「お弁当」の想い出
『ランチ・ボックス』「お弁当」という言葉からくる少年時代の母親や、学校仲間との想い出は、あまり覚えていない。会社に勤め、三十歳台後半から五年間余を駐在員として米国で暮らした時期の「お弁当」に楽しかった想い出がある。オハイオ州の小さな町に百人足らずの会社がスタートした。日本からの駐在員は丁度十人だった。広い喫茶室はあったが、食堂ではなく、昼食は、現地メンバーは各々が用意して来たホットドックのようなものを食べ、日本人スタッフは、近くのバーガー・ショップに出掛けていた。ただ、その中に一人、毎日、筒状のランチボックスを持ってくる人がいた。ご飯、おかず、みそ汁、漬物の容器が四段に積み重ねられており、それらを取り出し並べると、温かいまま、自宅の食卓のようになった。健康を考えると、絶対これがいい、という奥様の気持ちからだとい...「お弁当」の想い出
2021/10/05 08:59