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因幡屋ぶろぐ https://blog.goo.ne.jp/inabaya2005kiyoko05

因幡屋の劇評ブログです。 舞台は人生の宝。その印象をより的確により豊かに記せますように。

大部分は劇評ですが、ツイッターでは映画やテレビドラマのこともつぶやいております。 https://twitter.com/inabaya_kiyoko 2年前からはじめた俳句も一生懸命!

因幡屋
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柳井市
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2014/11/08

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  • 『オレステスとピュラデス』

    *瀬戸山美咲作杉原邦生演出公式サイトはこちらKAAT神奈川芸術劇場12月13日まで杉原邦生はこの劇場において、2018年『オイディプスREXXX』でギリシャ悲劇を初演出し、翌2019年には上演時間10時間に及ぶ『グリークス』に挑戦、3作めの本作『オレステスとピュラデス』で最終章となる。杉原演出の舞台は、今年はじめの唐十郎作『少女仮面』、シアターコクーンライブ配信『プレイタイム』、2014年『ハムレット』を観劇しているが、ギリシャ悲劇のシリーズはこの最終章が初めてとなった。姉と結託し、従兄弟で親友のピュラデス(濱田龍臣)の助けを借りて、不貞を働いた上に夫を殺した母親を亡き者にしたオレステス(鈴木仁)は、復讐の女神たちに苛まれる。遠くタウリケに向かい、神殿の彫像をギリシャに持ち帰れば呪いから解放されるというアポロン...『オレステスとピュラデス』

  • 語りと音楽による「夢十夜 全作品」改訂版

    *森の音舎主催早稲田奉仕園スコットホール28日13時、16時夏目漱石作岩間麻里作曲(森の音舎)俳優の新井純と高橋和久が、森反ナナ子(ピアノ/森の音舎)、安倍由美子(ヴァイオリン/同)、紫竹芳之(笛・尺八・鳴り物、第二夜の作曲)の奏でる音楽と共に、夏目漱石の「夢十夜」全10編を語る。主催の「森の音舎」は、音楽家、彫刻家、服飾家などによるグループで、今回の当日リーフレットによれば、「器楽アンサンブルを中心に朗読と音楽、美術・映像・演劇のコラボレーションにより新たな表現形態のコンサート」を企画しており、これまで小泉八雲の怪談や宮沢賢治の作品などを上演している。知人に誘われ、初めての鑑賞となった冬の昼下がり、礼拝堂の大きな窓からの日差しは柔らかで、訪れる者を静かに包み込む。漱石の「夢十夜」の朗読はこれまで何度か鑑賞した...語りと音楽による「夢十夜全作品」改訂版

  • 劇団唐ゼミ ☆第30回特別公演『唐版 風の又三郎』

    *唐十郎作中野敦之演出公式サイトはこちら新宿中央公園水の広場特設劇場(1)ようやく初めての唐ゼミのテント公演観劇となった。いいお日和で、JR新宿駅西口から都庁に向かって歩いていると、上着が要らないほどの陽気である。新宿中央公園には明るい解放感があり、澄み切った青空のもとに建つテントは一見不似合いのようだが、その素朴な手作り感はこれから芝居を観る高揚感を掻き立ててくれる。唐組と同じく、従来の客席数を半分にして、換気を十分に行う態勢での上演は、テント入場前に靴の消毒も行う徹底ぶり。本作観劇はこれが3回めになる。初回は2005年の近畿大学バージョン(松本修演出)、2度めは昨年2月のシアタコクーン版(金守珍演出)だ。最初はわけもわからず舞台の熱気に酔い、次は主演の窪田正孝に骨抜きにされ、「唐組のテントで上演されるなら、...劇団唐ゼミ☆第30回特別公演『唐版風の又三郎』

