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  • 鈴木一人「「正義」と「利益」の間 問われる選択」

    鈴木一人「「正義」と「利益」の間問われる選択」(読売新聞、2022年03月31日朝刊・14版・西部版)ロシア・ウクライナ問題に関連して、東大教授・国際政治学が「「正義」と「利益」の間問われる選択」という文章を読売新聞、2022年03月31日朝刊・14版・西部版に書いている。学者の文章なので、あたりまえだが破綻がない。論理が完結している。こういう文章を読むと、反論のしようがない。反論したところで、それはすでに鈴木のなかでは折り込み済みのことなので、即座に論破することばを展開するだろう。そういうことが「見えてしまう」文章で、つまらない。このことは後で再び書く。鈴木が文章が、文章のなかで完結し、どこにも「間違いがない」ということを承知した上で、しかし、私はあえて書いておきたい。「間違える権利」をもったふつうの市民(学...鈴木一人「「正義」と「利益」の間問われる選択」

  • 石毛拓郎「このミツバチとまれ」

    石毛拓郎「このミツバチとまれ」(「sprit」5、2022年03月15日発行)石毛拓郎「このミツバチとまれ」には「1990年8月15日旧盆の宵、片山健さんへの画賛」というサブタイトルがついている。私は片山の絵を意識して見たことはない。さらに、1990年は、もう30年以上も前のこと。まさか、1990年のことを思い出して石毛がこの詩を書いたわけではないだろうから、いまここで感想を書くことに意味があるかどうかわからない。まあ、感想に意味などないのだが。それに一読したところ、ぜんぜん、おもしろくない。石毛は、なぜこの詩を、いま、「sprit」に発表しようとしたのか、さっぱりわからない。じゃあ、私は、なぜ、これから感想を書こうとしているのか。そうだなあ。最近読む詩が、身近に感じられない。ことばが、とても遠く感じられる。石...石毛拓郎「このミツバチとまれ」

  • Estoy loco por espana(番外篇156)Obra,Javier Messía

    JavierMessíaCONCIENCIANosédequématerialestácompuestalaobradeJavierMessía.Loquesíséesquehayunadivisióneintegración.Mientraslapantallaestádividida,elactodedivisiónconstituyeeltodo.Líneasverticalesyhorizontales.Verdeazuladoyrojodorado.Colorescomplementarios.Opuestos.Yencadaárea,tambiénhayalgoincontrolable.Haybaches.¿Setratadeuntrozodepintura,oeslaprotuberanciad...Estoylocoporespana(番外篇156)Obra,JavierMessía

  • 「ことば」はどこへ行くのか

    2022年03月25日の読売新聞(14版、西部版)1面に、バイデンがワルシャワで演説したという記事がある。↓↓↓↓↓【ワルシャワ=横堀裕也】米国のバイデン大統領は26日、ポーランドの首都ワルシャワで演説し、ウクライナ侵攻を命じたロシアのプーチン大統領について、「この男が権力の座にとどまってはならない」と非難した。「自由を愛する国々はこの先何十年と結束を保たなければならない」と述べ、民主主義陣営に向けて、ロシアへの対抗とウクライナ支援を呼びかけた。↑↑↑↑↑読売新聞は見出しで「権威主義へ対抗訴え」とバイデンの演説を擁護しているが、「この男が権力の座にとどまってはならない」ということばはバイデンが言うべきことばではないだろう。プーチンと交渉する意思があるなら、絶対に言ってはならない。それが「外交」の基本だろう。「外...「ことば」はどこへ行くのか

  • Estoy loco por espana(番外篇156)Obra, Joaquín Lloréns

    Obra,JoaquínLlorénsTécnica.Hierroóxido70x40x42S.34&36Mesientomareado,comosihubieraentradoenunlaberintotridimensional.Porquéelmareo?Normalmente,enunlaberinto,unotienelailusióndequeeselmismolugarenelquehaestadoantes,yquesóloestádandovueltasporelmismositio.Sinembargo,estenoeselcasodelaobradeJoaquín.Deberíaserelmismotrabajo,peroparecediferente.Esrealmenteelmismo...Estoylocoporespana(番外篇156)Obra,JoaquínLloréns

  • 季村敏夫「坂 鈴木創士へ」

    季村敏夫「坂鈴木創士へ」(「ぶーわー」47、2022年03月15日発行)季村敏夫「坂鈴木創士へ」は追悼詩なのだろう。私は鈴木創士を知らない。詩の後半に出てくるエミルも知らない。だから、これから書くことは半分は(半分以上は)いいかげんなことなのだが。でも、書いておきたい。骨壺が片づけられるのこされたものをゆするものがある思い出せないからざわめきをしずめ破片の月をつき放つ焼骨後、散骨したのだろう。「のこされたものを/ゆする」とは、最後の骨(骨の破片の灰)まできちんと撒く、ということだろう。こういうとき(特に散骨とはかぎらず、人が死んだとき)、生き残った人は何を思うだろうか。思い出すだろうか。思い出せないからこの一行が、とても重い。「思い出せない」ことがあるのか、それともそれは季村が知らないけれど、他の人が知っている...季村敏夫「坂鈴木創士へ」

