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  • ♯1921 ワクチンを嫌う若者たち

    新型コロナウイルスのワクチン接種に関し、国際医療福祉大学が東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の20~60代の3129人にアンケート(7/13~15)を実施したところ、回答者の4割が「接種したくない」「あまりしたいと思わない」「様子を見たい」と答えたということです。接種をためらう理由として約7割が副作用への懸念を挙げており、ワクチンは政府が期待するほどには国民の理解を得られていないようです。特に、接種に慎重な姿勢を示す傾向は若い世代ほど顕著に現れており、年代別の回答を見ると、20代では男性の約半数50.1%、女性の58.7%が「接種したくない」「様子を見たい」などと答えているということです。一方、60歳代で接種に対し同様な姿勢をとっているのは、男性では15.1%、女性では25.3%に過ぎないということなので、若年...♯1921ワクチンを嫌う若者たち

  • ♯1920 母国とは?オリンピックに考える

    今からちょうど2年前の2019年7月。韓国・光州で開催されていた第18回世界水泳選手権の競泳女子100メートルバタフライの決勝戦で金メダルを獲得したカナダのマーガレット・マクニール選手は、その表彰式において2位、3位の選手とともにハートの文字と「ネバーギブアップ、リカコ・イケエ」と書かれた手のひらをカメラに向け、当時白血病に苦しんでいた日本の競泳女王を激励しました。彼女は池江選手と同じ歳の(当時)19歳。女子100mバタフライは池江選手が得意としている種目の一つで、本来であればこの大会でも、池江選手は彼女たちのよきライバルとして共に戦っているはずでした。この表彰式の動画はYouTubeに載って全世界に配信され、池江選手のもとにも数々の応援メッセージが届けられたということです。マクニール選手は表彰式後のインタビュ...♯1920母国とは?オリンピックに考える

  • ♯1919 開催前のネガティブムードは「いつものこと」

    「第5波」ともいわれる新型コロナの感染拡大が続く中、政府やIOCの主導により開催が決まった東京五輪大会に反対の立場から世論を引っ張ってきたのが、民放各局の(いわゆる)ワイドショーです。しかし、いったん競技が始まるや立ち位置を一転させ、連日、日本人選手の活躍ぶりを熱狂的に伝えるその姿勢に、ネット上では「手のひら返し」の言葉がトレンド入りしたとの報道がありました。中でも、リベラルの立場から政府や主催者に対し辛辣な言葉を浴びせてきたテレビ朝日に対しては、メダルラッシュが続く日本選手団の奮闘を特番を組んで取り上げる状況などを疑問視する声が殺到しているということです。実際、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会には、開会式直前まで猛烈な逆風が吹きつけていました。ロゴマークの選定や国立競技場のデザイン問題から始まり...♯1919開催前のネガティブムードは「いつものこと」

  • ♯1918 医師会は責任を果たしているのか?

    新型コロナウイルス感染症への対応が、全世界の、そして日本の最も緊急でしかも最大の政策課題となって、すでに1年半の月日が経とうとしています。この間、パンデミックは第3波、第4波と世界を襲い、ここ日本でも国民の安全と経済の安定の狭間で一進一退の政策調整が行われてきました。国内でも、コロナ制圧のゲームチェンジャーと目されるワクチン接種は徐々に軌道に乗りつつあるようですが、変異を続け感染力を増しつつあるウイルスを前に、首都圏や関西圏などではコロナに対応できる病床は未だひっ迫しており、医療崩壊の恐れもまだまだ無くなったわけではありません。感染拡大や医療崩壊を防ぐには、国民の行動抑制がどうしても欠かせない。そうした観点から、オリンピックの中止をはじめとした大規模イベントの制限や飲食業界への規制など、歯に衣着せぬ物言いで政府...♯1918医師会は責任を果たしているのか?