  • 新橋演舞場十一月公演『女の一生』

    *森本薫作戌井市郎補綴段田安則演出公式サイトはこちら26日まで本作はこれまで文学座の公演を中心に、昨年はドナルカ・パッカーン公演も観劇してきたが、この度は大竹しのぶを主役の布引けいに据え、段田安則が演出を担い、シス・カンパニーに新派、東宝ミュージカルからジャニーズ事務所の俳優までが顔を揃える大商業演劇となってのお目見得となった。演出以前に、大竹しのぶの声の出し方は、あれでいいのだろうか。からだの深いところから出ている声なので、台詞はちゃんと聞き取れるのだが、たとえば第五幕一場、倒れた夫を支えながら、けいは大声で女中を呼ぶ。長年別居し、仲たがいしていた夫と再び一つ屋根の下に暮らせるかと希望が湧いていた矢先のことだけに、けいの心がどれほど激しく揺れ動いているか。あのようなとき、人がどんな声を出すのか。なりふり構わず...新橋演舞場十一月公演『女の一生』

  • 語り三郎企画 楽語会 vol.6

    *荻窪/かふぇ&ほーるwith遊11月15日14時、18時上演(1,2)「ひかりがこぼれてくる/秋のひかりは地におちてひろがる/このひかりのながで遊ぼう」…公演チラシに記された八木重吉「秋のひかり」の一節の通り、4名の俳優が古典落語や太宰治など、それぞれ1作品ずつ朗読を披露する。☆『水を抱く』…江國香織の『きらきらひかる』(新潮社)は、アル中で情緒不安定な笑子とゲイでちゃんと恋人もある睦月の結婚生活が綴られた小説である。原作には「ホモ」と書かれているが、今ならいささか問題のある言葉であろう。1991年の刊行当時に比べると、セクシャルマイノリティの問題は多様性を増し、積極的に語られるようになっているが、これは一組の夫婦とその周辺の人々を見つめる小柄なサイズの、風変わりな悲しい物語である。「水を抱く」は本作の第1章...語り三郎企画楽語会vol.6

  • 小西耕一 ひとり芝居 第八回『地獄に咲く花』

    *小西耕一脚本・構成・出演公式サイトはこちら東中野・RAFT15日終了2013年の第二回公演『既成事実』がほんとうにおもしろく、前のめりに長い劇評も書き、その後続けて観劇していたが、「ひとり芝居」と銘打ってふたり、3人と出演者が増えたあたりからしばらく遠ざかっていた。コロナ禍による厳しい状況下のRAFTにおいて、4年ぶりに上演される「小西耕一ひとり芝居」である。リビングのテーブルにはカップ麺。その上に重しのように置かれた離婚届を和太留(以下ワタル)が呆然と見つめる場面に始まる。コロナ禍で夫婦ともに在宅勤務になり、妻のストレスが募ってのことらしいが、ワタルには寝耳に水である。懸命に話し合おうとするワタルと、妻はツタヤの返却期限だからと「鬼滅の刃」を読み、ろくに応じようとしない。ワタルは、「わかった」と「わかる」の...小西耕一ひとり芝居第八回『地獄に咲く花』

  • 座☆吉祥天女 第十六回公演 久保田万太郎劇場『螢』『大つごもり』

    *公式サイトはこちら深川江戸資料館15日まで座☆吉祥天女は、俳優の高橋典子と井口貴子によるユニットで、2004年の旗揚げ以来、山本周五郎、久保田万太郎、北條秀司など、一貫して時代物、和物を上演している。年1回の公演を地道に積み重ね、周五郎作品は『さぶ』や『柳橋物語』などの長編や中編も手掛けている貴重なユニットだ。ことに今回はコロナ禍のなか、旗揚げ演目と同じ久保田万太郎の『螢』が上演される。作り手の感慨も一入ではないだろうか。深川江戸資料館の2階の小ホールは、同ユニットが2015年から続けて公演を行っている。江戸情緒豊かな演目は、会場や周辺の街並みの雰囲気にもぴったりであるし、はじめて足を運んだ自分にも、常打ち小屋のような安定感が感じられた。客席は9割近く埋まっており、常連の固定客をしっかりと得ている印象だ。☆『...座☆吉祥天女第十六回公演久保田万太郎劇場『螢』『大つごもり』