  • ケネス・ブラナー監督『ベルファスト』

    ケネス・ブラナー監督『ベルファスト』(★★★★★-★か★★★★+★)(2022年03月26日、キノシネマ天神、スクリーン1)監督ケネス・ブラナー出演モノクロフィルムこの映画の最大の特徴は、モノクロ、ということである。モノクロではないシーンもあるのだが、基本はモノクロ。このモノクロの画面が、ここに描かれているのは「記憶」だと告げる。「記憶」というのは、どんな記憶であれ、整理されている。それが変わってしまうことがない。言いなおすと、これから何が起きるのか、ストーリーはどう展開するのか、という「なぞ」がない。「なぞ」だけがもつ魅力がない。そのかわりに、「細部」がある。そして、その「細部」というのは「失われた細部」である。いまも残っている「細部」ではない。「失われた細部」ではあるけれど「忘れられた細部」ではない。この具...ケネス・ブラナー監督『ベルファスト』

  • Estoy loco por espana(番外篇155)Obra, Calo Carratalá

    Selvadehierro,Acrilicosobreplanchademetal,150cmdiámetro.Año2018SelvadehierroverdeN4.Acrilicosobreplanchadehierro.formato150cmdediámetroAño2022Dos"selvas"decomposicióncasiidéntica.Meatraemáslaselvamarrón.Estosedebeaquenuncahabíavistouncuadrocomoéste.Elaireessecoylaluzesligera.Peronoeslaluzretratadaporlosimpresionistas.Escriboesoeinmediatamentepienso,no,prefie...Estoylocoporespana(番外篇155)Obra,CaloCarratalá

  • 情報は「公開」されているか

    情報は「公開」されているか北朝鮮のミサイル発射について記事を読んだときも感じたことだが、「情報」は完全に公開されているのか、非常に疑問に思う。たとえば、2022年03月25日の読売新聞(14版、西部版)の2面に、コロナワクチンについて「4回目接種5月にも/政府方針感覚短縮議論へ」という記事がある。↓↓↓↓↓政府は24日、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種を巡り、当初の想定から1か月前倒しし、5月にも始める方向で検討に入った。昨年12月に開始した3回目接種からの間隔を当初の「6か月以上」の想定から短縮するかどうかについて、厚生労働省の専門家分科会で議論する。専門家分科会は24日、政府が4回目接種を公費で行う「臨時接種」として準備を開始することを了承した。厚労省は分科会で、4回目も米ファイザー製か米モデルナ製を...情報は「公開」されているか

  • Estoy loco por espana(番外篇154)Obra Luciano González Diaz

    Obra,LucianoGonzálezDiazTieneunaformamuyextraña.Primero,piensoenunamano.Hayunapalomaenlapalmadesumano.Esapalomaaúnnoesunapalomacompleta.Estátratandodetransformarseenunahermosapaloma.Tieneunafuerzamuyextraña.Lucianoescribeacompañandoestapiezasobrelatransformacióndelaoruga(ungusanodeseda)enmariposa.Alleeresaspalabras,imaginounamanotransformándoseenpaloma.Cadae...Estoylocoporespana(番外篇154)ObraLucianoGonzálezDiaz

  • ニュースではなく、情報の読み方(北朝鮮のミサイル報道)

    ニュースではなく、情報の読み方新聞には「ニュース」があふれている。たとえば、2022年03月25日の読売新聞(14版、西部版)の1面のトップは「北、新型ICBM級発射/最高高度6000キロ超最長71分飛行/北海道沖150キロEEZに」という見出しと記事。ニュース(事実)は、見出しを読めば十分にわかる。しかし、私が注目したのは「ニュース/事実」ではない。本記に連動して「許されぬ暴挙」と岸田が批判したという記事がある。そこにこんなことが書いてある。(番号は、私がつけた。一部補足)↓↓↓↓↓①北朝鮮からミサイル発射予告はなかった。航空機や船舶への被害や国内への落下物は確認されていない。②政府は「領域内落下や我が国上空通過が想定されなかった」(松野氏=官房長官)とし、ミサイル発射などを知らせる全国瞬時警報システム「Jア...ニュースではなく、情報の読み方(北朝鮮のミサイル報道)

  • 「ことば」は、どこへ行ってしまったのか。

    読売新聞2022年03月24日の朝刊(14版・西部版)1面に、国際部長・五十嵐文の「持久戦の覚悟がいる」という論文(?)が載っていロシアのウクライナ侵攻1か月、ゼレンスキーの国会演説を踏まえての文章である。そこに、こういう数行がある。↓↓↓↓↓持久戦の覚悟がいる。日米欧はエネルギー調達難などの返り血を浴びても、対露圧力を維持できるか。アジアでは、台湾を武力統一する構えの中国を思いとどまらせることができるかどうかにつながる問題だ。↑↑↑↑↑私は、こういうときだからこそ、ことばは慎重につかうべきだと思う。五十嵐は「返り血を浴びる」ということばをつかっている。「返り血を浴びる」には、①直接的な意味と、②比喩的な意味とがあると思う。①は敵を切る。そのとき血が流れる。それが自分のからだを汚す。②は、何かをすることで、それ...「ことば」は、どこへ行ってしまったのか。

  • 電力需要逼迫?