  • ♯1917 ある夏の夜の公園で

    1年先送りされたオリンピックも(すったもんだの末に)いよいよ開会が目前に迫り、コロナの感染拡大が続く東京の街も開会式への期待に沸き立っていた7月22日の午前2時ころ。一人の中年男性が埼玉県富士見市内の公園で埼玉県警の警官から職質を受け、いったんは逃走を図りましたが追いつかれ深夜の街で逮捕されていました。報道によれば、この時身柄を拘束されたのは、埼玉県内に暮らす東京都豊島区の健康担当部長の某氏55歳。大手新聞各紙には、氏名もしっかり公表されていますので、職場や地元では相当の話題になっていることでしょう。入間東署によれば、容疑者は22日午前1時50分頃、富士見市西みずほ台の公園で下半身を露出したとして、「公然わいせつ」の容疑で「現行犯逮捕」に至ったとのこと。警察の調べに対して同容疑者は、「スリルを感じたかった」と供...♯1917ある夏の夜の公園で

  • ♯1916 乱暴な開発行為のツケ

    蒸し暑さが続く7月3日。折からの梅雨前線停滞に伴い全国的に記録的な大雨が続く中、土曜日の午前中のテレビ画面に突然映し出された静岡県熱海市の土石流の映像は、週末のんびりした各家庭の空気を一瞬にして凍り付かせたものと思います。急峻な斜面に張り付く家々の間を縫う谷筋を、大量の土砂とともに鉄砲水が流れ下りてくる。建物や自動車を薙ぎ払い、平穏な日常生活を一瞬にして押し流す自然の力の恐ろしさに誰もが息を飲んだことでしょう。その光景は、私たちの暮らす家や道路や様々なインフラが、いかに脆弱な基盤の上に成り立っているのかを改めて思い起こさせるとともに、住民の生命を脅かすような災害がいつどこでも起きうることを痛感させるものとなりました。とはいえ、あの映像を見て、「これは普通じゃないな」と一瞬で感じたのは私だけではなかったでしょう。...♯1916乱暴な開発行為のツケ

  • ♯1915 オリンピックが始まった

    東京の、暑い夏のオリンピックが始まりました。テレビカメラの向こうでは多くのアスリートの熱戦が繰り広げられ、エアコンの効いた部屋の中での応援にも思わず力が入ります。チャンネルを次々に変えながら、水球だとかホッケーだとかテコンドーだとか、普段あまり見慣れないスポーツに様々な発見をすることも、オリンピックの楽しみ方の一つだと改めて気づかされたところです。新型コロナをはじめとした多くのトラブルを抱えながらも、始まってしまえばもう誰にも止められない。そうした「成り行き」というか「開き直り」というようなものの中でも、競技スケジュールは様々なドラマを生み出しながら進んでいきます。開催自体に疑義を唱えていた各種メディアも、気が付けばオリンピックの熱気に乗っかって、(何事もなかったかのように)金だ銀だとハイライトシーンの再放送を...♯1915オリンピックが始まった

  • ♯1914 効率的なコメづくりを進めるために

    ゴールデンウィークも終盤に差し掛かったある日、友人の誘いを受け、初夏の日差しで汗ばむ陽気の中を生まれて初めてグライダーという乗り物に乗りました。印旛沼にほど近い河川敷から離陸し、関東平野を流れる利根川に沿って上昇気流を探しながら舞い飛んでいく。筑波山や成田空港を遠目で目で見ながら、眼下の田園風景を静かな風の音を聞きながら眺めるのは、これまで知らなかった全く新しい体験でした。折しも、見渡す限りに広がる水を引いたばかりの田圃では、農家の皆さんによる田植え作業の真っただ中。大区画にきれいに整備された水田のあちらこちらで、大型のトラクターや田植え機が効率よく動いている様子が手に取るようにわかります。実は、水を引いた水田の上空には上昇気流が生まれにくく、(友人によれば)そこをうまく避けつつ住宅地や森林の上を選んで飛ぶのが...♯1914効率的なコメづくりを進めるために

  • ♯1913 始まった「週休三日制」への議論

    多様な働き方の実現、リカレント教育の環境整備などの観点から、政府の経済財政諮問会議において(希望者が週3日休めるようにする)「選択的週休3日制」の導入の議論が始まったとの報道がありました。今年4月には自民党内に設置された一億総活躍推進本部も選択的週休3日制の導入支援を政府に提言しており、6月に策定される予定の政府の「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)にも盛り込まれる見込みとされています。日本で週休二日制が一般に浸透するようになってから30年以上の月日を経て、いよいよ週休三日制が具体的に議論されるようになったかと、感無量に思う向きもあるかもしれません。選択的週休三日制が導入されれば、育児・介護、治療、学業、ボランティア、兼業・複業など、様々な事情を抱える人々にとって仕事との両立がしやすくなる。企業は企業...♯1913始まった「週休三日制」への議論

  • ♯1912 コロナの医療機関支援は機能しているか?

