花より男子二次小説、類つくです。 類とつくしの恋物語。 悲哀、ほのぼの、でも最後はハピエンで!
縁(えにし)& 命短し恋せよ乙女を投稿中です。
花沢物産社長室 「林です、野坂夏花を連れて参りました。」 「入って。」 「失礼致します。」 「・・・林部長はもう結構ですので・・。」 社長秘書がそう告げると頭を下げて林部長が出て行った。 「野坂さん、そこに座って。」 「はい。」 「ねぇ、こ...
既に就業時間は過ぎていて、着替えて帰宅する者達がいるなか 白いワンピースに着替えた野坂夏花は 念入りにパウダールームで化粧直しをしていた。 「あっ、野坂さんこんな処に居たんだ。 帰ったのかと思ったわ。秘書課の部長がお呼びよ?」 「林部長が?...
花沢物産では大騒ぎになっていた。 「社長の奥様が非常階段から落ちたって・・。」 「ええ、確か奥様って妊娠中よね?」 「でも、何故非常階段なの?」 「さあ・・でも社長が付き添って救急車に乗って行かれたから・・ すぐに情報は入るでしょうけど・・...
野坂夏花side 鏡よ鏡よ鏡さん‥世界で一番美しいのはだあれ? それは、私・・夏花よ。そうよ‥この私。 ふふっ、5歳の頃幼稚園に大嫌いな女の子がいた。 同じ組の 広瀬ありさという子だった。 外交官の娘でピアノを習ってて、日本人なのにフランス...
食事を類と食べ終わると、類に秘書から電話が掛かり、 類と別れて、部屋に戻る前につくしは化粧直しにトイレに向かう。 ううっ、食べ過ぎた・・。類があれもこれもと 私のお皿に入れて食べろ食べろと煩いから、思わず全部食べちゃった。 類は結局殆ど口に...
花沢物産 つくしは、溜まっていた仕事の書類に目を通した。 殆どが契約書に不備が無いかのチエックである。 経理から届いた、監査報告のチエックもあるから 午前中は忙しかった。 「花沢先生もうお昼ですよ?」 「あら、もう12時過ぎてるの?早い・・...
花沢物産 「社長の奥様が今日はいらっしゃってるらしいわね?」 「ええ、野坂さん。気になります?」 「別に、私は・・。」 「社長の奥様ってお綺麗ですよね?・・あっ知ってます?」 「何を?」 「奥様が2人目を妊娠されてるらしいですよ?」 「それ...
その日、杏璃の父親はいつもより早く帰宅した。 「ただいま、杏璃。あれ?今日は花沢さんの処には行かなかったのか?」 「うん・・。りんちゃんのママお迎えに来なかったから。」 「そうか・・じゃあ今日は使用人さんが迎えに来たのか?」 「うん、りんち...
あれから・・・。 杏璃は元のバレイ教室に再び通う事になった。 今までは母親の杏子が、仕事の無い時だけ送り迎えをしてくれたが 今は1人でバスで通っている。 りんはいつも、ママか使用人の誰かが迎えに来てくれる 杏璃はりんが羨ましかった。 杏璃は...
杏璃は、マカロンというお菓子の美味しさに 夢中になった。 今までこんな美味しいお菓子など食べた事が無い。 クッキーやケーキとは違う上品な口に広がる サクサクふわふわが癖になる。 子供でもこの美味しさは分かる。 杏璃は3つ目のマカロンを頬張り...
久我の別荘 「おじ様、突然伺って申し訳ありません。」 「何を言ってるんだ?娘や孫が遊びに来てくれたんだ、嬉しいよ。」 「おじ様に紹介したくて、類お願い。」 「んっ?子犬か?」 「はい、友人達がルークが死んで寂しいだろうからと・・ 名前はシェ...
杏璃はもう、両親の事などどうでもいいと思った。 杏璃は前のバレイ教室を続けたかった。 先生の事も好きだった、仲良しのお友達もいた。 先生はいつも杏璃を褒めてくれていた。 発表会にはいつも主役にしてくれてた。 ママは千葉に行けば、もっと良いバ...