    読売新聞2022年03月23日の朝刊(14版・西部版)に、関東、東北で電力需要が逼迫している、というニュース。「電力逼迫停電は回避/東電管内使用率一時100%超/きょうも節電要請」という見出し。でも、なぜ?↓↓↓↓↓今回の需給逼迫は、16日に福島県沖で起きた地震により、一部の火力発電所が停止したことが大きい。22日の気温低下で暖房などの電力需要が膨らみ、対応できなくなった。↑↑↑↑↑これだけでは、理由がわかりにくい。2面に解説が載っている。東電の説明によると、↓↓↓↓↓16日の福島沖地震では、計13基の火力が停止した。その後は7基が再稼働したものの、6基は動かないままだ。設備の被害が主因とされる。(略)現状で失われている供給力は計約450万キロ・ワットと、東京電力と東北電力管内の需要の1割弱を占める。↑↑↑↑↑...電力需要逼迫?

  • 細田傳造『まーめんじ』(4)

    細田傳造『まーめんじ』(4)(栗売社、2022年03月03日発行)03月21日の朝日カルチャー講座の最後に、細田傳造『まーめんじ』の「不幸」を紹介した。時間をかけて読みたかったが、時間が少なく、コピーを配って、少し感想を聞いた。何歳くらいの人が書いたと思う?「70代後半、もしかすると80歳すぎかも」とひとりが答えた。これは、私には、衝撃的だった。その「推論の根拠」までは聞けなかった。もうひとりが「目がよく見えるということが、どうして不幸なのか、わからない。つかまるかもしれない、が出てくるが、これがわからない」と言ったからだ。「鼻がよすぎるが不幸、というのはわかる?」「それは、わかる」さて、どうしたものか。「不幸」は長い詩である。全行を引用する。不幸だなあこのとしで目がよう見えるということは二百メートル先の堤防の...細田傳造『まーめんじ』(4)

  • Estoy loco por espana(番外篇153)Obra Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorénsTécnica.Hierro89x30x22S.3.Cuandoviestafotomesorprendió.Lastresesculturasestándispuestasdemaneraqueestánunidasentresí.Comosifueranunasolaobradearte.Yaloshevistounoporuno.Merecordóaunpacificadoroauncaballero.LasituaciónenUcraniamehizopensarasí.Cuandolastrespiezassejuntaron,meparecíansiluetasdeunaciudadfuturistatranquilayabstracta.Simeextiend...Estoylocoporespana(番外篇153)ObraJoaquínLlorens

  • Estoy loco por espana(番外篇152)Obra Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorénsTécnica.Hierro78x34x13S.3.3Soldadodepiedecaraalexterior.Llevaespadayescudo,peronosaleaatacar.Solorepresentaladefensa.Sufigurafirmeyerguidaeshermosa.Elcuerpodeestesoldadoestállenodefirmeconvicciónyamor.Sudeseodepazlehacefuerte.Sinofueraporlacuestiónucraniana,podríamoshaberimaginadolascosasdeotramanera.Laimaginaciónsiempreseveafectadaporlare...Estoylocoporespana(番外篇152)ObraJoaquínLlorens

  • 青柳俊哉「月」、池田清子「三月の庭」、緒方淑子「air a」、徳永孝「雲と競争」

    青柳俊哉「月」、池田清子「三月の庭」、緒方淑子「aira」、徳永孝「雲と競争」(朝日カルチャーセンター福岡、2022年03月07日)受講生の作品。月青柳俊哉中天の薄雲をながれていく白い光夕闇に祈る農夫の群青のかげも水辺にそよぐ水仙の淡い黄も色褪せて凍てつくわたしは初めて月をみる深閑のモノクロームにうたれて月と発語するもののいない空に立ちいのちと異なる時間を生きるものを想うつきというしるしを捨てわたしたちに言葉をしいて空に未知を象る冬蝉のなき声がする水仙の淡い黄が暈(ぼ)けて白い光がながれる「月」という表記と「つき」という表記がある。そのため、三連目で「つき」とひらがなにしたのはなぜか、という質問が出た。質問というものは、いつでも何らかの答えを含んでいる。その答えはまだことばにならっていない。それを探り出していく...青柳俊哉「月」、池田清子「三月の庭」、緒方淑子「aira」、徳永孝「雲と競争」

  • 「春闘」から思うこと

    読売新聞2022年03月18日の朝刊(14版・西部版)に春闘の中間報告の記事があった。「賃上げ平均2・14%コロナ前に迫る」。↓↓↓↓↓連合は18日、2022年春闘の第1回集計結果(回答数776組合)を発表した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた平均賃上げ率は、前年の同時期と比べて0・33ポイント増の2・14%だった。1回目の集計では、コロナ禍前の19年春闘の2・16%以来の水準に回復した。↑↑↑↑↑賃上げが進むのはいいことだが、どうして突然賃上げブームになったのか。その「理由」がどこにも書いてない。コロナが完全に終息したわけではないし(ファイザーは4回目のワクチン接種をアメリカ政府に求めた、というニュースがあったはずだ)、ロシア・ウクライナ問題が解決したわけではない。ロシア・ウクライナ...「春闘」から思うこと