    新型コロナ感染症の拡大が示した、「環境の変化にシステムが有効に機能し得ない」という日本の地域医療体制のレジリエンスにかかる大きな問題点について、7月6日の日本経済新聞に、津田塾大学教授の伊藤由紀子氏が「適応力高める制度設計をコロナが示した医療の課題」と題する論考を寄せています。※なお、内容がかなり専門的なので、言葉が足りずわかりにくいところはご容赦ください。氏によれば、ここで言う「レジリエンス」とは「自身の自律的な力により環境の変化に柔軟に適応し、悪い状態から回復する能力」のことだということです。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、昨年度2020年度の1年間だけで、実に4.6兆円に及ぶ緊急包括支援交付金などの医療機関支援策が講じられた。そのうち20年度末までの交付額の約4割が、新型コロナ患者の受け入れ病床を確...♯1912コロナの医療機関支援は機能しているか?

  • ♯1911 コロナ病床の確保はなぜ進まないのか

    日本医師会会長の中川俊男氏は6月23日の会見で、6月18日に閣議決定された政府の「骨太方針2021」に関しコメントを行っています。氏はここで、新型コロナウイルス感染症の影響で減少した病院収入を補填するという政府の方針を評価するとともに、診療報酬だけでなく「補助金」を積み増しし、後方支援を行う一般医療機関も含め幅広く支援するよう(改めて)政府に求めています。地域では(直接コロナ患者を受け入れていない医療機関も含め)全ての医療機関が一体となって、新型コロナウイルス感染症に対応している。コロナによって経営が逼迫されている医療機関は多く、コロナ患者の受け入れを許容することを前提に空床への支援などを行っている現在の(支援金の)枠組みは片手落ちだというのが氏の主張するところです。つまり、コロナによって医療機関はどこも影響を...♯1911コロナ病床の確保はなぜ進まないのか

  • ♯1910 忘却されていく野辺送り

    戦後のベビーブームの時代に生を受けた「団塊の世代」の多くがいよいよ75歳を迎え、いわゆる「終活」に向けた準備を始める時期となりました。その一方、日本国内では昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、葬儀の簡素化が一気に加速していると3月23日の「日刊ゲンダイDEGITAL」が伝えています。ソーシャルディスタンスの確保を基本とする新しい生活様式には、それにふさわしい新しい葬儀様式が求められていると記事はしています。確かに、感染リスクの高い高齢者が集まることの多い葬儀や告別式に、弔問客や参列者を招かないのはもはや普通のこととなりました。もとより葬儀の簡素化は核家族化の時代の趨勢として進んでいたようですが、最近ではご近所や周囲にも積極的に走らせない「家族葬」が主流となり、初七日などの法事を省略するのは当たり前です。...♯1910忘却されていく野辺送り

  • ♯1909 中国は何を焦っているのか

    6月13日まで英国のコーンウォールで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、中国に対して人権問題の改善や、台湾海峡の平和と安定を求める首脳宣言を採択し閉幕しました。今回のサミットにおける宣言の特徴は、G7などの先進各国と様々な分野で対立を深める同国に対し気候変動対策等での協力を謳う一方、香港や新疆ウイグル地域などにおける人権の尊重を(一致して)求めているところにあると言えます。さらに首脳声明では、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の維持の重要性や台湾海峡の平和と安定の重要性が強調されるとともに、東シナ海と南シナ海における現状変更等の一方的な試みに強く反対することなども明記されるに至りました。一方、中国共産党系日刊紙の「環球時報」(電子版)は14日、こうしたG7首脳声明に反発し「西側の大国が、中国へ...♯1909中国は何を焦っているのか