209話を修正していますので読み返してこちらを読んでください。 少しお話を変えてみました。 杏璃の家族sideのお話 類達が帰った後 「おい、杏子お前俺と別れて杏璃を育てて行く自信があるのか?」 「それは、私も仕事を始めるわ・・そうすればど...
サンドイッチで休憩を取って、片付けてから杏璃の家へと向かう。 杏璃の母親の実家は御宿の海で 釣り船屋を営んでいるらしい。 野田屋という名前まで類は調べてくれていた。 月の砂漠通りを右に上がった場所にその店はあった。 近くまで車で行ってみたら...
花沢邸の庭 「しぇり〜こっちだよ。」 「キャンキャン」 子犬の名前はシェリ、フランス語で「愛されるもの」という意味だ。 色々調べて、フランス語にしたのはりんが習ってる事もあり 意味を知って、りんがこの名前に決めたのだ。 特注で作らせた首輪は...
今日はりんの大好きなバレイのレッスンだ。 つくしが一緒に見学しに来てくれると聞き りんは喜んだ。 真新しいレッスンの着替えのレオタード、とシューズはサイズも丁度良く りんの好きな色だった。 更衣室で着替えて、つくしはりんの髪を手早くシニョン...
暑中お見舞い申し上げます。 暑い毎日が続いています、台風がお盆にやってくるようですね。 皆様くれぐれも気を付けてお過ごしください。 本題に入ります。 こちらのブログが終了する事になり、9月1日には 新しく投稿が出来なくなると本日ヤフーから連...
その夜、りんはなかなか寝付けなかった。 妹か弟が自分に出来る事も嬉しかったが、あの子犬を飼える事も嬉しかった。 その日りんは不思議な夢を見た。 夢の中にルークが出て来て、砂浜でボール投げをして遊んでいる。 ママやパパも傍に居て、あの子犬もい...
庭にある、犬用の足洗い場はルークの為に作られたものである。 大型犬用だから、子犬には大きすぎる。 ブラシやシャンプーも完備してある。 りんはルークのお世話を良くしてたので、犬の足を洗うのも慣れたものである。 シャンプーで洗ってタオルで拭く、...
花沢邸 幼稚舎から戻り、りんはバイオリンのお稽古と英語のレッスンを終えた。 毎日それなりに忙しくて、りんには遊ぶ時間も無い。 明日はりんの大好きなバレイのレッスン日だ。 明日のレッスンはそのまま、幼稚舎から直行なのでりんはバレイの道具を自分...
翌朝 「類、・・やっぱりあの子犬・・躾もされてた・・。 トイレシートでちゃんと出来たの。 道明寺達がやっぱり・・購入して連れて来たんだろうね?」 「そう・・。」 「ふっーどうしたものかしらね?」 「んっ?」 「だって、飼い主は現れないだろう...
東京メイプルホテル最上階 特別VIP室 「ねぇ・・司・・私達がつくしにした事って・・お節介だったよね?」 「滋お前らしくねぇな?」 「だって・・つくしがもう犬は飼いたくないって・・泣いてた。 私は小さい頃から日本や海外生活が長くてさ・・ペッ...
夜になると司達が子供達を迎えに来た。 丁度食事の時間で子供達も大人達も、花沢のダイニングで食事中。 「子供達が世話になったな、類。」 「司、今一番忙しい時なんじゃないの?噂に聞いてるよ、 新しい大プロジェクト・・日本に来てる暇なんかあるの?...
久我薫から、ルークの墓が出来たと連絡が来たのは ルークが亡くなって3週間後の事だった。 丁度1か月目に納骨を決めて 類とつくしそしてりんは、再び御宿へと向かった。 久我の別荘の庭に建てられた、ルークのお墓は ルークの顔と虹がレリーフで描かれ...
司御一行様が、まず向かったのは九州にある鹿児島県 犬のブリーダーが居るのは、温泉で有名な指宿市だった。 山の麓に位置する、高原の近くにブリーダーの住む家がある。 自宅と大きな犬舎が建てられている。 数日前に産まれたばかりだと言う子犬を見せて...
