若気の至り

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「潮」投稿選外粋がった幸せ詩のように書いてみよう十八歳の夏就職試験の面接があった予め提出する履歴書には当時は「宗教」欄があった親父は「嘘も方便や」「なし」と書けと言った嘘は嫌だと「粋がった」ありのままを書いた当日試験官はその「宗教」を攻めるかのように質問してきたそこでも「粋がって」返答したそのうち反論になった後日届いた結果「落ちた」大手の電機メーカーだった次に受けようとしたのは地元の地方新聞社だったスポーツ記事を書ける仕事そう思っていたが面接数日前に「高卒では記事は書けん輪転機の世話をするだけ」と聞いた担任を通じて断ったがひどく怒られその後の新しい会社紹介は遅かった「熟慮」という言葉を知らなかった夏も終わるころ決まった就職先は地元からは遠く翌春一人上京したただ良き上司同僚に恵まれたそこで出会った好い人と結婚し愛...若気の至り