  • ♯1908 「戦狼外交」の背景にあるもの

    中国政府が「戦狼(せんろう)外交」といわれる好戦的な外交姿勢を強めることで、国際社会との摩擦が目立ってきています。中国共産党が7月1日に開催した創設100年の祝賀式典において、習近平党総書記(国家主席)は党が「偉大な飛躍を実現した」と強調し、米国に肩を並べる「強国」の建設に邁進していく方針を改めて表明しました。また、国際社会が、中国が香港や新疆ウイグル自治区で行っている弾圧を重く見て圧力を強めている状況に対し、「外部勢力がいじめや抑圧を行い、我々を奴隷扱いすることは決して許さない」と語ったとされています。中国国内では、こうした政府の挑発的な姿勢について、習近平国家主席が号令をかける「大国外交」の象徴として歓迎する声が大半を占めているということです。一方、国際社会の世論の中では、中国の対外的な強硬姿勢は諸外国との...♯1908「戦狼外交」の背景にあるもの

  • ♯1907 仕事の「当たり前」を疑う

    日本経済新聞社と転職サービスのパーソルキャリア社が今年3月に行った調査(個人約1万6千人、法人383社を対象)において、新型コロナウイルス禍を契機として働き方や働く場所についての認識が(労使ともに)大きく変化している様子が明らかになったと6月6日の日経新聞が伝えています。コロナ禍で企業が新たに導入・拡大した対策では、「ウェブ会議システムの整備」が79.4%と最も多く、「テレワークの導入・拡大」も68.1%に達していて、47.3%はコロナ禍の収束後も継続すると答えている。テレワークの導入を機に転勤や単身赴任の廃止や中止を決定・検討している企業も1割前後あったほか、本社の移転・縮小を検討している企業もが全体の11.5%(東京都の企業に限れば21.5%)に上ったということです。また、働き手の意識の変化について、個人に...♯1907仕事の「当たり前」を疑う

  • ♯1906 実戦配備されるキラーロボット

    総合情報サイト「文春オンライン」において、軍事アナリストの小泉悠氏が各国で実用化されつつある無人兵器について解説しています。(「超ハイテク攻撃の衝撃21世紀の戦争はこう変わる」2020/01/22)2020年の中東情勢は、米軍によるイランのソレイマニ将軍暗殺という衝撃で幕を開けた。そのソレイマニ将軍を殺害したのは、対戦車ミサイルなどの武器を最大で1.7トン搭載して14時間は飛び続けられる性能を持つ米空軍のMQ-9リーパー無人機であったと氏は話しています。偵察・監視から攻撃まで幅広い任務をこなせるこうした無人機は、今や中東の戦場を中心にあらゆる軍事作戦に(ごく普通に)投入されています。米軍ではCIA(中央情報局)の指揮下で重要人物の暗殺に使われることも多いとされており、日本の自衛隊も2035年をめどに人工知能(A...♯1906実戦配備されるキラーロボット

  • ♯1905 「フリーライダー」を排除するための努力

    近年、メディアなどで(それまであまり聞いたことがなかった)「フリーライダー(freerider)という言葉をよく耳にするようになりました。フリーライダーは、公共財のような非排除性があるサービスについて、対価(供給に要する費用)を支払わないで便益を享受する者を指す経済用語で、日本語にわかりやすく訳せば(いわゆる)「タダ乗り」のこと。自分は何のコストもリスクも負担することなく、その他大勢の努力の成果にちゃっかりと乗っかり、メリットだけを享受する不届き者(?)を指す言葉とされています。外国人労働者・その子女に対する(教育や福祉などの)コストは負担せず安い労働力だけを求める企業、タックスヘイブンに本社を置き課税を免れながら各国のインフラを使って利益を上げるグローバル企業などがしばしば引き合いに出されますが、もっと身近な...♯1905「フリーライダー」を排除するための努力

  • ♯1904 彼はなぜ「恫喝」と批判されるのか

    政府が新型コロナウイルス特別措置法に基づき東京都に4回目の緊急事態宣言を発令するに当たり、西村康稔経済再生担当大臣が7月8日の記者会見で打ち出した対策が大きく批判を浴びています。西村大臣は会見で、コロナ特措法に基づく休業命令などに従わない飲食店に対し「法律に基づく要請や命令なので、順守していただけるよう金融機関からも働きかけを行っていただきたい」と話し、金融機関を通じて「圧力をかける」方針を表明しました。しかし、この対応は法律的な根拠が不明確なうえ、経済的な苦境に立たされている飲食店を政府がその地位を利用して「恫喝」する(権力的な)態度だとして、メディアや野党ばかりでなく与党サイドからも厳しい反発を受けるに至りました。もともと、飲食店によるアルコールの提供や営業時間の自粛は、新型インフルエンザ特措法に基づく要請...♯1904彼はなぜ「恫喝」と批判されるのか