  • 愛敬浩一「学校の帰り道で」

    愛敬浩一「学校の帰り道で」(「詩的現代」40、2022年03月発行)愛敬浩一「学校の帰り道で」の、後半。その学校帰りの道で私は何とも言葉に出来ない幸福感に包まれた父と母がいて、弟がいてもうこれ以上、何も必要なものなどないと感じたのだなぜ、その時、その場で、そういう風に感じたのか全く思い出すことが出来ないただ、その時、このことは忘れないようにしようと強く思っている私自身の姿とその場所の光景が不思議なことにいまでも天然色でくっきりと見える要旨はわかるが、なんだか、屁のようなことばの羅列である。屁のような、というのは、ぜんぜんおもしろくない、という意味であり、また、我慢しようとすれば我慢できるということである。いや、私は「屁のような」ということばを書いているのだから、きっと「会議中に屁なんかこくな」と言ってしまう人間...愛敬浩一「学校の帰り道で」

  • Estoy loco por espana(番外篇150)Obra Calo Carratalá

    JesusCoytoPabloMontSaintMichel2010mixtaColecciónfundaciónDeArteCuandomirolaobradeJesúsCoytoPablo,meparecequenoestápintandounobjetosinounrecuerdo.Yestosrecuerdossonmemoriasqueaparecenenlugaresreales.EstecuadrorepresentaelMontSaintMichel,perocuandoseveelMontSaintMichel,elrecuerdodelMontSaintMichelaparecepordetrásdelMontSaintMichelyocultaelverdaderoelMontSaintM...Estoylocoporespana(番外篇150)ObraCaloCarratalá

  • Estoy loco por espana(番外篇151)Obra Joaquín Llorens

    ObradeJoaquínLlorensPiensoenelcaballerosolitariodeestapieza.Nollevaespada,sólounescudo.Puedeseruncentinela.QuelapazllegueaUcrania.LaoracióndeJoaquínapareceenestaobra.私は、この作品から、孤高の騎士を思った。剣は持たず、盾だけをもっている。見張りかもしれない。ウクライナに平和が来ますように。ホアキンの、祈りがつたわってくる作品だ。Estoylocoporespana(番外篇151)ObraJoaquínLlorens

  • ゼレンスキー大統領演説

    ロシアのウクライナ侵攻に関連して、ウクライナのゼレンスキー大統領が、オンラインを利用し米議会で演説した。読売新聞によれば「軍事支援の強化を訴えた」(03月17日朝刊、14版=西部版、3面)日本でも、ゼレンスキー大統領のビデオ演説を国会に招致すべきではないかということが議論になっているらしい。それはそれで、異議のあることだとは思うが。私は、とても疑問に思っていることがある。日本は、何をしたいんだろう。アメリカは何をしたいんだろう。NATOは何をしたいんだろう。それが、よくわからない。「ウクライナからロシア軍が撤退すること」を各国がもとめているのは、わかる。問題は、それをどうやって実現するか。ウクライナを軍事支援することで、ロシア軍を敗退させる、という方法は、もちろんそのひとつだろうけれど。私の書くことは「夢物語」...ゼレンスキー大統領演説

  • 井上瑞貴「悲しい生き物よ、口を開けて雨を受けよ」

    井上瑞貴「悲しい生き物よ、口を開けて雨を受けよ」(「侃侃」36、2022年02月28日発行)井上瑞貴「悲しい生き物よ、口を開けて雨を受けよ」。タイトルを読んだ瞬間、音がきれいだなあ、と思う。音が、まず、ある。それからイメージがあらわれる。最後に、意味、があらわれる。意味、というのは、つまり「付け足し」である。それは、本文を読んでも同じ。願わなかった方へとおれた交差点を結んでぼくたちの地図が成るこの書き出しは、少し工夫すれば短歌になるだろうと思う。井上には、短歌のような、つまり、どこかしか、伝統的な「音」のうねりがある。私は九州のひとのことばのリズムが苦手だが、井上のことばの響きは、美しいと感じる。たぶん、どこかで、私の知っている「短歌」の音と共通するものがあるからだろう。この詩では「ぼくたちの」という音が絶妙で...井上瑞貴「悲しい生き物よ、口を開けて雨を受けよ」

  • 和田まさ子「新井豊美さんの尾道」ほか

    和田まさ子「新井豊美さんの尾道」ほか(「somethin」34、2022年02月28日発行)和田まさ子の詩の激変に、私はなんとなく新井豊美を重ねあわせていた。和田まさ子の詩で、私がいちばん好きなのは、「現代詩手帖」の投稿欄で読んだ「壺」が出てくる詩である。そのあとの「金魚」だったか何かが出てくる詩もとても好きだ。この2篇で、和田は「現代詩手帖賞」を取るだろうと思った。和田は受賞せずに、その後、独自の詩の展開をつづけている。新井豊美の詩集で私が好きなのは『いすろまにあ』である。新井は、この詩集のあと、少しずつ変化していって、評論を書くようになるころから、私はどうにも親近感を感じなくなった。「肉体」が見えなくなった。「頭」が見え始めた、という印象に変わった。和田も、同じなのである。最初は鮮明だった「肉体」がだんだん...和田まさ子「新井豊美さんの尾道」ほか

