生にチャレンジしている方々の生き様が紹介されています。この本でも、「自分のやりたいことを見つけて、自由にやっていきましょう」という鎌田さんのメッセージは不変です。ただ、私のような視野も狭く経験にも乏しい人間の場合は、そもそも「自分のやりたいこと...ピンピン、ひらり。:鎌田式しなやか老活術(鎌田實)

  • 〔映画〕優駿 ORACIÓN

    今から35年近く前の作品です。当時のベストセラー小説を映画化したものですが、物語そのものよりも、競走馬の育成を取り巻く裏方の様子の方が興味深かったですね。この映画、エンターテインメント作品としては平凡だと思います。プロットにもストーリーにも際立って光るところは感じられませんでした。ただ、ワキを固めた役者さんはものすごいラインナップです。仲代達矢さん、緒形拳さん、平幹二朗さん、石坂浩二さん、田中邦衛さん・・・。しかしまあ、超大物の役者さんたちは、芝居がかった芝居をものの見事に演じますね。ひと昔前の日本映画の凄さを感じる作品です。その歴々の中で、斉藤由貴さんはよかったですよ。撮影当時は21~22歳のはずですが、ちょっと驚きました。まあ、このころにはすでにNHK朝の連続テレビ小説(はね駒)の主役もやっていたので...〔映画〕優駿ORACIÓN

  • 〔映画〕ブレイブ 群青戦記

    例のごとく人気コミックの実写版です。これも「タイムトラベル」ものですが、“戦国時代への時間移動”というのは使い古されたプロットですね。まあ、この手の作品で「ストーリー」の是非を話題にするのは意味がありません。とはいえ、「エンターテインメント作品としては」といえば、無意味な戦闘シーンが延々と続くのには閉口ですし、高校生が主な登場人物であるにも関わらず、救いがない展開や過度に刺激的なシーンがあまりにも無造作に織り込まれていて・・・。ともかく、シナリオや演出の意図がわからない作品でした。ブレイブ-群青戦記-DVD(特典DVD付2枚組)新田真剣佑東宝〔映画〕ブレイブ群青戦記

  • 〔映画〕orange

    人気コミックの実写版とのこと。「少女コミック」が原作である以外、考えられないような映画です。「未来の自分からの手紙」というプロットはなかなか面白いですし、タイムトラベルものとして「時間軸の矛盾」を“パラレルワールド”での話と簡単に割り切ってしまう潔さもいいですね。映画化に伴い、大所で原作に手を入れたようですが、私の好みを言えば、そこは原作のままだった方が良かったように思います。とはいえ、ここまで“無邪気なHappyEndの青春物語”に仕立てられると、とやかく言うこともありません。orange-オレンジ-DVD通常版土屋太鳳東宝〔映画〕orange

  • 〔映画〕グリーン・ゾーン

    マット・デイモンはこういったタイプの軍人役を結構演じているように思います。(ブラッド・ピットやレオナルド・ディカプリオと混同しているかもしれませんが・・・)アメリカのイラク侵攻の一側面を描いた作品ですが、フィクションかノンフィクションかはさておき、こういった内容の映画がエンターテインメント作品の装いで一般公開されること自体が、ある意味驚きです。もちろん、こういったスタンスの作品も、内容が正しい方向のものでないと大きな危険を孕んでいるわけで、そのあたりの判断や受け止め方はとても悩ましいものがありますね。映画のラストは、マスコミに委ねた形で終わっていますが、さて、このあとどのくらいのマスコミが動いたのでしょうか?グリーン・ゾーン[DVD]マット・デイモンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕グリーン・ゾーン

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