  • ♯1903 コロナウイルスの起源と中国への不信感 ②

    折しも、中国共産党創立100年の節目を迎え、人民に対して共産党一党支配の正当性を高らかに奉じ他国の圧力を容認しない姿勢をアピールする習近平指導部において、コロナウイルスの起源に関して国際社会が中国に向ける疑念はまさに「目の上のたん瘤」と言えるのかもしれません。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、「新型コロナウイルス起源解明の更なる調査を行わない場合中国は国際社会で孤立に直面する」と述べたことについて、中国外交部(外務省)の趙立堅報道官は6月21日、「米国の発言は露骨な恐喝であり脅迫だ。中国は強い不満と断固たる反対を表明する。」と語気強く反発したと伝えられています。「感染拡大が発生して以来、中国は終始開かれた透明性ある姿勢で感染防止・抑制や診療に関する経験を余すところなく各国と共有してきた」(だから...♯1903コロナウイルスの起源と中国への不信感②

  • ♯1902 コロナウイルスの起源と中国への不信感 ①

    6月上旬時点の数字で世界中で1億7000万人以上が罹患し、約370万人の命を奪っている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、どのような経緯、経路で人間へと広がっていったのか。アメリカのバイデン大統領は5月26日、政府情報機関に対し、動物からの感染からウイルス研究ラボからの検体流出まで、様々な可能性を詳しく調査し感染拡大の原因を90日以内に究明するよう指示したと、多くの米国メディアが伝えています。これまで、新型コロナウイルスの起源について行われた唯一の公式な調査は、世界に向けて大きく報道された世界保健機関(WHO)によるものです。この調査では、国際的な研究者のチームが中国を訪れ最初のアウトブレイクをもたらした可能性がある4つの可能性を調査しました。しかし、3月30日に公表された報告書を読む限り、ウイルス...♯1902コロナウイルスの起源と中国への不信感①

  • ♯1901 立花隆氏の残した言葉

    4月30日に80歳で亡くなった評論家の立花隆氏。気鋭のジャーナリストとして田中角栄元首相の金脈問題に鋭く切り込み一躍脚光を浴びて以降、現在まで続く「政治と金」の問題を世に問うてきました。その後も多くの社会問題に様々な観点から向き合い、人間のあり様を興味の赴くまま全力で追求するその姿勢は、戦後日本のジャーナリズムを支える「知の巨人」に例えられてきました。そんな立花氏は、1996年に東京大学駒場キャンパスでゼミを開講し、以来およそ15年間にわたり多くの教え子を各界に送り出してきたことでも知られています。2010年6月26日に当時70歳だった立花氏が最後のゼミ生に向けて行った(実に6時間に及ぶ)最終講義は、氏とゆかりの深い文藝春秋社により『二十歳の君へ』としてまとめられています。6月26日の「文春オンライン」では、氏...♯1901立花隆氏の残した言葉

  • ♯1900 「コミュ力」モンスター

    今秋にも実施される衆議院の解散総選挙を占う前哨戦と目されていた7月4日投開票の東京都議会選挙も、終わってみれば(誰が「勝者」なのか)与野党伯仲のうちに幕を閉じ、過労で入院していた(はずの)小池都知事の発信力ばかりが目に付く結果となりました。ここ数年、首都圏で大きな選挙があるたびにその一挙手一投足が報じられ、常に話題の中心にあるのが小池百合子という政治家です。こうしたことから、一部には彼女を「政局の鬼」「言葉の魔術師」などと揶揄する向きもあるようですが、東京オリンピックやコロナの洗礼を受ける中、近年では東京都知事の枠を超えますますその存在感を増しているように思えます。なぜ、状況が混乱すればするほど小池都知事は注目され、「小池劇場」の主役として光り輝くことができるのか。7月8日の総合経済情報サイト「東洋経済ONLI...♯1900「コミュ力」モンスター