  • 砂東かさね「雨」、冨岡郁子「馬の骨」

    砂東かさね「雨」、冨岡郁子「馬の骨」(「乾河」93、2022年02月01日発行)砂東かさね「雨」は、夏の終わりの夜の雨の情景。アスファルトが濡れてひかっているすべてがおなじ色になってあちらとこちらがなくなるどこに立っていたって良いそれでもこの身体は線を引くことをやめない「この身体は/線を引くことをやめない」ということばに、私は思わず傍線を引いた。しかし、それから何を書けばいいのか、どうことばが動いていくのか。それは、まだわからない。「線」は「あちら」と「こちら」の境目にあるが、この「あちら」と「こちら」を明確に区別することはなくなる。とくに「あちらとこちらがなくなる」のならば。しかし、「あちらとこちらがなくなる」ときでさえ、「あちら」「こちら」ということばが残っていて、それが「線を引く」。それは、意識、認識の問...砂東かさね「雨」、冨岡郁子「馬の骨」

  • 細田傳造「毒虫毛虫」

    細田傳造「毒虫毛虫」(「雨期」78、2022年02月28日発行)細田傳造「毒虫毛虫」は、こうはじまる。さみしさっていいなひとりっきりの旅っていいなあ「さみしさ」と「ひとりっきり」は同義語である。なぜ、「さみしさ」を「ひとりっきり」と言いなおしたか。「さみしさ」では、何か、違うのだ。どう違うか。つれずれに宮澤賢治を開く列車は花巻温泉あたりを疾走している風の音を聞きそぼりうたたねをしているとわたくしも賢治が好きです澄みきった令女の声もする…片目を開けて隣のひとにきっぱりと告げる僕は黒田喜夫が好きですご返事はありませんでした「さみしさ」はときとして共有される。感情は共有される。それは「宮澤賢治が好き」の「好き」を共有するようなものである。細田は、この共有された何か、というものを嫌う。黒田喜夫が好きだとしても、その「好...細田傳造「毒虫毛虫」

  • Estoy loco por espana(番外篇150)Obra Calo Carratalá

    CaloCarrataláSelvadehierroverden3.Acrilicosobreplanchadehierro150cmdiámetroaño2022LamaravilladeloscuadrosdeCaloresideensuperspectivaúnica.Estecuadroessimétricoensupartesuperioreinferior.Lacasaylosárbolessereflejanenelagua.Puedocruzarelagua(porejemplo,enunabarca)yllegaralaorillayalacasa.Sinembargo,nosepuedoentrarenelverdequehaydetrás.Lasimetríadelasimágenessu...Estoylocoporespana(番外篇150)ObraCaloCarratalá

  • 山本育夫『HANAJI 花児1984-2019』

    HANAJI花児1984-2019山本育夫思潮社山本育夫『HANAJI花児1984-2019』(思潮社、2022年02月22日発行)山本育夫『HANAJI花児1984-2019』を読みながら、『ボイスの印象』の、最初の印象が消えてしまった。これは、いいことか、悪いことか。まあ、詩にとっては関係ないことかもしれない。詩は、ことばだからね。装丁なんかは関係がない。ことばがどう動くかだけ、と書きながら、いや、違うかもと思う。私には、初版本の、ざら紙に印刷された、読みにくいことばの印象が強く残っている。その印象と山本の詩は切り離せない。こんなふうに、整然と整えられてしまうと、ちょっと違う。ちょっと違う、と書いた、その意識の底から」違わない」何かが、突然動き始める。それは、山本の詩は「絵画的」ということである。別のことば...山本育夫『HANAJI花児1984-2019』

  • 細田傳造『まーめんじ』(3)

    細田傳造『まーめんじ』(3)(栗売社、2022年03月03日発行)きのう、細田傳造『まーめんじ』の感想、その2を書きながら、つまり、タイマーの時間が切れるのを気にしながら「共存」と「併存」のゆらぎ、というような、ちょっとした思いつきについて書けたらいいなあ、と思っていた。「共存と併存のゆらぎ」なんて、何のことかわからないが、それは書きながら考えればいいと思っていた。そして時間切れで書き終わった瞬間、細田と谷川のいちばんの違いは「不透明さ」だな、と思った。谷川は、あくまで「共存」をめざす。「共存」を支えるのは(あるいは可能にするのは)は「透明性」である。障害物のなさ、と言い換えることができる。「共存」は、相互に浸透するのである。「併存」には相互の「浸透性」はない。相互に浸透してしまえば「ひとつ」になってしまって、...細田傳造『まーめんじ』(3)

  • 細田傳造『まーめんじ』(3)

    細田傳造『まーめんじ』(3)(栗売社、2022年03月03日発行)きのう、細田傳造『まーめんじ』を読みながら「併存」ということばを思いついた。その感覚が谷川俊太郎のことばと似ている、ということを書いた。書いたが、かなり修正というか、補足しないといけない、といま思っている。私はいつでもそうだが、結論を考えて書き始めるわけではなく、書いていると自然にことばがどこかへ動いていく。それを追いかけて書き留めるだけなのだが、そうするとどうしても書き漏らしが残る。私は目が悪い関係もあって40分タイマーをつかって時間限定で書いているので、書き残しがあってもしようがないと思っている。どうしてもつづきが書きたければ、次の日に書く。次の日に忘れてしまうこともあるが。で、きょうは、きのうの「つづき」。また「匂い」から。くちぼそたなごは...細田傳造『まーめんじ』(3)