総二郎夫婦と司夫婦が、あきらの邸に集合した。 先にNYから司夫婦が来ていた。 「総二郎、優紀さんいらっしゃい。」 「あきら、久しぶり元気そうだな?」 「ご無沙汰してます、お邪魔します。」 「よぉ、司よく時間が取れたな?」 「あゝ、滋が秘書に...
ルークの死から2週間が経とうしている。 つくしはあれから元気が無い。 その事は、美作家や西門家そしてNYの道明寺家でも知れ渡った。 「滋さん桜子です。先輩の処のルークが老衰で亡くなったってご存知ですか?」 「ええっ、ルークが死んじゃったの?...
つくしはいつまでも、ルークの亡骸から離れなかった。 いや、離れられなかった。 段々ルークの温もりが消えて行くのをつくしは 現実だと捉えられないでいる。 今朝まで、ここで元気に・・いや元気ではなかったが直ぐに逝ってしまう程 身体が悪かった等思...
つくし達が出掛けて暫くして、雅恵はルークの様子がおかしい事に気付いた。 「旦那様、ルークの様子がおかしいのですが。」 「おかしい?何処がおかしんだ?」 「それが、息が辛そうです。」 「雅恵さん、動物病院に電話して直ぐに診察に来てくれないか聞...
午後から東条先生のお宅に行く事を薫に伝える。 薫は快く出掛ける事を許した。 「お世話になったのだから、それはちゃんとお礼もしなければね?」 「はい、おじ様。」 「ママ、るーくはいっしょじゃないの?」 「ルークはお留守番ね。ここから上り坂だし...
翌朝、つくしは朝早く目が覚めて散歩に出た。 りんや類はまだ夢の中である。 いつもなら、ルークが一緒に行くのだが、ルークも起き上がらずに眠っている。 坂を下り潮風に吹かれながら、ゆっくりと海を眺める。 水平線の向こうから朝日が昇って行くのを眺...
御宿に近づくにつれ、海の潮の匂いが風と共に運ばれて来る。 眠っていた筈の、ルークがクンクンと鼻を鳴らす。 「ルーク、御宿の海よ・・久しぶりでしょう?」 「つくし、海でちょっと遊んで行く?」 「そうだね・・うん・・宜しく。」 懐かしそうにルー...
久我の別荘に行く日 類が用意した車はランドクルーザーだった。 「類、これどうしたの?」 「海だし・・こういう車の方が動きやすいでしょう?」 「でも、なんか類には似合わない。」 「だから黒じゃなく白にした。いかついけどこれならどうにかなるんじ...
その日 心配になったつくしは、ルークを連れて動物病院に連れて行く。 「どうしました?」 「最近、散歩を嫌がる様に・・それに食欲も無くて・・。」 そこの院長先生が、ルークを診終わるとつくしに告げた。 「もうシニアだし・・老化現象でしょうね・・...
あれから数日後 優紀からつくしに電話が掛かって来た。 いつより明るい声の優紀に、つくしは総二郎と仲直りしたんだと 直ぐに気付いた。 総二郎があの夜から熱を出して数日仕事を休んだ事を聞き その翌日に祐一郎も熱を出して、そして優紀まで熱を出して...
総二郎が話を終えようとしている、優紀は何故か急に寂しさを覚えた。 目の前の珈琲に総二郎が口を付けないのを見て 優紀は新しい珈琲を淹れようと立ち上がる。 すると総二郎が優紀に声を掛けた。 「珈琲ならもういい・・何だか体調が悪くて・・」 「お熱...
優紀が珈琲を淹れて総二郎と自分の前に置く。 その横に常備薬の風邪薬と水の入ったグラスが置かれた。 「あゝありがとう。」 「先にお薬飲んでください・・お熱計りますか?」 「いや・・いいよ。」 総二郎は自分で額に手を当ててそれを断った。 微妙だ...
