遠逝
「せんせい! ユせんせいっ!!」 庵が見えてくるなり、少女は声を張り上げた。 自らを呼ぶ裂帛の声が聞こえ、何事が起きたのかとウンスは勢いよく戸を開けた。二時辰程前に別れた少女が、ただならぬ様子でこちらに向かってくる。(……ソヨン?) 先程見た朗らかな顔は一転して、今は血の気を失って蝋のようになっている。色を失った少女の顔を見て、ウンスは慌てて靴を履いた。 泣きながら少女は駆け寄ってくると、ウンスのチ...
2020/05/02 05:00
2020年5月 (1件〜100件)
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