  • 細田傳造『まーめんじ』(2)

    細田傳造『まーめんじ』(2)(栗売社、2022年03月03日発行)きのう、細田傳造『まーめんじ』を読みながら「併存」ということばを思いついた。その感覚が谷川俊太郎のことばと似ている、ということを書いた。書いたが、かなり修正というか、補足しないといけない、といま思っている。私はいつでもそうだが、結論を考えて書き始めるわけではなく、書いていると自然にことばがどこかへ動いていく。それを追いかけて書き留めるだけなのだが、そうするとどうしても書き漏らしが残る。私は目が悪い関係もあって40分タイマーをつかって時間限定で書いているので、書き残しがあってもしようがないと思っている。どうしてもつづきが書きたければ、次の日に書く。次の日に忘れてしまうこともあるが。で、きょうは、きのうの「つづき」。また「匂い」から。くちぼそたなごは...細田傳造『まーめんじ』(2)

  • 日本郵便株式会社の対応

    スペインの友人(2人)に、冊子を送った。いつまでたっても届かない。追跡調査で調べると、マドリッドで「通関手続き中」になっている。それで、日本郵便に問い合わせた。(問い合わせ窓口がある。)その経緯。①問い合わせメール*******************************************2月15日と2月18日にスペインあてに2個の小包を送った。内容は印刷物。配送履歴をみると、マドリッドで「通関手続き中」になっている。どうして通関手続きに長期間かかるのか。問い合わせ番号はRN025897575JPRN025950205JP*************************************②すると、こういう返信メール。***************************************...日本郵便株式会社の対応

  • 細田傳造『まーめんじ』

    細田傳造『まーめんじ』(栗売社、2022年03月03日発行)細田傳造『まーめんじ』を読みながら、細田傳造は谷川俊太郎に似ていると思った、と書くと、きっとみんな驚くだろうなあ。きのう、谷川俊太郎について書いていて、そこに細田を登場させた。そのときのことが尾を引いているかもしれないが、いや、そうではなく似ているのだ。どこかで似ている何かを感じていたから、谷川について書くとき、知らず知らずに細田のことば(うろ覚えだから、間違っているかもしれない)を引用したのだ。どこが似ているか。他人との距離が似ている。他人というのは人間としてあらわれるときもあるが、形のないものとしてあらわれるときもある。「匂い」という作品。くちぼそたなごはや釣り上げた小魚の匂いにびきはいごまじゅんぱく飼っていた伝書鳩の匂い黒ちゃんぱんぱんアーメンの...細田傳造『まーめんじ』

  • ボニー・グレーザー「分析ウクライナ危機/台湾と根本的違い」(アメリカ人の嘘)

    ボニー・グレーザー「分析ウクライナ危機/台湾と根本的違い」(読売新聞、2022年03月09日朝刊)アメリカ人は(と、一概に言ってはいけないのだが)、今回のロシウ・クライナ問題で何が批判されているかをまったく理解していない。そのことを如実に証明する記事が2022年03月09日の読売新聞(西部版・14版)に載っていた。米ジャーマン・マーシャル財団アジアプログラム部長、ボニー・グレーザーが、インタビューで語っている。(https://www.yomiuri.co.jp/world/20220309-OYT1T50048/)↓↓↓↓↓ウクライナで起きていることを見て台湾の人々の間で「次は台湾だ」と不安が生じている。しかし、台湾とウクライナの状況は根本的に異なる。米国がウクライナに軍事介入しないから、台湾も同じだという議...ボニー・グレーザー「分析ウクライナ危機/台湾と根本的違い」(アメリカ人の嘘)

  • 古根真知子『皿に盛る』(3)

    古根真知子『皿に盛る』(3)(私家版、2022年03月01日発行)古根真知子『皿に盛る』のつづき。「爪を噛む」には、わからないことが書いてある。きれいにそろえて目のなかの緯度ねむる方向をなん層も移行しぶつかりそうな闇のかけらつもる影をたべた薔薇の記憶充足して分散する湾曲の谷へ落とし飛びかう飽和のなかわたしはていねいに爪を噛む一連目の「目のなかの/緯度」が、まずわからない。何の比喩だろう。「爪を噛む」というタイトルから想像すれば、爪ののびた白い部分、横の線、これが緯度をあらわすように見えた、ということか。「きれいに/そろえて」を爪をきれいに切りそろえて、という感じか。でも、その、きれいにそろえた爪をなぜ噛むのか。わからない。「ねむる方向を/なん層も/移行し」は眠られずに寝返りをくりかえしている姿にも見える。寝返り...古根真知子『皿に盛る』(3)

  • Estoy loco por espana(番外篇149)Obra Jose Enrique Melero Blazquez

    ObraJoseEnriqueMeleroBlazquezDeJoséEnriqueMeleroBlazquez,estapiezaesunamaravilla.Elcableessuave.Elhilosupuestamenteblandoesla"base"deestaobra.Adquierefuerzaalcombinarsecomoloshilosdelaurdimbreylatramadeunatela.Esel"marco"delacamisa.Ysoportaunafinaláminadeaceroquesustituyealatela.Sostenidaporelalambre,laplacadeacerosemuevecomosiseagitaraconelviento.Inclusosin...Estoylocoporespana(番外篇149)ObraJoseEnriqueMeleroBlazquez