重苦しい空気の中、優紀が耐え兼ねて部屋の窓を開ける。 涼やかな風が部屋の中をすーぅと通っていく。 優紀は大きく深呼吸した。 「・・優紀、俺はお前を裏切ってはいない・・だが隠してた事が 裏切りとなるなら・・俺は優紀を裏切ったんだ・・ 悪かった...
優紀は黙ったまま、総二郎が話すのを待っている。 だが総二郎は何を話せばいいのか分からないまま 離婚届をただ見つめていた。 「お家元?」 「なあ、お前が俺を家元って呼び始めたのはいつからだった?」 「・・・西門ではそういう仕来りだと教わりまし...
総二郎が西門に仕事を終え戻ると、優紀は自分の部屋で片づけをしていた。 「優紀は?」 「家元お帰りなさいませ。若奥様はお部屋の方のいらっしゃいます。」 「そうか分かった。」 総二郎が部屋に入るが優紀はそこには居ない、祐一郎の部屋を覗いてみるが...
総二郎がやっと口を開き、自分が三人の女性と浮気したと言う 事情に付いて、つくしに話をした。 大人しくつくしは、総二郎が話している事を聞いていた。 「じゃあ・・浮気って・・。」 「あゝ実際に何も無かった・・・だが、優紀には真実は言えない。 あ...
つくしが西門を出た同じ頃、優紀は西門の車で戻って来た。 西門の運転手が、花沢の車が出て行くのを停止して先に行くのを待った。 運転手同士が会釈する。 後部座席に乗っていた、優紀はその時は気付かなかったが 車窓に見慣れた、黒塗りの車が映り込...
つくしは、二人の話を聞くと決めたのだが どちらと先に話せばいいのか考えた こういう事は順番を間違えてはいけない。 優紀の性格は子供の頃から良く知っている、 自分と同じで優紀も 一途な思い込みが激しい一面を持ち合わせている。 ここは総二郎に先...
翌日、会社と幼稚舎に行く類とりんの二人を見送り つくしは、優紀に電話を掛ける。 プライベートの番号に掛けたが通じない。 10時過ぎた頃今度は西門に電話を掛けた。 生憎、優紀は西門流の仕事で留守にしていた。 だが前家元夫人である総二郎の母が ...
皆が帰って、りんとつくしと類は夕食を食べて仲良く3人でお風呂に入る。 髪を乾かし合いながら、パジャマに着替えて ベッドに入る。 「りん、今夜はママ達と一緒に寝ない?」 「・・・でも・・。」 「どうかした、嫌なの?」 「ううん、そうじゃないけ...
食事が終わると、後片付けを使用人に任せて皆でお茶の時間になった。 「ねぇ、さっき皆で何を話してたの?」 「あゝ・・それは・・。」 「ママ、あのね・・たくまとあおとのおうちに、赤ちゃんが来るんだよ。」 「まあ、本当?おめでとう、滋さん、道明寺...
大人たちは一瞬息を呑む。 戸惑いそして顔を見合わせる。 類がりんに優しく聞いた。 「りん、何故そんな事を知りたいの?」 「だって・・あのね・・」 そこへ逞と碧斗が息を切らして走って来る、その後に遅れて祐一郎もやって来た。 「ハァハァ・・、り...
不思議だった、りんを抱きしめた瞬間今まで忘れていた全てが 全てのピースがピッタリとつくしの頭の中で嵌った。 記憶が全て戻ったのだ。 「りん・・大きくなったね?」 「ママ・・」 「もう、どこにも行かない・・ずっとずっと・・りんと一緒に居るわ。...
類と寝室に戻ったつくし。 だけど、なかなか寝付けない。 明日の朝、本当に今までの事を覚えて居られるのだろうか? また、類やりんを忘れてしまっているのではないだろうか? 「つくし?眠れないの?」 「・・・ここ、私達の寝室じゃないよね?」 「あ...
つくしの瞳から涙が溢れ出す。 類はつくしを抱きしめた。 「もしかして・・つくしはあの事故の時、俺達のりんが死んだって思って居たんだね?」 「ええ・・ええそうよ・・それで私は現実から逃げ出す為に記憶を失くした。 大事な大事な・・りんの事を・・...