  • ♯1899 倒れても本望

    一時は、自民党が都議会第一党を奪還し、自民党と公明党合わせて過半数を占めるのは確実だと予想されていた7月4日の東京都議会議員選挙。蓋を開ければ、小池百合子都知事を支持する都民ファーストが(意外な)踏ん張りを見せ、第二党にとどまることで自公過半数を阻止する大きな原動力となりました。思えば、4年前の都議選において、小池百合子東京都知事が創設した地域政党「都民ファーストの会」が大躍進し、都議会第一党となったことは記憶に新しいところです。しかし、その後大きく動いた政治情勢に翻弄された都民ファーストは勢いを失い、今回の選挙戦における命運は小池氏の支援に委ねられていたといっても過言でありません。そうした中での小池知事の入院騒動は、国政進出に関して自民党との間で(何らかの)密約があるのでは…といった様々な憶測から、国の政局も...♯1899倒れても本望

  • ♯1898 日韓の歴史を清算するために

    「中央日報」と言えば、1965年に創刊された韓国三星財閥系の日刊紙で、韓国内で発行されている代表的な保守系有力紙として知られています。一方、そもそもの夕刊紙としての成り立ちから、その主張は実利主義・現実主義を標榜しており、朝鮮日報や東亜日報に比べれば政治的な立ち位置はさほど明確でなく、保守色は(若干)弱いという評価もあるようです。そうした中央日報の6月29日の日本語版サイトに、作家のキム・ギュハン氏の筆による「コンプレックス民族主義と歴史清算(中央時評)」と題する論考記事が掲載されているのを目にしました。戦前の日本統治下における植民地支配への賠償問題に加え、大戦中の(いわゆる)慰安婦や徴用工の問題など、何か感情的になりやすい日韓関係の(特に韓国側の)見方について、ある意味落ち着いて自制的に整理されていると感じた...♯1898日韓の歴史を清算するために

  • ♯1897 「人様に迷惑をかけない」の呪縛 ②

    6月19日の東洋経済ONLINE(「日本人はなぜ、ベビーカー運びを手伝えないか」2020.6.19)において、コミュニケーション・ストラテジストの岡本純子氏が、『何しろ(日本は)「自己責任」と「迷惑」の国。「人様に迷惑をかけてはいけない」「自分で責任を取れ」「誰かに頼るな」ということを(小さな頃から)刷り込まれ、人の厚意を素直に受け取ることができない人も少なくない』と話しています。確かに、日本人の中には、(勇気を振り絞って)電車の中でお年寄りに席を譲ろうとしたのに無下に断られたり、駅の階段でベビーカーを運ぶのを手伝おうとして不審の目を向けられたりして傷ついた経験を持つ人も多いでしょう。また、そうした感覚が身についていればこそ、(実際に拒絶された経験はなくても)「親切心で声をかけるのは迷惑に違いない」と思い込み、...♯1897「人様に迷惑をかけない」の呪縛②

  • ♯1896 人様に迷惑をかけてはいけないのか ①

    6月19日の東洋経済ONLINEに、コミュニケーション・ストラテジストとして知られる岡本純子氏が「日本人はなぜ、ベビーカー運びを手伝えないか」と題する興味深い話題を提供しています。岡本氏はニューヨークで子育てをしていた頃、エレベーターのない階段などで、何度となく見知らぬ人にベビーカーの上げ下げを手伝ってもらったということです。一般に怖い場所として恐れられているニューヨークの地下鉄でも、通りがかりの人が「MayIhelpyou?」とごく自然に声をかけてくれる。「困っている人がいたら、助けてあげる」という当たり前のことを、当たり前にしてくれる人がこの街には大勢いたと氏はこの一文に綴っています。一方、帰国してショックだったのは、そういう日本人の姿をあまり見かけないことだった。重い荷物をもった人や高齢者など街中で「困っ...♯1896人様に迷惑をかけてはいけないのか①

  • ♯1895 将来世代への付け回し

    5月11日、財務省は政府が発行した国債の残高に、借入金、政府短期証券などを加えた「国の借金」の合計額が、2020年度末で過去最大の1216兆4634億円に達したと発表しました。昨年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に3度にわたり大型補正予算を編成したことなどにより、前年度末との比較で101兆9234億円の増額となり、1年間の増加額も過去最大となりました。1216兆円と一口に言っても規模感はなかなか伝わりませんが、例えば2020年(11月1日)時点の日本の推計人口1億2320万人で単純に割り込むと、1人当たりの借金は約987万円と、赤ん坊からお年寄りまで約1000万円の借金を背負っている計算です。この状況を家計に例えると、月収が40万円しかないにもかかわらず月に75万円ものお金を使っていることになり、結果、...♯1895将来世代への付け回し

  • ♯1894 予算の使い残しは問題か?