  • 第17回明治大学シェイクスピアプロジェクト『じゃじゃ馬ならし』

    *公式サイトはこちら(1,2,3,4,5)秋葉原パセラリゾーツ7日17時、8日12時の上演を配信ウィリアム・シェイクスピア作コラプターズ(学生翻訳チーム)翻訳プロデューサー/吾妻春奈(文学部2年)演出/新田みのり(文学部4年)監修/西沢栄治(JAMSESSION)コーディネーター/井上優大学秋学期の一大イベント「明治大学シェイクスピアプロジェクト」(MSP)も、今年は無観客上演の映像配信を余儀なくされた。しかし、キャスト、スタッフの紹介はもちろん、ZOOMを使ったキャストの座談会などの配信や、希望者先着200名へのパンフレット郵送など、視聴の期待を盛り上げるべく、さまざまな工夫と配慮が凝らされており、作り手の学生方は非常に明るく元気に取り組んでおられる様子に安堵させられる。飲み代を払わないからと酒場から追い出さ...第17回明治大学シェイクスピアプロジェクト『じゃじゃ馬ならし』

  • 文学座公演『五十四の瞳』

    *鄭義信作松本祐子演出公式サイトはこちら紀伊國屋サザンシアターTAKASIMAYA15日まで鄭義信作品を松本祐子が手掛ける舞台は、本公演を含め劇団内外合わせて7作めになるとのこと。特に今回は、何人もの俳優が鄭作品への出演を熱望したことが企画の出発点になったそうである。作り手同士の幸福な出会いの連なりが結実した熱い舞台だ。当ブログ鄭作品観劇記事→1,2,3物語の舞台である瀬戸内海の家島諸島のなかの西島は、採石業を唯一の産業とした小さな島だ。かつてこの島には、朝鮮人が作り上げた朝鮮学校があり、日本人の子どもたちも一緒に遊び、学んだ歴史があった。この小さな島の小さな朝鮮学校の教員室兼教師の居室で繰り広げられる敗戦まもない1948年から20年間に渡る人々を描いた2時間40分の物語である。教員室を訪れては何かと騒動を起こ...文学座公演『五十四の瞳』

  • 劇団フライングステージ第46回公演『Rights,Light ライツ ライト』

    *関根信一作・演出公式サイトはこちら下北沢OFFOFF劇場8日まで(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22)2019年秋、HIVに感染していると申告しなかったことを理由に就職内定を取り消されたのは違法だと訴えた裁判に、原告勝訴の判決が下った(参考)。フライングステージの最新作は、かつて死の病と恐れられたHIVとエイズについての認識の変容といまだに残る偏見や差別、そして今現在世界に蔓延している新型コロナウィルスと闘う人々を描いた舞台だ。2020年の「世界エイズデーシアター札幌」のために書下ろしを依頼された作品でもあり、原告ご本人へ取材を行うなど、ドキュメンタリー性の強いものとなった。舞台に置かれた数脚の椅子で複数の場面、時間の経過をわかりや...劇団フライングステージ第46回公演『Rights,Lightライツライト』

  • 因幡屋2020年11月の観劇と俳句の予定

    俳句日めくりの厚みが急に減ったように感じておりますが、11月は未確定も含めて観劇予定が10本を超えそうです。気を緩めず感染予防対策をしっかりと。劇団と劇場と、そしてともに舞台を観る方々と自分のために。*劇団フライングステージ第46回公演『Rights,Lightライツライト』(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22)2019年に原告勝訴となったHIV内定取消訴訟を題材とした新作劇。*文学座公演『五十四の瞳』鄭義信作松本祐子演出による新作舞台。*吉例顔見世大歌舞伎第四部「義経千本桜」より「川連法眼館」中村獅童が取り上げられていた「情熱大陸」であったか、2001年の平成中村座の試演会で佐藤忠信実は源九郎狐を演じ、中村勘三郎の熱血指導で開眼した...因幡屋2020年11月の観劇と俳句の予定

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