つくしが目を覚ました。 熱で魘されていたので心配していたが 目を覚ましたつくしが俺を見て類と言った。 記憶が戻ったと言ったつくしだが、りんの事を話すと何か様子が変だ。 「つくし?」 「・・ひっく・・・ううっ・・。」 「どうして泣いているの?...
花沢邸 部屋の中にシューシューと加湿器の音が響く。 規則正しい寝息を立てて眠るつくしの 息が急に変わる。 「つくし?どうしたの、苦しいの?」 「はっあ・・はあ・・はあ・・・」 「つくし?・・・はな枝、はな枝・・直ぐに医師を呼んで・・ つくし...
男の子が居なくなり つくしはまた、独りぼっちになった。 霧が深く深くなっていく・・ 心細さと悲しみが襲って来る。 まるでこの世の終わりのような気分だ。 どうしたらいいのか分からない。 途方にくれて、立ち尽くす。 霧がいつしか雨に変わった。 ...
つくしの瞳からボロボロと零れる涙。 悲しくて悲しくて・・ 心が張り裂けそうだ・・。 あの時・・ りんを庇ってりんを守れたと信じた。 自分の身を盾にして・・りんを守れるなら自分がどうなろうと良かった。 車がりんに向かって突進してくる、 りんを...
ここには自分だけしか居ないと想ってた。 霧が晴れたのか、自分の周りが段々明るくなった。 つくしの目の前には、いつの間にか小さな男の子が立っていた。 「ねぇあなたは、誰?」 「・・・。」 「ねぇ、あなたも一人なの?ここが何処だか知っている?」...
しとしとと雨が降っている。 花沢の邸の全てを重苦しい空気が流れている。 青白い顔をしたつくしは、ベッドに眠ったまま。 白く細くなったつくしの内肘に点滴の痕が痛々しい。 そこだけ液漏れしたのか、痛々しく青紫色に変わっていた。 主治医が来てくれ...
滋がドバイに旅立ち3日後の事だった。 夜、類のスマホに電話が掛かって来た。 「類、俺。」 「司・・無事だったんだ。」 「類、無事に決まってんだろうが・・今回は滋が大変世話になったな?」 「類、道明寺なの?ちょっと電話代わってよ。」 「あゝう...
滋がドバイに行くと花沢家を出た事を つくしは直ぐに類に知らせた。 「類、仕事中にごめんなさい。知らせて置きたいことがあったの。」 「つくし、何かあったの?」 「ええ、今朝の道明寺の行方不明の話を滋さんに聞かれていて・・それでね 滋さん、道明...
花沢邸 ぎこちない空気が流れる。 つくしは滋に道明寺が行方不明だと伝えるかどうか悩んでいる。 その為自然と空気が重くなる。 滋は滋で、つくし達の会話を聞いたとも言えずに それでも詳しい話を聞きたくて悩んでいた。 二人が口を開いたのは同時であ...
花沢邸 翌朝、つくしが目覚めた時同時に類も目を覚ました。 「おはよう、類。」 「うん、おはようつくし。」 「電話どうだった?」 「あゝ・・司の浮気相手の女は日本に帰ったんだって・・ちゃんと司とは別れるって 手切れ金貰って・・。」 「本当なの...
花沢邸 「類、お帰りなさい。」 「食事は?」 「あゝ済ませて来た・・・。」 「そう・・じゃあお風呂に入る?」 「あゝそうする。」 「ねぇ、道明寺・・一体どうなってるの?」 「・・椿姉ちゃんから昼間電話があったみたいだけど・・ ちょっと会議中...
NY道明寺邸 司は今頃何をしているんだろうか? 電話位は掛けられる筈ではないのか? だが電話も掛かって来ない。 今後の話をしっかり確認し合った訳でも無い。 ただ、司に言われて安全な場所を提供してもらい そして、男女の関係になった。 妻子がい...