  • 古根真知子『皿に盛る』(2)

    古根真知子『皿に盛る』(2)(私家版、2022年03月01日発行)古根真知子『皿に盛る』は、読む先から、この詩について書きたい、引用したい、紹介したいという思いがあふれてくる。それをせき止めるようにして、あるいは断ち切るようにして、きょうはまず「葬送」。閉じて開いて閉じて開いて閉じて閉じて目は道ばたのアジサイを閉じこめる6月の青を閉じこめる囚われて青くりかえされることばに私の肉体は反応する。「閉じて開いて」が「目」の動きであることが三連目でわかる。そして「目を/閉じる」ということが、見たものを「閉じこめる」につながることを知る。このときの「閉じこめる」は「忘れない」だろう。「葬送」とあるから、だれかの葬儀のときである。そのときアジサイが咲いていた。そのことを忘れない。それは六月を(命日を)忘れないであり、その人...古根真知子『皿に盛る』(2)

  • Estoy loco por espana(番外篇148)Joaquín Llorens

    ObraJoaquínLlorénsTécnicahierroBellezaasimétrica.Ritmocreadoporlaasimetría.Laasimetríatieneunmovimientoqueliberaalmundo.Unritmotranquiloqueseextiendepocoapocoyparasiempre.Desdeesteángulo,laobrapareceretorceryconectarelespacio,comoelcuadrodibujadodeEscher.Noesquelaesculturaseretuerza,sinoqueelespacioseretuerce.OquizásdeberíallamarlaruedadeMobius.UncírculodeMo...Estoylocoporespana(番外篇148)JoaquínLlorens

  • 古根真知子『皿に盛る』

    古根真知子『皿に盛る』(私家版、2022年03月01日発行)古根真知子『皿に盛る』は簡潔で美しい詩集だ。「風」。47ページまで戻る「白い綿くずはひつじ」と書いてある5行目まで戻る1ページ1ページめくりながら戻るひつじはいつだって殺されるページをめくる時間をめくる吹きいそぐ風が5ページも一気にめくって本が落ちたひつじはいつだって殺される「47ページまで戻る」と突然始まり、「ひつじは/いつだって殺される」と突然終わる。本のタイトルも、本の内容も、わからない。本のなかではひつじが殺される、のかもしれない。わかるのは、ひつじのことを思うとき、「白い綿くずはひつじ」ということばがあったということを思い出し、そのことばを探しているということだけだ。それは57ページに書いてある。それを確かめた。しかし、それを「過去形」ではな...古根真知子『皿に盛る』

  • ことばに、何ができるか。

    ロシアがウクライナの原発を攻撃した、というニュースがある。https://www.yomiuri.co.jp/world/20220304-OYT1T50163/原子力発電の危うさ。プーチンは「核は使用していない」という詭弁をつかうだろうか。妥協点をみつけることが、むずかしくなるばかり。一気に核戦争に突入しそうな不安。その一方。↓↓↓↓【お知らせ】ヨーロッパ諸国宛てEMS・航空小包の引受一時停止、ラオス宛て航空通常郵便物の引受再開について3/1更新2022年3月2日(水)から、ヨーロッパ諸国等宛てのEMS及び航空小包郵便物について、航空会社による減便及び搬入制限を受け、輸送力が回復するまで引受けを一時停止します。(国際郵便のホームページから)↑↑↑↑こういう小さなニュースがある。そのことを気にするひとは少ないか...ことばに、何ができるか。

  • Estoy loco por espana(番外篇147)Jesus Coyto Pablo

    JesusCoytoPablo"Santoral"100x81Mixta1998¿Estoyviendotodosloscoloresaquí?¿Oestoytratandodeaveriguarcuálessonmiscoloresfavoritosentreloscoloresdeaquí?Esunapreguntaquetambiénmehagosobrelasformasylasletras.Tengoquehacermelamismapreguntasobreeltactodelpincelyelmovimientodelaspinceladas.¿QuérevelayocultaJesúsalpintar?Laexpresiónsiemprerevelayocultaalmismotiempo.Cu...Estoylocoporespana(番外篇147)JesusCoytoPablo

  • 中村美津江「さらさらと」ほか

    中村美津江「さらさらと」ほか(「Picnic」5、2022年03月01日発行)「Picnic」は横書きの俳句誌。私は保守的にできているのか、この横書きの俳句がどうにも「肉体」に入ってこない。頭のなかまでは入ってくるが、そこで動かなくなる。世界は垂直にも水平にも広がっているが、横書きだと「垂直感」が見当たらなくて、途方に暮れるのである。たぶん私は、俳句を「立って」詠むものと感じているのだろう。この「立って」を「歩いて」と言いなおせば芭蕉になる。水平だと、寝たまま(寝たきり)の感じがして、窮屈なのだ。子規になってしまう。こういうことは文学と関係ないかもしれないが、関係があるかもしれない。でも、結論は出さない。そう思ったので書いておくだけである。さて。中村美津江「さらさらと」。大頭たとえば雪の太郎次郎「雪」「太郎次郎...中村美津江「さらさらと」ほか