    新型コロナウイルスの感染拡大と経済への影響を受けて、2020年春から積み増してきた国の補正予算73兆円のうち、半分近い約30兆円が使い残されていることがわかったと6月24日の日本経済新聞が伝えています。コロナ関連予算のうち家計や企業への支払いを確認できたのは約35兆円と名目国内総生産(GDP)の7%程度で、GDPの13%を支出した米国と比べ財政出動の効果が限られる展開となっていると記事はしています。危機脱却へ財政ニーズが強い時にもかかわらず、認められた予算枠の実に4割を使い残す異例の事態は、日本のコロナ対応の機能不全ぶりを映し出しているというのが記事の指摘するところです。確かにコロナ感染症の影響で多くの人々が経済的に苦境に立たされる中、国民一人あたりに約30万円を配れるほどの多額の予算が手つかずでただ保管されて...♯1894予算の使い残しは問題か?

  • ♯1893 コロナ禍なのに税収は過去最高

    2020年度の国税収入が60.8兆円程度と、バブル期を超え過去最高を更新する見通しになったと6月30日の大手新聞各紙が報じています。財務省は昨年12月時点で20年度の税収をおよそ55.1兆円と見込んでいました。しかし、その後の申告状況により懸念された新型コロナウイルスの影響は限定的と判断。結果、税収は想定よりも約5兆円上振れするとし、現在は過去最高だった18年度の60.4兆円を超えるとみて精査しているということです。財務省はその主な理由として、20年度は法人税が前年度比4000億円増の11.2兆円、消費税が同2.6兆円増の21兆円へと伸びを見せ、所得税もほぼ前年度なみの19.2兆円で推移したことなどを挙げています。中でも、約8兆円とみていた法人税は携帯電話やゲーム、自動車、食品といった産業の業績が好調で、見込み...♯1893コロナ禍なのに税収は過去最高

  • ♯1892 ワクチンを拒む人へのメッセージ

    国立精神・神経医療研究センターが今年の2月に実施し、6月25日に発表した新型コロナウイルスワクチンに関するインターネット調査結果によると、ワクチンを「接種したくない」と回答した人は全体の1割強(11.3%)の割合だったということです。この割合が多いのか少ないのかは意見の分かれるところでしょうが、私の周囲でも「打つつもりはない」との声を結構聴くので、私自身、少なくともこの程度は(「そんなもの打ちたくない」という人が)いるような気がしています。調査によれば、ワクチンを打ちたくない理由の第一位は「副作用への懸念」で全体の7割を占め、特に若い女性でワクチン接種をためらう傾向が強かったということです。また、ワクチン接種をしたくないその他の理由としては、約2割が「効果があるとは思わない」を挙げたほか、「ワクチンを打ちに行く...♯1892ワクチンを拒む人へのメッセージ

  • ♯1891 コロナでも、東京都政は「待ったなし」

    7月4日投開票の東京都議会議員選挙は、オリンピック後に予定されている衆議院の解散総選挙を占う試金石として、梅雨空のもとでもそれなりの盛り上がりを見せているようです。新型コロナの感染拡大が収まらない中、オリンピック・パラリンピックの開催問題を前に国の政局も大きく動いています。自民党と小池百合子都知事との間に何があったのかはわかりませんが、オリ・パラの行方やコロナ対策、都の財政問題などを背景に、小池知事側にも一時の元気はありません。投開票まで2週間を切った6月22日には、しばらく息をひそめていた小池百合子都知事がいよいよ「過労」により身を隠し、ゴッドマザーに見放され、取り残された「都民ファースト」「小池チルドレン」の面々も心安らかではいられないことでしょう。そうした中、6月30日のニュースサイト「Newsweek日...♯1891コロナでも、東京都政は「待ったなし」

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