NY道明寺邸 「姉ちゃんなんで、俺が・・・。」 「つべこべ言ってる暇は無いでしょう?大河原さん側が今回のあんたの不祥事を知ったら どうなるか?分かってる筈よ・・だとしたら大河原財閥に負けない石油関係を 築くしかないじゃない?お母様やお父様が...
つくしは、滋が素直に料理を習う事を 快く承諾した事に、少し後ろめたい気持ちがあった。 本来なら、逞君の為に直ぐにNYに帰るべきだと背中を押す つもりだったのに・・類から道明寺の姉の椿の言葉を聞けば それを無視する訳にもいかない。 つくしは滋...
花沢邸 朝になり 類が会社に行く支度をしている。 つくしは類の着替えの手伝いをしている。 どうやら、類は司の姉から聞いた話を 始めたようだ。 「ねぇ‥今の話は本当なの?道明寺のお姉さんが暫く滋さんを 預かって欲しいって・・それどういう事? ...
NY道明寺邸 「さて、坊ちゃんも出掛けた事だし早速だが、一つ仕事でもやって貰いましょうかね?」 「仕事ですか?私・・教養を身に着ける為にここに呼ばれたんじゃ?」 「そうだとも、教養はメイドの仕事で覚えられる。 あんた、テーブルマナーは?」 ...
久しぶりのR18年齢に満たない方はご遠慮ください。 ::::::::: 類は電話を切ると、つくしの寝ているベッドに潜り込んだ。 つくしの温かな温もりに包まれて眠ろうと思うが、 目がどうも冴えてしまい・・つくしの全裸の柔らかな姿態をみれば 類...
花沢邸 「類、お帰りなさい。」 「うん、ただいま。」 「お帰りなさい、類君。」 「あゝ・・ただいま。」 「着替えるの手伝うわ。」 「あゝ・・。」 「滋さん、ちょっとごめんなさいね?」 「あっ、うん。」 二人は寝室の方へと歩いて行く。 「司は...
東京 花沢邸 滋はつくしにオムライスの作り方の特訓を受けていた。 もう卵を2ケースも駄目にしていたが、滋の真剣さに つくしは、とことん付き合う事にした。 今まで料理など作った事も無い滋 フライパンの持ち方さえ知らない。 卵を割るのさえ、何度...
椿の思惑通りに、あすかは司に連れられて道明寺の邸にやって来た。 「ねぇ、司・・ここが司の家?凄い・・NYにこんなに大きなお邸が? 車から降りてから随分歩くんだね?」 「あゝここは前庭が広いからな・・ここで要人を招待してガーデンパーティーをや...
こんな筈じゃなかった・・。 滋は窓から外を眺めている。 昨日の夜更けから降り出した雨は まだ降り続けていた。 時折激しく、窓ガラスを激しく打ち付ける雨粒に NYに置いてきた、逞の事を想った。 ごめんね・・逞・・。 一人にして・・寂しいよね?...
司は逞に絵本を二冊適当に読んでやった。 司の適当っていうのは、本当に適当で 多分、逞は絵本の内容の殆どを分かっていないのだが 司は適当に、話を面白くしようとして 脚色してしまうから、子供には飽きずに大人しく 聞くことは出来る。 逞はパパが居...
椿の思惑通りに、あすかは司に連れられて道明寺の邸にやって来た。 「ねぇ、司・・ここが司の家?凄い・・NYにこんなに大きなお邸が? 車から降りてから随分歩くんだね?」 「あゝここは前庭が広いからな・・ここで要人を招待してガーデンパーティーをや...
椿sideのお話 司夫婦が、司の浮気で危ういと母からの連絡を貰って 仕方なく忙しい母の代わりに私が司の話を聞くために ロスに司を呼び出した。 その間に、滋さんが逞を一人NYの邸に置いて 日本に行った事は驚いたが、だが浮気をした司のせいだから...
椿と司はロスからNYへと あすかは、司の帰りを一人待っていた。 「あすか、悪いな。寂しかったか?」 「司、司・・・寂しかったよ。もうお仕事は終わったの? ねぇ、今夜は一緒に居られるの?ねぇ?」 まるで子犬の様に司の周りを飛び跳ねて纏わり付く...
