土屋陽介『僕らの世界を作りかえる哲学の授業』を読む
子供のための哲学教室、といふものにとても興味がある。もう50年も前のこと、自分自身の子供時代を振り返ると、私は考へるといふことが生きるといふことだと感じてゐたのだらうと想像される。何となく格好いい表現だが、実態はさうではない。哲学の作法も分からないから理屈つぽい少年といふことでしかない。「屁理屈屋さん」といふ言葉を「格好いい表現」とは思はないだらうから、まさにさういふ存在だつた。それでも小学5,6年生の担任の先生は、さういふ私を妙に可愛がつてくれて、すべての生徒と交換日記をやつてくださる先生だつたので、私の面倒くさい「屁理屈」にもていねいに付き合つてくださつてゐた。そのノートは今もどこかにあるやうな気もするが、今の自分はそんな屁理屈屋はうんざりだから、見返したくはない。なぜこんな思ひ出話を書いたかと言へば...土屋陽介『僕らの世界を作りかえる哲学の授業』を読む
2023/03/20 16:54