  • 小松弘愛「竹の落ち葉」

    小松弘愛「竹の落ち葉」(「兆」193、2022年02月10日発行)小松弘愛「竹の落ち葉」を読みながら、きのう読んだ小川三郎「冬」を思い出したのか、きのう小川三郎「冬」を読んだから、きょうは小松弘愛「竹の落ち葉」について書きたいと思ったのか、どちらだろう。小松の詩を全行引用する。里山の裾に車が捨てられていた窓ガラスはなくなり中には竹の落ち葉が積もっていたわたしは竹林の中落ち葉が降り積もった小道に入りしばらく歩いているうちに山道に竹の落ち葉を踏み行けば足の裏より鬱のとけゆく立ち止まり足元の黄色い落ち葉を一枚拾っていとおしむように眺めてみるわたしは竹林の多い村に育ったが竹の落ち葉に心を重ねるのは初めてである先ほどは車の中の竹の落ち葉に一瞥を与えただけで通りすぎたが帰りには足を止めてみなくてはあの落ち葉の声を聞いてみな...小松弘愛「竹の落ち葉」

  • ウクライナとロシア、どう読むか(3)

    ウクライナとロシア、どう読むか(3)ウクライナへの侵攻を強行したプーチン大統領の言動でいちばん不可解なのは「核兵器使用」をちらつかせる発言である。この問題を考えるとき、参考(?)になるのが、3月1日の読売新聞の次の記事。https://www.yomiuri.co.jp/world/20220301-OYT1T50043/露の核兵器配備可能…ベラルーシ改憲承認【モスクワ=田村雄】ベラルーシの中央選管は2月28日、憲法改正の是非を問う国民投票で賛成が65・2%を占め、改憲が承認されたと発表した。投票率は78・6%だった。ベラルーシを「非核地帯」とする条文が憲法から削除され、領内に隣国ロシアの核兵器を配備することが可能になる。ベラルーシにはかつて、ソ連軍の核兵器が配備されていたが、ソ連崩壊後にロシアに引き渡している...ウクライナとロシア、どう読むか(3)

  • 小川三郎「冬」「蝶」「夕方」

    小川三郎「冬」「蝶」「夕方」(「DownBeat」19、2022年02月14日発行)小川三郎「冬」の全行。冬はどんどん枯れていって枯葉一枚になってしまった。今年は春がやってこないで冬ですべてが終わってしまった。山も川も枯れきって空もすっかり枯れてしまってそんな景色の中にいるのに私の心はどきどきしていた。この詩を読んで、私が思ったことはひとつ。最終行「どきどき」をどう言いなおすことができるか。私は、朝日カルチャー講座で、受講生と一緒に詩を読んでいる。そのとき、こういう質問をときどきする。「どきどき」ということばは、誰でもがつかう。つかったことがないひとは、たぶん、いない。おそらく小学一年生でも「どきどき」を理解できる。でも、これを「他のことばで言いなおして」と言ったとき、即座に別のことばで言えるひとはいない。いろ...小川三郎「冬」「蝶」「夕方」

  • ウクライナとロシア、どう読むか(2)

    ウクライナとロシア、どう読むか(2)2022年03月02日の読売新聞(西部版・14版、ただし記事はネットから転写)の1面に、露パイプライン破産手続き/天然ガス事業会社が検討/ロイター報道という記事がある。【ロンドン=池田晋一】ロイター通信は1日、ロシアとドイツをバルト海経由で結ぶ天然ガスパイプライン「ノルトストリーム2」の事業会社が破産手続きの検討に入ったと報じた。パイプラインの建設は2021年に完了したものの、ロシアによるウクライナ東部の親露派支配地域の独立承認を受けてドイツが2月22日に計画凍結を決めたことで、稼働のめどが立たなくなっていた。(略)ルトストリーム2を巡っては、米国が2月23日に事業会社への金融制裁を発表し、英シェルは28日、事業撤退を表明した。これに先立ち、03月01日の夕刊では「サハリン2...ウクライナとロシア、どう読むか(2)

  • ウクライナとロシア、どう読むか

    2022年03月01日の読売新聞(西部版・14版、ただし記事はネットから転写)が4面に「中露北の挑発政府警戒/ミサイル・軍事演習ウクライナ混乱乗じ」という見出しで日本周辺の様子を書いている。↓↓↓↓↓①北朝鮮が27日に日本海に弾道ミサイルを発射した。②中国軍は、22日に東シナ海で新型揚陸艇で上陸訓練実施を公表した。(略)露軍が(ウクライナ)侵攻を始めた24日は戦闘機を台湾の防空識別圏に進入させた。③ロシアは、(略)1月には千島列島や、ロシアが不法占拠する北方領土などでの射撃訓練を実施。2月12日には、露艦隊が米国攻撃型原潜の「ロシア領海侵入」を発見したと発表したが、米側は否定した。↑↑↑↑↑これだけを読むと、たしかに「ウクライナの混乱に乗じ」、中国、ロシア、北朝鮮が極東で何らかの軍事行動を起こしそうな気配が感じ...ウクライナとロシア、どう読むか

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