花沢邸 つくしも滋も眠れない夜を過ごした。 つくしは類に愛され過ぎて眠らせて貰えなかったのだが 滋は、NYの邸に置いて来た逞の事や 司の浮気相手の事を考えて眠れなかった。 つくしには、司の浮気相手の女性がつくしにそっくりである事を 言わなか...
ロサンゼルスの椿の邸 「司、どうするの?愛人にするならするで きちんと契約しなさい。」 「姉ちゃん、ババアに似て来たな?」 「まあ、何ですって?何処が似ていると言うの?」 「考え方が‥昔の姉ちゃんならそういう言い方しないと思って。」 「確か...
滋はつくしに言われてNYの道明寺の邸に電話を掛けた。 「どういう事?司昨日から戻って居ないですって?何処に行ったの? えっ?ロスのお姉さまの処へ・・それじゃあ逞は?逞はどうしているの? ・・・西田さんが?えっ?・・ええ、そう分かったわ。 ・...
類は司に電話を掛ける、だが何度掛けても司は電話には出ない。 類は司の秘書の中では、西田以外の電話番号を知らない。 確か、秘書が変わった事は聞いてたが新しい秘書の電話番号までは知らない。 何度かの呼び出しの後に相手が電話に出た。 「大変お待た...
夫婦の事は夫婦にしか分からない。 1時間ほどして、あきらがつくしと類を呼びに来た。 「もう話は終わったの?」 「あゝ・・類、つくしさんも世話になったな? 今回は本当に迷惑掛けた・・。桜子と碧斗を連れて邸に戻るよ。」 「桜子と和解出来たのね?...
花沢の邸に着いた時、約束の時間よりも1時間も早く あきらが花沢邸に来ていた。 丁度つくし達が花沢邸に到着した5分前には あきらは、類とリビングで話をしていた。 「ただいま、あら美作さん?」 「お邪魔してたよ‥時間より早く着いてしまって・・。...
花沢の鎌倉の別荘 「おはよう、桜子よく眠れた?」 「おはようございます、はいお陰様でぐっすり。」 「そう?じゃあ食事にしましょう。りんも碧斗君も席に着いてね?」 「あーい」 「はーい」 テーブルには既に4人分の食事が出来上がっている。 つく...
花沢邸 「お帰りなさいませ類様、お食事は如何なさいますか?」 「はな枝、つくしは鎌倉から戻って無いの?」 「はい、暫くは桜子様達とあちらへ・・・。りん様もご一緒に。」 「はあっ・・全く、つくしは他人の事で何故そんなに一生懸命なるのさ・・。」...
桜子sideのお話3 ホテルのベッドで碧斗をどうにか寝かしつけた・・。 邸でないホテルの部屋が気に入らなかったのか、 私の様子がおかしい事に子供心に気付いたのか 暫くグズリ続けた碧斗だったが、疲れたのかまだ幼い碧斗は睡魔には勝てなかったよう...
桜子sideのお話2 あきらさんは、自分の不始末の火消しに必死で 会社にその日戻って来たのは夜の8時を過ぎていた。 私は息子の碧斗を使用人に任せて、あきらさんの部屋で待っていた。 「ふうっ・・疲れた‥えっ桜子、お前ここで一体何をしているんだ...
桜子sideのお話 あきらの母親からの早朝からの電話、居留守を使いたい処だが 使用人が急用だそうですと言われたら出ない訳には行かない。 「お母様、おはようございます。急用だとか?何かございましたの?」 「桜子さんまだ、知らないのね?実はあき...
篠原美月sideのお話 篠原美月は、あの夜の事を口に出す事など無く 日々の仕事を熟していく。 だが心の中では、あきらに対する恋心で内心揺れていた。 好きになってはいけない人を好きになった。 あの一夜だけは永遠に私の心の中の秘密。 何度も求め...
あきらsideのお話3 食事を終えて店を出ると、雨が降っていた。 女将が傘を貸してくれた。 1本だけ傘を借りてその傘を差して、寄り添うように 二人で店を後にした。 篠原は火照った顔を冷やすように、傘から手を出して雨粒を拾う。 掌に数滴溜まっ...
あきらsideのお話2 日本食と言われて、知ってる人間に遇うのが嫌で 俺は目黒の住宅地にある隠れ家的和食の店を予約した。 ここは、こじんまりした3つの個室しかない 自宅を改装して作った店は、一流の建築家にデザインして貰ったらしい。 ここの女...
あきらsideのお話 「あきらくん〜ねぇ、桜子さんったらいつも邸に居ないみたいだけど 何をしているの?子供も生まれたんだし少しは落ち着いて貰わないとね?」 「母さん、桜子にも桜子で色々付き合いもあるし・・少しは自由にさせてくれないかな? そ...
司sideのお話4 あすかに対して、愛があったのかどうかと聞かれたら 正直分からない。ただ、泣きじゃくるあすかを一人にして帰る事が出来なかった。 男と女なんて、ちょっとした切欠さえあれば男女の関係になる事など 容易い事だ。 最初は抱きしめる...
司sideのお話3 滋が突然会社にやって来たのは、何か女の勘が働いたのかも知れない。 今まで食事だって、逞が生まれてからは外食より邸で取る事が多かったのに 何故、連絡もせずに会社に来たのだろうか? そんな事が頭をよぎったが、司の頭の中はあす...
司sideのお話2 冷たい雨に濡れたせいか、あすかがくしゃみした。 「くっしゅん・・」 「大丈夫か?」 「へへっ、ちょっと寒いかも・・。」 「ほら、これ肩に掛けろ。」 司は自分のコートをあすかに手渡す。 「ありがとう。」 つくしによく似た大...
司sideのお話 NY道明寺ホールディングスの最上階の部屋から 司は煙草を煙らせながら、階下を見下ろしていた。 雨が降っている。冷たい氷雨のような雨である。 「本日の仕事は終わりましたが、車を回しましょうか?」 秘書の野坂が言った言葉に司は...
総二郎sideのお話。 「総二郎様、今日は宜しくお願いしますね?」 「あゝ・・・」 「まあ、気の無いお返事ですわね? 総二郎様がそんな風ですと、私・・おじい様に西門の支援をお願い出来ませんわ。」 「真理子さん・・それは困る。」 「左様ですわ...
「類、男の人はどうして浮気をするの?」 「・・それは、男に限らないんじゃない? 女の人だって・・結婚していても浮気する人はいるでしょう?」 「そうかもしれないけど・・でもF4は・・いいえ・・ 道明寺や美作さん・・それに西門さんは‥何を考えて...
つくしが優紀と祐一郎を花沢の邸に連れて行く車の中で 「優紀、大丈夫?」 「つくし・・。」 「何も言わなくていいよ・・辛いでしょう? 総二郎さんには、今回ばかりは大いに反省して貰わないとね?」 「私も悪いのかも知れない・・慣れない西門の仕来り...
総二郎の浮気を知った、つくしの行動は早かった。 翌日には総二郎の両親に連絡を入れて逢いに行き 総二郎と優紀の事を勝手に決めて来たのだ。 総二郎の両親も、つくしの言い分があまりにも的を得ていて 何も言えずに、つくしに一任した。 俺が邸に戻った...
世の中悪い事は出来ない、どんなに慎重に事を運んだとしても 世間は、人のゴショップには殊の外目が無いようだ。 総二郎も慎重に、浮気を繰り返していたんだろうが・・・ それが世間にばれるのは、あっという間で 日本中でその噂が持ちきりになる。 いや...
あの頃、つくしがりんを産んでから俺達は頻繁に愛し合った。 時間が許す限り、毎晩のように。 仕事や育児に追われて忙しい時期にも関わらず 俺もつくしも貪欲にお互いを求め合った。 何がそうさせるのか、俺はつくしを誰にも取られたく無くて必死だった。...
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